75 サプリカント王国の双子
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― 客間 ―
……少し、早めに出た方が良いですよね。
[室内の時計と、指定された時間とを比べて。 椅子から立ち上がれば、使用人は廊下の先を歩いて、指定された客室までの道を行く。]
んー、……
[歩きながら、小さく、唸る様に。 『話しがしたい』とは言ったけれど、実際は、ただ、少しだけその顔が見たい、というだけなのだから。 何かそれらしい話題を探しておかねば、と―――。]
「此処です、エゼルレッド様」
[そう、使用人に声をかけられたのは指定された扉の前を、数歩通り過ぎてしまった後だったか。]
(21) 2012/01/16(Mon) 23時頃
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― 客室 ―
失礼、します。
[控えめにノックを数度。扉を開けば、軽く頭を下げる。
早く着く様に調整した心算だったのに、既に妹王女は其処に居た。 指し示されたソファの前、歩んでいけばまた礼をして、腰を下ろす。]
……えぇと、
[結局、話題は思い浮かばずに。 妹王女を見つめるのも何か気恥かしくて。 視線をを向けたのは、その傍らに控えている使用人へ。
軽く眉を顰めてから、こほん、と咳払いして。]
御伺いしたい事が、幾つかあって。
[木立瑠璃を僅か細めながら、口を開く。]
(22) 2012/01/16(Mon) 23時頃
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先ず、一つ目に、……ミッシェル様は、ペリドットの指輪を贈り物とする事について、どう、思いますか。
[挙げた名は、明るい緑色の石の名前。 その大きな瞳を思わせる、イブニングエメラルドとも呼ばれる石の輝き。 祖母の持っていた古いアクセサリーの中にあったペリドットのブローチに目を奪われて、思わず石の名を尋ねたのであった。 祖母は丁寧に、石の名から石言葉まで教えてくれた。 翌日、遊びに来たミラに、たどたどしい口調で「大きくなったらペリドットの指輪をあげる」と、言ったのだけれども。
―――その言葉の真意まではきっと彼女には伝わっていなかっただろうな、と、今は思う。
細めた瞼の裏、思い出すのは、あの日の彼女の返事。]
(23) 2012/01/16(Mon) 23時頃
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[扉が開いたのを見て、使用人は深く礼をして一歩下がった。 代わりにシルヴァーナが半歩前に出る]
いいえ、こちらこそご不便を強いてしまい申し訳ありません。
[こちらも頭を下げる。リリィが軽く鳴いた]
ええ、ちょっと色々とありまして。 リリィをハンスに返そうと思っていたのですけれど、 当のハンスが見当たらなくて。
[リリィとシメオンの件がエリアスにも伝わっているとは思わず、そこは言葉を濁す。 服の話になれば、ふふっと微笑んだ]
(24) 2012/01/16(Mon) 23時頃
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もう濡れてしまっています。 その着替えもハンスに頼もうと思っていて。
――ミスター・ブローリンも着替えられたのですね。 その服もとてもお似合いです。
[そして銀色の蝶にも目を留める。 先程彼が話した物語のことが、ふっと頭を過ぎった]
……と、……、ごめんなさい。 お疲れのところ立ち話をさせてしまって。
[疲れていると判断したのは、心なしか彼の顔色が悪いような気がしたため。 立て続けに殺人が起きたのだ、誰だって気分が悪くなる――と、この時点では持病になど思い至れないが]
(25) 2012/01/16(Mon) 23時頃
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[>>22彼はまた、緊張してしまっているだろうか。 はい、と続きを促して。]
…… 素敵なこと、だと思います。
[唐突な質問に、瞬き数度。 言われて、意図を探るように記憶を掘り起こし。 そうして、幼い約束のようなものを思い出した。 「ありがとう 楽しみにしてるわ」なんて、よくわからないままに答えた、ような、曖昧な記憶。
過去の思い出から、揺さぶろうというのか。 バレないよう、と気を張りながら、バレてなにが悪いのだと囁く声。 微笑は感情を濁す。]
姉様に贈り物でしたら、…そうですね。 ペリドットは、ネックレスをお持ちでしたけど、合わせた指輪はお持ちではなかったと思いますが…
(26) 2012/01/16(Mon) 23時半頃
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有難うございます。 ……はい、いえ、えぇと、……あ、いや、……えぇと、
[ミッシェルの答え>>26に小さく頭を下げて。 「姉王女は持っていない」という答えには、何と返して良いか悩んで、結局言い淀んだのみとなる。
質問が少しばかり核心から離れ過ぎていたか。 眉間の皺は深くなり、必死に何かいい案はないか、と、考えて。]
二つに、……ミッシェル様は、幼い頃からずっと王都にいたのでしょうか。 ……あの、……童話を。 海を夢みた、丘の上の林檎の樹の話を、知っていますか。
……その物語の結末を、……聞かせて欲しいのです。
[挙げた童話は、サプリカントの国では昔から有名な童話の一つ。 この国に住んでいるのであれば、幼い頃、一度は聞いた事のあるであろう、童話だった。]
(27) 2012/01/16(Mon) 23時半頃
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―廊下―
…御優しいのですね。
[衣服が汚れることを厭わず、リスザルを抱く姉王女へ]
聞きました。リリィが、シメオンさんに傷を負わせたと。 余程怖い想いをしたのでしょうか。
[細い指先は、リリィの頭を緩く撫でた]
(28) 2012/01/16(Mon) 23時半頃
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[着替えも兄に頼む心算と聞いて、オリーブ色は刹那に揺らぐ]
そうですか。ええ、そう。其れが良い。 貴女様には、兄の選んだ服が一番よく似合う。 何よりも"美しい"華。
―――…リリィも、そう思うでしょう。
[薄く微笑み問いかけると、リスザルはきぃと小さく鳴いた]
止みませんね。雨。
[服を褒められれば、はにかむように礼を述べる。 やはり、何処か子供のような表情で。 お疲れの所と言われれば、ゆると首を横に振り]
月は晴れていなければ、見えません。
[話題を逸らす様に、視線を向けるのは窓。 雨模様の中、それでも次第に闇が迫り、夜が近づいていると知れる]
(29) 2012/01/16(Mon) 23時半頃
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"永久に続く晴れは無く。 やがて小雨が舞い、嵐にもなりましょう。"
[物語る声は、何処か唄う様に]
蝶はか細い月をずっと見つめていましたが。 …やがて、嵐でその姿を見失ってしまいました。
シルヴァーナ様。
貴女様が蝶ならば、こんなとき、どうしますか?
[くすりと微笑むのは、悪戯めかした表情]
(30) 2012/01/16(Mon) 23時半頃
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[>>27うろたえるさまを見れば、やはり目的は姉へのことではないとわかる。 険しい表情から押し出された次の問は予想外で]
…… そうです、が。 童話ですか…?
[「王女は、王都生まれの王都育ち」設定通りの答えを返して、]
…… 訪れた鳥が、林檎を咥えて、海へ連れて行ってくれましたね。 その林檎の種が流されて、川べりに樹を生やして… 海を知らない林檎たちに、海を話してあげるんでしたか。
[思い出しながら、ぽつぽつと語る。 王女となってからは、聞く機会もなかったお話。 懐かしさに目を細めながら。]
…… もう、暫く聞いていませんね。 この話が、なにか?
(31) 2012/01/17(Tue) 00時頃
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……そんなことは、ありませんよ。
[優しいという言葉に苦笑いを浮かべる。 リリィを口実にハンスを呼ぼうとしているのだから、本当は褒められたことではないというのは内心ではわかっている]
ああ……お聞きになっていたのですね。 そうです、そのためにハンスにこの子を預けようと。
……動物は、細かい変化に敏感と言いますからね。
[撫でやすいようにリリィをそっとエリアスのほうに差し出す。 胸元の藤紫が濡れて濃く滲んでいるのが見えるだろうか]
――ああ、そういえば……庭に居た猫はどうなったのかしら。
[これだけ人が集まって騒いでいるのだからもう、いないのかもしれない。 その猫はもう殺されてしまったとは知らず、ぽつりと呟いた]
(32) 2012/01/17(Tue) 00時頃
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ありがとうございます。
[刹那の揺らぎは捉えきれず。にこりと笑って礼を言う。 雨の話に移れば、そうですねと頷いた。 同じように窓のほうに視線をやり、段々と空が雲の厚み以外の要因で暗くなっていることに気づく]
……、
[唄うような言葉、それは黙って聞いていた。 それが問いかけになれば、考えるように片手を顎の下に宛てる]
…………探します。 たとえ、己の身が風雨に晒されようとも。 嵐の向こうにその月があると信じれば、前に進むのも労苦ではありません。
[質問の意図は咄嗟には解らなかった。ならば裡を読むのはやめて、自分が蝶だったらどうするかということをそのまま考える]
(33) 2012/01/17(Tue) 00時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2012/01/17(Tue) 00時頃
薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2012/01/17(Tue) 00時頃
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[握りしめたままの掌は膝の上。 思い出す、思い出すのは自分と同じく、王都からペンブルックシアの学院へ通っていた、友人からの話。]
……いえ。 大丈夫です。……その答えで、大丈夫です。
[『あの話は口頭で伝わる事が多く、地方によって結末など、細かな部分が変わる』と。 そういった物語などについて学んでいた彼と話していた時、ちょっとした世間話のついでに、聞いたのだ。
そしてその“違い”は王都とペンブルックシアの違いにもあったんだ、と、友人は生き生きと騙ってくれた。
例えば、林檎を運んだのはペンブルックシアでは“鳥”とされているが、王都では“風”となっていたり。 流された種の芽生えた場所が“川べり”か、“海の見える小高い丘”か、であったり。
そんな、僅かな、差。―――けれど、それだけで、充分だった。
視線を上げて、ふ、と、微笑む。ずっと、ずっと、柔らかい表情で。]
(34) 2012/01/17(Tue) 00時半頃
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……貴女に何が起こったか、これから起こりえるのか。 きっと僕には想像のつかない世界なのだと思います。
それでも、貴女がこの道を選んだというのであれば、僕は、ただ、その背を見ていたいと、そう願います。 昔からも、これからも、ずっと。
[核心には触れぬまま。 けれど紡ぐ言葉は、「貴女がミラである」と、暗に告げているようで。
祖母の屋敷の中、閉じこもっていた自分を引っ張り出してくれた眩しいあの笑顔を。 年下の少女だというのに、ひどく頼もしく見えた背中を、思い出しながら。]
(35) 2012/01/17(Tue) 00時半頃
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それでも、……もし、何か、どうしても耐えられぬ事、一人では乗り切れぬ事が起きたのであれば。 後ろを見て、僕の事に気付いてくれたら、と。
……僕は、
[あの時よりは、強くなった筈だから、と。 ―――言いかけた言葉は、外のざわめきに、かき消されるか。 途端、騒がしくなる廊下。 廊下を走るような足音と、響く声。
行き交う使用人たちの言葉の断片に「シメオン」「ハンス」という名が聞こえたか。]
また、……何か、……?
[視線の向けた先は、廊下へ続く扉。 小さく瞬き、どうするか、と、問うように木立瑠璃の瞳はミッシェルを見た。]
(36) 2012/01/17(Tue) 00時半頃
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―廊下―
――――…いけませんよ、"レディ" 御身体は労わってくださいと、何度も御忠告した筈ですが。
[くすくすと穏やかな声は、僅かに嗜めるように。
そっと手にしたのは部屋に置かれていた白いストール。 叶うならば"彼女"の身体には触れぬよう、 その肩へかけて器用に布端を花のように結んだ。 濡れた胸元より、視線がやや上へと集まる様に]
…猫は。
きっと、"屋根のある所"へ。
(37) 2012/01/17(Tue) 00時半頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2012/01/17(Tue) 00時半頃
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[不躾な自分の質問に、答えるのは素直で真摯な答えだった]
Fantastisk.
[にこりと微笑む、やや蒼白い顔]
蝶は、月を探し続けました。 雨に晒されながら、風に晒されながら。 雷に怯えながら、闇に脅えながら。
ただ、月の姿を求めて。遠く、高く、高く―――…。
…そして、嵐を超えて、厚い厚い雲を超えて。
辿り着いた雲の上。 蝶は再び、月と出会うことが出来たのです。 めでたしめでたし。
(38) 2012/01/17(Tue) 00時半頃
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病人 エリアスは、メモを貼った。
2012/01/17(Tue) 00時半頃
薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2012/01/17(Tue) 00時半頃
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[あ、と思った時にはストールが巻かれていく。 咄嗟に手を出し断ろうにも、手にはリリィが。 もしかしたらもう悟られているかもしれないとはいえ、肩辺りには触れないでほしいと祈っていたら、本当に触れられないまま巻き終わって]
ご、ごめんなさい。つい……。
…………器用、なんですね。 流石はハンスの弟君……でしょうか。
[綺麗な結び目に少し驚いたように、そこに視線を落とす。 巻かれたストールは緩すぎず、きつすぎず、丁度いい。 その心遣いに気づけば、リリィを抱く手を少し下へと下げた。 ストールまでも濡らしてしまわぬように]
……屋根の下、暖かい場所に居てくれればよいのですが。
(39) 2012/01/17(Tue) 01時頃
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――、……ミスター?
[微笑みが蒼白く見え。やはり疲れているのではと不安になる。 だが話を遮ることはできなかった。語られたのは、あのお話の続きだったのだから]
……ふふ。ハッピーエンド、ですね。 ありがとうございます。
――月も、蝶が自分の為に遠い雲の上まで来てくれたことを きっと喜んでいると思います。
[視線は銀の蝶へ。――そして再び、エリアスの顔色を伺うように]
……ミスター、やはりお疲れではないのですか。 顔色が優れないように思います。 長く引き止めてしまいすみません、私はそろそろお暇します。 部屋の中でハンスをお待ちになってくださいませ。
(40) 2012/01/17(Tue) 01時頃
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サイラスは、そう言ってお辞儀をしてから立ち去ろうとして――何かに気づいたように顔を上げる。
2012/01/17(Tue) 01時頃
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――――、
[ふと、気づく。ハンスは此処に一度戻ってくるのだろうか。あとどのくらいで?そもそも、戻ってくるのならば何故一度離れたのだろう]
……あの、ハンスは何処に行くと言っておりましたか。 彼がこんなにも客人をお待たせするのは、何か、
[何かおかしいような気がする。 一度違和に気づいてしまえば、不安はあっという間に表情に出てしまった。
――廊下の向こうから騒ぎが聞こえ始めるのは、そんな頃だろうか]
(41) 2012/01/17(Tue) 01時頃
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[叫び声をまず聞いたのは使用人だった。 王女の私室の近くで声を上げて、ふたりともの耳に入らないとは、世話係は殺人犯のうろつく城で何をしているというのか。 ――聞かれてしまうのも、心苦しかったのだが。 使用人はどんな顔をしただろう。息を詰める音が聞こえた気がした。]
ハンス、が。
[その声に、はっとしたように使用人は駆け戻る。 すぐにぬる湯を用意し、身体を清めるように、と。 それから伝達はこちらで行うので、少し休んで、と。 二つのことを告げた使用人に、ありがとう、と弱く笑む。]
大丈夫です。 私が休んでいたらミッシェル様に申し訳が立たない。
[手を洗い、頬に胸にとんだ血を拭う。 駆けつけた警察に検分を任せて、部屋を出る。]
(42) 2012/01/17(Tue) 01時半頃
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サイラスは、騒がしさが大きくなってくれば、また嫌な予感がして。不安げな表情で*エリアスを見る*。
2012/01/17(Tue) 02時頃
薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2012/01/17(Tue) 02時頃
薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2012/01/17(Tue) 02時頃
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―廊下―
["向いていなかった"だけで、一時期は本当に勉強したのだ。 兄には敵わないものの、ストールを巻くくらいならば容易い]
あとは、兄さまに綺麗にして貰えば良い。
[ふふ、と小さく肩を揺らしながら。 その当人が今、どのような状況に追われているのか。 知らなかったから、そんな風に言葉を締めくくる]
きっと、暖かい場所に。…多くの人に囲まれて。 "猫"は案外と、人に懐く生き物ですからね。
["彼"が犠牲になった理由すら、知る由は無い]
(43) 2012/01/17(Tue) 06時半頃
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……蝶は、
[Happy Endだと言われて、僅かに言葉に詰まった。 彼らしくはない態度だった。 普段ならば"そうですね"と微笑んで、 綺麗な言葉を並び立てて誤魔化しておけば良い]
そうですね、蝶はきっと、月と出会えて…
[言いなおす言葉も、穏やかながらやはり歯切れは悪い。 だから余計に、顔色の悪さに気づかれてしまうのか]
顔色悪く、見えますか。 …もうすぐ夜がやって来る所為でしょう。 疲れていることなど、何もありませんよ。 立ち止まっている間など、僕にはありませんから、だから。
(44) 2012/01/17(Tue) 06時半頃
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此方こそ、シルヴァーナ様に立ち話をさせるなどと。 この部屋は僕の持ちモノではありませんが、どうぞ中へ―…。
[椅子をすすめようとして、顔をあげた姉王女に気づく。 酷く不安げな表情をしていた。 そういえば、兄は何処へ行ったというのだろうか。 この顔色の悪さを見れば、また口五月蠅く言われるかと思ったが。 それすらせず、立ち去る用事といえば、思いつくのは姉王女の御世話。 しかしその当人は目の前にいる]
……。
[相手と違い、表情が不安げに歪むことはない。 ただ、違和には気づいたように、おっとりと瞬きを零して]
(45) 2012/01/17(Tue) 06時半頃
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『―――――ブローリンが!!』
[遠いざわめきに混じって、叫ぶ声が聞こえた。 今まで大人しくしていたリスザルは、 するりと姉王女の腕の中を飛び出し廊下を駆け始める。
それは主を心配しているようでもあり、 いつかのように道案内しているようでもあり]
…シルヴァーナ様。オズワルドさん。
[姉王女と使用人へ、息をつめて贈る眼差し。 オリーブ色は、そんな心算は無いのに同様で微かに揺れた]
(46) 2012/01/17(Tue) 06時半頃
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―廊下→ハンスの…―
何処へ行くのかは。 行き先も用事も、告げていなかったように思います。
ただ、話をしに戻って来ると。必ず、戻って来ると。
[多少の騒がしさ、気づいてはいたが。 場を動こうとしなかったのは、"約束"があったから。 もっとも、兄の言葉なんて。 …何処まで信用しても良いのか、はかりかねる部分は、あったが。
けれどリリィの後を追う様に、足は自然と動きだした。 使用人が引き止める言葉を掛けたかもしれないが、 知ったことではない。
歩調に合わせて、銀の蝶も、揺れていた。 そして辿り着いた兄の部屋は、既に幾人か集まった様子で――]
(47) 2012/01/17(Tue) 07時頃
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……兄さま。
[其れについては、信じられない光景、というのが極めて正しい。 自分より先に兄が血の海に沈むなど、考えたことも無かった。
既にシメオンの姿はない。 慌ただしく動きまわる使用人達。
―――――誰かが零した。"未だ息はある"と]
(48) 2012/01/17(Tue) 07時頃
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兄さま。
[其の場に立ちつくしたまま、黒い傘を握り締める。 ハンスがどのような状態であるのか。 行く手を阻まれて詳しく見ることは叶わないが。
ただ、それでも隠しきれないこと。
"紅い"]
嘘吐き、です…。
[何を言うべきかを、分からなくなってしまったかのように。 破られた約束を想い、呟く**]
(49) 2012/01/17(Tue) 07時頃
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病人 エリアスは、メモを貼った。
2012/01/17(Tue) 07時半頃
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[>>34気づくことはできなかった。 王都へ来た頃にはもうすぐ10になる頃だったし、覚えねばならないことが山積していたため、童話などに触れる暇はなかった。 だから、童話だけで彼が納得したふうだったのが、理解できなかった。]
…… なに、が ……?
[>>35続いたのは、何かの確信を得たかのような言葉で。 応援するような。励ますような。 このやりとりだけでは、傍の使用人は理解できまい。 問い詰めるにしても、それは自分がミラだと認めるということで。
バレた。 思った瞬間、どっと肩の荷が降りたような心地になった。 これで、「終われる」と。 けれど、この言い回しは…彼は、告発する気はないということか。
暖かい言葉を、呆然と見つめていた。 しかし途中、>>36廊下からの騒がしい音にはっとして]
(50) 2012/01/17(Tue) 08時半頃
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