226 【突発誰歓】君の瞳に花咲く日【RP村】
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『 白やぎさんからお手紙着いた 黒やぎさんたら読まずに食べた 仕方がないのでお手紙書いた さっきの手紙のご用事なあに
黒やぎさんからお手紙着いた 白やぎさんたら読まずに食べた 仕方がないのでお手紙書いた さっきの手紙のご用事なあに 』
(22) 2015/06/13(Sat) 14時半頃
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― 失われた最後の頁>>2:131 ―
その本の中には他愛ない日常の欠片が詰まっていただろうか。
――最後の頁にたった一行だけ。 名前の一つも、宛先もない言葉がつらつらと並ぶ。 " "は見るのすら厭うた"シーシャ"の文字。
『 誰が忘れてしまっても私だけは忘れない。 あなたを。 あなたの記憶と一緒に。 』
届かぬ手紙が" "の目に触れることはもう、ない。
(23) 2015/06/13(Sat) 14時半頃
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― 「その日」の夜 ―
["また"誰かがいなくなったことを「 」は知らない。 唯、道の半ばを過ぎるときにほんのりと香った " "の匂い>>5にすっと赤い目を細めただけだった。
いなくなる。わすれる。おぼえていない。 昨日いなくなったのは?一昨日は?一年前は? ぐちゃぐちゃと記憶が溢れて、零れる。
歌を唄う人。彼女は黒い手袋をしていたっけ。 本と文字を愛する人。感情を言葉に置き換えていた、人。 騒々しいピエロも、それを慕っていた人の姿ももうない。 涙の代わりに鉱石の零れる無表情な顔。 落ちた涙の色は何色だった?――その目の色は?
歩くたび、ぽろり、ぽろりと記憶の砂は落ち、欠け、消える。 それから、遠く、遠くに運ばれるものを見て。淡い色を見て。]
(24) 2015/06/13(Sat) 14時半頃
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「 みいらちゃん? 」
[口を衝いた言葉の意味が分からずに首を傾げた。 それは、名前だったか、アダ名だったか。 それとも、両方を兼ねるものだったか。 分からずのまま、ふいと顔を背ければ歩き出す。
道程の半ばで或る少女もまた、いなくなったことを知る。 無邪気な笑顔の愛らしい少女だった。 最後に顔を合わせたのは――いつだっけ。 喧騒の中に混じる"タルト"という単語。少しだけ、思い出す。
ぱきん。
また、何かが剥がれ落ちていくような音がした。]
(25) 2015/06/13(Sat) 14時半頃
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[ がり がり
がり。
その夜。 「 」は廊下の一角で壁を傷付ける。 今までと同じように、深い爪痕を残し、"記録"する。 けれど、その中身は空っぽ。
壁にキズが増えても、赤い赤い色が腕を伝っても、 爪の間に塗料が食い込んでも、一言も上げず、唯
その行為にどんな意味があったのかも分からず、 爪痕が何を残すのかも分からず、 ただ ただ 壁を削り取ることをやめない。
「 」が最後に失くしたものは――…]
(26) 2015/06/13(Sat) 14時半頃
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[壁の傷痕は醜く爛れ、やがて気触れる。 赤い歪な模様の残る壁を残して、「 」は立ち去る。
紅い雫すら落ちない指先が痛みを感じることはない。 「 」の右手のひらにはもう何もない。
「 」はふらふらと自室へ戻る。 左手の中に鈍色の鍵をしっかりと握ったまま。*]
(27) 2015/06/13(Sat) 14時半頃
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*[ 誰かが言いました。
『 どうして二人で仲良くできないの? 』
「 そうするしかないからだよ。 」
『 どうしてあの子はいなくならなくちゃいけないの? 』
「 かみさまがそう決めたからだよ。 」
『 かみさまはおねがいを叶えてくれないの? 』
「 かみさまは何時も見ているだけなんだ。 」
『 そんなかみさまなんて、しんじゃえ。 』 ]*
(28) 2015/06/13(Sat) 14時半頃
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― 泡沫の夢 ―
夜更け、自室へと戻った青年は眠りに就く。 そして、夜明けが訪れるまでの間、泡沫の夢を見た。
それは"私"でありながらシーシャではない過去。 「 」の失くした記憶とそこに宿る感情。
唯一の"希望">>1:301を信じようが信じまいが、 何も信じられなくなる日がいつかくる。 何もかも忘れて自分でなくなる日がいつかくる。
いつの日か青年の中にはひとりきり。 青年はシーシャになる。 そして、ある日突然"私"も"オレ"も消えてしまう。
(29) 2015/06/13(Sat) 16時頃
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目蓋の裏に誰かの口笛が泳ぐ。 閉じた窓の外で夜風がさやさやと音を立てる。
青年は眠り続ける。 離れたふたつの意識は溶けて一つになる。 失われた記憶は混じり合いひとつになる。 別れた感情は欠けたまま、戻らない。
明け方には消えてしまう泡沫の中に浮かぶのは かけがえのない思い出と、忘れないでという言葉。 そして――青い翅持つ誰かとの約束。
青年は眠る。 未だ醒めぬ意識のうちで羊が一匹 跳ねた。*
(30) 2015/06/13(Sat) 16時頃
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― 翌朝 ―
[眼開けば、頭の深部を突き刺すような頭痛が走って、シーシャは思わず顔を顰めた。 窓から降る陽光が眩しく、目を細める。
懐から紫色の錠剤を数錠取り出し、がりがりと齧れば酷く苦い。 数日前に同じものを渡したメルヤがこんな飲み方をしていなければいいと思う。 多用は禁止。用法用量を守りましょう。 そんな言葉を一切守っていないシーシャが口に出来た義理はないが、そう、思う。
本来ならば一錠で事足りる薬。 それが、三錠、四錠と増えていったのは何時からだったか。 今となっては五錠前後を飲まなければ、効かない。 胃に穴が開かないのが不思議だと、自分でも思うほど。]
(31) 2015/06/13(Sat) 17時半頃
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[水を飲まずに飲み下すのは習慣のようなもの。 シーシャに限っては何時どこで痛みが起きるとも知れないからと。
暫くして痛みが少し落ち着けば、シーシャはベッドを降りる。 ばきん、と肩を鳴らして伸びをして、あー、と確かめるように声を出せば適当に身支度を整え廊下へ出た。
手の中に握り締めた鍵は今は服の中に眠る。]
(32) 2015/06/13(Sat) 17時半頃
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『 さぁ、生きるために行こう。 誰一人も置いていかないよ。
生きるが故に逝くだろう。 いつかまた会える。 どこまでも生こう。 』
(33) 2015/06/13(Sat) 17時半頃
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[廊下へ置き去りにする独り言を聞いているものはきっといない。 シーシャはどこへ向かうでもなくふらりと歩き出す。
歩きながらに思う。今日は何も起こらない日であれと。 …ここ数日、あまりにこの場所には人がいなくなりすぎた。 がらんと静まり返る廊下はひどく"寂しくて"。 いなくなってしまった顔をひとつひとつ思い出しながら、歩く。
その最中、中庭へ至る道で蒼色が過ぎって。>>15]
……ヒナ、 ?
[と、名を呼ぶものの相手は止まるかどうか。 どこか軽い動きに違和が過るけれど、口には出さぬまま。**]
(34) 2015/06/13(Sat) 17時半頃
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[蒼い翅が揺れる。>>41 無機質な目。黒々と複眼のような闇色が此方へ向く。 その華奢な腕の中には絵本。――表紙は、ない。 ]
( ――――……やくそく )
[ちり。と小さな音と記憶の一部が燻る。 けれど、シーシャはそれを無視する。 置いてき(思い出し)た自らの記憶を振り返らない。 記録と化した記憶はシーシャには記録以上にはならない。]
――よォ。 そんなに大事そうに絵本なんか抱えてどうしたよ。
[薄く笑みを浮かべて尋ね、くすんだ蘇芳の双眸を眇めた。 絵本の中身を抱えた腕越しに視るように。]
(42) 2015/06/13(Sat) 23時半頃
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[約束。>>51 たどたどしい言葉にシーシャは一瞬目を瞠って、伏せる。 捲られる本の頁を見ることも、捲る手を止めることもしない。]
――――……そいつァ、俺の預けた本だったな。
[確認するように呟くけれど、答えはない。 頁を捲る音だけが静かな廊下に響く。]
『 わたしが わたしのままでいるうちに 』
[止まった頁には一文。 廊下が再び静まり返ればシーシャは顔を上げて、それを見た。]
(56) 2015/06/14(Sun) 00時半頃
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――…約束。
[シーシャは拙い言葉を繰り返すように囁く。約束。約束。 袖が引かれれば、見下ろす顔には笑み。>>53]
……付いてこいって?
[その表情は直ぐに消えてしまってその場には残り香だけが漂う。 覚束ないと形容するに正しい足取りで走っていくその姿を止めることはできなくて、シーシャもまた後を追う。
中庭へ着いたとき、その場には先客>>55がいた。]
(57) 2015/06/14(Sun) 00時半頃
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お早う。 何してんだ?
[看板片手>>55の、見た目は子供、頭脳は大人の少年を見下ろせば、シーシャはそう問い掛ける。 目だけは蒼い蝶の翅の方へ、うろうろ、うろうろと。]
(58) 2015/06/14(Sun) 00時半頃
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[シーシャの言葉に返事が返ることはついぞない。>>59 中庭へ出れば建物に四角く切り取られた空が見えた。
巨木の上から吹き降ろす風は花壇に咲く花も、 シーシャの月色の髪も嬲って通り過ぎていく。
空の色は青い。 落ちていけるほど、青い。
少年への問いに揺らぐ蒼い翅 振り向いた顔は矢張り色のない表情で。
表情の欠落した瞳が少年へ手向ける花の色は――白。>>61 そのまま踵返す姿へシーシャが声をかけることはないままで。]
(70) 2015/06/14(Sun) 02時頃
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ヘェ――急にまた、どうして。 …トレイルが?
[少年の方へ向き直れば、訝しげな顔をした。>>62 風に揺れる花の淡紫を見遣れば、名前は分からず。]
まァ、鉢植えよりは花壇の方が花も嬉しいだろうよ。 ――…アンタが何時いなくなるとしてもさ。
[そう、告げて少年の首を傾げる様子に気付けば、ヒナコのことがちょっと、と濁した言葉で気になる旨を伝えてみる。
木の近く。ふらふらと歩く翅が地面へ倒れそうになれば>>66寄ろうともするけれど、飛び上がってしまえば手を伸ばしたとしてももう、届かない。]
(71) 2015/06/14(Sun) 02時頃
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あァ、…そうか。 連れて行かれたのは知ってたケドよ。 花は――残ってたんだな。
[シーシャはあの"ミイラちゃん"が花なんて自室に置いていたとは知らなかったから、素直に驚いた。>>81
年の近い割に達観したところがあって、シーシャがころころと"代わって"も動じない人だった。 最後に顔を突き合わせたのは――朝食のきしめんが包帯に似ている>>0:103なんて話をした時だった。
アダ名が名前にならなきゃいいな>>0:95とかなんとか言った気がするが、もしかしたら、今は本当に"ミイラちゃん"かも知れない。と。ふと、心に過ぎった。
淡紫の花の花は群生してそよそよと揺れている。 …花は喋らない。ただ風に揺れているだけだった。>>4:156]
(89) 2015/06/14(Sun) 05時頃
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[シーシャは眼前の少年の名前を知っている。>>82 けれど、長話を交わすということはあまりなく、名前"だけ"を知っているに等しくて。 数日前にその名前を口にした口は今は名前を紡がない。]
――…まァ、忘れっちまったなら仕方ねぇ。 それでもよ、こいつがココにあるってだけで、
[一旦花々を見下ろして、シーシャは続けた。]
この花に思い入れがあるってェなら十分だろうよ。 ココならよっぽどのコトが無きゃ枯れそうにねぇし。
[だろう?と同意を求めつつ、足音>>72に振り返ればそこには一日ぶりの弟分の顔。 よォと手を振れば"声">>75が聞こえて、樹上へと視線を戻した。]
(90) 2015/06/14(Sun) 05時頃
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[枝の上で揺れる蝶の翅をシーシャの蘇芳色の瞳は見上げる。 ばさりと固い音が聞こえた。――紙の音、だろうか。>>74 直後、意味を成さぬ声が風に乗ってシーシャへ届く。
音の羅列に混じる"やくそく"の言葉が耳朶を這う。
その時、体の奥深く。どこか見えぬ場所で音が鳴る。]
(91) 2015/06/14(Sun) 05時頃
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[ ……ぱりん。 ]
(92) 2015/06/14(Sun) 05時頃
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『 約束。 やくそくだよ 』
『 ぜったい、うたうから ききにきて 』
「 約束だ。 」
「 もし、オレがオレを忘れてしまったとしても、 "私"しかいなくなったとしても、きっと 」
( 忘れない。絶対に、思い出すから――――…… )
(93) 2015/06/14(Sun) 05時頃
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[記憶の奔流は一瞬で通り過ぎ、後には何も残らない。 シーシャはハッとしたように目を瞠ったけれど、 過ぎていった記憶の端を掴むことは出来なかった。 その間に話しかけられたとしても気付かなかっただろう。>>86
そうしているうちに樹上の"声"はやがて歌に変わる。]
(94) 2015/06/14(Sun) 05時頃
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[それは、確かに歌だった。 荒削りの、けれど想いのこもった歌だった。
穏やかに吹く風が中庭を渡っていく。 不意に、目の奥が熱く。熱くなる。 堪えきれずに瞬けば一筋、頬を水滴が伝って。
流れていく液体は奇妙な温かさを伴って、落ちる。 次々と溢れるそれを止めることもせず、 シーシャは繰り返される歌を聴いていた。
いつまでも、いつまでも聴いていた。**]
(95) 2015/06/14(Sun) 05時頃
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― 回想:夢から醒めて ―
[青年の目が醒めたとき、>>31 失くしたはずの記憶が自分の中にあることに気付いた。
――…けれど、それはただの"記録"だった。 記憶のひとつひとつ、思い出せはすれど、 その中に宿る感情を思い出すことは出来なかった。
…青年は、"私"との境界が薄れ始めていることを悟った。 記憶を記録としてしか感じられないのも、そこに残った感情を感じられないのも、"私"と混ざりかけているからだと、理解する。
混ざって、砕かれて、青年の欠片はやがて消える。 今は最後の最後、星が燃え尽きるみたいに、 僅かに青年の意識が表に浮かんでいるに過ぎないのだと。]
(103) 2015/06/14(Sun) 13時半頃
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[…次に"私"に代わったら、二度と戻れない。 ――それは、予感ではなく、確信だった。
どれだけ今のままでいられるのか、青年にはわからない。 一分?十分?一時間?それとも、一日? わからないけれど、それが長くないことはわかっていた。
時間は、ない。 自分が自分であるうちに、 『 わたしが わたしのままでいるうちに 』]
――――……ころして。
[絵本には書かなかった。――…書けなかった。 鮮やかに蘇るその声。その顔。空白の言葉>>101。 青年は噛み締めるように口にし、それを飲み込んだ。 それから、青年は小さく歌を唄う>>33と――…、*]
(104) 2015/06/14(Sun) 13時半頃
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― 中庭 ―
[塩辛い水が頬を伝い落ちるけれど、 シーシャにはその正体がわからない。
ずっと昔に忘れてしまったから。 ずっと昔に失くしてしまったから。
それでも、シーシャは"泣く"。 拙い歌に、その中に込められた想いに。
( …忘れない )
確りと伝わるたった一言。
『 君が忘れる日が来ても 』
――…わたしは忘れないよ。>>1:34 ]
(105) 2015/06/14(Sun) 14時半頃
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[やがて、歌は終わる。>>101 オスカーやキルロイはどうしていただろう。 そちらへ目を向けることはしないで、 シーシャは、地面へふうわりと降り立つ蝶の翅を見詰めた。
流れる雫は未だ止まらないまま。 地面へ落ちる二枚の紙を蘇芳色が捉えたが、拾うことはせず。 差し出された絵本を受け取り、ぎこちなく手を伸ばす。
頭へ伸ばした手のひらが触れることが叶っても叶わなくても、 身を屈めれば、小さく小さく、傾げられた首元へ言葉を落とした。]
(106) 2015/06/14(Sun) 14時半頃
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