56 いつか、どこかで――狼と弓のワルツ――
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――回想・礼拝堂――
[ムパスピスの真心>>2:99には、まだ実感が沸かぬまま 自分中心にしか物事を考えられない、幼いままの心 それでも、神父の言葉は、じんわりと身体に沁み渡る]
ありがとう、ございます……
[貰った礼拝堂の鍵を、きゅ、と胸に抱いた
祈りしか出来ない自分 戦が始まってしまえば、前線に出る事も出来ない
狼の咆哮が、身体の奥底に響いた気がした 弓の矢尻が、身体の中心を貫いた気がした
父親が作った騎士団 共に戦い高め合う為の騎士団 それは、ローズマリーにとっても、誇りなのだから]
(1) 2011/07/02(Sat) 01時頃
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絶望は、致しませんわ それこそ、騎士達に対する侮辱ですもの
ありがとうございます、神父様 少し、心がすっきり致しましたわ…
[それから、神父を見送ると、もう少し祈っていただろう
歪みを抱える心は、まだ上手く抑えられない 愛も、憎しみも、ただ見据えるしか無い 昨晩の食堂での出来事は、心にくすぶり続けている 今更引けなくなった、というのも、正しいのかもしれない
神父が、致命傷を負った事も 彼を慕っていた少年が巻き添えとなった事も ベネットが、イアンを庇って倒れた事も
そうやって、血が流れてゆく]
(3) 2011/07/02(Sat) 01時頃
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[礼拝堂から外に出る。鍵を持ち出すのは憚られ、扉は閉めず
――ひゅん あまりにも小さな音、首元に刺激 それと共に、身体がすうと浮き上がり
『ローズマリー様!』
身体が壁に押し付けられる痛みと ローズマリーを庇うように覆い被さるノーリーンの暖かさ
『居たぞ!こっちだ!』
騎士の声と共に、ばたばたと走る音 ノーリーンの肩越しに見えた、逃げる人影は]
(テオドール……)
[それは、かつてセシルの側にいつも控えていた、青年の顔に他ならなかった ローズマリーを庇ったノーリーンの血で、公女の身体は、赤く染まる]
(50) 2011/07/02(Sat) 18時半頃
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――遺体安置所――
[据えられた、その身体 被せられている白い布を避ければ、それは確かにベネットのもので]
ベネット様、どうして、で、す……? お父様の道を、お継ぎになった直後ではありませんの……
早世の道を真似ても、どうしようもありませんのよ!
[涙声で叫べば、そのままうずくまる 首筋がずきりと激痛を放ち、うう、と声を漏らした
首に巻かれた包帯は、先程のテッドの攻撃により、受けたもの ノーリーンに突き飛ばされたお陰で、首だけで済んでいる そうでなければ、首を綺麗に落とされていただろう
ローズマリーを庇ったノーリーンは、未だ意識が戻らない テッドの行方も、知れない]
(51) 2011/07/02(Sat) 19時頃
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どうして、こんな事に、どうして……
[セシルの側に仕えていたテッドがここに居る オスカーが捕虜とした事は知らなかったが どちらにせよ、セシルは明確にこちらに向けて敵意を放っているという事に他ならない もう、元には戻らない
涙を流し続けるも、暫くすれば落ち着いて]
ねぇ、ベネット様 魂は回ると聞きましたの
貴方の魂も、回っていらっしゃるのかしら……? そこに、貴方のお父様はいらっしゃるのかしら……?
わたくしも、魂が回れば――未来で、出会えるのかしら……?
[ベネットに向けて、静かに十字を切った**]
(54) 2011/07/02(Sat) 19時半頃
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――医務室――
[怪我人の数は増えている 先程切られた首の傷も再度痛み出し それでも、苦しむ人を元気づけるために、ローズマリーは声を掛け続ける
そこに居る、人影――>>80]
イアン・レッドフィールド赤騎士団長様
[触れれば弾けそうなその覇気に、しかし引く事も無く]
この度は……お悔やみを、申し上げますわ
[後ろからそっと、声を掛ける]
(82) 2011/07/02(Sat) 23時半頃
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ローズマリーは、ペラジーの声に気付くと、す、と振り返る
2011/07/03(Sun) 00時頃
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[ペラジーの姿に、眉根を寄せる 昨晩の衝突は未だに意識の底に燻っている]
貴女……衛生兵なのですわね
[にべもなく、呟きつつ イアンの軽い問い>>87に、首筋を抑えつついつもの公女の笑みを向ける]
重症ではありませんわ、ノーリーンが護ってくれましたもの 犯人は、敵国の……領主護衛の一員でしてよ 名前は、確か、テオドール
[ぐ、と歪められた瞳に、暗い光]
貴方の仕事は、ただ一つ 敵を討ち果たすのみです
和解の道は、もう、無いのですわ……
(96) 2011/07/03(Sun) 00時頃
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もう、良いのですわ……
[囁いたような小さな呟きは、聞こえただろうか セシルはもう、ローズマリー達を完全に敵として捉えているのだと、わかってしまった]
領主護衛だからこそ、ですわ 向こうも、仕掛けてきているという事でしょう?
[イアンの言葉>>100に、微笑みを零した]
護るのは、わたくしではありません この国、ですわ?
[かつて、私を護ってと言った公女の姿は 少しずつ、少しずつ、擦り切れてゆく
ペラジーと親しく声を交わす姿>>104を、じいと見る 近い間柄、親しい間柄 それは、羨ましいと、同時に憎いと思った それを失った自身は――?]
(107) 2011/07/03(Sun) 00時半頃
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