267 【突発誰歓】蔵書点検の狭間に【5発言RP】
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[比較的朗らかなこの図書館の中で、 何処と無く浮いた存在に見える、一冊の本。
彼は、伝記なのだという。 生憎と男は、その人物を知りはしないが その伝記の主人公である"彼"の事なら、 僅かなりとも知っている。
だが、共感出来るかと言えば別の話。 自由が無いというのも、 優しい本の多い中、それにそぐわない所も。 似ている様にも思えるが、 心の有り様は、きっと 全く違うもの。 なにせ男には、抗う心など無いのだから。 出来るのは、絶望を受け流すだけ。
……こんな事を言ったら、 また あの坊やに怒られてしまうだろうか。 憎悪されるのもそれはそれで、悪くはないと思うが]
(25) 2017/07/19(Wed) 09時頃
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やあ、お兄さん。今日は良い夜ですね? ま もう少しで夜が明けてしまいますけれど。
[昼間は外に出てはいけないというルール。 裏を返せば、夜明け前には 本の中へと戻らなければならないという事。
それを破った結果を、男は詳しくは知らない。 館長のする忠言を、聞いた事が無かったから。 落丁が出るのだとは知っているが、 その後ちゃんと、戻る事は出来るのか。
もしかしたら、もう戻る事は許されないのやも。 いいや、流石にそれは無いか。 そうだとしたら、もっと厳しく言い付けられるだろう。
……そんな発想の元、ふ と考える。 主人公が居なくなった物語は、どうなるのだろう?]
(26) 2017/07/19(Wed) 09時頃
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[それは例えば、自分と彼の様な。 居なければ話が進まない存在が、 余さず抜け落ちてしまったのなら。
その物語は、 ……どうやって紡がれていくのだろう?]
────……ふむ。
[気になってしまえば、もう駄目だ。 実行しなくてはいられない……だから、]
お暇なら、ちょっと暇潰しでもどうですか? 一緒に夜明けを見ましょうよ。
[言うなればこれは、共犯の誘い。 定められたルールを、共に破ってみないか と]
(27) 2017/07/19(Wed) 09時頃
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[叱責なぞ、最初から恐れてはいないが。 一人で破るよりも、二人で破る方が愉しいだろう? そんな、餓鬼の様な思考の元。
ソファの上、組んでいた足を下ろせば立ち上がり、 傍に居るだろう彼へと手を差し出す。 その手には、彼が扇動しただろう同志達の様な 信頼も、思慕も込められてはおらず]
きみは抗うのがお好きな様ですし。 一つ、此処でのルールにも抗ってみましょうよ。
[笑みも浮かべず、愉しげな口調。 それはまるで、甘言を並べる悪魔の様に。
ゆらり、催促するみたいに、掌を揺らして]
(28) 2017/07/19(Wed) 09時半頃
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[────その掌は、取ってもらえただろうか。 取られなかったのなら、此方から取ってしまおう。 そうして、近くのソファへ導いて。 日が昇るまで、他愛の無い話でもしてみせよう。
穏やかな、朝の光。 それが一冊一冊を照らし出す情景を 飽くまで眺めたのなら、男もそれで満足した筈。
だから そこで、月下の共犯者の話はお終い。 けれど、その日から 男の記された本が、真っ白に落丁する事が増えたろう。 どうせ読む者も居なかろうと、 幾らお小言を貰ったとて、それは変わらずに。
その時に、隣に誰かが居たかは、解らないけれど*]
(29) 2017/07/19(Wed) 09時半頃
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