147 書架の鳥籠
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― サロンを離れてクラリスの定位置へ ―
[珈琲を片手に一人歩く。 ひとくち含めば、苦いとも酸味ともつかない味が口の中に広がり、飲み込む一瞬に顔に出てしまう。]
この辺だったかな――……
[いつもクラリッサが本を読んでいたところ。 奇妙な数日を過ごした者たちとは、次第に打ち解けてはいったけれど、彼女のことは良く知らない。
それでも、足は正確に。 うず高く積まれた本の向こう――彼女の椅子を見つけて。]
理由も何もわからない間に……こんなことに。 ――ごめんね、頑張るからね。
[目を閉じた。 彼女が術者を失った獣の犠牲になったのはどこだったか。 そんなことを思いながら――今は自分を見下ろす星々にぞくりと寒気を感じながら、黙祷を捧げて。]
(139) 2013/10/06(Sun) 22時半頃
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[隅の方に歩いて行きながら >>92耳に引っかかっていたオズワルドの言葉を思い出す。
友が亡霊だとしても想い続ける
友とはそういうものなのか。 想像してみたが、頭の中で上手くイメージを結べず結局諦めた。]**
(140) 2013/10/06(Sun) 22時半頃
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ったく、サイモンめ……。 かっこつけといてそりゃないよ、ね。
[サロンのテーブルに転がる人形を思う。 悪態はつけどそこに悪意はなく。]
――"人"を、殺すなんて。
おまけに、こんな後手後手の配役、 私には合わないわ―― "ミスキャスト"だよ――……
[飲みかけの珈琲。 読書机にそっと置き、零すのは途方に暮れたような声*]
(141) 2013/10/06(Sun) 22時半頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2013/10/06(Sun) 22時半頃
漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2013/10/06(Sun) 22時半頃
漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2013/10/06(Sun) 22時半頃
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[オズワルドからの答えが返るのと レティーシャが駆け出すのはどちらが先か] [男は追わずグロリアの傍にあるまま、書見台からサロンの方を向き直る]
その連鎖を――
[言葉は>>122へ]
断ち切る先は、決めたか?
[問いかけは彼女を見ずに。 男の視線の先には、円卓の上に置かれた紅茶と。 サイモンの人形に向けられた祈り>>128]
――私は、 ”そう”でないと 思いたくなる者ばかりが増えて行く。
(142) 2013/10/06(Sun) 22時半頃
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ルーカスは、グロリアに向けた声は苦いもの。
2013/10/06(Sun) 22時半頃
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[私は固い床に身を打ち付けると思い込んで目をつむりましたが、衝撃はやってきませんでした。 シメオンが受け止めてくれたからです。]
……っく……
ね、ねえ、どうしたら良いの? わた、わたし……こんなことになるなんて、知らなかった!
[彼の顔を見上げながら、思わず声を荒げました。]
(143) 2013/10/06(Sun) 22時半頃
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グロリアは、ルーカスの苦さ含む声に悩むように眉を寄せた。
2013/10/06(Sun) 22時半頃
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[オズワルド>>138に向けるのは、歪んだ顔。 この期に及んで恐怖を取る、浅ましい自分を見られたからだ。 ただ、頷いた。]
ああ……おら、もう駄目かもしんね……。
[眠気が近づく]
[抗いがたい『生贄』を選ばなければという衝動]
[誰も選びたくない]
(144) 2013/10/06(Sun) 22時半頃
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[ふと、グロリアの視線>>100を感じた気がして、 そちらに瞳を向ける。
見つめ合った、どこか切ないような、綺麗な双眸と、 掌の赤い痕を想う。
どうか、傷つかないで…貴方は、心から願う]
(145) 2013/10/06(Sun) 22時半頃
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[不意にオズワルドから投げられた帽子>>138]
む。
[ばすっと良い音を立て顔に当たった。 ぽてりと落ちる時さえキャッチできずに。 運動神経からきしの男の髪が一房乱れて額へかかる]
やれやれ。
[拾い上げる帽子。髪を手のひらで撫で整え]
…そんな事を言われては また増えてしまうだろう。
[下げた帽子の唾が男の目元を隠した]
(146) 2013/10/06(Sun) 22時半頃
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[私は魔女の呪いを解いて、みんなのようになりたかったのです。 食べ物を食べて、おいしいと思い。 他人の好意を、素直に受け取り。 おおいに笑って。 夜は何度も目覚めること無く、朝までぐっすり眠る。
『レティーシャ』とは違う子になりたかったのです。
そうしたら、きっと、暗い森のことも忘れられますから。]
(147) 2013/10/06(Sun) 22時半頃
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……
[抱き留めた華奢な体、荒げられる声>>143 何を言えばいいか分からなかった、思い出す前のシメオンならなんて答えるのだろう そう、■■が■■に■■■■、■に■■■と思っていたシメオンなら。]
……分からないよ、僕だって分からない。
(148) 2013/10/06(Sun) 22時半頃
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[オズワルド。 巻き込んでしまって、ごめんなさい。
そんなどうしようもない私だけど、 聞いてくれますか、私の「呪い」のこと。 暗い森のこと。
あなたが知りたがったこと。
私に出来ることって、もう、それしかありませんから。 私が壊れてしまう前に、それしか出来ませんから。]
(149) 2013/10/06(Sun) 22時半頃
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―テーブル近く―
………。
[テーブル近くで、 冷たい陶器のサイモンの「人形」を手にしたまま、 “ある考え”>>105を思いついた後]
[夜の色の瞳を、集う人々の上にそっと廻らせる。 その視線は。
絵を愛する青年と、 金色の髪の小柄な少女の上に。
他の人達より、少しだけ長く留ってから、 ふっと、天井の紛い物の星空へ向けられ、閉じられた*]
(150) 2013/10/06(Sun) 22時半頃
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[グロリアは視線を落とす。 胸元で自身の手を握りしめるとツキリと微かな痛みを感じた]
断ち切る先は――…
[ルーカスの言葉をなぞり、間をあけて]
あなたでないのは確か。 けれど、まだみつからない、みつけられない。
[“そう”でないと思いたくなる相手はグロリアにも存在する。 だから、同意するように頷いて、嘘の星空を見上げた]
(151) 2013/10/06(Sun) 22時半頃
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[落ち着かせようとレティーシャの髪を撫で]
ティーシャは、どうしたいの 魔女が願いを叶えてくれないとしたら、どうなるのが幸せ?
(152) 2013/10/06(Sun) 22時半頃
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[彼女は最も長くサロンにいた。 話しかけられれば誰かと話すが、 積極的に誰かと『仲良くなろう』とした事はない。 彼女の世界には夫しかいなかったから。 夫の世界には彼女は存在していないのに。]
(153) 2013/10/06(Sun) 23時頃
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[ボリスを友だと思った。 それは本当。 彼よりも長く生きて彼を覚えておきたいと思ったのも本当。 けれど、彼女にはもう、耐えられなかった。 『痩せたい』なんて、軽い願い、 誰かのいのちと引き換えになんて、出来ない。]
(154) 2013/10/06(Sun) 23時頃
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[誰の死も望みたくない。 それがたとえ亡霊であっても。 けれど、『彼女の死を積極的に願わない』人がいない事は、彼女が一番よく知っている。]
(155) 2013/10/06(Sun) 23時頃
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[シメオンの分からないという返事に、私はいらだってしまい、彼の胸を叩きました。 八つ当たりです。 私は彼の口から、なんという言葉を引きずり出したかったのでしょうか?
そんな私を落ち着かせるためか、彼は髪を撫でてくれました。 私は彼の胸に額を当てます。]
……しあわせ……
[どうしたら、幸せ?]
……私、私じゃない私に。なりたい……。 ……だってこんな子、
誰も、いらないって言うわ!
[暗い森のやめて思い出したくない忘れたことなんてない解けない呪い]
もう、いやなの……
(156) 2013/10/06(Sun) 23時頃
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[サロンの出口に立ち、くるりと姿勢を反転させる。 きっとここから、みんなに届けられる。 だってここは不思議な場所だから。]
みんな、聞いてけろ。 眠くなったら、誰かを選ばなきゃいけねえだな。 まんず、亡霊から。 誰か亡霊は分かっただか? …分かってたとしても、おらにはそん人を殺す事は出来ねえ。 そったら事すてあん人には会えねえ。 すたら――…おらが、ここに来た意味は、もうねえだよ。
(157) 2013/10/06(Sun) 23時頃
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……、
[帽子の庇の影から、 青い瞳がグロリアを見つめ>>151 ことばの形と星見上げる彼女の形を手探る間]
では、 私も君ではない。今は。
[傍のグロリアにだけ聞こえる声量で。 偽らぬ誠を伝える]
…どうしたものかな。
[呟きは、ひどりごとに似る]
数の問題ならば、分が悪い。
(158) 2013/10/06(Sun) 23時頃
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おらを楽にしてくんねえか。
(159) 2013/10/06(Sun) 23時頃
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ルーカスは、カトリーナの行動を見守っていれば、告げられる言葉に瞬く――
2013/10/06(Sun) 23時頃
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…ばちが当たっただ。 自分で頑張らんと、簡単に痩せようとすたから。 痩せたら、あん人が帰って来るって、そればっかし考えとったから。 おらには――願いを叶えて貰う資格はねえ。
もう、何も考えたくねえだ。 おらを、人形にしてけろ。
(160) 2013/10/06(Sun) 23時頃
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[胸を叩かれ困った顔をするのは、装いではない本物の、シメオンという亡霊の表情だった。 胸に額を当てるレティーシャ>>156の髪を撫で続ける。遠い遠い昔、弟にもそうしたように。]
……私じゃない私。
[言葉を繰り返し、眉を寄せ口にしないままあることを考える まとまる前に彼女が叫ぶ誰もいらないという、と]
……っ
["いらない"とても胸に刺さる言葉だった 幸せになった筈なのに 満たされた筈なのに ■■■は■■に■■のに]
(161) 2013/10/06(Sun) 23時頃
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[彼女は再び円卓に近寄り、ここに来て初めて、紅茶を淹れた。 香りを嗅ぎ、口をつける。 顎との境目が分からない太い首が波打ち、紅茶を体内に流し込む。 飲み終えて、口を閉じて鼻で呼吸をすると、紅茶の香りが広がって、思わず笑みが零れた。]
(162) 2013/10/06(Sun) 23時頃
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『ゲルトじゃなくてお前がいなくなってしまえば良かったのに――』
(163) 2013/10/06(Sun) 23時頃
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――ああ、美味しいだぁ。
(164) 2013/10/06(Sun) 23時頃
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ルーカスは、シメオンに話の続きを促した。
2013/10/06(Sun) 23時頃
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……
[レティーシャを静かに抱き締めた。 この時やっと気付いたのだ、一緒にいてもお互い深くにあることは胸の奥にしまったままだったものだから。]
僕達
きっと似ているんだね。
(165) 2013/10/06(Sun) 23時頃
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[彼女はそのまま寝息を立て始める。 聞いた者の反応を確かめぬまま――……**]
(166) 2013/10/06(Sun) 23時頃
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カトリーナは、レティーシャは無事オズワルドと合流出来ただろうか、と思った。
2013/10/06(Sun) 23時頃
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[ルーカスの応えは漸く耳朶に届く程度のもの。 見上げたままの姿勢で小さく笑い隣を流し見る]
正直ね。
[それを美徳だと思い言葉のまま受け止めた]
数の問題なら――…
[自身の役割を明らかにすれば動きはあるだろうか。 ちらと過るもルーカスを巻き込むかたちになると知れるから グロリアは迷い、声を大きくは出来なかった]
(167) 2013/10/06(Sun) 23時頃
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[そういえば、友情のしるしにボリスに一度でも名前で呼んで貰いたかったな、という考えが『選んだ』事になったのを、彼女は知らない。**]
(168) 2013/10/06(Sun) 23時頃
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