248 【半身内・R18薔薇】一夜のオシカケ恩返し
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[イヌに頬を舐られ(>>0:141)、ウサギとひとつになった瞬間の喜びを思い返す。あたたかな口元にシャクと齧られ、瑞々しい茎に喜びが迸った、あの瞬間を。すると、ブロッコリー農家で日々かけられていた「美味しくなれよ」「食ってもらってなんぼってもんだ」という言葉が脳裏に蘇る。
食ってもらってこその命。 こうして蘇った魂のようなものでさえ、誰かを喜ばせる糧になりたい]
それは、交尾……とは違うもののようだが 良いものなんだろうな
[騒ぎの最中、新たに届いた手紙や荷物。ホレーショーを見ると、どこどなく困った風ではあるものの。残留した感謝が具現化したブロッコリーの感性は、包みや封筒に込められた想いのようなものを感じ取った。それを温かなものだと感じた。
陽を浴び育つ野菜は、温かなものに力を貰って。 喜びを作れやしないか……って想いは膨らんだ]
(13) 2016/06/10(Fri) 01時頃
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そうか……生では食いにくいのかもしれないな 悪かったな、気付かなくてさ
[膨らんだ想いは逸り、勘違い。 テレビ画面で“交尾”する男たちも汗を滲ませていた。 アツイ方が美味いのかもしれない。
気付けばすぐさまブロッコリーは立ち上がり]
鍋を借りても構わないか?
[鍋……には到底おさまりきらないこの体を茹でられるものを求め、ずかずか風呂場へ入っていくのだった**]
(14) 2016/06/10(Fri) 01時頃
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―― 風呂場 ――
[茹だるつもりが、湯の作り方がわからない。 半端に残っていた衣類を剥ぎながら、蛇口やシャワーヘッドを覗きこんだり突いたり。叩いたり撫でたり。指先で弾き、頬を寄せ、前髪を手の平で持ち上げて凝視もした。試せることを片端から試し、その果てようやく、カランを捻った。
ザザザ――シャワーから水が降り。 雨を思い出し、しばしうっとり]
…………なんだ、 いや 気のせいか――?
[――うっとり中、背後に“何か”を感じた。>>@0 視線?気配。何だ。振り向いても、濡れた髪と降り注ぐ水の他は壁しか見当たらず。ぞわりと込み上げる悪寒のようなものに、肩を震わせた]
(32) 2016/06/10(Fri) 22時半頃
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[依然としてシャワーから水は降り、ブロッコリーは潤う。 吸い上げる根はなくとも、水場の居心地良さは感性も磨く。
背後の気配――姿は見えるのか、見えないのか、見える気もする、見ようと思えば。心眼活目。気迫がモノを言う。そもそもこのブロッコリーも魂魄のようなものだし。見えるだろう。……そんなこんなで、確かに聞こえた「背中を」という申し出を訝り、シャワーの水流から抜け出して、何者かに近寄る。
じりじり近寄る。顔を突き合わせるように]
もう土は着いちゃいない、が……いや 俺は……どこかまだ、汚れてるか?
[じりじり近寄る。額がぶつかりそうな程。 物理的にぶつかるのかどうかはわからないが。 ぶつからないなら、重なり、混じる程]
(36) 2016/06/10(Fri) 23時頃
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見つけた
[ピント調節の要領で、焦点をずらしたり近付いたり目を細めたり近付いたり首を捻ったり近付いて。ゴツ……と額が重なった感触をきっかけに、幽霊の姿形を明瞭に捉えた。
もっともよく見える位置はここ。 距離はほとんどゼロ。うろたえる気配も伝う、すぐ傍。 なのでブロッコリーは額を合わせたままで「ふ」と笑い]
(45) 2016/06/10(Fri) 23時半頃
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あぁ……美味そうに、見えるか? 湯にくぐらせると、もっと良い色になるんだが
――そうだ、オマエ……調理の経験は?
[肌ツヤは地味によろしいブロッコリー。 なんたってビタミン豊富な栄養に満ちた体だ。
この体をどうにか最高の状態にして皿に乗せられやしないかと考えたところ。他の来客たちとは違い、どこか人間らしく見える幽霊に希望を見た。そして単刀直入に訊ねる。ひとまず、応えを聞くまで逃すまいと、幽霊の腕を掴みながら。]
(46) 2016/06/10(Fri) 23時半頃
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