151 雪に沈む村
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店番 ソフィアは、メモを貼った。
2013/11/24(Sun) 22時半頃
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……げっぷ。
[大きく膨らんだお腹を撫でて、満足げに顔を蕩けさせる]
食べた食べたー。 ピエール、ごちそうになったよ。
[厨房に向かって改めて礼を言う。 バーナバスに向き直ると、ニヤリと微笑んで] 、、、、、、、、 どうだい。じーさん。食後にオセローでもして遊ぶか。
[手をヒラヒラと振る]
冗談だよ、冗談。
(17) 2013/11/24(Sun) 22時半頃
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お、ウォーレンじゃん。
[ピエールの店に現れた馴染みの顔を見て>>15、カルヴィンは相好を崩した]
なになに。今から朝食?
[トテトテと彼に近付くと、ブーツの話を聞く。 ドナルドらしいなあ。後でお礼を言わなきゃ、と嬉しそうに呟くと]
そのブーツ、どこにあるの? 早く履いてみたい!
[顔をきらきらと輝かせた]
(18) 2013/11/24(Sun) 22時半頃
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………ふにゃぁ?………zzzz
[>>17 何処からか聞き覚えのある単語を聞けば。 むにむに、と耳が動くのでした。]
(+10) 2013/11/24(Sun) 22時半頃
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-朝・ピエールの店- [店のドアを開けるとそこにいたのは少年達と。]
――ん?
[見慣れない老人が、一人。 はて、あんな人はいただろうか、と首をかしげはするが、カルヴィンがなにやら話しかけているのを見ておおよその見当がつく。 恐らくは、余り人前に出てこない者だろう。
少なくとも邪悪なものの気配はしないし、もしそうであればカルヴィンなりドナルドなりのほうがもっと反応するはずだ。 そのカルヴィンはこちらに声をかけてきた。]
ああ――あと、弁当を頼んでてな。
[そういいながらピエールの出してくれた朝食を食べる。 この男の料理は絶品だ。道すがら少し冷えた身体が芯から温まるようだった。]
(19) 2013/11/24(Sun) 22時半頃
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――そういやドナルドがお前達にブーツを作ってくれって言ってな。もうできてる。
[まるで今思い出したという風に話したが、内心二人を探さなくてすんだことにほくそ笑んだ。 恐らくカルヴィンに渡しておけば、今日のうちにはトニーの手にも渡るだろう。 どこにあるのかとカルヴィンに問われれば。]
まあ落ち着け、工房にあるから食ったら渡す。
[あくまで自分のペースで朝食をとるのであった。 食べ終われば携行食を受け取って代金を渡し、カルヴィンと連れ立って工房に帰るだろう。]
(20) 2013/11/24(Sun) 22時半頃
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[こんこん]
おはようございまーす。
[……どんどん]
ウォーレンさーん! ……いないのかな…?
[ゆっくり扉を押してみると少し開きました。入っていようかどうか迷いましたが、その時丁度、一際冷たい風が雪を巻き上げます。]
さぶっ!? [そそくさと中に這入ります。せめて勝手に道具を触ったりしないように、玄関口の隅っこに立っていることにします。
と、昨日はなかったものが目に留まります。二組のブーツ。一組には鮮やかな赤い宝石が、もう一組には煌めく黄色い石が、窓から差し込む朝日に照らされて光っています。]
わ……綺麗な靴……誰かが頼んだのかな……?
(21) 2013/11/24(Sun) 23時頃
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ええ、勿論ですよ。……ああ、アリス君ですね、こんにちは。今はおねむですか?ふふ。
[外に控える執事に会釈を交わし、(こういう時、どれだけ勧めても彼は中へ入っては来ないのだ。)彼女を祭壇のほうへと誘導する。ベビーカーの中の存在に気付けば、頬を緩めて覗き込み、小さな柔らかい頬を指先でそっと撫でて挨拶をする。
眠る赤子から離れると、ふとエリサの肩辺りに視線をやる。薄らとそこに纏い付いた氷の結晶。ハンカチで顔を隠して、こほ、と短い咳をする彼女に、一歩近付く。]
……エリサ、雪が。
[細い肩のうえをそっと払う。気付けば、自分よりも背の低い彼女の顔が直ぐ下。体調が思わしくないのだろうか、先日会った時よりも骨が浮いた首筋。幾分顔色も悪い。
意識せずとも心配が表情に透けたかもしれない。 少し近過ぎるかもしれないその距離も忘れて、チャールズは労わるように髪に残る雪も、指で梳くように払ってやった。]
(+11) 2013/11/24(Sun) 23時半頃
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[まあ落ち着け>>20、と言うウォーレンの袖を引っ張って]
これが落ち着いていられるかよー! ブーツ!ブーツ!
[もだもだと暴れ始める。 あくまでも自分のペースで朝食をとるウォーレンに口を尖らせて]
早く早く! 間に合わなくなっても知らんぞー!
[一秒でも早く工房へ行きたい一心で、ウォーレンを急かせた]
(22) 2013/11/24(Sun) 23時半頃
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見てて気持ちのいい食べっぷりじゃのぅ。
[>>17 豪快におくびを吐きだす口を眺めながら、感心したように老人は呟く。 そして、意地悪そうに頬をニヤリとゆがめながら、少年は遊戯の誘いをしてくる。]
ほっほっほ。 『大人になりたくない少年』みたく少年のまま時をすごしてるならともかく、 老いぼれと盤ゲームなんぞした日には返り討ちじゃぞ。
[暗喩した意図を汲み取り、バーナバスは笑い声を洩らしながら言葉を返す。
―――その目は、しっかりとカルヴィンを見ていたが。]
(23) 2013/11/25(Mon) 00時半頃
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[―――ガチャリ。]
[カルヴィンと談笑をしていると、扉が開いて来客。 この店は余程繁盛していると見える。 見た目からドワーフ族だと推測はついたものの、とりたててバーナバスの側から何かを働きかけることはしない。 そう言えば、最近人間と一緒にこの地に住み始めたドワーフが居たと人づてに聞いたことがあった気がするが、バーナバスはそれが目の前の男だと気付いただろうか。]
[いずれにせよ世俗には関心の薄いバーナバスのこと、話しかけられでもしない限りニッコリ微笑み返して挨拶をするか世間話程度の会話しかしなかっただろう。]
[カルヴィンがブーツを見たいと急ぐなら、>>22 見に行っておいでと送り出すだろう。]
(24) 2013/11/25(Mon) 00時半頃
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ふふ……私に似て可愛いでしょう? もう3歳なのに…まだベビーカー離れしないのよ……。
[>>+3 そう言ってツンツンと子供の頬をつつくと、『メー』と子羊の鳴き声が聞こえる。もこもこし過ぎて本当に、ぬいぐるみのようだ。 娘を眺めていると、穏やかな声とともに、指が近づく。 雪が払われて、教会の床の上に、はらり。すぐに溶けて水になっていく。 見上げれば、心配そうな彼の顔が。自分はそんなにも酷い顔をしているのか。 無理矢理にでも笑顔を作る。]
――…ありがとう。 相変わらず、優しいのね。 ……ダージリン、下さる?
[そう言って、椅子に断りもなく座る。 ふ、と彼に気付かれないように小さく吐息をついた。 みっともないところは見せたくなかった。]
(+12) 2013/11/25(Mon) 00時半頃
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バーナバスは、スープをゆっくりとすすっている。**
2013/11/25(Mon) 00時半頃
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…直ぐに用意します。どうぞ、楽にして。
[お決まりの銘柄を口にして、エリサが椅子へ座る。 花が綻ぶようだった笑顔は、今はどこか弱々しかった。 努めてそれに気付かない素振りで、此方も何時もの笑顔。 手際良く茶器の準備を整えていく。蓋を開けられ圧力の変わった紅茶葉の缶が、ぺこん、と小さな音を立てた。]
さあ。御茶が入りましたよ、お嬢さん。
[何時ものカップに、何時もの紅茶。 口にしたその呼び方も、勿体ぶった言い方も、彼女に初めて此処で御茶を振舞った時から何年も続く、二人の習慣だった。**]
(+13) 2013/11/25(Mon) 01時頃
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―教会裏の墓地―
[広い墓地の片隅に並ぶ墓石に語りかけながら、積もった雪を払う。]
じいちゃん、ばあちゃん、ごめんな。 花でも持ってこられりゃよかったんだけど。
[教会に来るまでに供えられるような花を探したが、地面のほとんどが雪に埋もれ、見つけることはできなかった。 そもそもこの寒さの中、咲く花があるのかさえも怪しい。 花屋で買おうにも、ただでさえ贅沢品だ。 トニーに手の出せる金額ではない。]
そのかわり、南の花畑、一緒に行こうな。 今度こそ、三人でさ。
(25) 2013/11/25(Mon) 01時半頃
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[家から持ち出した髪飾りと、毛皮の帽子を取り出し、2年前、病に倒れた養父の顔を思い出す。 「三人で花畑に行きたかった」と言ったのは、亡くなる数日前のことだったろうか。
若くして亡くなった妻のことはそれまでに何度も聞いていた。 トニー自身は、直接会ったことはないというのに、彼女の性格や癖、好みなど、まるで一緒に暮らしていたかのようによく知っている。 養父は頑固だったが、妻のことを話すときだけは優しい顔をしていた。 彼が本当に、妻を愛していたのを子供心に感じ、そんな養父もその妻のことも大好きだった。 トニーが会ったこともない彼女を「ばあちゃん」と呼ぶのもそのためだ。
だからこそ、養父が亡くなったとき、次の冬には、自分が二人を花畑に連れて行こうと、心に決めたのだ。
墓地までついてきたクシャミ>>6はトニーに何か言っただろうか。 いくらか言葉を交わしたのち、二人で墓地を後にしただろう。]
(26) 2013/11/25(Mon) 01時半頃
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靴磨き トニーは、メモを貼った。
2013/11/25(Mon) 01時半頃
靴磨き トニーは、メモを貼った。
2013/11/25(Mon) 01時半頃
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―回想・4年前>>3:85―
バカっ!そういう意味じゃねーだろ!
[忍び込んだ屋敷のお嬢様にズレた返答をするカルヴィン>>3:99に、思わず突っ込みを入れる。 そのころはまだカルヴィンよりも背はずっと低かった。 知らない者が見れば、年下の少年が、年長者を叱っているように映り(実際そうなのだが)奇妙に思ったかもしれない。]
だから言ったんだよ〜。忍び込むなんてやめようってさ! ああ、またじいちゃんに叱られる…
[自分は止めた、悪いのはカルヴィンだと、自分を正当化する。 カルヴィンのいたずらに付き合って、叱られたことは数知れず。 それでもまたやってしまうのは、トニー自身も好奇心や悪戯心を抑えきれないためなのだが。]**
(27) 2013/11/25(Mon) 02時頃
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靴磨き トニーは、メモを貼った。
2013/11/25(Mon) 02時頃
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……ありがとう、頂くわ。
[>>+13 骨ばった手で受け取ると、紅茶を啜る。芳醇な香りが喉元を通って、胃へ落ちる。 急に飲み物を口に含んだので、少しむせてしまいそうになるが、ぐっと堪えて飲み込む。 ……温かい。…ダージリンも。チャールズも。 ずっと、ずっと、変わらぬまま。]
――……私が村を出た時の事、覚えているかしら?
[乾いた唇で呟く。まだ18歳の頃だ。 『トップレディになってやるわ!そして華々しく帰ってきてみせます。あまりもの美しさに、ビックリしないで下さいね!!』 そう言って、自慢の美貌だけを頼りに上京したのだ。 ……思えばあの頃が一番美しかったし、楽しかった。
確かに名誉も裕福な暮らしも手にして、可愛い子供も授かって。……夢は十二分に叶えられた。 けれども、一番欲しかったものは手に入らなかった。自ら逃げてしまったのだ。]
……惨めなものね。
[自虐的に微笑んだ。昔の彼女では決して見せないような、歪んだ笑顔。]
(+14) 2013/11/25(Mon) 03時頃
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―回想・工房―
[ソフィアが財布を取りに戻る少し前。 新たに工房に訪れたのは、先ほど行方を気にしていた龍族の青年だった>>2:79]
あらドナルド、ご機嫌よう。 丁度いいところにいらしたのね、ウォーレンと火種の件でお話をしたところだったのよ。
[空いた場所を探して腰を下ろした彼へと、歓迎の言葉と笑顔を向ける。 『火種の件』とだけ説明すれば、毎冬の事だ。彼には何の話か伝わるに違いない]
もうじき、村は雪に沈んでしまうでしょう? その前に、ひと仕事しておかなければと思って。
[探す手間が省けたわ、と少しだけ悪戯っぽい光を瞳に宿した]
(28) 2013/11/25(Mon) 03時半頃
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折角、偶然とはいえ私達二人が揃ったのですもの。 『火種』を提供していただいてもいいかしら?
[訪ねてきたばかりの彼には性急すぎる申し出だけれど、うっかり忘れてしまっては事である。 ドリュアスの催促に、ドナルドは快く応じてくれた>>3:89 彼の指先で踊る紅い炎を見遣れば、いつ見ても見事ねぇ、としみじみと感心せざるを得ない。
ドリュアスたるジリヤは、植物に属する者だ。 その性質上、炎を扱う魔法は不得手だった。 全く使えないわけではないが、ジリヤが生み出す炎は弱々しく、辛うじて火の形を保っているような代物に過ぎない。
一方、彼は浄火の炎を宿した紅蓮龍である。 そのひと吹きで、指先に揺らめく炎を生み出す事ができる。 炎の性質自体も、ジリヤが扱うそれとは雲泥の差だ。 力強く、絶え間なく形を変えて踊り続けるそれは、生命力に満ち溢れたサラマンダーそのもののようだった。 目にも鮮やかな炎の舞いに、どうしても目が引き寄せられる]
(29) 2013/11/25(Mon) 03時半頃
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有難う、それでは次は私の番ね。
[ドナルドへ微笑んで感謝を口にしてから、彼の指先に揺らめく火種を譲り受けた。 水を掬うようにして掌で炎を掬い取ると、炎が直接肌を焼く事がないように透ける魔法の膜で覆う。
そうしてから、先ほどと同じように炎を両手で包み込んだ。 クシャミのチャームに込めたのは、魔除けと加護の魔法。
――けれど、今度掛ける魔法はそれとは別種のものだ。
目を伏せ、意識を集中する。 村を雪に沈める長い冬の間、炎が絶えることのないように。 つい先ほど生まれたばかりの、この力強く鮮やかな炎が、いつまでもこの荒々しさを保っていられるように。
再び仄かな燐光をまといつつ、編み上げた魔法を炎に被せた。 上に被せた左手をそっと避けると、生き物のように揺らぐ炎が、一度だけぼっと激しく燃え上がる。 空中に火の粉を撒き散らし、ひときわ鮮やかな舞いを見せた炎が元の小さな火の塊に収まると、その周囲を囲むように球状の半透明な枠が生じた]
(30) 2013/11/25(Mon) 03時半頃
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はい、これで出来上がりよ。
[完成した火種をウォーレンの方へと差し出して、にっこりと微笑んでみせる。 傍目には、中に小さな炎を閉じ込めた球状のケースのように見えるが、炎を覆う枠は魔力の層だ。
暴れる炎が、枠を超えて他の物を燃やし尽くそうとしないように。 触れたもの全てを、炎が焼いてしまわないように。
魔力で作られた覆いは、そうした目的のためだけに働きかける。 外部から枠の内側の炎に接触する事を妨げはしないし、望めば枠の中に差し込んだ木の枝などに、炎を燃え移らせる事も可能である]
なんとか間に合って良かったわ。 やっぱり、古いものよりは新しいものの方が確実だし、炎の鮮やかさも段違いなんですもの。
[冬越えするための火種は、新たに作るに限る。 しみじみとした感想をこぼしていると、何度目になるか判らないノックの音がした**]
(31) 2013/11/25(Mon) 03時半頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2013/11/25(Mon) 03時半頃
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──…勿論、覚えています。 八年前でしたか。村で一番の器量良し、なんて言われていた君が、突然村を出て行くと言い出すものですから。 …あの後、随分沢山の若い衆が懺悔室に訪れたのですよ。
[>>+14エリサの問いにくすりと笑って、当時、彼女が出て行ったあとの荒んだ若者たちの様子を思い出す。 予想した以上に彼らの嘆きっぷりは酷く、宥めるのに結構苦労したものだった。暫し懐かしんでは目を細め、自分のカップにも紅茶を注ぐ。
ふいに、惨めだ、と。エリサが零した言葉に、チャールズの顔は僅かに翳る。天真爛漫な少女だった、過去の彼女であれば決してしなかったであろう、陰のある表情。 正面の椅子に腰掛けると、その哀しい笑顔を覗き込むみたいに少し首を傾げて。]
……どうして、そんな風に仰るのです? 生涯の伴侶も、愛しい子供も、君の傍にはちゃんとあるのに。
(+15) 2013/11/25(Mon) 15時半頃
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ー冬のある日ー
[一段と雪が深くなったある日、その日は珍しくよく晴れていた。外は雪が太陽の光を反射してキラキラとしている。しかしピエールはまだ布団の中だ。
何枚も何枚も重ねた毛布から顔を覗かせて優しい日の光を感じていた。二度寝しそうなまどろみで思い返すのは、今年の冬の始まりの頃のこと。]
ふあ…今日は起きれそう…だな。だがあともうすこし……うん…ゆきかきしねえと。はるはまだとおい、か。
[寝そうな頭を無理に働かせる。]
ローザとチビども元気でなにより。
…つーか…はじめらへんに店に、きてたやつらこなくなった… バーナバスさんもカルヴィンもりゅうなんだろう…出ていったようすはねえ、もんな…
……さぁておきるか。
(+16) 2013/11/25(Mon) 18時頃
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[自身は人間と大差ないと思っていてもやはり寒さに勝てないらしい。晴れていれば起きて動けるものの、吹雪く日にはよく寝入ってしまい起きるのが昼過ぎや夕刻になることもあった。
10年前だって冬の間をずっとこの村で過ごしていたわけではなく、あっちこっちで修行していて実質ひと月かふた月ほどしか冬を経験していない。 それにまだ若かった。
祖父の元気さと自身の寒さに対する弱さから、種族の混血についてふと省みていた。]
(種族が混じるとこうも弱くなんのかね…いや、個体差があるのか。 つっても親父は若くして死んじまったから適応出来なかったてことだよな…。)
(+17) 2013/11/25(Mon) 19時頃
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ふふ。そうだったかしら?
[とぼけた口調だけれども。その薄い唇は嘘を付く事はなく。口角の片端を上げて。過去の栄光を懐かしむ。
『……どうして?』
>>+15 村を出た時と同じように尋ねられる声と問い。 瑠璃色の瞳でちらりと、隣の男を見やる。ロマンスグレーの髪、全てを許してくれそうな瞳。 変わらぬ容姿に思わず、前回の冬の思い出を重ねてしまう。 初めて、彼の手を握ったあの冬。]
――……私は、貴方を…、
[………。 一度言いかけた言葉は、ダージリンと一緒に喉の奥へと流し込んだ。 遅過ぎたのだ。]
………。 貴方は、何故この道を? ……何故、人でありながら悠久の時を歩む事を選んだの?
(+18) 2013/11/25(Mon) 20時頃
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-朝・ピエールの店- [急かすカルヴィンを横目に悠々と朝食を取る。 隣にいた老人も舌鼓を打っていただろうか。 食べ終わると老人には敬意を込めて会釈をし、ピエールから携行食を受け取った。]
――食った食った。さて、行くか。
[そう行って店を出れば、カルヴィンもついてきただろう。 しばし雪の中を歩きながら、何か言葉を交わしただろうか。
工房に着けば、そこにはすでにソフィアがいた。]
ああ、そういや茶をもってきてくれたのか。
[旅支度に気を取られていてすっかり忘れていた。 しかし旅立つ前でよかった。]
(32) 2013/11/25(Mon) 20時半頃
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―― 教会裏の墓地 ―― [>>25トニーと、彼の両親が話しているところを邪魔をしないように。 彼が、墓に向け語りかけるのを後ろから、ただ黙って見守る。 その姿に、自分の両親のことを、重ね合わせた。 降る雪のように落ち着いたトニーの声音。 それは普段イタズラをしたり、世話をやいてみたりしている時とは全然違っていて。 青年よりも数段小さなはずのその背中が、なんだかとても、大きく見えた。
>>26トニーと、彼の養父母との話が終わったなら、]
花畑、綺麗だといいにゃ。
[荷物を担ぐようにして、その背を叩いた。]
(33) 2013/11/25(Mon) 21時半頃
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―回想・工房―
あらまぁ、今日は本当に来客が……
[多いわねぇ。 ウォーレンが出迎えた相手の姿を見て、続けるはずの言葉が宙に浮いた。 おろおろとウォーレンに何事か相談しているのは、ブランフォート家の爺やさんだ>>3:66 その慌てた様子と、姿の見えないお嬢様を思い浮かべ、目をゆっくりと瞬かせた]
……あらあら。
[口元に手を当てたのは、どんな事態が起きているのか想像ができたから。 お嬢様の冒険譚を聞いてみたいものだと、好奇心が胸の内で踊った。 流石に、顔に出すのは爺やさんがお気の毒なので控えたけれど]
(34) 2013/11/25(Mon) 22時頃
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[お気の毒な爺やが再び雪舞う村へと姿を消してから少し後。 工房の外から控えめに掛けられた声は、先ほど思い浮かべたばかりのお嬢様のものだった>>3:54]
爺やさん、いらっしゃるのが少し早すぎたわねぇ。
[誰にともなく独白して、くすりと口元を綻ばせる。 本人達は大真面目なのだろうが、傍観者の立場からするとこの追いかけっこは可愛らしく微笑ましいものだ。 冬の訪れを前にすると、こうしたささやかな日常の風景すらも尊く思える]
まぁアリス、こんにちは。 ご機嫌はいかが?
[工房を覗くアリスへと、おっとりした挨拶を掛けた]
(35) 2013/11/25(Mon) 22時頃
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[アリスがクシャミに雪玉を投げつけたのには、少しだけ驚いた顔をする。 けれど、その後に続く応酬はまた随分と可愛らしいもので]
まぁ、ウォーレン。 大事なかったのですもの、これから気をつけて貰えばいいじゃない。
[大きな声で叱りつけるウォーレン>>3:68に、つい取りなすような声を掛けた。 続くお嬢様の脱走劇と、ウォーレンの苦笑いにはクスクスと声を立てて笑う。
しばしそうして平和な風景を心ゆくまで眺めてから、去りゆく二人を見送った]
本当に、若い子って可愛いわねぇ……!
[感極まって零した呟きが非常に年寄り臭いのには、目を瞑っていただきたいものである]
(36) 2013/11/25(Mon) 22時頃
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[やがて工房を辞したのは、財布を取りに向かったソフィアが戻ってから。 去り際に告げられたウォーレンの遠まわしな誘いには、実は私達もなのよと笑って応じてみたりして。 もしこれから向かうならご一緒にいかが、と気取った口調で誘い返した。
ピエールの店へ向かう道すがら、自宅近くにお嬢様と爺やさんを見つければ、お店に寄って髪飾り選びに喜んでお付き合いしただろう。 彼女が脱走後の時間をどんな風に過ごしたのか、爺やさんに内緒でこっそり冒険譚も催促した。
その後のピエールのお店では、気のいい料理人の料理に舌鼓を打ちながら、再び賑やかな時間を過ごす。 話し上手のピエールは、きっと食事の席の談笑を楽しいものにしてくれただろう。
――村が雪に沈む前の、貴重な数日間。 初雪がちらついたその日を、ジリヤはそんな風にして過ごしたのだった*]
(37) 2013/11/25(Mon) 22時頃
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