64 色取月の神隠し
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――秋月邸――
あゃ。
[その誘い道に気付いたのはいつだったか。 間抜けな声を出して、まじまじその先を見つめる。]
行きたいとは言ってはいないのだが…
[志乃の話を反芻して首を傾げ。]
進む以外の道は―――…なさげだな。
[小さく溜息を吐いた。]
(+0) 2011/09/16(Fri) 06時半頃
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うーむ。いきなりに居なくなっては皆が心配―――
[少し考えて。]
しないかもしれないが。
[おい。]
でも、せめて一平太君には何か残してあげたかったなぁ。
(+1) 2011/09/16(Fri) 06時半頃
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…仕方ないな。 とりあえずは、行くしか。
[歩みを進める。 戻る方法、それは今は解らないが。 向こうには父が居るはずだ。]
探して、相談してみるか。
[やたら呑気に構えて、辺りを物珍しく見回し始めた時。 箏の調べが耳に届いた。]
これは―――… 志乃君かな。 [その顔に浮かぶのは、眉根の下がった困ったような*笑み*]
(+2) 2011/09/16(Fri) 06時半頃
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仁右衛門は、何処かで小さな鈴の音が聞こえた気がして小首を*傾げる*
2011/09/16(Fri) 07時頃
弁士 仁右衛門は、メモを貼った。
2011/09/16(Fri) 07時頃
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─ あやかしの里 ─
───……。
[こえが、聞こえる>>3:170 静かに穏やかに問い掛ける声、聞こえる道理もないはずなのに]
(+3) 2011/09/16(Fri) 09時頃
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…行きは良い良い、
かえりは… こわい。
[とん。と、赤い手毬が小さく跳ねた。 ちりりと小さな鈴の音が鳴る。 童女は跳ね返ってきた毬を手に受け止めて、歌をとめた。 何にか、ふるりと首を一度横に振る]
(+4) 2011/09/16(Fri) 09時頃
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……?
[そのとき。ゆうらり揺れる道の向こうのほうから、 箏の琴の音が聞こえてきた。 たおやかな調べには、懐かしむような響きがある]
だれか、きた…?
[彼岸の花咲く隠世の道。 あやかしの里と人の世を繋ぐ、狭間の道。 その向こう側に、陽炎のように、ぼぅと見えてくる人影がある]
(+5) 2011/09/16(Fri) 09時頃
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……あ。おじさん…?
[最初に分かったのは、あの眼鏡。 やがて見えてきた人影に、童女は以前と同じき声を上げた。
赤い着物に小さな赤い毬。黒髪には狐の面が括ってある。 遠く賑やかに響いて渡る、祭りの囃子。 あたかも人の子の里と、変わらぬとでもいうように。
ただ人の目に明らかにも違うのは、 童女の黒の双眸が、ひとつの大きな目に変わっている*こと*]
(+6) 2011/09/16(Fri) 09時頃
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双子 夕顔は、メモを貼った。
2011/09/16(Fri) 09時頃
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――――彼岸花ばっかだなぁ。 [きょろきょろしながら進む狭間の道。
その独特の、怪しくも幻想的な雰囲気が何故か台無しになるのは、この惚けた半妖眼鏡のせいに違いない。]
おぉ…金木犀発見! ふむふむ。 一見彼岸花だけに見えるが別の花も生息しているのか。
[始終このような調子で。 何かを見つけては腰を下ろして観察し、だらだら進む隠世の道。
―――――そうして。
強制的目的地に辿り着けば一人の童女に声を掛けられた。]
(+7) 2011/09/16(Fri) 10時半頃
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おじ…
[がーん。]
な、何故だ?!
[こちらでも、己の認識は"おじさん"なのか。 童女の言葉に頭を抱えつつ、その姿を見つめる。
赤い着物に切り揃えられた黒髪。 記憶に残るそれよりも、やはり目を惹いたのはその大きなひとつ目。]
な、なんと君はかの有名な一つ目小ぞ―――
[言いかけて。]
女子だ、な。
[訂正した。]
(+8) 2011/09/16(Fri) 10時半頃
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一つ目は小僧だけなのじゃないのだなぁ。
[ひとりでうんうんと*感心している*]
(+9) 2011/09/16(Fri) 10時半頃
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弁士 仁右衛門は、メモを貼った。
2011/09/16(Fri) 11時頃
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[ゆらゆら揺れる彼岸花。 赤に彩られた向こうから、何やら惚けた人影が現れた。 童女は手毬を胸に抱き、じいとそちらを見つめている]
おじ… ……
[があん!と頭を抱える”おじさん”に声を掛けかけた。 その言葉が途切れたのは、おじさんの言葉の所為]
……、小僧じゃないもの。
[むうとむくれて、僅かに口を尖らせた。 むすりとしながら、男が怯えていないことにもふと気づく]
(+10) 2011/09/16(Fri) 11時頃
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夕顔は、仁右衛門の表情をじい。と見つめて、
2011/09/16(Fri) 11時頃
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…ねえ、おじさん。怖くはないの? ここはもう、ヒトの住む場所ではないのに。
[ことりと首を傾ける。 ざわりざわりとざわめく、妖の気配。 高く低く響く祭りの囃子は、人の子らのものと良く似ている。 なれど里に集うは、人ならざるモノ。妖の里]
───わたしも、ヒトじゃないのに。
[どこか堅い表情で問い掛けた。 大きな大きな黒い目が、探るように仁右衛門を見上げている]
(+11) 2011/09/16(Fri) 11時頃
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双子 夕顔は、メモを貼った。
2011/09/16(Fri) 11時半頃
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あ、いや…だから、訂正したぞ?
[手鞠を抱いた一つ目童女がむくれる様に戸惑いつつも、真顔で反論する半妖眼鏡。
口を尖らせる仕草は人間の童女となんら変わらない。 大きな瞳が綺麗だなあ、とのんびり考えていれば問い掛けられて。]
ぬ?怖がったほうが良かったかい?
[問いに問いで返しつつも、堅い表情を見せる童女の様子に気付けば、眼鏡の奥の瞳を穏やかに笑わせた。]
いや…、怖くはないよ、私は。
確かにここはヒトの住む場所ではないし、君もヒトではないけれど。 私は君のことを知っているし。
[書物でだが。]
あやかしが全て、忌むべき存在だとは思っていないしな。
(+12) 2011/09/16(Fri) 12時頃
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それに、私も…
[大きな瞳の中に映る己が悪戯っぽく微笑む。]
――――――ヒト、ではないしな。
(+13) 2011/09/16(Fri) 12時頃
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……。
[じい。と慌てる様子を見上げる童女の口は、への字口。 小さな手毬をお守りのように抱いて、眼鏡の男を見つめた]
… 、だって。
[ほんの僅か、童女の表情が揺れる。 眼鏡の奥の、優しい瞳の色に気づけば尚のこと、 泣きだすを堪えるような顔になった]
(+14) 2011/09/16(Fri) 13時半頃
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お座敷、いても。姿を見れば、みんな嫌うの。 お友だちも、みんな、逃げるの。
みんな……、 …。
……。こわく…、ないの?
[知っていると、男はいう。 書物でなどと思いもしないから、 どこかで似たようなあやかしを男も見たのかも知れない。 彼がまだ、ずうっと子どもの頃に。忘れた昔に。
正体を見せれば厭われる。 正体見せねば忘れられる。
いつもいつも。 子どもたちには、そうして忘れられてきたのだから]
(+15) 2011/09/16(Fri) 13時半頃
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…えっ?
[きょとんと、ひとつの瞳が大きく見開く。 悪戯めいた眼鏡の向こうに、 ぽかんと目と口を開いた、赤い童女の顔がふたつ映った]
…… …???
[むつかしい顔で、考え込む]
(+16) 2011/09/16(Fri) 13時半頃
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ヒトじゃない…? ?? でも、あやかし でもない…??
…??
─────おじさん、だあれ?
[ごく素朴な疑問に、おかっぱの頭が傾ぐ。 黒髪に括った狐のお面が、おかしそうに笑っていた]
(+17) 2011/09/16(Fri) 13時半頃
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だって?
[言葉をなぞって、への字口のひとつ目童女を見つめる。 今にも泣きそうな、けれどそれを必死に我慢している顔。
屈んで、童女が己を見上げなくてもいいように視線を合わせて、ぽそぽそと話される内容に静かに耳を傾けた。]
―――…そう、か。 寂しかったな。
[そっと、頭を撫でる。]
(+18) 2011/09/16(Fri) 17時頃
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でも…… 私は皆ではないと思うなあ。
[穏やかな優しい声で童女に告げる。]
正体……そりゃあ、急に見せられたら驚くヒトが多いだろうが。 本当に仲良くなって、その絆が本物ならば…
―――逃げないよ。
[断言する。]
そも、見た目や姿形で逃げるような相手なぞ、此方から三行半突き付けてやればいい。な?
[だから、傷つく必要はない。 そして、どうか全てのヒトに絶望しないようにと心の中で願う。]
(+19) 2011/09/16(Fri) 17時頃
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[己の言葉に大きな瞳が更に大きく見開かれれば。]
はっはっはっ。
[無意味に胸を張ってみせる半妖眼鏡。
一つ目童女の考え込む姿を楽しげに見守る。 やがて、口にされる問い。]
私は、秋月仁右衛門。 それ以上でも以下でもないが。 まぁ 少なくとも"おじさん"ではない。 [ここぞ、とばかりに訂正を試みた。]
(+20) 2011/09/16(Fri) 17時頃
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弁士 仁右衛門は、メモを貼った。
2011/09/16(Fri) 17時頃
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――回想:隠世への路――
[歩き始めて>>+2少しした所で、待ち構えている影に気付いた。]
解るも何も、これ一本道じゃないか?
[半分は妖怪―――その為か、誘い道ははっきり見えていて。 掛けられた志乃の言葉>>5に苦笑する。]
送って差し上げ…あの、だな。志乃君。
[彼女は己が意志を誤解している。けれど。]
――――…はぁ。
[こうなってしまっては訂正するのも憚られて、一方的に話される内容に耳を傾けつつも小さく溜息を零した。]
(+21) 2011/09/16(Fri) 18時半頃
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……そうだなぁ。 向こうは私の知らないことの方が多いのだろうなあ。
ああ、勿論父は捜すつもりだよ。 その時に、色々相談してみようと思っている。
[馴れ初め話が聞きたいと言われれば。]
はは。やはり興味を持っていたのか。 ああ、構わんよ。
私のは――――…参ったな。
[舌を出して無邪気に微笑む志乃に照れたように頭を掻いた。]
(+22) 2011/09/16(Fri) 18時半頃
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――――いや、よく来てくれたも何もだな。
[芙蓉に会えば>>10、志乃の時と同じように苦笑する。 驚いたかと問われて、初めて芙蓉が妖なのだという思考に思い至った。 半妖眼鏡にとって、誰が妖であるか等はそれ程重要ではないらしい。]
ああ、そういえば。そうなるのだよなぁ。 [呑気に応えつつ、世間知らずな様子だった屋台での芙蓉を思い出して、心の中でひとり納得する。]
ほうほう、いいところ、なのか。
(+23) 2011/09/16(Fri) 18時半頃
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[一方的に連れて行かれる身としては、そのように言われても複雑なのだが、全く自覚がないらしい志乃と芙蓉を責める気持ちにはなれない。 女子だし。 おそらく、辰次だったりしたら散々だったろう。
後で此方に来るというし、その時に話をしようと今は言葉を呑み込む。]
生きるということは、人、妖関係なく大変なことだと私は思うな。 だから、半妖である、ということは関係ない。
まぁ、私はそれなりに楽しく*生きていたよ*
――回想:了――
(+24) 2011/09/16(Fri) 18時半頃
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─ あやかしの里 ─
────……〜〜〜〜
[ぽんと頭に置かれた手が、暖かい>>+18 視線を合わせて話しかけてくれる声が、暖かい。 暖かくて、暖かくて、じんわりとした塊が、 喉をせり上がって目からぽろりと零れて落ちる。
ぽろ、ぽろ、ぽろ。 大きな黒い一つ目から、ぽろぽろと雫が零れて落ちた]
(+25) 2011/09/16(Fri) 18時半頃
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……じゃ、ないかなあ。 あさも、逃げないでくれるかなあ。
おだんご…っ、いっしょに食べなさいねって…
[たまこにおまけをしてもらった、お月見団子。 未だ大事に大事に、手の中に抱えてある。 ぎゅうと目をつぶると、一層ぽろぽろ涙が零れた。 朝に貰った大切な狐のお面は、今も黒髪に括っているけれど]
(+26) 2011/09/16(Fri) 18時半頃
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[お里について、はぐれた鏡写しのもうひとり。 鏡写しではなくなってから、恐れて探しに行けずある。 朝顔が心細い思いをしていないかと気がかりだけれど、
───この姿を嫌われるのは、一層怖い]
(+27) 2011/09/16(Fri) 19時頃
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…っ、えぐ…っ…
おじさん、じゃ、ないの? あきづきじんえもんは、おじさんじゃ、ないの?
[鼻をすすり上げて、ぐちゃぐちゃになった顔で、 目の前の眼鏡の”あきづきじんえもん”を見た。 真剣な顔に、ほんの少し、小さな笑みが浮かぶ]
……へんなの。
[おじさんに、以上も以下もないのに。 そんな言葉は、盛大にすすり上げた鼻に紛れて*消えた*]
(+28) 2011/09/16(Fri) 19時頃
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双子 夕顔は、メモを貼った。
2011/09/16(Fri) 19時頃
双子 夕顔は、メモを貼った。
2011/09/16(Fri) 19時頃
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うぉ?! ど、どうした? 頭撫でられるの嫌だったのか?!
[童女の大きな目に雫が溢れだすのを見ればあわわと慌てて。 頭に乗せていた己が手を離そうとする。]
あさ…?
[あの時、一緒に居た子だろうか。]
その子はヒトなのかい? 一緒に此処に来たのかい?
(+29) 2011/09/16(Fri) 19時半頃
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