25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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― 応接室 ― [下駄の音が布越し、耳に届く、 次いで聞こえた懐かしい声]
霞殿、すまぬな、呼出したりして…書簡、拝見した …………お主も厳しい道を選んでその先主になったように 私も選んだだけよ。お主が気にすることでもあるまい ………ただ、お主が人であることは嬉しいよ
[書簡を信じた青年は朗らかに笑って 応接室は弔いに明け渡し表座敷へ誘う …邦夜も応接室へ着いたら表座敷に誘導してくれと残して]
(115) 2010/08/07(Sat) 10時半頃
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[連絡が来るまでは、鳥籠の中。 窓辺に座り、金の髪を陽の光に映し、 さやさやとそよぐ風の好きにさせながら]
ロビン……。 もうあの冬色の眸に、逢う事が出来ないなんて。
[最後に逢ったのはいつだったか。 なよたけの君に手折られた朝、窘められた事を思い出し、 唇を噛む]
(116) 2010/08/07(Sat) 10時半頃
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美しい、なんて 可笑しなひとだ。
[苦笑いは冬色、続くは花の色]
嗚呼、おかしなことは 私欲に主さまを使おうとした、私にも。
…………見る間に咲いた花に色がつくとは 是を美麗と謂うのなら 主さまがつけた色故に他為らぬでしょう
[冬の蕾持つ戸惑い僅か含みながら 冷たい色持つ貌は哀愁含む笑みを浮かべる
応接室の洋琴が鳴り響くを、 たどり着いたセンターの人間は聞くことが出来ぬ。 己が爪でころした 主の為に歌う声も]
(+19) 2010/08/07(Sat) 10時半頃
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[やがて曲を終えて、 褒美のように伸ばされた腕に擁かれた時 聞きなれた鈴の音が 彼方から、此方から 聴こえた]
(+20) 2010/08/07(Sat) 10時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/07(Sat) 10時半頃
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あの時は未だ。 君から馨る香りは、常のものだった。
僕が好きだった、君の香り。 でも……。
[眸を伏せ、取りやめになった宴に、 法師の花として現れた彼にそれを感ずる事はなかった、から]
あの時既に君は……ううん、君も。 変わってしまっていたの、だね。
(117) 2010/08/07(Sat) 11時頃
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えぇ。 知られてしまえば…喰らわれてしまうのではと、恐ろしく。
ロビンは…乾様がそのお命と引き換えに? [二人の訃報に表情を曇らせて…] 北の乾は、知られてしまったのですね…きっと。 して、刷衛様は如何なされた? あの方もそなたと共に人狼を退治しに来たと、下男たちから聞き及びましたが。
(118) 2010/08/07(Sat) 11時頃
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……その可能性は…… 公に告知し疑いから身を避ける手段にも成るとはいえ 諸刃の剣だな……
[旧友の言葉には頷いて]
……状況的には、そう見えるな。 ただ確信は出来ない、ので、私の口からはこれ以上は
[センターの者ゆえの発言力を考えれば 不確定の憶測はあまり口にしなかったが ただ…続いた言葉、ノイズが混じり 誰を言っているのか聞き取れず首を傾げる]
(119) 2010/08/07(Sat) 11時頃
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小僧 カルヴィンは、別れを告げる許可を貰えれば、鳥はふらりと立ちあがり、友が眠る部屋へと向かう
2010/08/07(Sat) 11時頃
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かりょう
[囀りが遠く聴こえ 少年は呟く。 困ったような笑みを浮かべて]
……あの時既に ボクも、キミも 変わってたんだよ
冬の香は、私が偽ったに過ぎぬと知っても 未だおなじ事を思うかどうか
(+21) 2010/08/07(Sat) 11時頃
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…イアン……? [不思議そうに布越しにその目のある場所を見つめて。]
イアン、そなた疲れているのか? 心労はたまに、耳に出るという… 目を塞ぎ、耳まで悪くしては、仕事に差し障るばかりか、背後から刺されても気づけぬぞ?
ただでさえ…、そなたの職務は恨みを買う。 疑いがあったとは言え、処分されたものに縁のあるものは、そなたを恨むことでしか気持ちに折り合いがつけられなくなるやも知れぬ。 そして、おそらく獣の目からも、そなたはきっと目障りだ。
どうか、無理はせずに… 仇討つために散るは、そなたの独りよがりにしかならぬ。 この状況では、一番物を知ってるそなたが頼りなのだから。
(120) 2010/08/07(Sat) 11時頃
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― 応接室 ―
[イアンたちの秘密の会合は済んだ後だろうか。 友へ別れを告げる許可を貰い、応接室へと向かう。
立ち込める血の香りに僅かに眉を寄せるも、 その足は止まることなく、眠る友の傍らへ]
ロビン……。
[指先を水で濡らし、儚く散った花の唇をそっと撫ぜる。 願わくばもう一度、あの冬色の眸に、 自分を映して欲しいとそう想いながら]
(121) 2010/08/07(Sat) 11時頃
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私欲でない願いなどどこにもありはせぬ。 それが人の為であったとしても、回れば己のためであり。
…お前のそれも。 お前だけのものではなく。
[腕の中の花を優しく包む。
聞こえた鈴の音。 こちらだと気づいたのはまだ僧の耳にはあちらの音が届かぬから。
ようやく。 現世の声が耳に届くと、死した姿をじいと見た。 もう届かぬ花。今は腕の中にあるもの。
腕に感じるぬくもりは魂のそれかと、友の名を呟く花を見る]
(+22) 2010/08/07(Sat) 11時頃
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…………
[旧友の気遣いに青年は小さく俯くが すぐに首を横に振る]
……恨みも…わかってる…無実のモノを殺めてることも。 けど、恨む者が休んでいる俺を見たらどう思う? それこそ尚更向こう折り合いもつかぬ。 何より……殺めたものに申し訳が立たぬ ……お主はロビンは”みて”も 鵠は”みて”いない、のだろう……? 法泉どのも……既に二人、だ
それに、最近はよく寝ているのもあって、 ……うん、このようななりで驚かせたかもしれんが お前の思うよりも私は元気だ。
[そう、答える時は朗らかに笑って]
(122) 2010/08/07(Sat) 11時頃
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[――――りいん、と
鈴が、泣くように鳴った。]
(+23) 2010/08/07(Sat) 11時半頃
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門下生 一平太は、メモを貼った。
2010/08/07(Sat) 11時半頃
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―大広間―
[>>98大慌てで出てゆくイアンに驚きながら茶を淹れた。 指示の出し方はセンターの者らしく。手の動きは鈍った。 3人分の茶と、花巻と月餅と、一人運んで戻り]
お待たせを致しました。
[空腹抱えた御方や茶を所望された方の反応はどうだったか。 イアンは仕事だと、ロビンを探せと出て行ったことを伝え。 三人の花主から等しく離れた場所で控えていた]
(123) 2010/08/07(Sat) 11時半頃
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えぇ、しらとりは来ていない。
だからおそらく、あの子は無実。 痛ましいことだ。 [伏せる睫毛は憂いを帯びて。]
この中に、幾人潜んでおるのやら…。 盛りも過ぎたわたしはともかく、これからのものが散っていくのは、胸が痛むものだ。
引けぬのは、分かっているけれど… 旧知の仲なのだから、辛いことがあれば…いつでも。
(124) 2010/08/07(Sat) 11時半頃
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懐刀 朧は、記者 イアンに話の続きを促した。
2010/08/07(Sat) 11時半頃
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……利用されたと謂うのに 怒らない 主さまはやはり、おかしいひと
充たそうといいながら、私は貴方を隠れ蓑にした 冬無き変化を、主得ん為と
其は真となりましたが。
[不思議そうに見上げる眼差し。 聴こえる友のこえに、冬色もまた 応接間に横たわる亡骸と、触れる鳥の姿を見る。
また、鈴の音がした]
――白き鳥の舞は、其の通り同じ結末を?
(+24) 2010/08/07(Sat) 11時半頃
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門下生 一平太は、懐刀 朧に話の続きを促した。
2010/08/07(Sat) 11時半頃
ランタン職人 ヴェスパタインは、記者 イアンの、首に巻かれた白も気になったが、それに手を伸ばす事はせず。
2010/08/07(Sat) 11時半頃
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[泣く音。悲哀を感じるそれは、やはりこちらのもの。 あちらの音は小さく届いていたから]
どなたかが、此方についたのでしょう。 この鈴の音は…。
鵠?
[姿はまだ見えぬ。音がするほうへと眼を向けた]
(+25) 2010/08/07(Sat) 11時半頃
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……そうか…見たらお主のことだから すぐ、知らせてくれると思い 連絡がないところから、そうではないのだろう…と 判断はついていたが……痛ましいな……
[布越し届く声の哀愁に青年もまた俯く]
……事前の調査では…1より多く5より少ない…とは 詳しくはわからぬ、のだよ……
……その言葉だけで、嬉しいよ霞…… ただ、今膝を折ったら立てぬ気はぼんやりとしている だから、むしろよろけそうなら叱ってくれ。 さんざん、叱られた昔のようにな
[齢が5は離れていた旧友にそう笑って]
(125) 2010/08/07(Sat) 11時半頃
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[別れの歌は歌いたくなかった。 だけど、唇の上を通り過ぎるのは、哀悼歌。
冬の孤高と秋の憂い。 あの晩書庫で。 彼を苦しめていた二つを想い、溜息が一つ漏れ落ちて]
君は……春へと逝けたかい?
僕が本当に迦陵頻伽だったならよかったのに。 ならば君に、この声を届けられたのに、ね……。
[紅石榴を伏せて、眠る友の秋色の髪をそっと撫ぜた]
(126) 2010/08/07(Sat) 11時半頃
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怒るという思いは、すでに忘れてしまいましたから。
ああ。 お前が誰かに召されていたら――。 それは私の身を包んだかもしれぬ。
[見上げてくる眼差しに触れるか触れないか、唇を寄せて]
利用ならいくらでも、 人に使われることは徳を積むことにも成り得る。 そのようなことでいちいち腹を立てるはずもない。
それに、利用されてなくばお前はここに居ぬかもしれないのだから。
(+26) 2010/08/07(Sat) 11時半頃
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−大広間−
遅い。お前はまた迷子なのか。
[夜光が戻った時と同時に、ぱち、という音が響く。 用意された茶と共に八朔の蜜煮がはいった花巻と小さな月餅を食べ始める。 欠片一つ更には残らない美しさ]
…仕事?何があった。
[花巻の最後の一口を茶で飲みこんでから尋ねる。 ロビンという名に思い当るのは先日の提琴の音色]
(127) 2010/08/07(Sat) 11時半頃
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―大広間― [イアンが出て行き、3人になり。少々緊張していたが夜光が戻ってきたのにほっとして居たところへ、屋敷の者にイアンが呼んでいる、と伝えられ。]
ん。せっかく夜光にお茶、入れてもらったのに。 残念だな。表座敷、ね。分かった。……なんだろ。
[出てゆく時に本郷と高嶺の後ろを通り。気がつかれぬよう、素早く衿についていた髪を取ってポケットに突っ込み、広間を出る]
(128) 2010/08/07(Sat) 11時半頃
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詳しくは判らぬ…か。 それではいくつ獣を見たからとて、他が全て無実とは言い切れぬなぁ…。 [小さく、嘆きの声。]
彼岸には、乾の法師殿がついておられる。 非業の死を遂げたものも、あの方が極楽へ連れていってくれれば良い…な。
(129) 2010/08/07(Sat) 11時半頃
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…… ―――誰 だ
[―――静かに、 消え入りそうな声がした。]
(+27) 2010/08/07(Sat) 11時半頃
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[同じく眠る法泉へ紅石榴を移し]
……彼を。 意地っぱりだけれど、本当は温もりに飢えていた友を、 よろしくお願いします。
[彼を手折った花主へと礼をし、白鳥には手を合わせた後 応接室をそっと抜け出る。
血臭が未だ拭いきれぬ応接室に、 ゆらゆらと燻る焼香の煙を一つ残して]
(130) 2010/08/07(Sat) 11時半頃
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すまない…我らセンター側の手落ちだ。 あ、ただな、ただな…… 人と獣を生きてるうちから見分ける者がおるのだ! そのことを話そうと思って呼んだのであった
[嘆きの声には、元気付けるように 明るく話して 法泉に話が及べば、そのことには頷いた]
(131) 2010/08/07(Sat) 11時半頃
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説法師 法泉は、呉服問屋 藤之助の声に、その姿がぼんやりと浮かび
2010/08/07(Sat) 11時半頃
本屋 ベネットは、背後に感じた微かな違和感に思うことはあれど口には出さぬ。
2010/08/07(Sat) 11時半頃
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―大広間―
そういつもは迷ってません…。
[言ってもそれ以上は言い訳にしかならず。 響く扇の音に少しばかり首縮こませた。 皿を完全な空とする優雅な食べ方に視線が奪われたりもして]
屋敷の方に指示を出しながら出て行ったので、センター絡みの何かがあったのではないかと。
[言っている間にも、邦夜を呼びに人が来た]
(132) 2010/08/07(Sat) 11時半頃
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―日明くる前・食堂―
[虎鉄と別れた後、食堂に向かい茶器を厨房の使用人へと返す。]
夜おそにすまんかって。 ほんま、おおきにな。
[軽い調子で言い、ほなさいならと去りかけた華月に、その使用人の惑うような表情が映る。 去りかけた脚を留めて、小首を傾げれば……。 朝か昼か、華月は弟弟子と食事を共にしたつもりであったが、使用人の目には、多量の食事を傍に置きながらまったく食していない華月のみが見えていたよう――その行動に何か意味があるのかと問われた。]
(133) 2010/08/07(Sat) 12時頃
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…生きている、うちから? それはまことか!?
それが出来るなら…全て調べれば病のものだけを…
[思わず、声も大きくなる。]
して、その彼は信用出来るのか? 情は人の心を狂わせる。…大切なものを庇って嘘をつくことも…。
(134) 2010/08/07(Sat) 12時頃
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……聴こえてるよ、迦陵 ボクは冬の蕾のままだけど、此処はとても暖かい
[秋色撫ぜられた感触は無く それが少し寂しいと思う 振り払っていた過去を微かに悔いて ふと、落ちてくる主の唇 小さく困ったような笑みを浮かべた]
でも主さま、私は叱られるようなことをしてきたのです。
ひとつ 望みを叶えてきてしまった イビセラの、血を受け継ぐ種を……桜の腹に
(+28) 2010/08/07(Sat) 12時頃
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