30 ─今夜、薔薇の木の下で。
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/09/07(Tue) 18時半頃
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[窓辺に寄ると、いつもどおり薔薇に水を撒く姿が見える。
キラキラと朝の日差しに輝く水の粒と、鮮やかに咲き誇る花と。 昨夜の饗宴があまりに遠く、けれどもあまりに鮮烈に思い起こされて、 胸に刺さるような罪悪感と裏腹に、蘇るのは脳髄を焼くような強烈な快感と、獣じみたどす黒い衝動。
熱孕み脈打つケダモノを、はぁと息を吐いて宥める。]
(355) 2010/09/07(Tue) 18時半頃
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セシルは、食堂に行って、フィリップが寝てないかどうか探してみる。
2010/09/07(Tue) 18時半頃
奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/09/07(Tue) 18時半頃
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[フィリップが食堂にはいなくて、肩を落とす。 そう、先日までは、見かけはしたが、食堂の幽霊だということ以外、知らなかったのだ。
だから、今、薔薇園の水をやっているのにも気がつけない。
次は足早にランドリーへと向かった。]
(356) 2010/09/07(Tue) 18時半頃
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―薔薇園― [何時も通りに薔薇に水を撒く姿。 翡翠の色は一見変わらない。 セシルとの触れ合いも、ドナルドへの誘いも、 ベネットへの手解きも全てがなかったかのように 水を撒く姿は何時もの日常の中に溶け込んで。
傍で香る薔薇は、甘く…しかし蒼のものとは違う香。 赤い花を見つめて――…硬質を宿す翡翠が細まる。
後輩の、好きな色。 そして恐らく――…後輩の、嫌いな色。]
(357) 2010/09/07(Tue) 18時半頃
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― ランドリー ―
[>>344>>345>>346 ランドリーに入ろうとした時、いや、むしろ、無造作にそこを開けた時、 偶然にも見かけたのは、ディーンがベネットに口付けるところだった。]
――……ッ
[セシルである彼は、その場面に目を丸くする。]
あ……ごめ……
[小さな謝罪とともに、咄嗟に扉は閉める。 ディーンとベネットは気がついただろうか。
ともかく、閉めたあとは、しばらくドア前で息をついてから、今いたのは確かにディーンとベネットだったと記憶を焼き付けた。
身体の奥底で蒼薔薇は嗤っている…。]
(358) 2010/09/07(Tue) 19時頃
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[自室に戻ったなら着替え一式を出して、鼻歌でも歌い出しかねない勢いで今度は浴室に向かった。
ふと廊下の窓から中庭を見下ろすと、今も満開に咲き乱れる薔薇園で誰かが水を巻いているのが見えた。]
(359) 2010/09/07(Tue) 19時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/09/07(Tue) 19時頃
フィリップは、そっと、今日蕾開いたのだろう淡く咲く一輪に手を伸ばして―――…
2010/09/07(Tue) 19時頃
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[手を伸ばした先の開いたばかりの花、 緩く握りこむと蕾に戻ることもできずに 一枚花弁を落として手の中に納まって。
更に強く握れば小さな音を立てて。 開いたばかりの薔薇の花弁がひらひらと、散っていく。
茎の部分まで握りこんでしまったのか、 花弁の中に混じる違う赤は棘で傷ついた掌からのもので。
水を遣る手を止めて、翡翠がそれをじっと見つめた。]
(360) 2010/09/07(Tue) 19時頃
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セシルは、フィリップを探して、寮内を歩き回っている。
2010/09/07(Tue) 19時頃
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[裡で、蒼薔薇が笑みを零す。 そう、大事なものを探しまわるセシルに、
どう、それをあきらめさせるかと画策して…。
だから、はじめて、 その時、声をかける。
裡から、裡へ。 蒼薔薇からセシルへ……。]
(361) 2010/09/07(Tue) 19時半頃
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何を探しているの?どうせ手に入らないのに。
[それは、はじめは、心の中の自分の声として…。 でも、繰り返す。 繰り返して、認識させる。
自分の中に異なるものがいる、ということを。]
(362) 2010/09/07(Tue) 19時半頃
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[きらきらと輝く透明な粒と共に舞い落ちる赤、 雫に血の色が混じると花弁の上でくるくると 交じり合って小さくて脆い硝子球のよう。
隻眼の後輩が何を想って薔薇を潰したのか、 真似してみてもそれはわからなかったけれども 散らされた赤い花と血で穢れた出来立ての硝子球はとても]
―――…綺麗…
[だと、思った。]
(363) 2010/09/07(Tue) 19時半頃
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セシルは、ふと立ち止まり、首を傾げていたが、そのうち、頭を押さえて蹲る。
2010/09/07(Tue) 19時半頃
セシルは、だれ・・・・・・と小さく呟いた。
2010/09/07(Tue) 19時半頃
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誰か知りたい?確かなのは君じゃないということ。
[蒼薔薇はくくっと笑い声をあげる。 セシルがいるのは寮の上に向かう階段。 誰かに聞かれるのは嫌だろ、そのまま上に行くよ?と告げて、フラリと立ち上がらせると、そのまま上へ登っていく。 そして、物置同然のそこに入ろうか、と…。]
→屋根裏部屋
(364) 2010/09/07(Tue) 19時半頃
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セシルは、屋根裏部屋に入ると、ばたりと扉を閉めた。
2010/09/07(Tue) 19時半頃
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――深夜/寮・自室――(>>283) [ユーリィを着替えさせようと、あちこちが汚され、破かれた夜着に手を掛けた。ナイフで左右に切り裂き、くたりと力を失った腕を袖から抜く。 そして、少年はある変化に気づいた]
……あれ。 手首の、痣――
[ユーリィの手首を取り巻いていた茨の痣は、その色合いを紅から蒼へと変じさせていた。 棘を生やした蔓のかたちが、今や白い肌を肘の辺りまで包むかのように覆っている。 撫でさすっても何の変化も無く、少年は*唇を噛んだ*]
(365) 2010/09/07(Tue) 20時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/09/07(Tue) 20時頃
靴磨き トニーは、メモを貼った。
2010/09/07(Tue) 20時頃
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―廊下― [浴室に向かう途中で、ランドリー室の前から階段に向かって歩いていくセシルを見かけた。 灰色の瞳はただ眺め、くつくつと喉を鳴らした。]
(366) 2010/09/07(Tue) 20時頃
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[散った花びらは其処だけ地面を鮮やかに彩って。 水遣りを終えると漸く傷が少し痛みを訴えて… 薄く唇開いて舌を覗かせると血の滴る手首から掌までを舐める。
消毒でもしておいた方がいいのかもしれない、 寮に戻ろうと振り返ると此方を見る誰かの視線に気付いた。]
(367) 2010/09/07(Tue) 20時頃
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[窓辺から見下ろしていた隻眼の視線は、庭にいた彼の手を染める赤に釘付けになっていた。 舐めとるその舌の仕草に惹きつけられて、声も出せぬままただ見つめている。]
(368) 2010/09/07(Tue) 20時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/09/07(Tue) 20時半頃
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― 屋根裏部屋 ―
[そこは、寮の一番高いところ。 そこまで来て、やっと窓の外を覗くということをしただろう。 中庭にフィリップの姿を見つけて、あ…と小さな声をあげる。
その時、裡なる異様な声が笑い声をたてる。 ほら、大事なものには手は届かない、と…。]
――…何を……
フィル先輩…。
[裡なる声に、困惑しながら、それでもフィリップの姿を見たくて……。 そう、彼は恋をしているのだ。]
(369) 2010/09/07(Tue) 20時半頃
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――…ドナルド。 後輩もよく、庭を見てるね?
[視線の主の名前を呼ぶ。 舐め取った手首と掌は舐め取りきれなかった赤を微かに残して。 見上げた翡翠は日の光に眩しげに細められて、 其れはドナルドにあげた硝子球の色にも似ている。]
……けが、したんだ。
[見つめる姿にそっと、掌を翳してみせる。 薔薇の棘で怪我をした手、 高潔な後輩を穢した手、 どちらの意味で謂ったのか、くすりと笑って]
医務室、行かなきゃ。
[そう告げる。]
(370) 2010/09/07(Tue) 20時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/09/07(Tue) 20時半頃
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[その時、フィリップがこっちを向いた気がしたけど>>370 それは、寮内の誰かに向けてのようだった。そう、自分じゃない。
フィリップは誰かに話しかけている。手を翳しているのは何か眩しいのだろうか。 とにかく、笑みを零して、寮内に入っていくようだ。誰かに呼ばれたのかもしれない。]
――……手に入らない……。
[その様子を見ながら、蒼薔薇が言った言葉を繰り返す。]
(371) 2010/09/07(Tue) 20時半頃
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…ぁ…… [ただとても、鮮やかで痛々しくて。 触れるポケットの中、硝子玉は指先で転がる。
痛々しいのは傷だろうか、それとも…。] その手で、手当てできんのかよ… 医務室だな?今、行っから。
[ただ、放っておけなくて。 部屋を飛び出して医務室へ向かう。 …本当は、そこにいるはずの人に会う口実が欲しかっただけかも知れない。]
(372) 2010/09/07(Tue) 20時半頃
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[それから、窓を離れて、 いや、その窓際にずるずる座り込む。]
――…誰だ。誰なんだ。
[異様な声、蒼薔薇に問いかける。 物置小屋は、最初は何の匂いもなかったのに、蒼薔薇が反応した時に、強い香りが漏れ出していった。]
――…君じゃない…… 僕は………
[蒼薔薇は、楽しそうに、中庭に咲く魔精の木であることを裡に語りかけていった……。
その声は、2つの声色が混じった状態。 ドアごしに聞けば、セシルの木が触れたようにも聴こえるかもしれないが、
その蒼薔薇の行動を知るものならば、何か感ずるものがあるかもしれない。]
(373) 2010/09/07(Tue) 20時半頃
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―階段― [セシルの後をつけたのは何故だろう。 医務室での凌辱の最中、セシルの視線が堕獄を決定的なものにしたことを憶えていたからかも知れない。 彼の視線で心の奥底まで丸裸にされ、姦されたことを――
セシルが普段は倉庫となっている屋根裏部屋に入って行くのを見て、自分も階段を上った。]
(374) 2010/09/07(Tue) 21時頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/09/07(Tue) 21時頃
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…してくれるの?
[手当てを。 問い返すも返事を待たずに姿を消してしまった 後輩の姿には翡翠が二度ほど瞬いて。 傷の残る手を下ろすと医務室へと向かう。]
[から、ころり]
[歩けば今日もポケットからは硝子球のくぐもった音。 その傍から此方を覗くセシルの視線には気付けずに…]
(375) 2010/09/07(Tue) 21時頃
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―屋根裏部屋の前― [丁度扉の前に立った時、中からセシルの声が聞こえた。――否、セシルと、セシルに良く似ているけれどセシルでない者の声が。 ロビンは瞳を半眼に閉じ、声の言わんとすることを聞き分けようとした。]
(376) 2010/09/07(Tue) 21時頃
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ロビンは、ドアノブに手を掛け――
2010/09/07(Tue) 21時頃
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―屋根裏部屋― [カチャリ、とドアノブの回る音がした。]
(377) 2010/09/07(Tue) 21時頃
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セシルは、ドアの音にはっと顔をあげる。
2010/09/07(Tue) 21時頃
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[中庭にある、とある時期にしか咲かないといわれる蒼薔薇の木。 ゆえに、咲いたことも知られず、花は散ることのほうが多かった。
だけど、蒼薔薇は、それでも咲き続けた。
そう、咲き続けた蒼薔薇はやがて魔精の木となり、 いつからか、その薔薇園で淫らな行為をする生徒の精気を吸い取る者となっていた。 だが、それは同時に、それほどまでの恍惚としたその香りを生徒たちに与えて……。
それは均衡を保っていたのだけど……。
でも、そんな蒼薔薇にも滅びの時がきたとき… 蒼薔薇は、それでも咲き続けたいと願った。]
(378) 2010/09/07(Tue) 21時頃
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フィリップは、医務室に辿り着いたのはドナルドが先か、それともフィリップが先か。
2010/09/07(Tue) 21時頃
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だから、人のように、食うことにしたんだよ。
でも、いいでしょ。 気持ちよくなって、僕も咲き続けられる。 僕は貴重な蒼薔薇だから、
人を何人か吸い尽くしても、問題はないよね?
[青薔薇は笑うように告げただろう。*]
(379) 2010/09/07(Tue) 21時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/09/07(Tue) 21時頃
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―屋根裏部屋― [開いた扉の向こうには、着替えの衣類を持ったロビンが立っていた。 薄明かりに浮かび上がる、アンティークドールに似た白い貌、 少女のように紅い唇の端がうっそりと吊り上がり、淡い笑みを形作る。]
(380) 2010/09/07(Tue) 21時頃
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―医務室― [入った医務室は夜の淫靡な乱交を知らない 翡翠にとっては何時もと変わらない光景で。 強い香がもしかしれば残っていたのかもしれず、 けれどもとうに麻痺してしまった身体にはわからない。
運悪く血がよく出る場所に当たってしまったらしい、 医務室に来るまでの間にも掌から血は滴って。 床に零すわけにもいかず、また赤い舌覗かせ舐め取り。
消毒薬はどこにあるのだろう。 掌を口許に引き寄せて、少し不自然な姿勢のまま 目的のものを探す。]
(381) 2010/09/07(Tue) 21時頃
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―屋根裏部屋― [セシルの唇を借りて、蒼薔薇が語る事のあらまし。 セシル自身へと為される説明を、顔色ひとつ変えずに聞き、喉奥に笑いを溜めて呟く。]
――そう。そうだったんだ。
[それは実に楽しげに。 彼は、きつく薔薇の香る物置部屋に足を踏み入れた。]
(382) 2010/09/07(Tue) 21時半頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/09/07(Tue) 21時半頃
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[二階の部屋からだったせいか、少し遅れてその部屋へつく。 深夜の宴の痕跡は無く、まるであれは夢ではなかったかと思うほどに。
部屋を任されているはずの人の姿はなく…]
…あー…いいっすよ先輩、俺が捜すから。 休んでて…。
ベネさん、戻ってきてないんかなぁ… [高い視線であれば他の者よりは棚を捜すのも容易。 消毒薬と脱脂綿、ガーゼと…
床に落ちていた、細く紐のように撚った包帯。 ぬるりと粘液のついたそれをみてギョッとし、慌ててくずかごへと捨てた。]
(383) 2010/09/07(Tue) 21時半頃
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…どうしたんすか、こんな……
[深く刺さったような傷を、ガーゼで上からしっかりおさえて。 多少簡単な応急手当は、以前いた所で教わっていたから。
赤く汚れた手と、翡翠の目の彼の口許。 その鮮やかさと部屋に染みた薔薇の香に、ぼうと頭の芯が痺れて。
隻眼の視線は、血濡れた唇から離せない。]
(384) 2010/09/07(Tue) 21時半頃
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