204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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―― 貯蔵庫 ――
[繋いだ手を握り返す。 必要な食糧は鞄に詰め込み、 後はフィリップと合流し雪が止むのを待つだけ。 フランシスの声>>20にゆると頷くけれど、 妙な間があき、動きも止まる。 ややしてから首傾ぐ彼に、眉を下げて]
フィリップの様子が、――… なんか、あったのかもしれねぇ。
[フランシスには聞こえぬ遠吠えを聞く獣は それを伝えた。]
(23) helmut 2014/11/26(Wed) 23時頃
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―― 貯蔵庫 ――
怪我はしてねぇみたいだけど ごまんなさい、とか、無理とか言ってる。 なんかあったのは間違いねぇんだが
――…ン、伝えた。 とりあえず此処、出よう。
[フランシスの手を引いて、貯蔵庫を出る。]
(29) helmut 2014/11/26(Wed) 23時頃
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――…わかんねぇけど。 フランシスに、 ありがとう、と、ごめんなさい、って。
[フランシスの尋ね>>31に混乱するまま言伝を綴る。 合流、と彼が言うには大きく頷き 震え伝うその手をぎゅっと握る。 貯蔵庫を出ればあたりを見回すけれど フィリップの姿はそこになく、隻眼は自然と上を見据え]
(32) helmut 2014/11/26(Wed) 23時半頃
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――…お別れのつもり、なんだろうな。
[フランシスに視線重ね頷き]
ラルフにもお別れしたとか言ってっから もう、外出ちまってるかもしれねぇ。 荷物もって、ラルフ連れて、おいかけよう。
[そのまま外に出て追いかけたいと思うも ラルフを置いていくのは忍びなく フランシスとともに階段を駆け上がる。]
(37) helmut 2014/11/26(Wed) 23時半頃
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――…俺らとは違うから、って。
[フランシスに声>>39を掛ける。 三階の個室への道のりの間、探すはフィリップで。 フランシスと、同じ遠吠えもつ彼以外に意識向ける余裕なく。 外套羽織り、荷物を持ち、ラルフのいる別部屋の扉をあけた。 冷たい風が吹き込み、身震いする。]
窓、空いてる。 こっから出るとかどんだけ野生児なんだよ……。 フランシス、さすがにこっからラルフ連れておりるは無理そうだ。 玄関から出るしかねぇな。
[言いながらシーツに包んだラルフを担ぎ フランシスに合図して来た道を戻り玄関の方へ。]
(48) helmut 2014/11/27(Thu) 00時頃
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[人ひとり、一部欠けたとはいえずしりと重みを感じる。 フランシスの手に力が籠るに微か目を細め]
――…フランシス。 俺の我儘に、付き合って。
[まっすぐおりれば人里につくとフィリップから聞いたけれど 玄関から外に出ればフィリップとの距離が遠ざからぬよう 遠吠えが近くなる方向をさがし雪の中を歩む。]
(51) helmut 2014/11/27(Thu) 01時頃
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――…ああ。 バーナバスに手、出しちまったみてぇで。 俺があの時、気にしたから……
[それ以外思いつかず フランシスに向ける声には後悔が滲む。
遠吠えの絆はフランシスとの間にはないけれど 生身のその手とこれまでの絆が二人を繋ぐ。]
(53) helmut 2014/11/27(Thu) 01時頃
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[雪深い山の空気は酷く冷たい。 吐き出される息が白く煙るをみれば フランシスも寒いのだろうと知れて]
ああ。 山の上に向かってるらしい――… けど、……フランシス。 冷える、よな。 辛いなら、麓まで先におりて待ってても……
[かじかむ手をしかと繋ぎなおしながら 案じるような眼差し向けてそんな提案をした。]
(55) helmut 2014/11/27(Thu) 01時半頃
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[もっと子供だった頃にも そんな風な響きでフランシスに言われたのを思い出す。 許すような響きの、優しい保護者の透明な声音。]
――…心配なのは、俺も。 一緒に来てくれると、心強い。 ありがと、フランシス。
[繋ぐ手を軽く握り返して、指先で彼の手の甲をそと撫ぜる。]
ああ、フィリップを、みつけだす。
(58) helmut 2014/11/27(Thu) 02時頃
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[遠吠えの感覚だけを頼りに歩みながら 大丈夫、と紡ぐフランシスをちらとみる。]
慣れねぇ雪道、大丈夫じゃねぇだろ。 無理させてるの、わかってる、から。
[分かっていても手を繋ぐままあれることを嬉しいと思い 自分からその手を離すを躊躇い、また甘えてしまう。 繋ぐ手をそと持ち上げ、口許へと引き寄せる。 少しでもその手をあたためようと、 はぁ、と息を吹きかけた。**]
(59) helmut 2014/11/27(Thu) 02時頃
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[山に慣れた身軽なフィリップが姿を晦ませるは容易な事。 仮令、必死に追ったとしても差は広がるのが当然だけど、 遠吠えはまだ届くからそれに望みを繋ぐ。
雪を踏む音は、まだ二人分しか聞こえない。 フランシスの声>>66はやはり優しく心の支えとなり]
――…ああ。 こんな風に別れるのは、イヤだ。
[旅の一座で、ひととの出会い別れは常のこと。 けれど心構えなき別れを受け入れられるほど フィリップとの関係はもう薄くはなく]
(70) helmut 2014/11/27(Thu) 10時半頃
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[ドナルドは自身の気持ちばかりが先走り フランシスのような考え>>67には至らず。 彼にもまた遠吠えがあれば別の今があったのかもしれない。]
俺の我儘だから、大変なんて言ってられねぇよ。
[ラルフを故郷に連れてかえるのも フィリップを追うのも、ドナルドがしたい事でもあり。 髪にかかる雪が、フランシスにより払われはらはらと落ちる。 頬に触れる手は外気に冷えていたけれど、 ドナルドにはあたたかく感じられた。]
……こっちこそ。 ありがと、フランシス。
[微笑み向ければ目許に灯るあか。 触れる為の手は塞がるから、繋いだ手を握り返すに替えて]
(71) helmut 2014/11/27(Thu) 10時半頃
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[雪を踏むうち、まだ新しい足跡があるを見つける。]
フランシス、これ……!
[視線でそれを示してから フランシスに目配せして、頷く。 そうして雪の中、足跡たどり進むうち、 いずれ会える、そう信じて――*]
(72) helmut 2014/11/27(Thu) 10時半頃
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[繋いだ手にこめられる力>>73は 先ほどまでとは少しだけ違った気がした。]
――… 、 フランシス。
[そっと名を呼びかける。 何を思うか知れぬまま、大丈夫と伝える代わりにその手握りなおし]
無茶でもなんでもしてぇところだけど、さ そんな事したらフランシスが悲しむって知ってるし それに、フィリップも、さ…… ラルフを悲しませたくないからって俺の事まで心配するんだ。
だから――…、
[欲張りと思われても、己の思い叶える為に求め手をのばし続ける。 フランシスの笑み映しこむ隻眼は寄せられる頬の感触>>79に瞬く。 寄り添うようにあるこのぬくもりに何度救われたか知れない。]
(98) helmut 2014/11/27(Thu) 14時頃
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[足跡続く雪を、葉の落ちきった木々を掻き分け進む傾斜。 歩むうち、隣から聞こえるはフランシスの歌声>>80 寝かしつける際の旋律とはまた違うそれが 遠吠えの代わりのように思えた。]
(99) helmut 2014/11/27(Thu) 14時頃
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[視線が重なる。 言葉を綴るフランシスのくちびる、 噛み締めた名残をマフラーがドナルドから隠す。]
心配性なのは知ってる。
[今も、心配させているだろうか。 案じるように見遣れば笑み顔が映し出された。 伏せられた緑が湛えるぬれるようなひかり。 結んだくちびるをふと開き]
これからは、――…… 知らなかったフランシスのいろんなこと、知っていきたい。
[保護者だからと見せぬようにする何かを思い、綴る。]
(111) helmut 2014/11/27(Thu) 14時半頃
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[フランシスの澄んだ歌声に呼応するように 聞こえくる鳥の歌>>107。 ドナルドはフランシスの言葉>>110に眸重ね頷く。]
ルーツ、だな。 きっと近い。
[いこう、と繋ぐ手を引きルーツの歌声を辿り そうして見つけるは、フィリップと雪に鮮やかなルーツの色*]
(112) helmut 2014/11/27(Thu) 14時半頃
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[知りたいのは心。 フランシスが積み重ね今を形作る過去に興味懐かぬわけではないが 今思うこと、これから積み重ねるものに、より触れたい。 視線感じて、少しだけ照れるように目を泳がせた。 声が紡がれるに誘われるように視線が緑の双眸へと戻る。]
本当だって。
[これまでは言わなかった。 崩したくないと思う関係を思い言えなかった。 けれど変わりたいと思うから踏み出す小さな一歩。]
あァ、少しずつでも、 フランシスを知っていきたい。
[思い重ねれば衝動は強くなる。 それでも歩み寄るはラルフとの唐突な別れに悔いたから。 言えなかったことを思う。 もっと、言葉にして伝えればと思うのは フィリップから聞いた話によるものも、大きく。]
(123) helmut 2014/11/27(Thu) 16時頃
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如何だろうな。 気長に練習すりゃ、歌えるように……
[そう思いながら歌を教える時間に意味があるように思う。 フランシスが躓きそうになれば繋いだ手で支え]
――――…フィリップ!
[フランシスの声>>115に重なるように呼び掛ける。 手を繋ぐまま、ラルフを抱えなおし、 蹲るフィリップと歌うルーツの傍へと歩み。]
(124) helmut 2014/11/27(Thu) 16時頃
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みつけた。 フィリップ、一緒に、帰ろう。
[呼び掛けるバリトンは咽喉を震わすひとのこえ。]
お前さんの不安も、寂しさも 全部俺が受け止めてやっから ひとりで抱え込むな。
[ひととして支えあい生きるを望み語りかける。*]
(125) helmut 2014/11/27(Thu) 16時頃
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[躊躇い見えるくちびるの動き>>126に眉が下がる。]
今、思ったことも知りたい。 一人前とは言えねぇけどさ、もうガキじゃねぇから いいこともわるいことも全部含めて知りてぇと思う。 悩むことがあるなら、一緒に考えていきたい。
[伝えるは己の思い。 知りたいとフランシスが言ってくれるからこそ踏み込もうとする。 甘い囁きに心揺さぶられ、うちに飼う獣が欲しいと囁く。
冷える指先、あたためるように繋ぐ手を握り擦り合わせ 三人と一羽のこれからを思い、フィリップの声を待つ。*]
(128) helmut 2014/11/27(Thu) 17時半頃
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[知りたいと思った事はフランシスの口からは綴られず 言葉に詰まる様子に悩ましげに眉を寄せる。 全部、と言ってしまうあたり子供っぽさが残る。 フランシスとも遠吠えで繋がるなら知れただろうか。 そんな事を思いながらも、彼の言葉>>129に頷いた。]
――…まだ頼りないかもしれないけど 支え合えるよう頑張るから、さ。
[その時は、今告げられずにいるそれも聞けると良いと思う。*]
(138) helmut 2014/11/27(Thu) 20時半頃
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[頼もしい、とフランシスに言われれば>>139 ドナルドは嬉しそうに隻眼を細める。
つよくなる、と彼が言うは つよくならねば言えぬような重さがあるのだろう。 重たきものほど共に、と思うのに――。
微かなささやきに声返せぬまま、 握る手はもどかしさからやや強まる。]
(145) helmut 2014/11/27(Thu) 21時半頃
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――…あるよ。 いつか、帰りたくなる場所がみつかる。
それまでは俺がその場所になってやっから、さ。
[見える場所、声が届く場所。 ならば遠吠えに返す声は空気震わすものとして]
あやまんなくていいから、 もう、いなくなんなよ。 ――…フィリップ。
[涙零す少年>>142の前で膝をおり語り掛ける。]
(146) helmut 2014/11/27(Thu) 21時半頃
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[フランシスの声の響き>>144は ラルフもドナルドも言われ懐かしさ覚えるもの。 フィリップとフランシスのふたりに 微か目を細めて、安堵するような息を吐く。]
――…迷惑なんておもわねぇから。 あんま目、こすっと腫れるぞ。
[目許こするフィリップ>>147から 折れる気配を感じながら]
(149) helmut 2014/11/27(Thu) 22時頃
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[フィリップの零した声>>151に少し考える風。 その間に聞こえるフランシスの言葉>>152は 落ち着いた大人のもので]
そう、だな。 此処じゃ凍えちまいそうだ。
[街に下りることに同意示し 泣き止み心落ち着くまでは待つ心算で。]
(153) helmut 2014/11/27(Thu) 22時半頃
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[顔を拭うフィリップにゆると首を傾け]
大丈夫か?
[案じる言葉を掛ける。 フランシスが雪だるまと言えば 山小屋に辿りついた時の、三人の会話が過った。 抱えるラルフにふと意識が向く。]
――…だな。
[少しの間の後、同意の声を落とし フランシスが動きやすいよう繋いだ手を緩める。]
(157) helmut 2014/11/27(Thu) 23時頃
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[謝るフィリップに困ったような笑み浮かべる。]
そういう時は、さ。 ごめんなさい、じゃなく、ありがとう、だろ?
[そう言って立ち上がろうとした時 羽ばたく音が背後より聞こえ振り返る。]
……っ、て、ルーツ! 待て!
[アタックしようとするルーツに緩めた手を伸ばした。]
(160) helmut 2014/11/27(Thu) 23時半頃
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[緩めた手はすり抜ける前に再び取られて ルーツの動きを阻むことは出来ず]
――――……あ。
[思わず漏れる声。]
フランシス! だいじょうぶか!?
[慌てて声を掛ける。]
(163) helmut 2014/11/27(Thu) 23時半頃
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[ルーツに襲われたようにみえるフランシスを案じていれば フィリップが懐いていると称して、怪訝な顔をする。]
なかなか激しい懐き方だな。
[二人に「大丈夫か」と声かけて フランシスの言葉>>169に頷く。]
ああ、いこう。 フィリップ、道選び、任せていいか?
[雪に埋まり、道といえそうなものは素人目にはわからない。 山に詳しい彼に尋ねて下山に向ける。]
(170) helmut 2014/11/28(Fri) 00時半頃
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