人狼議事


231 獣ノ國 - under the ground -

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【人】 落胤 明之進

─或る昇日の頃─

[『……He went out and hanged himself and then there were none.』
 
 誰もいない。
 風なく時を止める徒花の庭にも。
 秘密棟にも医療室にも図書室にも。

 誰もいない。
 がらんどうの白亜の中、
 点々と続く赤い血痕。

 偽りの楽園には、
 今や閉じ込められるべき獣人はいない。

 通信が幾つか入り、ばたばたと階下から
 足音がする。
 もうすぐ倒れている警備員にも
 救援が来るだろう。]

(18) sane 2015/07/18(Sat) 12時頃

【人】 落胤 明之進

[ぐしゃぐしゃの辞表。
 そこにあった感情を、迷いを、
 叩きつけたような手紙。
「ノア・マーティン」の手紙。>>4>>5

 それを血濡れていないてのひらで拾い、
 懐にいれた。

 彼はよっと立ち上がると、
 放り出した刀を拾い、第三棟大扉から出る。
 ふわりと着物の裾を翻すは外の風。
 潮の僅かな香りと、夜明けのにおい。

 一歩一歩、階段をあがっていく。
 罪から逃げる気はない。
 けれども最期に、"見たい"ものがあった。]

(19) sane 2015/07/18(Sat) 12時頃

【人】 落胤 明之進

[鼻をついた甘い香りが剥がれると>>0:#2
 閉じられていた現実が一つ、開けられる。
 ざらら、と脳裏に野の薄が揺れた。]

    ……さ、……や……。

[彼は、彼女の名前を拾い上げ
 ────階段を歩むごとに
 一つずつ記憶を取り落としていく。
 
 彼はそれでも、塔を登りだした。
 頬を撫ぜる風は、それに乗って
 どこまでも飛んでいけそうだった。

 海まで見える塔の上に
 たどり着くことはできるだろうか。

 途中で警備員に止められるならその時に。
 そうでないなら、上まで登った時。]

(20) sane 2015/07/18(Sat) 12時頃

【人】 落胤 明之進

[鐘の音が、高く鳴り響いた。──>>#0

[ゆうらり、黒い夜の幽霊のような男は
 遠くから、されど次第にせまる東雲に
怯えるよう 待ち焦がれるように目を細める。


  やがて見えた曙。心にまで差し込む光。
  遠く、陽に向かい羽ばたく鳥が見えた。


── はたり
ふと鎖骨あたりを濡らす小雨がある。
視界でぼうやりと朝日が滲んで
その時やっと、泣いていることに気がついた。

飛び立った鳥たち。
置き去られた男。

それでも、──あゝ]

(21) sane 2015/07/18(Sat) 12時頃

【人】 落胤 明之進

[「ヘリオトロープ」の空、陽の下を飛んでゆく
その姿が何より美しくて……愛おしくて]


  (……きっと、これ、が。
   ──見たかった、んだ)

[大嫌いな筈の"朝"が来るのを。
 
 いずれ塔の下から
 警備員が捕らえに来るだろうか。
 塔の中には誰か住むものがあっただろうか

 喉が切なく震え痛む。
 頬をぞんざいに拭って袖を濡らし、
 彼は、昇る朝陽を見つめ続けていた。*]

(22) sane 2015/07/18(Sat) 12時頃

【人】 落胤 明之進

― 塔にて ―

[同僚に抱えられたハリネズミに
 出会うことはあっただろうか。
 
 出会ったならば彼は、
 彼らの様子に不思議そうな顔をしながら]

  ――……やあ。?
  君達も、あそこから出るのかい。

[なんて言葉をかけたりしただろう。*]

(62) sane 2015/07/19(Sun) 11時半頃

【人】 落胤 明之進

[彼女から発せられた言葉に>>65
 彼はきょとん、と目を開く。
 そこまで顔を合わせることはなかったとはいえ、
 さっき突き飛ばしてきた相手を忘れるものか――

 ――いや、突き飛ばした時に
 おかしな頭のうちかたをしたのだろうか
 疑問に思いながらも、
 彼はヴェスパタインの方を一瞥した。

 何か答えはあっただろうか。]

   ……。まあ、仕事の同僚、かな。
   君は、忘れてしまったのか。
   君と私は会ったことがあるけれど。

[確認をするようにそう云う。
 『これからどこへいくのか』と、ふと問いかけた。]

(66) sane 2015/07/19(Sun) 13時頃

【人】 落胤 明之進

[思い出せねぇ、という言葉に
 一瞬彼は怪訝な顔をするものの
 その表情に声色に深刻さは全くなかったから
 ただ、不思議さだけが残った。]

 ……。そう。

[ジリヤの声に柔らかな喜びが混じる。
 それは人間ならだれにでも棘を刺していた
 ハリネズミのものとは遠く感じられて
 聴いているだけで心が温かくなる。

 彼女の喜びが伝染するように、
 彼もまた笑みを浮べた。]

(68) sane 2015/07/19(Sun) 14時頃

【人】 落胤 明之進


  おめでとう。……かな?
  祝いの品は今は持たないが、幸せにね。

[人と獣が差別しあうことなく傍にいられるなら。
 それはきっと幸せなことだ。
 本気でそう思う彼は、二人の幸せを祈りながら
 ジリヤと、ヴェスパタインに微笑みかけた。]

   じゃあ。

[彼は会釈をすると、彼らに手を振って
 入れ違うように歩いていくだろう。*]

(69) sane 2015/07/19(Sun) 14時頃

【人】 落胤 明之進

[――それから、塔をいくらか下って。
 だれぞの姿をみて話すことはあっただろうか。

  喧騒。喧騒。喧騒。走り来る警察の足音。

 彼は塔の上、それらに微笑んで ただ微笑んで

 宙に身を預けた。

 頬を撫ぜる風は何故か温かかった。
 暁の光が目を射る。それは赤い星にも見えて

   ……あれは何の火だろう。あんな赤く光る火は何を燃やせばできるんだろう。

(……何か、そう、何かに似ていた気がする。>>3:79

 遠ざかる色に「さようなら」を囁く。
 ゆっくりと、目を閉じた。]*

(149) sane 2015/07/21(Tue) 21時頃

【人】 落胤 明之進

― ・・・・・・・・ ―

[其れから少しばかり後の事。
 ヘリオトロープの一角に在る古びた本屋に男が一人。
 ある筋の話じゃア服役終えた犯罪者とも作家とも聴く。

 そんな男がいる店は、いつもひやりと涼しいのだと。

 店の戸をがらりと開ければ、
 年の頃すらわかりゃせぬ、眼鏡をかけたその男
 赤い羽の栞を置いて、静かなこえで、]

  ―― こんにちは。
  どんな本をお求めですか。

  ……匂い?
  そう。苹果。アップルパイです。
  上手く焼くのは中々骨が折れました。
  昼過ぎに教会と、知り合いの家に ちと、届けにね。
  あゝ、もう済みましたので。ごゆっくりどうぞ。

(150) sane 2015/07/21(Tue) 21時頃

【人】 落胤 明之進

  迷いますか。……そうですね――
  例えば、鶴の恩返し、なんて昔話もございますが。

[客が迷うならば、ゆるりと笑み
 いくつかの話を挙げるだろう。]

([例えば、海に帰った亀と鮫の噺。
   夜空に歌い舞う美しき鳥のつがゐの噺。
   人の掌を得た猫の噺に、すれ違う男女が手を繋ぐ噺。
  ひとりのヒトといっぴきのハリネズミが手をとりあう噺。])
 
 どれでもお好きなものをどうぞ。
 
[そうして、去る客には不思議な言葉を一つ。]
 
  ありがとうございました。
  あなたの物語がよいものとなりますように。

  ――それでは
 

(151) sane 2015/07/21(Tue) 21時頃

【人】 落胤 明之進


 

      「いってらっしゃい」。



[……

 そうして、「獣の國」の一角に。
 咲くヒトとけものの物語を、
 見届ける男がひとり。*]

(152) sane 2015/07/21(Tue) 21時頃

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