182 【身内】白粉花の村
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セシルは、ディーンを慰める振りをした。
g_r_shinosaki 2014/07/07(Mon) 00時半頃
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――食堂前――
[聞こえた調子外れの旋律>>7に、ふと顔を上げる。 駆け出す少女の先に、数日ぶりに見る顔を認めて。相変わらずの仏頂面と、響く鼻歌と、そのギャップに思わず表情を緩めた。]
…噂をすれば、でしょうか。
ご無沙汰してます、コープラさん。 本日付で当院に転勤になりました、ローランドです。
[少女を迎え入れる様子と裏腹に、怪訝そうな顔を向けられて薄く苦笑する。なんて、同じ対応をされていたとしたら、おそらくもっと混乱したのだろうけど。 治療がどの程度進んだのかは把握しきれていないから、彼が認識したのは、"白衣"か、"自分"か、どちらだろうか、と。 ひとまずと丁寧に名乗っておきながら、数歩歩み寄る。
理解りますか、なんて、首を傾げてみせて。 歩きながら薄く両手を挙げたのは、彼に対する癖にも似たものだけれど。]
(11) g_r_shinosaki 2014/07/07(Mon) 01時頃
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[抱きついてからからと笑う少女>>13と、抱きとめて頭を撫でる青年>>19と。 実際に目にしてもやはり奇妙な組み合わせだったけれど、それでも妙な微笑ましさに表情を緩めて。]
…覚えていて頂けたのなら、光栄です。 けれど、 僕は冗談なんていう人間に見えますか。
[名を呼ぶ声に意外そうに瞳を丸めれば、至極真面目に言葉を返す。 疑うような言葉と反して棘の少ない語調に、からかわれているのだろうか、なんて思いながら。 彼はそういうタイプの人間でないと、思っているつもりだけれど。]
(27) g_r_shinosaki 2014/07/07(Mon) 11時半頃
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[おもむろに少女から離れて歩み寄ってくる青年>>20を、足を止めて何事かと見遣る。 年下のくせに上にある視線に、無意識のうちに不満そうに眉を寄せながら。]
…うわ、!………、え?
[突如手を掴まれれば、それなりには驚いた。 今まで、彼がこうして自分から接触してくるのは、何かしら攻撃の意図を持っていたから。 思わず肩を強張らせながら、乱雑に動かされた腕に声を上げて、寄せられた顔に身を固めて。 聞こえた意外な言葉に、すぐに脱力することになったのだけれど。]
ああ、……あの花なら、毎日世話をしましたよ。 一方的に押し付けていってしまうんですから。 まだ花は咲かないと思いますけれど、花壇の形は作ったので、今も世話はされていると思います。
[潜められた声につられるように、口元を覆いながら返す。ここぞとばかりに、言えないまま持て余していた小言も混ぜ込んで。 少女から見れば奇妙だろうと、そのあとは簡潔に答えを告げた。]
貴方が花を育てるなんて、可愛いところもあるんですね。
[揶揄うつもりでもなく、表情を緩めるでもなく、思った事をそのまますとんと落として。寄せられた顔へ視線を向けようと、一歩身を引いた。]
(28) g_r_shinosaki 2014/07/07(Mon) 11時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
g_r_shinosaki 2014/07/07(Mon) 14時頃
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[見下ろしてくる相手>>46に居心地の悪さを覚えながら、続けようとした小言は、けれど後に続いた言葉に飲み込まれる。 お前しかいない、と言われてしまえば、満更でもなかったのだから。 それが彼の打算通りだとは思わないけれど、もしも気付いていたとしても、きっと変わらなかっただろう。]
……構いません、よ。 頼まれた事は、しっかりと果たさせていただきますから。
[眉間の皺は、きっともうとっくに取れてしまっていただろうけれど。 その視線を見つめ返すのも居た堪れずに、足元に目を落とそうとしたところで、腕を引かれて>>47バランスを崩す。 だからどうしてそう、力任せなのかと。何故だか睨み付けてきた相手に、再び視線を合わせて目を細めた。]
それは、なんとなく予想はできますけれど。 もう数週間もすれば、きっと花も咲くでしょう。
[伏せられた顔を追うのは容易で、先とは逆に逸らされた顔を見ながら、悪びれもせずに言う。]
(56) g_r_shinosaki 2014/07/07(Mon) 21時半頃
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[不意に上げられた顔には、今度は何事かと目を丸くして。意外ところころと感情を見せる錆色を見ながら、独り言とも問いかけとも取れる言葉に、表情を緩ませた。]
ええ、治療が進めば、外出許可も出るでしょう。 完治したなら、退院することだって。 そうしたら、押し花は自分で作ってくださいよ。
[彼の様子、それから朝顔を見ても、見つかったという治療法はどうやら効果的なようだと。 前向きな言葉を掛けることができるは、医者として嬉しい事であるから、自然と薄く笑う。――単純にそうとも言い切れないひとりの患者の事は、思考の奥にしまい込みながら。]
転院、おめでとうございます。 花の季節が過ぎる前に、治れば良いですね。
[緩やかな絶望に付きまとわれていたあの場所を出て、ようやく口にできた祝いの言葉を、どこか誇らしげな気持ちで伝えた。]
(57) g_r_shinosaki 2014/07/07(Mon) 21時半頃
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[顔は伏せられても、俯いた彼から聞こえる言葉>>74は、常よりもどこか柔らかく聞こえる。 長い間、しかも謂れのない妄想に取り憑かれながら、真っ白い病棟へ閉じ込められていたのだ。外への渇望も近付く解放への感慨もひとしおだろうと、素っ気ない言葉>>75にも目元を和らげた。]
そういえば貴方、本が好きだって仰ってましたよね。 きっと朝顔さんも喜びます。
[食堂での出来事を思い出しながら、少女にも目を遣って、薄く笑う。 そこで僅かの間沈黙した相手に、掴まれたままの手をどうするべきかと視線を彷徨わせながら、その挙動を伺った。
向けられた目線とともに離された腕に、意識を向けるよりも前に。]
あ、ちょっと、………っ、
[取り上げられた眼鏡と、クリアになる視界と。 今度は何をするつもりだと、なかば呆れながら上げかけた声は、すぐに詰められた。 先まで身に付けていたものに落とされた唇と、妙に可愛らしい音と。 理解するよりも先にかっと熱を持った頬は、動揺ゆえか、羞恥ゆえか、そんな判別をする思考の余裕もなかったけれど。]
(78) g_r_shinosaki 2014/07/08(Tue) 04時頃
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……っな、んですか、それ。
[顔を隠そうにも、そのための眼鏡は外されて相手の手の内にある。 こちらを伺うように向けられた視線からは、咄嗟に顔を背けようとして。けれど彼らしくもなく緩んだ表情に気付けば、唇を噛んでそれを留めた。]
……、揶揄うのはやめてください。 まったく、貴方の考えていることは、…やっぱり良く、理解らない。 …けれど。
[俯いて火照る頬を押さえながら、瞳だけを上げて僅かに高い位置にある赤色を睨む。恨みがましげな声音で覇気の削がれた小言を呟いてから、手を離して。]
そんな顔が出来るのは安心しました。 ……そっちの方が、僕は好きですよ。
どういたしまして。…良かったです。
[眼鏡を持つ彼の手元に手を伸ばしながら、視線は眼鏡へと落としたまま呟いた。 きっとこれから、彼の表情はもっと豊かになるのかもしれないと。そんな表情を見られただけ良しとするべきか、と。 敵意を向けられこそすれ、彼からは悪意を感じた事はないから。どうしても強く当たることのできない自分を恨みつつ、その指先からやんわりと取り上げようとする。 それが叶ったならば、顔に戻そうとしてから暫し悩んで、結局胸に提げるに留めただろう。]
(79) g_r_shinosaki 2014/07/08(Tue) 04時頃
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[今まで見ることのなかった楽しげな表情>>113に、眉間の皺を深める。 以前よりも感情の幅が広がったのは結構だし、それを悪く思わないのも事実だけれど。それでも不服であることに変わりはない。
相手のどこか照れたような挙動を見ながら、その理由は理解らないものの、多少は機嫌も戻る。 お人好しだ、と。そんな事を言われることはなかなか無かったから、首を傾げはしたけれど。]
……、貴方もきっと、大概ですよ。
[だんだんと上向き始めた機嫌のままに薄く笑いながら、その手から眼鏡を取り上げようとして。 瞬間固まった様子に、治療中とはいえ軽率だったかと、伸ばした手は僅かに揺れる。 それでもそれ以上の変化が見られないのを良いことに、取り返した眼鏡を首に掛けながら、呆れたような動作に首を傾げた。]
嫌がられていないのなら、それで良いです。
[調子が狂うのはきっとこちらもだと、そんなことは口にはしないけれど。]
(114) g_r_shinosaki 2014/07/09(Wed) 18時半頃
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[ふと視線が絡めば、丸い赤錆にどこか落ち着かない気持ちで目線を返す。逸らすのは癪で、それからどこか、勿体無いようにも思えて。]
………花が、咲いたら。 僕にも教えてくれたら、嬉しいです。
[背を向けた青年の背中に小さく呟いた言葉が、彼に届いたかは解らないけれど。 朝顔の元に向かう彼をそれ以上引き止めるのも憚られて、そのまま彼らとは逆方向へ、廊下を歩き始めた。
これから先も、きっと彼を担当することはあるだろうけれど。以前は憂鬱だった回診は、彼にならば存外悪くはないかもしれないと。 ぼんやり考えながら、胸の上で揺れる眼鏡を掛け直した。]
(115) g_r_shinosaki 2014/07/09(Wed) 18時半頃
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[二人と別れて、そのまま廊下を歩く。 一階の廊下を進みながら、さてどこから見て回るべきかと思案して。]
……そういえば、
[自分よりも先に病院を移った彼らを思い出しながら、あの病院に人は残っているのだろうか、と。ふと考える。 院長が気にかけていた少年の転院を切っ掛けにするようにして、次々と治療法が見つかったらしいということは、耳にはしていたのだけれど。
渡されたままろくに目を通してすらいなかったカルテのことを思い出して、ひとつ苦笑した。 そこまで意識が回らないほど、自分は他に気を取られていたかと。 思考を占めるその要因が何かなんて、それすらも考えるのは躊躇われて、ひとり緩く首を振る。]
(116) g_r_shinosaki 2014/07/09(Wed) 19時頃
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[すぐに舞い戻ることになった執務室の前へと足を運びながら、上階への階段から聞こえる足音>>73に目を上げる。]
……、
[その足音の主とは、果たして目は合っただろうか。 まさに今、浮かび掛けて掻き消していた顔に僅かに息を詰めながら、一寸前の自分の判断を恨む。 この場所に来てから、一度も顔を合わせてはいなかった相手に、どう顔を合わせたものかと思案したのは一瞬だった。
転院前の出来事から、変わってしまった弟を取り巻く環境から。まだ、何の整理もついていない。 ――どのみちこれから先、嫌でも顔を合わせる機会もあるだろう、と。 その場凌ぎの言い訳を浮かべながら、そのまま背を向けて、執務室の扉へと手を掛けた。]
(117) g_r_shinosaki 2014/07/09(Wed) 19時頃
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セシルは、氷おいしいです
g_r_shinosaki 2014/07/09(Wed) 19時頃
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[背後から書けられた声>>121に、僅かに肩を揺らす。 よくも声を掛けられたものだ、なんて、そんな思考は身勝手な憤りでしかないことは理解っている。 振り向かずにそのまま扉を開いて、執務室の中へと身を滑り込ませながら、ようやく肩越しに振り向いた。]
……、何だよ。
[無感情に響く声からは何も読み取れずに、なんとか抑えた声音で問い返す。 此方ばかり動揺を見せてたまるかと、それは半ば意地に近いものでもあったけれど。 そもそも、この感情が動揺なのかどうかさえ、理解らない。]
病室で、…横に、なってなくて良いのか。 まだ治療も途中だろ。
[本当は、弟の処置がどこまで進んだかすら、確認できずにいたのだけれど。 相変わらず眠たげに細められた瞳は今までと同じように見えて、それでも自分の図り知らぬ場所で、何かが確実に変わっていることは明白で。 ――それが酷く歯痒くて、恐ろしい。
けれど、シカトするのかなんて、そんな挑発とも取れるような言葉を掛けられてしまえば、間を遮るように戸を閉めることもできずに。 開き掛けた扉を押して大きく開いてから、背を向けて室内へと足を進めた。]
(122) g_r_shinosaki 2014/07/09(Wed) 20時頃
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[まだ治療はそこまで進んでいないと>>123、僅かに表情を動かしながら告げられたその言葉に覚えたのは、確かに安堵だった。 そんな思考に自分で嫌気を覚えながらも、染み付いた執着を今更修正できるとも思わない。
部屋の中へと踏み入りながら、階段を降りきる軽い足音を背中で聞く。 ――どうか此方へ来てくれるな、と。 扉を開け放しておきながらそんな事を考える。足を止めた弟を見れば、それは叶ったとも叶わないとも言い難い結果になったのだけれど。
書類の散らばる机に近付いたところで、最早そこへ意識を向けられるはずもない。 それでも背を向けておきながら、今更向き直るのも許せずに、本来の目的だったカルテを手に取ろうとして。]
(129) g_r_shinosaki 2014/07/09(Wed) 21時半頃
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………、何?
[廊下から掛けられた声に、先までの思考も忘れて咄嗟に振り返った。 思いもよらない言葉を掛けてきた弟がどんな顔をしていたかなんて、冷静に見る余裕もなかったけれど。]
……っ、 …全部、理解ってるんじゃないか。
[こんなに自分が惨めな理由も。 同じ病院にいることを知りながら、病室へ出向きもせず、あげく顔を合わせたところで避けようとした理由も。 ――そんなの、余りに無様で仕方がない。 自嘲するように吐き捨てながら、手の中のカルテは再び机へと放る。今はもう、そんなものに用などないように思えた。]
…満足、だろ。 これでもう、……哀れまれることもない。縛られることもない。
[なかば自棄のような気持ちで口に出して、そうしてしまえばその言葉がしっかりと形を持ってしまったようで、恐ろしさばかりが募る。 言いたいのはそんな言葉ではないと知りながら、何ひとつ纏まらない思考に舌を打って。]
(130) g_r_shinosaki 2014/07/09(Wed) 21時半頃
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………、入れよ。
[自分から、弟の元へ踵を返すことはできずに。人目を厭うような意図を含ませて、その顔を睨みながら呟いた。 真意の読めない弟からの問い掛けに、どこか縋るような響きが混じり込んでしまったことには、自分でも気付きたくはなかったけれど。]
(131) g_r_shinosaki 2014/07/09(Wed) 21時半頃
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[振り向いたところで交わることのない視線>>132には、安堵とともに苛立ちを覚えた。
肯定でも否定でもなく、ただ淡々と返される言葉であったり。 頑なに境界を越えようとしないくせに、かといって立ち去る様子も見せないままであったり。
どちらとも取れずにただ立ち続ける弟からは、相変わらず何も読み取れない。]
………、必要だ、って言ったら。
[自分だけが置いていかれるような錯覚に囚われながら、ならば離れるという選択肢すら見つからないのだから、どうしようもない。 目の前の相手は――"可哀想な弟"は、そもそも本当に自分のものだったのだろうかと。 根拠のない確信として自分の中にあった前提条件さえ揺らぐ、そんな感覚を押し留めるように、視界を覆う眼鏡の弦を押さえつける。]
そうしたら、…おまえは。 離れずにいてくれるのか。
[狡く濁した答えは求められていないとは知りながら、断言することはできずに、追撃のような問いには質問で返して。 ――けれど、言いたいことは、聞きたいことは、そんな事じゃない。]
(138) g_r_shinosaki 2014/07/09(Wed) 23時頃
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――おまえが、 ひとりで立てるようになったら。 …僕はどうすればいい。
[兄としてだとか、弟の為だとか。そんな正の感情は、そこには存在していない。 ひどく自己中心的な恐れを口にして、開け放したままの扉へ向けて踏み出そうとして、結局それは叶わずに。]
………僕にはおまえが、必要なのに。
[おまえはもう、そうじゃないだろう、と。 弟の顔を見詰め続けることは耐え切れずに、リノリウムの床に視線を落として呟く。
――自分が必要とすると同時に、弟からも必要とされていた自覚はあった。 それゆえに、どんなに拒まれてもけして離れていくことはないと。そんな確信も自分の支えであったのに。
結局問いに答えているようで、どこか主点を外した恨み言にも似た言葉を、冷えた静寂の中に落とし込んだ。]
(139) g_r_shinosaki 2014/07/09(Wed) 23時頃
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[表面だけでも取り繕っていた兄の仮面なんて、とっくに無残に剥がれ落ちていたのだけれど。 それこそ余すところなく吐露した言葉に対して深く吐かれた息>>144に、床を伝って足元へと、落とした視線を移す。]
……っ、
[けれどぽつりと落ちた声と、静かに響く足音に、伏せていた目を上げた。 その言葉を咀嚼する間に、閉じた扉へ、それからその前に立つ弟へと、視線を流す。 いざとなれば随分すんなりと越えられた一線は、ひたりと閉じた戸によって、もう視認することはできなくなっていたけれど。]
……なんだよ、それ。
[乾いた喉から、恐る恐るといった体で言葉を絞る。 ――可哀想だ、と。 他ならぬ弟の口から申告された言葉は、弟自身を縛りつける言葉だと、気付かないはずがないだろうに。]
(148) g_r_shinosaki 2014/07/10(Thu) 01時半頃
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[哀れな奇病を境に弟への執着が増したのは事実だけれど、それ以前から兆しはあった。 自分でも忘れられるほど浅い感情ではない、けれど。]
やめられる、だろ。…今なら。
[自分が縛り付けて、弟はそれを厭いながらも受け入れて、更に自分がつけ込んで。 ずっと前から繰り返されてきたそんなループは、今ならば、弟にならば。 抜け出すことは、容易だったはずだというのに。]
本当に、…どうしようもなく。 可哀想だよ、おまえは。
[他意もなく、純粋な憐れみの言葉を吐いて、弟と同じく包帯の巻かれた自分の喉を押さえる。 廊下からの淡い光が遮断されて薄暗くなった室内を、今度こそ一歩、踏み出した。
存外近くに立っていた弟へ近付きながら。 ここへ来てからは拒絶の言葉をひとつも聞いていないことに思い至って、震える息を吐く。]
(149) g_r_shinosaki 2014/07/10(Thu) 01時半頃
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…また、僕のせいにするのか。
[弟の言葉に滲んだ諦めの色は、自分への甘えにも思えて。 改めてそれを責めるように呟くとともに、じわじわと心は満たされた。
袖に当たったカルテが机から零れて、耳障りな音を立てて床に舞い散る。 快復を示す文と並んで弟の写真の貼られたカルテを、新調したばかりの革靴で踏み付けながら。 ゆるりと伸ばした腕は、まだ微かに揺れていたけれど。]
(150) g_r_shinosaki 2014/07/10(Thu) 01時半頃
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[行き場所を探すように泳いだ視線>>154が、再び戻されるのに薄く息を吐く。 ここに来て初めて聞いた否定の言葉>>155は、けれど自分を擁護するとも取れるもので、その事実よりも内容に、思わず目を瞬かせた。]
……、僕が? 本気で言ってるのか、…それ。
[鬱々と巡る思考は、予想の外を行く言葉にしばし形を潜める。 話が食い違うのは常からの事だったけれど、今回ばかりはそのままにする訳にもいかずに、揺れる瞼を細めて。]
おまえが居なきゃだめだ、って。 言わなかったか、僕は。
[上辺だけを見て出来た子だと褒めそやす両親とも、僅かに触れただけで扱い辛い部下だと断じる上の人間とも違う。 自分の全てを視て、それを否定した上で、けれどそのまま受け入れることができたのは、――弟を置いて他に居ないのだと。]
――おまえじゃなきゃ、駄目なのに。
[懇願じみた響きを含ませて、一度は諦めかけたものを、弟を。再び縛り付ける為の言葉を吐く。]
(156) g_r_shinosaki 2014/07/10(Thu) 03時半頃
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[靴の底で擦れる紙の音なんて、今はどうでも良い。 弟を責め立てる言葉に返されたのは、同じく自分を責める言葉だったけれど。 伸ばした腕が包帯の上から喉に触れて、それから肩に触れて、それを拒まれないことに、心底安堵した。]
僕のせいで、良いから。
[――置いていかないでくれ、と。 いつかも繰り返した問答の答えを、今度ばかりははっきりと口にして。 肩を引き寄せながら落としたそんな懇願すらも、いつか相手から聞いたはずだと既視感を覚える。 顔だけでなく思考まで似た肉親に、その身体を手繰り寄せることに、吐き気にも似た忌避を感じるのは初めての事ではない。 けれどそれに縋る意外に、手段なんて浮かばない。
散々縛り付けて良い様にしてきた弟が、いざ離れてしまうかも知れないと、そんな恐怖を覚えてしまえば。 それでもまだ追い縋れる余地があるのだと、そんな隙を見せられてしまえば。 何に代えたとしても、それをみすみす逃すなんてできようがなかった。
――それが自分の為であるのか、それとも弟の為であるのかは、未だ判断がつかなかったけれど。]
(157) g_r_shinosaki 2014/07/10(Thu) 03時半頃
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[返された肯定>>158にはただ頷き返しながら、それ以上の言葉が続かないことには僅かに不服さを覚える。 言葉の足りない自分がそれを糾弾するのは、あまりに勝手とは知りながらも、結局は咎めるように薄く睨んだ。]
……本当に、理解ってるのか。
[――おまえでなければ駄目なのだ、と。 それが理解されていないんじゃあ、きっと意味がない。 この歪な関係が限りあるものかも知れないと、今は気付いてしまったから。流れを押し付けて、そのまま押し切ってきた今までとは、きっと同じでは居られない。]
……、
[それでも引き寄せた体温と、子供の癖に変わらず低いそれと、吐息とに>>159。意識を取られかける。 居心地の悪さと共に、けれど自らの鼓動が落ち着き始めるのを感じて。 繰り返してきたこの接触は、何から何までもが異常なのだと、改めて思い知りながら。 自分の言葉には碌に応じようともしない癖をして責任だけは押し付ける言い様に、静かに目を伏せる。]
(160) g_r_shinosaki 2014/07/10(Thu) 06時頃
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それで、いい。 おまえの居場所なら、此処にある。 ……此処にしか、ないんだから。
[呵責と同時に、どこか自虐めいても取れる言葉を肯定すると同時に。 幼少からずっと押し付けてきた刷り込みの延長の如く、弟の飲み込んだであろう言葉は二度繰り返した。
ひとつ息をついた後に、肩を押して、弟の身体を閉じた扉へと押しやる。 強制するほど力は入らなかったから、僅かでも抵抗の意思があったなら、拒否するのは容易いだろうけれど。 それが叶ったのなら、残る逃げ道を全て塞いだかのような満足感に、小さく息を零しただろう。]
……、言いたいことがあるなら、言えよ。 それくらいは、聞いてやるから。
[僕は全部吐き出したというのに、と。 先の流れを蒸し返すように、寄せた耳元に言葉を落とす。 喉を覆って爪を立てようとした手は、けれど力を込める前に離れた。
無意味とは知りながら繰り返してきた虐待にも似た些細な暴力を、今は行使する気にはなれずに。 横柄な物言いの中、懇願めいた響きが含まれたその言葉に、弟が応じるかは理解らないけれど。]
(161) g_r_shinosaki 2014/07/10(Thu) 06時頃
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[突拍子もない問いかけ>>162には、けれどさして驚くこともなかった。 本気だったのか、そうでなかったのか、思い返せばそれすら理解らない命のやり取りの中で、霞がかった意識の中で。 ひとり残されるくらいならばこのまま殺されてしまいたいと願ったのは、記憶に新しいから。]
おまえが望むなら、…いや。 死ぬだとか、死なないだとか、そんなことじゃない。 そうなったら、……死なせてくれよ、
[受け入れられないのならば死んでやる、だなんて、よくある色恋沙汰のヒステリーじみたことを言うつもりはないのだけれど。 自分を置いていくくらいならば、そんな裏切りめいた仕打ちの後始末は、おまえが着けていってくれと。 そこまで囁いてからふと浮かんだ考えに、もうひとつ言葉を続ける。]
それか、その時は、その時こそは。 僕がおまえを殺してやるから。
[脅迫めいた響きを伴った宣言が、果たせるかどうかなんて、自分でも理解らない。 けれどそうして口にしてしまえば、既に雁字搦めになったこの繋がりを、より強固なものにできるだろうかと。 いまだ鈍い痛みを残す喉に手を当てながら、あるかも解らない最悪の未来に向けて、押し付けるように約束を取り付けた。]
(166) g_r_shinosaki 2014/07/10(Thu) 08時頃
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[従順とすら言える肯定>>163には、それ以上続ける言葉もない。 扉との間に押し込めた身体を見下ろしながら、その容易さに、充足感に。吐き出した吐息はその狭い空間に溶け消える。
冷たい扉と、追い詰めた狭い背との間に手を差し入れて、掬い上げるように抱き寄せながら。 不意に耳に届いた言葉に、寄せていた顔を僅かに引き戻した。]
……、僕もだよ。
[本来の性質から外れた歪な愛の言葉は、ざわりと皮膚を粟立てながら思考へと浸透する。]
(167) g_r_shinosaki 2014/07/10(Thu) 08時頃
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[視界を阻む色眼鏡を、鬱陶しげに取り払って。 自分と同じ、僅かに癖のかかる柔らかい髪に顔をつけて目を閉じた。]
おまえを、愛してる。 ――…だから、ずっと。
[ずっと側にいてくれ、と。 温い体温に身を寄せて、吐き気を催すほど甘い言葉を、その耳元へ落とし込む。 その歪さを厭うような思考なんて、とっくに捨ててきてしまった。
そのまま耳元を通って、白い包帯の巻かれた首筋へと唇を寄せる。 自分で隠した白い布切れを取り払って、そこに残る手の痕を認めると、ほうと薄く息を漏らして。 用済みになった包帯を放り捨ててしまえば、欲しい物を手に入れた子供じみた顔で、きっとようやく。満足げに笑えたかもしれない。]
(168) g_r_shinosaki 2014/07/10(Thu) 08時頃
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