162 絶望と後悔と懺悔と
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人
狼
墓
少
霊
全
きみは自らの正体を知った。さあ、村人なら敵である人狼を退治しよう。人狼なら……狡猾に振る舞って人間たちを確実に仕留めていくのだ。
どうやらこの中には、村人が7人、賞金稼が2人、囁き狂人が6人、首無騎士が1人、人狼が1人いるようだ。
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皆さまお集まりありがとうございます。えー、ごほん。 この催し物、しっかりと楽しんでくださいませ。
…何があっても、文句は言いませんよう、ご了承くださいませ。
(0) 2014/02/08(Sat) 00時頃
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[理依と零瑠が孤児院へと向かっても、一人立ち尽くす。 耳が悲鳴を捉え、瞳に紅蓮の炎が映るとき]
――ふざけんな。
[ぼそり、呟いた。 いつかサミュエルが周の性格を評して曰く"あいつは逆上する"と。 湧き上がる衝動は決して勇気ではない。 ただの怒りに過ぎない。
――けれど、その怒りこそがいつも周を突き動かしてきたのだ]
(1) 2014/02/08(Sat) 00時頃
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[孤児院が見る間に悪い夢より酷い状況に陥っていくのがすぐにわかる がくがくしてた足が、やっとそちらに駆け出した。 元々あの場面を見つけてしまったのは自分で 鬼ごっこのきっかけを作ったのも…]
皆……!
[2人が静止しても聞く気はないし、 多分ここで生き延びたらそれこそ死ぬような後悔に襲われる。
だから、周りの状況がどんなんであれ。 遠めに見える金髪は…忘れない。 約束は。破られたのだろうか。 いや、守る気がなかったという周の言葉が正しいのだろう]
(2) 2014/02/08(Sat) 00時頃
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この雛鳥は我らの未来を担うものだ。 お前たち虫のごとく人の血を吸う奴らになど、 触れさせるものか。
[>>0:470遊ぶ、とこの吸血鬼は言った。 人間が産まれ増え、対抗できるまで育つに どれほど時間がかかるか知っているのだろうか。 武器を持ち、吸血鬼を屠るのを作業だと思えるまで どれほど――]
始祖とて吸血鬼。 我が月詠の前に崩れ去るがいい。
[追い払うでもなく、殺すと。 ただ強く想いを三日月斧に乗せて向かおうとして]
(3) 2014/02/08(Sat) 00時頃
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[怖い夢に震えるように、 意識の落ちた後も血の気の戻らない少女の背に 規則正しい、緩やかな拍子が刻まれる。>>0:432
痛いほどの力の込められた手から徐々に力は抜けて 握り返してくれる手に、細い指が絡んだ。
それから幾らも立たないうちに、 階下の喧騒に起こされて、少女は瞼を上げた。]
…………りょうお兄……
[どうしてここに? という眼で涼平を見上げたのは束の間。
すぐに状況を思い出して、顔色を青褪めさせた。]
(4) 2014/02/08(Sat) 00時頃
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― ベッドのある部屋 ―
アヤ! 涼にーさん!
[僕はそこにいる家族の名前を呼んでしばらく黙り込む。
外をきゅうけつきが囲んでいることなんて知らないけれど、 それがなくたってここはもう火に囲まれている。
逃げられない。 にげられない]
もうだめ、かもしれない。
[違う、こんなことを言うつもりじゃない。 まだ小さいけど、僕だって家族を守りたいんじゃなかったっけ?]
(5) 2014/02/08(Sat) 00時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2014/02/08(Sat) 00時頃
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箒……?
[サミュエルの行動を困った相手を見るような表情で見やり、宥めるような口調になっていた。]
せっかく生かしてあげようとしてるのよ、命は大事になさい?
[そう告げてから、刀の一振りで箒の先端を切り落とす。]
次は……首が飛ぶわよ?
(6) 2014/02/08(Sat) 00時頃
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[始祖との邂逅は焔と血に塗れ、吸血鬼達も斃す事は出来たが
一般人、隊員の犠牲も少なくなかった。
始祖も漆黒の吸血鬼もいつの間にか姿を消し、
残されたのは無残な犠牲者と焼け落ちた建物。
それでも僅かな希望の様に幾人かの子供達を助ける事は出来た]
(#0) 2014/02/08(Sat) 00時頃
[保護された孤児達が軍の病院で治療を受け、眠りに就いている頃。
隊員2人が隊長に呼び出される。
「孤児院は全焼、大人達も行方不明の子供達も絶望的だろう。
………保護した子達の様子はどうだ?」
「始祖と我が部隊との戦いに関わり、生き残った事に何か必然があるかもしれん。
彼らにその気があるなら部隊員として育てたいと思う。
決意するなら、お前達が鍛えてやってくれ。
望まないなら雑用でも与えておけ。軍から出すな」
隊長は聖水銀の入った小瓶を部下に渡し、彼らに孤児達の処遇を任せ部屋から出ていった*]
(#1) 2014/02/08(Sat) 00時頃
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-勝手口の辺り-
ややっ!
[勝手口近くまで来たら、何やらキナ臭い匂い。]
火事だ!みんな早く逃げ……いや、逃げるな! 逃げたら吸血鬼が…いや、でも逃げないと…。
[躊躇っている間に年少の子どもたちは大混乱。 もうどうしたらいいのかわからない有り様。]
何の陰謀があるんだ……みんな僕のいうことを聞かないし。 誰か僕を……僕を助けてくれぇぇぇぇ!!
(7) 2014/02/08(Sat) 00時頃
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[リカルダの声がする。
まだ涼平に上半身を預けたまま、少女は振り返った。]
リッキィ……!!
[良かった。 無事で良かった。
安堵と不安の綯い交ぜになった声でリカルダの名前を呼ぶ。]
……え、
[もうだめかもしれないと溢すリカルダの顔を見て]
……っ、
[少女は自分の足で立ち上がった。]
(8) 2014/02/08(Sat) 00時頃
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―わたしの最後の記憶
[ほら、マドカ、マドカのドジッ にげようっ ほらこっち
ジョージの小さな手が私の手を引っ張ってくれる 家の中がどうなってるのかみんながどうなってるのかわからないままげほげほっと咳をしながら倒れるように外へ脱出]
ジョージ、ジョージありがとう。 よかったどうにか助かったね
[煤で汚れた顔でみあって にっこりわらったジョージのかわいらしい顔]
(9) 2014/02/08(Sat) 00時頃
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―ベッドのある部屋―
[火事があったら逃げないといけない。知っている。 それは、吸血鬼から逃げろと言われるよりもずっと、 自分の頭で、分かることだった。
リカルダの後を追うような形になったものの、 非難を促すつもりで寝室に着いた矢先、弱い声を聞いた。>>5]
……、……
(10) 2014/02/08(Sat) 00時頃
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ジョージ?
[こてん]
ジョージ?
[にっこり笑ったままのお顔がかしげたと思ったら]
(11) 2014/02/08(Sat) 00時頃
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[円に駆け寄ろうとして、影が遮る。
聞こえる悲鳴の怒号の中、 その影は絶対的な静寂を纏っていた。
夜のような、 あるいは死そのもののような、 吸血鬼というよりも、死神のようだ、と思って、
見開く双眸にその黄金は焼き付いた。 それから、視界に移ったのは鮮やかな緋色>>0:455、 飛び散って、頬に感じる、べちゃりとした生ぬるい温度。 サミュエルが叫ぶ声>>0:465にそちらを見た]
(12) 2014/02/08(Sat) 00時頃
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―孤児院・勝手口方面―
…………
[ひゅうひゅうと鳴るのは何の音だろうか。 視界いっぱいに『紅』が拡がる。
顔面を濡らすのは雨ではない。 身を照らすのは明かりではない。
零瑠を庇う隊員にぶつかったのは、『妹』の様に懐いていた子の、お歌を頑張ると言ってくれた子の――――頭部。]
(13) 2014/02/08(Sat) 00時頃
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[ころころころ…って]
ジョージ?
[何がおきてるかわからずに かわいいジョージのお顔に手を伸ばす]
(14) 2014/02/08(Sat) 00時頃
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―ベットの部屋―
……気がついたか。
[眼を覚ました彼女に安心したのもつかの間。火の手はどんどん部屋を包み込んでいく。 ……こんな事ならさっさと逃げるべきだった。 絢矢に申し訳無いことをしてしまったな、と奥歯を強く噛み締めた。]
っ!……リカルド……… 大丈夫、だよ。何とか、なるだろ…… リッキィ、絢矢連れて逃げれるだろ?
[リッキィに放った言葉は>>5は弱々しく響く。 まだ何とかなるはずと、苦しそうな表情を浮かべながら声を搾り出した。]
(15) 2014/02/08(Sat) 00時頃
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[涼平と手を繋いだままリカルダの傍まで歩き]
逃げ、よ……。
[そこで漸く涼平の手を離し、リカルダの手を取った。 寄木細工の箱は左手に、リカルダの手を右手に。
声も手も震えている。 けれど、少女ははっきりと言った。]
逃げよう、リッキィ!
[ここにいては駄目なのだ。 蹲っていても事態は悪くなるばかりだと、 なぜか少女は知っているようだった。
扉の方に明之進も見えた。]
明ちゃん、他のみんなは?
(16) 2014/02/08(Sat) 00時頃
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[気が違ったかのように雄叫びをあげ、落ちていた薪ざっぽを得物にして、阿鼻叫喚の地獄と化した孤児院へと駆け込み。 鬼を探してひたすらに走った。
その行為は勝算のない、ただの自棄に過ぎない。
けれど、自儘に自分達を蹂躙する鬼が赦せなかった。 それ以上に、無力な自分が赦せなかった]
出て来い! 化け物ォ! 今度は俺が、お前らを狩る番だ! [紅蓮と黒煙の中を彷徨う]
(17) 2014/02/08(Sat) 00時半頃
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>>6
うるせぇ!!! こんなに簡単に人ごろしで、何が楽しいだ! お前なんが!!
[箒は瞬時にすっぱり切られた、 けれど、サミュエルは、それでも、怒りに任せて、ホリーへタックルをかまそうと]
おでなんが、どーでもええんだ!! 貴様をぶっ殺す!
[無謀無茶、それは周のようだ。]
(18) 2014/02/08(Sat) 00時半頃
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[焦げ臭い、匂いがした。 誰かがシチューの鍋を焦がしたなんて匂いじゃない。 違う。 これは。]
……火事?なんで?
[火の扱いは気をつけている。 孤児院が出火元なんてなったら、余計苛められる。 それ以上に、住む場所がなくなる。
だからこそ、いつでも火の始末は気をつけていた。 なのに。なのにどうして、火事が。]
(19) 2014/02/08(Sat) 00時半頃
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……女の子?
[西洋人形のような服を着て、 その当人も人形のような少女だ。
紅い瞳、黒いレエス、 その刃で飛び散った色は闇の色に隠されていた。 とても不思議なものを見ているような、 そんな呆然とした呟きが零れた]
(20) 2014/02/08(Sat) 00時半頃
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[頭を振る。 今はそんなことを考えている場合ではない。 此処にいてはいけない。]
逃げる、ぞ。 大丈夫だから、な。僕が一緒にいるから。
[手を繋いで、背中にもしがみつかせて、孤児院から逃げ出そうとして。]
リッキィ!どこ行くんだ、待て、 そっちは、
[離れていくリカルダ>>0:467を追いかけられずに、ただ、その背を見るだけで。
見るだけしか、できなかった。]
(21) 2014/02/08(Sat) 00時半頃
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[咄嗟に刃で振り落とされたそれを、苦々しい表情で見た隊員は悲鳴の方へと駆け出していく。>>7]
………は
[紅に染まる五指を伸ばす。 無事であることを願ったのに。
焔の弾く音を最後に、薄く微笑み浮かべて零瑠は意識を手離した。]
(22) 2014/02/08(Sat) 00時半頃
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[どうしよう。 どうしよう。
――声が聞こえるんだ。 外は叫び声とかで騒がしいはずなのにそっちは全然耳に入ってこなくて。
ほら、こっちにおいでって僕を呼んでる。懐かしい家族の声]
……。
[僕は立ち上がったアヤに何を言うつもりだったんだろう。 とにかく今は]
――…っ、うん!
[アヤに手を取られた瞬間、ぶるっと震えがきて、昔の家族の声以外の音が全部聞こえるようになって、 僕はアヤに頷いたんだ。>>16]
(23) 2014/02/08(Sat) 00時半頃
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その度胸は買うわ……けどね?
[タックルに来るサミュエルを交わすと、膝蹴りを彼の腹部にある程度手加減して入れる。]
あたしと戦うにはまだまだ……
[周囲を見回し、誰か適当な相手は居ないかと。]
(24) 2014/02/08(Sat) 00時半頃
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[抱きしめて上を見上げると さっきのとは違う吸血鬼がにやにやしながら立っていた。 たぶんわたしも死ぬんだと。 ジョージの顔を抱きしめて泣いた。
―――
けれど わたしは まだ生きていた 顔をあげたら地面に転がっていたのは吸血鬼
燃える孤児院を背に血に染まった白の制服が見えた
それがあの日の最後の記憶**]
(25) 2014/02/08(Sat) 00時半頃
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助けてください助けてください助けてください! 何でもします何でもします何でもしますからぁぁぁ!! だから助けてください!本当に何でもしますからぁぁぁ!! みんなを助けてください!
……少なくとも僕のことは助けてくださぁぁぁい!!
[何の経緯でこうなったか、それもわからない。 彼の記憶にあるのは、「許しを請うて土下座する」。それだけ。 誰に対して、何に対して、それはわからない。 ただ、「助けてください」「何でもします」「何でもします」 「僕は助けてください」「何でもします」繰り返してる記憶だけ。 それ以上の記憶は今はなかった。]
(26) 2014/02/08(Sat) 00時半頃
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ほう。私達を『虫』呼ばわりとは。 雛鳥でさえまともな言葉遣いだったぞ?
[家畜の分際で>>3と、彼の者の心の内にどれだけのものが あるのか知る筈も、知るつもりもないまま見下す様に視線を投げた]
崩れる? 私は貴様の顔が恐怖で崩れる方が見たいものだ。
[向けられた三日月斧に、優美に微笑んだ]
そうそう。 あんな風に元気に叫んで、こんな風に呆然と人形の様になるのもいい。
[ホリーとサミュエルの声が聞こえる。 そしてこちらに気付いて呆然とする少女>>20]
(27) 2014/02/08(Sat) 00時半頃
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絶対、大丈夫。だから逃げるぞ
[根拠なんて無い。それでもさっきよりかは強い声色ではっきりと発した。]
明、ぼさっとしてんな。ここ出たら話聞く、行くぞ リッキィ、絢矢、お互いの手離すなよ………!
[廊下に出て、比較的まだ通れそうな場所を確認しながら外へと足を進めようとする。 リッキィ、絢矢、明の姿を確認しながら。]
(28) 2014/02/08(Sat) 00時半頃
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涼平君……絢矢。リッキィ――
[腕に抱えた小さな子を床に降ろせないまま、傍へ。>>15>>16]
みんな、外だよ。……ここは危ない、から。 きっと、待ってる。
行こう?
(29) 2014/02/08(Sat) 00時半頃
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[こちらを見てきたマユミに微笑んだ。まるで場違いな笑みだっただろうけれど。]
ご機嫌よう……そんなにこちらを見てどうしたの?
[微笑むホリーは片手に日本刀さえなければ、確かに西洋の女の子に見えただろう。]
(30) 2014/02/08(Sat) 00時半頃
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>>24 [だが、タックルは交わされ、腹部に入れられた膝蹴りは、 吸血鬼にとっては手加減したものでも、簡単にその内蔵をえぐる]
かはっ・・・・・・
[腹に鉛うぃ打ち込まれたような衝動。 そのまま反動で壁に叩きつけられて、頭も打った]
がっ・・・・・・
[血の味がする。 口も切ったんだ、そう思った時には、意識がぼんやりと霞んだ。でも、なんとかホリーの姿を逃がさまいと、 歯を食いしばって、黒羽の少女を探して睨みつける]
(31) 2014/02/08(Sat) 00時半頃
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[阿鼻叫喚の孤児院で、もうどうすればいいのかわからない。 けれど見つけたのは黒い姿の女の子。 その視線の先にマユミがいることにまだ気付かない]
サミィ、サミィ、お前、大丈夫かい!? 何があったのさ。なんで、あいつがここにいンの?
(32) 2014/02/08(Sat) 00時半頃
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リーは、サミィを見つけたのは彼の声と吹っ飛ばされた音が聞こえたからだ
2014/02/08(Sat) 00時半頃
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>>30 [だが、その視線がマユミに向いているのがわかれば、 背筋、冷たいものが走って、唇噛み切ると、 ホリーに向かい這いずっていく]
く そ・・・・・・ マユミに・・・手ぇだす・・・なや・・・。
(33) 2014/02/08(Sat) 00時半頃
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和算家 直円は、メモを貼った。
2014/02/08(Sat) 00時半頃
|
……うん。
[絶対と言い切る涼平に、少女は頷く。 信じるしかない、今は。]
……うん。
[二度目の返事は、普段の少女からは 想像もつかないほど力強く。
絶対に離さない。 決意を胸に、リカルダの手をぎゅっと握り直し、 明之進を──その手の中の幼い子を、見た。]
お外……うん。
[先導してくれる涼平の後に従って、 少女はリカルダと共に走った。]
(34) 2014/02/08(Sat) 00時半頃
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サミュエルは、逆上してて、リーに気がついていない。
2014/02/08(Sat) 00時半頃
|
私の復活祭には少し足りないかもしれないが。 趣向としては満更でもないだろう?
[語り掛ける途中、帰って来た雛鳥の声>>32がして振り返る]
やぁお帰り。 約束通り、お前の勝ちだ。 4羽は殺さないから安心するといい。
[何をそんなに慌てているのかと首を傾げる余裕は 白の軍人にはどう見えただろう]
(35) 2014/02/08(Sat) 00時半頃
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[頬に触れる、手にべっとりと血がついた。 あの子はこんなに簡単に殺されてしまった。 >>30 微笑む少女に困惑したのは、状況を認識するまでの空白だ。]
あなた、吸血鬼なの、 どうして、こんな……こと、
[喉を湿らせ言葉を音にすれば、 今という認識がようやく帰ってくる。 この少女が吸血鬼で、あの子を殺した]
(36) 2014/02/08(Sat) 00時半頃
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|
どうしてって……貴方達人間も似たような事をするでしょう?
[そう言ってマユミに近寄っていく。 そして、以前に捕らえた家畜から聞いた話を頭の中で思い出してから。]
買い物に行けば材料の区別はするし。 犬や猫を飼うなら可愛い子を選ぶでしょう?
それと同じ事よ。
[そして、マユミの頬を撫でて言葉を続ける。]
無計画に増えても良くないしね。 こちらで利用しないなら、ちゃんと間引かないと。
(37) 2014/02/08(Sat) 00時半頃
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ああ、虫の方がまだマシだったな。 失礼した。
[>>27害獣め、と汚物を見るような視線を向ける。 人間は餌でしかない認識をしているように、 人間からは災厄でしかない]
私が、恐怖で崩れる? 残念だがそんなことはありえないな。 ああ、貴公の牙が折れたら考えてもいい。
[まだ赤に染まらない白を守ったまま。
ほかの隊員や隊長、安吾の声も聞こえてくる。 その中に残る少女の姿、はっきりと舌打ちした]
(38) 2014/02/08(Sat) 00時半頃
|
|
[涼平に頷き、絢矢と逆側でリカルダの斜め後ろについた。>>28 それが良かったのか悪かったのか――
孤児院の外に逃げる途中で、ごうと燃える天井や梁に、 黒々とした煙が満ちていく。視界はひどく悪かった。 そんな中で気付いたのだ。
無力さを思い知らせるためかも知れない、 守られて逃げる幼い方から順にいたぶってしまおうと、 舌なめずりをする鬼の存在。]
[言葉は間に合わなかった。だから体を使った。]
[振り上げられる爪と、リカルダや絢矢との間に割り込んで]
(39) 2014/02/08(Sat) 00時半頃
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[走ってはしって。なるべく安全な通り道を選んで走る。 あまり怪我をしないようにと、明之進が遅れるようならどうにか彼を引っ張って出口へと。 リッキィと絢矢、明之進と幼子の順番に外へと出して自分は最後に転げでるように脱出した。 地面に転がったまま見たのは燃え上がる孤児院、聞こえてくるのはあっちこちからの悲鳴。
他の家族は、無事、なんだろうか。]
(40) 2014/02/08(Sat) 00時半頃
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|
アヤも僕も、涼にーさんも明にーさんも、みんなも、絶対だいじょうぶ。
[だから僕らも大丈夫でいないと。絶対に。 僕はアヤと繋いだ手にしっかりと力をこめた。 それから廊下に出る。先に行った涼にーさんの姿を見失わないようにしないと]
外にはアンゴにーさんや、にーさんみたいな人、いるから。 そこまで行けば……。
[きっとにーさんが守ってくれる。 だからそこに着くまでは僕が守らないと。だって]
(41) 2014/02/08(Sat) 00時半頃
|
|
え……
[>>俺の勝ち。勝ったのに。なんで、こんなことに? 4羽って、あの時のメンツのこと? 目の前にいるきんいろは約束を守ると言っている 何のことか分からなくて。 惨状に似つかわしくない呆けた顔をしてしまう]
…安心って…何、いって… こんなの見て、何安心するんだよ! 安心しろってなら、出て行けよ!
[手にしていた鉄塔の錆びた破片を思い切り投げつける。ただただ憎たらしさ故に]
(42) 2014/02/08(Sat) 00時半頃
|
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[サミュエルの声に振り向いて。 彼にとっては残酷な言葉を告げる。]
お父様が約束した雛鳥は4羽でしょう? 彼女はその中には入っていないわ。
それと、さっきは加減してあげたけど。 これ以上無茶すると命の保証は出来ないわよ?
(43) 2014/02/08(Sat) 00時半頃
|
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[孤児院に於ける最後の記憶は、何であったか。
全焼した孤児院の、零瑠が使っていた部屋では燃えずに残った鶯笛が見付かった事だろう。竹とんぼを作ろうと小刀を振るっていたキャロライナの、その指先に刃が滑り血が溢れたのを見て零瑠は顔を青ざめた。怪我の具合を尋ねようとして、結局は後ろに倒れたのだが。>>0:286
安全な小刀の使い方と称して鶯笛を作り、交換したものだ。
誕生日祝いの礼にと考えていた品物も。他の思い出の品も。ぜんぶぜんぶ、燃えてしまった。
燃えずに残ったのは記憶と想いだけ。**]
(44) 2014/02/08(Sat) 01時頃
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[黒煙が、天井を舐めるように迫り来る。 両手の塞がった少女は出来る限り息を止めて 孤児院の子供たちが慌てて逃げる際に散らかした 転がる物を避けながら懸命に足を進める。
足元と、隣にばかり気をやっていたから 明之進が気付いたモノの気配に気付くのが遅れた。
ふっと、頭上に影が出来る。
顔を上げた少女の前に、 >>39涼し気な美貌を残忍に歪ませた“女”が立っていて──]
…………
[振り上げられ、振り下ろされる爪を前に、 少女の躰は微動だにできず立ち竦んだ。]
(45) 2014/02/08(Sat) 01時頃
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|
[>>31 鈍い音、手加減されてるなんてわからない。 先ほどは突然すぎて出なかった悲鳴じみた声があがった]
サミュエルくん……!
[あの子みたいに殺されてしまう、 認めたくない想像にふるふると首を振った、 でもわかっている、分別がつくくらいには子供じゃない。 ――そして戦えるほど、大人じゃない。
無力なのだということ。
>>37 彼女の言っていることがわかりたくなかった。 冷たい手が血で濡れた頬に触れるのに、背筋が震えた。 発する声も震えたのは、だから涙のせいじゃない]
お願い、……みんなを殺さないで。
[滲む瞳で懇願して、それから口にしたのは浅はかな言葉]
(46) 2014/02/08(Sat) 01時頃
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|
――…なんでもするから。
[震えた口唇から零れた、 出来ることなど、何も無いのに]
(47) 2014/02/08(Sat) 01時頃
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>>49
――・・・・・・だ、だめだ! マユミに手をだすぐらいなら、おでを殺せ!!
[意識、ぐらり、ゆらめく。 けれど、今、助けないといけない。 今、今・・・・・うごけないと・・・]
マユミ・・・逃げろ! こいつはつええんだ・・・・
[なにを言われても、構わず、ホリーの脚に手を伸ばした]
(48) 2014/02/08(Sat) 01時頃
|
|
え……
[目の前に明にーさんの背中が見える。>>39 それと明にーさんの背中越しに、馬鹿でかくてとんがった手を振り下ろそうとするナニモノカの姿も。
僕は動けない。目の前で何が起ころうとも]
(49) 2014/02/08(Sat) 01時頃
|
|
[勝ち、四羽、約束。 >>35増えた子供の数と共に知らない単語も増える。 ここに来る前に吸血鬼に遭遇していた?
ならば何故ここへ、誘導したのか。 子供の考えることはよくわからないし 遊びに乗る吸血鬼のことはさらに理解不能だ]
(50) 2014/02/08(Sat) 01時頃
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|
――なんでも……ね。
[彼女の健気な言葉を聴きながら。 這いよってくるサミュエルの手を片足で軽く踏みつけて。]
考え事をしてるの、少し待っててくれるかしら?
[そう言ってから少し考えるようにして、トルドヴィンに声を掛けた。愉しい事を思いついたという風情だったが。]
お父様、何人か連れて行きませんか? その方がきっと、愉しい事が出来ますわ。
(51) 2014/02/08(Sat) 01時頃
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ではその虫にも劣ると言う事になるな。
[決して譲らない滑稽な視線>>38に憐れみを込めて]
私の牙が折れる? 貴様の喉は随分と丈夫なようだ。 だが貴様の血を啜りたいとはあまり思わぬな。
まだそこの娘の方が食べ甲斐がありそうだ。
[ホリーに命乞いをする少女>>47を見遣り]
(52) 2014/02/08(Sat) 01時頃
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[全ての光景がスローモーションで進んでゆく。 その中で少女は静止画のように立ち竦んだまま]
あけちゃ……
[自分とソレの間に滑りこむ黒髪と 着物の背に描かれた柄を眼に焼き付けて]
──────…… ッ!!
[間近から降り掛かった血飛沫の、 頬を濡らすその温かさに、少女は声のない叫びを上げた。]
(53) 2014/02/08(Sat) 01時頃
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サミュエルは、ホリーに手を踏まれ、くぐもった呻き声をあげた。
2014/02/08(Sat) 01時頃
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[声のような、息の塊のような音を吐いて、 腕の中の幼子と諸共に、どざりと倒れた。
涼平に背中を押されて先に出たリッキィと絢矢。>>49>>45 先に自分達をも逃がそうとしてくれた涼平自身。>>40
やっと出口で。逃げられると思った瞬間だった。]
――ぇう、……
[衝撃で視界が白黒に染まる。]
(54) 2014/02/08(Sat) 01時頃
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手前も鬼か。 そうだよな、――そうに違いない。 [それが本当に鬼であったのか、分からぬまま。 手にした薪で、見知らぬ顔を殴りつける事に夢中の無防備な首筋に衝撃が奔った]
……っ。
[昏倒した周を吸血鬼の一人が引き摺り、建物の外へと運び出した。 逆上し暴れても殺されずに済んだのは、実は金色の鬼の戯れの言葉の結果であることなど知るはずもない。
こうして、何も為す事なく、彼にとっての最初の悪夢は一先ず幕を下ろすことになる*]
(55) 2014/02/08(Sat) 01時頃
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[そう、ちゃんと危険が無いかと確認しながら走っていたはず。 それなのに、今の目の前の光景は何だ。 後ろの子達に危険は無いか、と振り向いた瞬間だったか。]
っ、――――!!
[明之進の名を呼ぶのが早かったか、それとも何かが降りおろされたのが早かったか。 足が止まるのが早かったか、声にならない叫び声を少女があげるのが早かったか。]
(56) 2014/02/08(Sat) 01時頃
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ああそうだな。 これ以上はただ騒がしいだけだ。
[掛けられた声>>51に好きにすると良いと頷いた]
出て行くとも。 少し土産を貰ってからな。
[錆付いた破片>>42を容易く受け止めると]
そう言う事だ。本格的に遊ぶのはもう少し先にしようか。
[室内でそれ程動けるわけでもない。 受け止めた破片を白の軍人に投げ付けると、 後を追う様に距離を詰める。 壁を破らん勢いでその身体を投げ飛ばすつもりで 手首を掴もうとした]
(57) 2014/02/08(Sat) 01時頃
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は……い、っ、あ
[苦痛に滲んだ目は役立たずだったが、間近に悲鳴があった。 そんな風に感じた。>>53
皆だけでも逃げて――と、>>56 言えれば良かったかも知れなかったのに、 それを頭に浮かべることすら叶わなかった。]
(58) 2014/02/08(Sat) 01時頃
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[>>52平行線、何があったとしても曲げられる事のない そして交わることもない意思]
それはそうであろう、 我らは特殊な訓練を受けている。
[吸血鬼の血を混ぜ込んであるがゆえに、 餌としては映らないのだろう]
私の前では、一人とて食わせなどしない。
[じり、と金色との間合いを詰めつつも 子供たちの数が多くて把握しきれずにいる隊員ら、 室内で満足に武器も振るえないことにいらだちが募り]
(59) 2014/02/08(Sat) 01時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2014/02/08(Sat) 01時頃
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それじゃ、一緒に来てもらいましょうか。
[そう言ってマユミに微笑んでから。 踏みつけていたサミュエルの手を軽く蹴飛ばして。]
貴方は悪いけど連れて行かないわ。 ……だってその方が面白そうだもの。
[他の吸血鬼に指示を出して。 倒れている零瑠も連れて行くように命じた。]
それと、他にもまだ息があるのが居たら全員でなくても良いわ。 適当に何人か連れて帰るとしましょうね。
(60) 2014/02/08(Sat) 01時頃
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くそ……リー……たすけ ろ
[リーからの言葉に気がついたわけではない。>>32 けれど、朦朧とする中、信頼おける仲間の名前を呼んだことは確かだ。
それは、きっとあの時にも本当は言いたかった、言葉。
おいていくな。助けてくれ。 俺をひとりにしないで……。
それは、確かにある小さな側面]
(61) 2014/02/08(Sat) 01時頃
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[黒い方の録でもない提案、団長が怒る声が聞こえる]
少し、先? 永遠に来ないことを歓迎するがね。
[>>57余計なことをする少年の投げる破片が弾かれ 武器で受け流しているうちに金色は動く。 殺すではなく持ち帰る、ということは餌になる未来しかない。 阻止せんと隊員が向かうがほかの吸血鬼に邪魔をされる]
(62) 2014/02/08(Sat) 01時頃
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双生児 ホリーは、メモを貼った。
2014/02/08(Sat) 01時頃
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>>60 [それから、ホリーなにをいっただろう。 おぼろげに覚えているのは、事実かそれとも幻想か。 ともかく、手を蹴られた反動で、肩が妙な具合に曲がった]
――……ぐあああああ
[きっと肩の骨が外れた。 そして、その激痛は、一瞬で、その意識をぷつり切れさせる。
すぐに動かなくなった身体は一瞬死んでしまったかのようにも見えただろう**]
(63) 2014/02/08(Sat) 01時半頃
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[守備部隊の隊員が、 孤児院から出て来た少女たちを見つけて駆け寄って来る。
平穏だった孤児院の庭は、 今や飛び交う怒号と 武器が交錯する金属音に満ちている。
倒れ伏した明之進の足元で 少女は厭厭をするように頭を振って、 明之進に縋ろうとするけれど──]
……あっ、いや、はなして……リッキィ!!
[誰かに腕を掴まれ、引き寄せられた。 非力な少女は抗う術もなく、 リカルダと繋いでいた手もあっけなく解かれた。]
(64) 2014/02/08(Sat) 01時半頃
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[>>51 少女が黄金の吸血鬼に語る言葉、 連れて行く、という響きだけが耳に残った。 そして>>60向けられた微笑に、ぼうっととしたまま]
……本当に、助けてくれるの、
[縋るべきものはそこにしかなかった。 >>48 必死にサミュエルは自分を助けようとしてくれているのに。 裏切りのように感じて、眼差しを伏せて、ひとつ頷いた。]
(65) 2014/02/08(Sat) 01時半頃
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特殊な訓練…か。
[白の軍人の言葉>>59に明らかに不機嫌になる。 吸血鬼に対抗する手段を開発した遠い地の戦士を思い出す。 この地でその手段として利用されているものを 予想出来るからこその不機嫌さ]
では少し先とは言わず。 永遠に会わずにに済まぬ事にしようか。
(66) 2014/02/08(Sat) 01時半頃
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あたし達、これでも優しいのよ?
お父様はゲームの約束を守って、殺さないと決めた4羽は殺さないようにしてるし。 彼なんて、普段だったら今頃殺してる。
[蹴りの勢いで肩が外れ、その痛みで意識を手放したサミュエルを指差した。トルドヴィンに何も言われていなければ、刀で惨殺するか。 もしくは膝蹴りの時に加減しないで殺していたところだったから。]
助けてあげる、だから一緒に行きましょう?
[その言葉は優しい。 ただし、彼女を絶望へと導く甘い囁きだったが。]
(67) 2014/02/08(Sat) 01時半頃
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……。サミィ。
[サミュエルの呟き>>61が聞こえた。 はっとして彼を見る。思い至るのはあの遠い日々のこと。彼を囮にして…おいて逃げた。 ずっと後悔してたから、もうあんなことをしないと誓っていた。けれど]
……俺、お前達を助けたつもり、だったんだ。 なのに…なんで、こんな。
[お前を助けたからこうなったのかい? あの時みたいに、おいて逃げればよかったのかな。 そしたら、こんな状況になる前にここに帰ってこれて、もっとマシなことになっていたかもしれない。 いや、ただの八つ当たりだ。きっと何もかわらなかっただろう
喧騒をよそに、かみ締めた唇に少し、血が滲んだ。 意識を飛ばしただろうサミィにはもう駆け寄れないまま*]
(68) 2014/02/08(Sat) 01時半頃
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[サミュエルを不安げに見やる、 彼女の言葉>>67 殺されてはいないのだろう。 すこし、安堵した]
……ごめんね、 みんなをお願いね。
[炎と殺戮と、 無事な者がどれだけいるかわからなかったけれど。 今出来ることは、これだけだ。
大人しく言うことを聞けば、 きっとここから立ち去ってくれる]
(69) 2014/02/08(Sat) 01時半頃
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明にーさん、やだ……っ、
[僕は倒れた明にーさんの肩を揺さぶる。手にぬるりとした感触があってもやめない]
明にーさん、僕らを守って――、……ぁ
[その時だった。 ぶつんってあっけなくアヤと繋いでいた手が離されて、僕は目の前が真っ白になりかける。
アヤを連れてこうとするのは誰!?
僕はナニモノカに背を向けてアヤの姿を探す。
そんな僕の後ろでそいつが、 明にーさんから流れる赤よりも真っ赤な目で僕を見下ろして、 いましがた明にーさんを裂いてやっぱり赤い手を振り下ろしてくるなんて知らないで]
(70) 2014/02/08(Sat) 01時半頃
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邪魔だ。
[ホリーや始祖を守り、隊員達とも戦っている吸血鬼だが。 ただの邪魔でしかない。 白の軍人を阻む吸血鬼を、軍人目掛けて蹴り飛ばした。 小さな破片でも無く、避けるには狭い室内。 倒れ込んだなら片足を掴み足首を粉砕する勢いで 力を込めて握り込む]
これ位では綺麗な悲鳴は聞かせて貰えないのだったか?
[確認する様に覗き込み、今度は大腿骨を砕く様に足を乗せた]
(71) 2014/02/08(Sat) 01時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2014/02/08(Sat) 01時半頃
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[血を流して倒れて動かない少年は、 大人の目には、もう助からないように見えたろう。
絢矢は、涼平は。逃げられただろうか。 腕の中に、巻き込んでしまった幼子の咽び泣く声。
絢矢の姿を探すリカルダの背に迫る女の影――>>70]
――ッだ、め !
(72) 2014/02/08(Sat) 01時半頃
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[彼女の甘やかな言葉、 希望の先にあるより深い絶望を、 今は知る由も無く、縋るしかない]
……、一緒に行きます。
[安堵をもたらすものではない、 けれど彼女の声はひどく優しげで、混乱しそうになる。 ――その手をとればきっと冷たいのだろうけれど*]
(73) 2014/02/08(Sat) 01時半頃
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―7年前―
[その日は雨が降っていた。大きめの傘は子供2人を充分に守ってくれていた。年上だからと零瑠は柄を持ち、もう一方の手で明之進の手を繋ぐ。道端で踞っていたガレージを見付けたのは10分程前。温もりを分けた手はもう冷たくはない。]
明。今日はどこに行ってたの?
[一人でどこかに行ったら危ないじゃないか、とか。傘を持っていけと『お母さん』に言われなかったか、とか。 叱責の言葉を飲み込んでただ明之進の手を握る。]
(74) 2014/02/08(Sat) 01時半頃
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……あ、れ
[孤児院の建物の前、側溝へ流れ落ちる川は幾つもの細い色糸を巡らせたようで。雨雲の隙間から漏れる陽光が、建物の灯りが水に反射して生まれるその色は同系統の、紅。>>0:36
零瑠の手から傘が離れる。 ぱしゃりと跳ねた水が服を汚す。 明之進の手を握ったまま、零瑠は倒れた。**]
(75) 2014/02/08(Sat) 01時半頃
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―7年前―
『れいる』の『れい』は、0なんだ。
ゼロ。
何もないの。空っぽ。 ……面白いと思わない? 何もないのに在るんだよ。何もないですよーってことをあらわす言葉が。
[厳密には零(ぜろ)と零(れい)は異なるが、好んでこの漢字を自分の名前にと選んだ。]
それと、雨が、ふる。零れる、とか……。
『餘雨なり、雨に従ひ、令を聲とす。』――――だなんて、言うけど。
あ、ごめん。話し過ぎた。じゃあ、そろそろ書こ。墨の準備は出来た?
[名前に使われる漢字について、尋ねられれば誰にでも同じ言葉を返す。>>0:257
都に降る雨の、零の宝石――。]
(76) 2014/02/08(Sat) 01時半頃
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まどかー。書けてるー? ……そう、2画目は跳ねないと。一番始めに筆を置いたところに向かって。 漢字は『円』なのに、字体までまん丸くなくて良いだなんて面白いよね。
涼は……どれどれ。 あ、点がひとつ多い。これはさんずいで――…
[この場に居る年長は自分だからと、ある程度漢字の手習いが終わると筆を休めて見回る。]
―――あや?
[遠くで眺めているだけのあやに気付き、声をかけて手招いた。>>0:268 聞けば漢字が在るのが羨ましいと。]
(77) 2014/02/08(Sat) 01時半頃
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[すぐに思い付いたのは『絢』。 けれど一文字だけでは何か物足りないと、墨の黒に視線を落として誰かの髪色を思い出した。 細筆に墨をつけ直し、紙の上に滑らせる。
――――『絢矢』]
…どうかな?
[難しい漢字を使ってしまったと書いてから気付いた。恐る恐る様子を伺えば、紅葉色に染まる頬が丸く上がり、幼さの残る微笑みが返ってくる。
決して大きいとは言えぬ手を頭に乗せて撫でる。零瑠もまた、笑みを浮かべた。**]
(78) 2014/02/08(Sat) 02時頃
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[白い軍服の守備隊員に荷物のように脇に抱えられ 安全な場所まで連れて行かれる少女の眼に、 別な守備隊員がリカルダに手を伸ばすのが見えた。
けれど、その守備隊員の手は横から伸びた爪に切り裂かれ]
……リッキィ……!! 逃げ……
[それを成した女の凶爪が、 自分の名を呼ぶリカルダの背に 袈裟懸けに振り下ろすのを、見た。]
(79) 2014/02/08(Sat) 02時頃
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―数年前―
[孤児院では月に1度お菓子を作る。そうして、帝都の彼方此方に売りに行き、生活費用の足しにしているのだ。
ある日、腰を痛めた寮母の代わりに豆屋で買い物をした帰りのことだった。ずっしりと重い袋を両手で抱え、零瑠は大通りを歩いていた。同伴を頼んだ家族達の両手も荷物で塞がっている。 口数は自然と少なくなり、視線は下がってしまう。
だから、誰かにぶつかる事を防げなかった。ハイムゼート家の長男と知ったのは随分と後になっての事。 衝撃に手を離し、羊羮用の小豆が地面に撒かれる。安吾から譲り受けた学生帽子もまた落ちて砂がついた。 彼は尻餅着いて呆然としている零瑠に微笑みを向け、拾い上げた学生帽を叩いて頭に乗せてやる。
注意を促しその場を去ったが、2倍の量の小豆が孤児院に運ばれてきたのはその日の夜の事だった。**]
(80) 2014/02/08(Sat) 02時頃
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|
[もう少しで、もう少しで皆助かったのに。あと少しで、明も脱出できたはずなのに。 俺が、注意を怠らなければ、明之進は、]
明、明……!!!!
[明之進へと伸ばした手は彼らに届く事なく>>58、もう片方の手を強く引かれる。恐らく、救出に来た誰かだ。それを振り払うように必死に暴れる。]
ふざけんな離せ!! 頼むから!俺は後でいいから他を早く助けてくれよっ!!!明之進っっ!!
[大事な家族の名前を叫んだ瞬間に手刀を落とされた。意識がブラックアウトしていく狭間で、リカルダの背後の正体に気づいた時には、]
にげろ、リッ、キィ………
[俺の体は崩れ落ちていた。**]
(81) 2014/02/08(Sat) 02時頃
|
|
[逃げ遅れた少女に、声が届いたかは分からなかった。
いつしか、炎と煙を背にした吸血鬼が、 少年が懸命に腕に庇おうとした幼子を奪い取る。 襟首掴んで高々と掲げられた子の泣き叫ぶ様。]
……、……
[地を這うまま、首を振る。]
(82) 2014/02/08(Sat) 02時頃
|
記者 イアンは、メモを貼った。
2014/02/08(Sat) 02時頃
|
[>>66一気に不機嫌になる様子に 流石に同族を利用されることは不快なのかと 新たな発見もあったりして]
それはこちらも同じこと……
――ッ!!?
[同じく邪魔でしかない雑魚が蹴り飛ばされ 視界を奪われ避けることは叶わず三日月斧を振るう。 相手も雑魚なりに力を使い縺れたまま床に引き倒される。
長い武器は狭い場所では不利だと、嫌なほど思い知る]
(83) 2014/02/08(Sat) 02時頃
|
|
ぐ、ぅあああ!!!
[みしりと足首に衝撃が走りうめき声が口から溢れる。 >>71確認するように覗き込まれ睨みながら、 それでも意思は折られまいと掴まれていない方の足で 僅かながら反撃を試みて]
(84) 2014/02/08(Sat) 02時頃
|
|
[吸血鬼達は的確に選別していた。 オルゴールの様に同じ音を何度も繰り返す者。 庇い合い、助け合おうとする者。 憎悪を剥き出しにする者。 この非常時にそれぞれ個性を出した者達を 本当に幼子から玩具を取りあげるように奪い去っていった。 奪い去られた玩具は始祖の城と言う箱に閉じ込められる。
ただ目覚めは家畜達が放り込まれる地下牢とは違い、 そこらの吸血鬼達よりは格上の部屋であったが]
(85) 2014/02/08(Sat) 02時頃
|
|
[すると吸血鬼が尋ねた。 この幼子と、少年自身。
――どちらを助けて欲しいかと。
苦痛に歪められていた顔から表情が落ちた。 それはある種、平素の表情に近付いていた。 ただ、指はがりりと地に爪を立てる。]
(86) 2014/02/08(Sat) 02時頃
|
|
…………その子を、放し、て。
[絞り出した声に、吸血鬼はたいそう満足げに微笑んで、
(87) 2014/02/08(Sat) 02時頃
|
|
[掲げた幼子を無惨に引き裂き血を浴び啜ったのだ。]
あ
[そして血で潤した唇で言う。 泣き声が煩くて血の量も全然足りない方を 残しておいてもしょうがないのだと言う。
答えを聞く前から結果は決まっていたと言う。]
――ぁ
う……!!
[土を握り締めて、そうして、 そこから先はよく覚えていない。*]
(88) 2014/02/08(Sat) 02時頃
|
[都に降る雨の、零の宝石は―――…
*鮮血色の紅玉*]
|
ちゃんと悲鳴はあげられるようだな。 物足りないが、私の復活の祝いとして受取っておこう。
[苦痛の声>>84に漸く満足したように砕いた足を離す。 だらしなく地に落ちたままになるかと思ったが、 気丈にも残る足が反撃を試みてきた]
隊員の鑑だな。 その気丈さに免じて。 これ位で許してやろう。
[反撃を試みたその脹脛に忘れぬ痕を付けようと爪を立てた]
(89) 2014/02/08(Sat) 02時半頃
|
|
[不覚にも意識が途切れたのは 大腿骨の破壊される音をあたりに響かせてからのこと。 周りの隊員たちや子供の声は聞こえず、 ただ、金色の吸血鬼の声だけが耳に残る]
(雛たちも全て守ると誓ったのに)
(また、守れなかった)
[意識が戻るのは敗北を味わった、数時間後**]
(90) 2014/02/08(Sat) 02時半頃
|
/*
業務連絡ー。
お父様がどの子を支配してるかってお父様が今決めちゃう?
|
…! アヤ――!
[僕はアンゴにーさんみたいな人――白いロングコートを着た人がアヤを抱え込んでいるのを見つけた。>>79
よかった。 アヤの無事を確認できただけで僕はもう膝から崩れそうだった。 でも、でも、僕もそっちに行かないと。
その時、目の端で白が赤に塗り替わる。>>79 アヤに、明にーさんに、涼にーさんが何か言ってるのに気付いた時にはもう遅い]
(91) 2014/02/08(Sat) 02時半頃
|
|
え、 ………あッ!
[僕はとんがった手に肩を切り裂かれて前のめりに倒れる。 そのまま足で踏みつけられてもう、動けない]
はなして、…………やだぁ、 いたい、おねがい、 アヤは、アヤのことはいじめないで……!
[次はアヤの番だと思ったから必死になって僕は求める。 そもそも言葉が通じるのか考えるより先にそうして、何度も「おねがい」とか「こないで」とかそんな言葉を眠くなるまで繰り返していた]
(92) 2014/02/08(Sat) 02時半頃
|
|
そう言えば名を聞き忘れたな。
[敗北の傷を刻んだ後、意識を失った軍人>>90への 興味はもう無くなっていた。
そこらにゴミを捨てるように、傷を付けた足も放り捨てる。 その後は炎の爆ぜる音と悲鳴が溢れる建物を 散策する様に見回り、言葉にした通り土産を選び、消え去った**]
(93) 2014/02/08(Sat) 02時半頃
|
|
[痛い。痛くて眠れないんだ。 撫でてくれないと、眠れそうにない。
そんな、痛くて赤くしかないまどろみの時間がふいに終わりを迎えた後。 僕の世界は再び滅んでしまった**]
(94) 2014/02/08(Sat) 02時半頃
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―7年前―
[孤児院に来て間もない頃だった。>>74 雨が降って、雨宿りをしたら随分止まなくて、 優しい手が迎えに来るまで動けなくなっていた。]
……おかあさん
[片手は零瑠の手を握り、もう片方の手は 色柄のきれいな、小さな縮緬の巾着をじっと握り締めている。
行先を問う声に。]
おかあさん。
[浮かべる顔は笑みと呼べるが、底に感情がないような、 使途不明と表せる淡いものだ。]
(95) 2014/02/08(Sat) 02時半頃
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[やがて孤児院の門が見えてくる。>>75 隣の、年上の少年が立ち止まるところに並んで止まり、 雨と赤、自分よりももっと酷くずぶ濡れの幼子を見た。
じっと見ていた。隣で人が倒れるという異変が起きるまで]
……、……!
[零瑠を見た。幼子を見て、もう一度零瑠を見た、その結論は、 零瑠の頭を撫でて幼子に傘を差し掛け、 孤児院に駆け込んで助けを求める事で。
その幼子が養母に助けられ、ベッドで目を覚ますまで、 訳もわからず枕元に突っ立っていた*]
(96) 2014/02/08(Sat) 02時半頃
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[リカルダを追いかけられずにいて。 しかし、手に両手で縋りついて来る子らのことを思えば、ぎゅっと握り返して、逃げ出した。
煙の匂いと、鉄が錆びたような匂い。 それが、血の匂いだと気付いたのは、炎と違う赤が目に入ったから。
離さないように、手を握って逃げて。 助けを求めようとして、走って。
意識は、そこで途切れた。*]
(97) 2014/02/08(Sat) 02時半頃
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− 始祖の城 −
[その城は結界で守られ、守護部隊ですら始祖が
生存している限りは感知する事は不可能だった。
地下は捕えられた家畜の住処であり、
吸血鬼達の様々な捌け口でもあった。
本来なら雛鳥達も同じ扱いを受けるはずだった。
だが何かを思い付いた様な始祖の言葉で、雛鳥達の待遇は
人間どころか吸血鬼達よりも手厚いものに変わる]
連れて来た雛鳥達は特別に扱うように。
家畜共にも言い聞かせておけ。
雛鳥達はお前達家畜と違い、私に選ばれた者達だと。
[楽しそうに告げた内容に、部下達が不可解な表情を浮かべる。
そんな彼らにも同じ様に]
お前達よりも特別だと言ったのだ。
少なくとも私の気の済むまでは、お前達も丁寧に扱え。
ただし逃がすなよ。
家畜達にも肝に銘じさせろ。
[一瞬浮かんだ不満の色。
好い色だ。
同じ人間でありながら、下等な人間でありながら、
選ばれたと言う嫉妬、羨望、憎悪。
直接危害は加えられないだろうが、向けられる視線は
雛鳥達を人間からも吸血鬼からも孤立させるものになるだろう]
城から出れば、
裏切り者と家畜達から石を投げられるかもしれないが。
それも面白いな。
[逃がすなとは言ったが、実際に外で人間達に見限られた様に
蔑まれる姿を見物するのも面白い。
そんな事を近くにいるホリーには告げて、
まだ眠りに就いているだろう雛鳥達の目覚めを
楽しみに、神宿でホリーが集めた血酒を堪能するのだった**]
−始祖の城−
ん……んん…?
[そう、記憶はそこで途切れていた。
何故なら、次に醒めたときには城にいたのだから。]
此処は……極楽…浄土ですかな。
いや、私は「生きている」?
ああ!私は「生きている」!良かった…良かった!!
[はぁっ……「生きている」「生きている」と咽び、
ただただ感涙。おいおい、と男泣きである。
今はただ「生きている」ということが嬉しいようだ。]
ん……「生きている」?妙です。
僕は。僕たちは襲われたのではなかったのですか。
……何かの陰謀。そうだ、そうに違いない!
[顎に手を当てた。]
―始祖の城―
[息苦しく、頭がぼんやりしていた。
熱を出した時のようだと少年は感じていた。
寝込んでいる時は、誰かが頭を撫でてくれていた。
それは真弓であったり、年下だけどリカルダであったり、
つらいとも心細いとも言わない子供に、
代わる代わる、誰かが必ず優しかった。]
――、……
[熱を持ったのは怪我のせいだ。]
落胤 明之進は、メモを貼った。
2014/02/08(Sat) 03時頃
|
[意識を取り戻すまで、夢をみていた。 それが、どれ位の間だったのかは分からない。
長かったのか、短かったのか。 ただただ、昔の夢をみていた。**]
(98) 2014/02/08(Sat) 03時半頃
|
[混乱のせいだろうか。
どうしてここに連れてこられたのか
どうやってここに来たのかよく覚えていない。
けれどマユミが浚われるのを目の前にし、
サミュエルが気絶するときも一歩も動けなかった
ピアスに触れても痛くない。
何度も弄られたホールは既に裂けていて相変わらず赤い筋が残る
周りの声に、やっと目を動かす程度だったりで]
[ただ覚えているのはあのきんいろをまた目にした時
自分を捕らえようとした吸血鬼へ自分から手を伸ばした覚えだけ。
──「連れて行って」と。
どうしてそんな言葉が出たのか分からない。
けれど拒否するような行動だけはしなかった。
今は自分ですら「どうして」と思う]
誰か…いないのかな…
[きょろ、と周りを見回す。ここはどこだろう。
孤児院よりずっと上質な…そして、見慣れない内装。
実際の温度がどうだったかわからないけれど、
妙に肌寒かった]
|
― 帝都・守護部隊隊員養成所 ―
[訓練所の朝は早い。 そして、彼も早かった。
けれど、だからすぐに動くわけではない。 しばらくは、ぼんやりと、布団の中で下を向いて……。
そこに何も雫が落ちなくなってから、のそり、顔をだす。
二人部屋、同室者の姿はそこにあったか**]
(99) 2014/02/08(Sat) 08時頃
|
― 始祖の城 ―
流石はお父様。
あの子達をもう一度外に出す時が愉しみです。
[そう言って微笑む。
余計な介入が入ってしまった感動の再会をもう一度執り行うのも悪くは無い。]
そういえば、その味はどうです?
若い少女の血だけを使って作った血酒。
お父様のお口に合えば幸いですわ。
[ねえ?と同意を求めるように近くに居た家畜に微笑んだ。
真っ青な顔で給仕を手伝っていた家畜が作り笑顔で肯くのを見やってから、愉しい趣向を思いついたのかトルドヴィンに語りかける。]
あの子達にも今度振舞ってあげましょう。
幸いな事に、材料はまだ神宿に残っていますから。
落胤 明之進は、メモを貼った。
2014/02/08(Sat) 09時頃
|
[回想
ぼんやりとしたまま、マユミが連れられサミィが気絶した様子を見る。
アヤと外に行こうといったり、円のお嫁さんを謹んで辞退したり そして、ただ周とサミィを探しにいっただけなのに なんで、こんなことに
自分がマユミを気にしてたのは多分サミィが気にしていただろうからだ。 だから、消えない罪悪感から2人が仲良くして一緒にいればいいなと思っていて 綺麗な子だったから、目はいってしまったけれど]
(100) 2014/02/08(Sat) 09時頃
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[「皆をお願いね」という言葉>>69 脳裏に過ぎったもの>>68 そしてきれいなきれいな、宝物のようなきんいろ。
だから、自分は自分から言った。 「連れて行ってほしい」と。 きっと自分は殺されない。その時はそれだけがすがれる唯一のもので]
絶対、戻るかんな!それまでもう掴まんなよ!
[その言葉の意味を聞こえていたならサミュエルはどうとっただろう。 そしてそれがまだ人だった頃、サミィにかけた最後の言葉だった*]
(101) 2014/02/08(Sat) 09時頃
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― 帝都・守護部隊隊員養成所 ―
[目が覚めたのは養成所内部の病院 真っ白の清潔そうなベットに寝かされていた]
わたし、しっかりと抱きしめていたはずなのに…
[ジョージのお顔はどこにいってしまったのか]
かえして、ねぇ かえして!
[泣きじゃくって必死で叫ぶのに看護婦はそれが何の事だかわからずに困ったように首を傾げるだけだった]
他の子たちは?孤児院の仲間たちは?
[他のみんながどうなったのか、混乱の中でよく覚えていない。この質問は看護婦さんにも通じたみたいなのに
いまはゆっくり休みなさい
優しそうに笑いながらそう返事するばかり]
(102) 2014/02/08(Sat) 09時半頃
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[現在:
周りを見回す。まだ頭が混乱していて、よくわからない。
これこそ夢じゃないのか。おきたらまた低いベッドの天井が見えて、すっぱい林檎がテーブルにあって
堪えていた涙が溢れそうになって深呼吸してまた堪える]
誰か…いないの?ねぇ、誰か…
[1人にしては大きな部屋のようだ。きょろり、部屋を見渡せばちらほらと倒れているような人影が見えた。
けれどそれらが死体のようにも見えて、怖くて声がかけられない]
|
[吸血鬼にとっては取るに足りない破壊だったかもしれないが>>0:449。まだ子供のマドカには酷い衝撃だったらしく、あちらこちらに怪我を負ってしばらくは安静に…という事だったらしいが。 体の痛みよりも何より、それから毎日見る夢にうなされた]
(103) 2014/02/08(Sat) 09時半頃
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[丁重に扱えという命のため、寝かされた寝台で
馴染みの声に重たい瞼を上げた。
返事をしたつもりだったが漏れたのは少し呻き声]
……理依、くん ?
[身に馴染まないふかふかの感触や見慣れない景色より
家族の声の出所を探している。]
[かすれたような声が聞こえて、はっとそちらを向く。
聞きなれた声。柊だ]
柊?いるの?俺だよ。理依だよ
[因みに彼の名前を苗字で呼ぶのは他人行儀ではなくて
ただ柊という響きが好きなだけ。
部屋を見渡せばすぐにその姿は認識できた]
柊…!よかった、生きてた。怪我とかはない?大丈夫?
うん……
[頷いたのは惰性で、自分の状態を把握した訳でなく。
間があいて、場違いといえば場違いな挨拶が続いた]
おはよう。
オハヨ。
なんか疲れてるっぽいね…当たり前か。
[くるりと周りを見渡し、他に寝台にいる家族もきっと生きてるんだろう。
まずは安堵のため息を一つ]
…ここどこだろうね。吸血鬼が住んでるとかかな。
あのさ、なんで孤児院に吸血鬼なんかがきたのか知ってる?
俺実は…
[裏路地で吸血鬼に出会ってしまったこと、数え鬼のこと、
鬼ごっこに勝ったはずで、孤児院に戻ったらあんなことになってて…
予想ついていることを否定したくて、あえて聞いてみた]
[柊は冬の木と書くと零瑠に教わった事がある。
それを理依に話した時、少しだけ楽しそうな顔を
していたような記憶があった。
どこだろう、と言われて、良く解らない顔をする。
今、理依の後ろに見える室内は確かに孤児院の寝室じゃない]
……吸血――鬼?
[そう、理由も良く解っていなかった。
やはり沈黙が挟まった。]
サミュエル、帰って来た……あ
[目覚める前、自分はどうしていたか? 最後に見たのは赤い]
――あ、う……
[もぞもぞと首を横に振る。]
サミィが、先に…
[そうなんだ。それじゃ、あのきんいろは
俺をおいかけるとかいって…。
彼は約束は守るといっていたけど、確かに自分は殺されていない]
は、はは……俺も原因の一つだったのかな…
なんていえば、いいんだかね…
と、どうしたの。大丈夫?
[幸いというか、自分はそこまであの孤児院の惨劇を長く見ていたわけじゃない。途中から記憶すら曖昧だ。罪悪感がそうさせているのかもしれないが]
少しゆっくりしてなよ。
そうすぐに殺されるってことはないと思うから。
そんなつもりなら、こんな綺麗な場所に入れたり市内と思うしね。
[きんいろの本音は知らないけれど今悲観的になってもしょうがない。
ぽん、と上掛けの上から優しく叩き]
[優しく置かれる手で鈍い痛みを覚えたものの、
幸いそれはあまり顔に出なかった。
ゆっくりして、といったことが聞こえたが、
頭の中は恐ろしい混迷でいっぱいになっている。
硬い無表情の中、視線だけは日常のあった印を、
つまりは理依を、珍しく頼るように追った。]
部屋の外、出てみようかと思ってるけど…
柊、大丈夫?ここにいる?
俺は…あのきんいろの吸血鬼が俺を殺さないっていってたから多分大丈夫だと思うんだ。
[それは全くの希望的観測でなんの保証もない。
でもここから逃げられるようなきっかけが見つけられるなら外に出るのも大事だと思う
柊はその約束の適用外なのだから
何かあるのは怖い。けれどこう怖がっている家族をそのままほっておくのも気が引けた]
大丈夫……
[自分の事はそう答えるが、
部屋の外に出るという声には少し難色を示した。]
…………理依君、大丈、夫?
――お願い。大丈夫?
[出て行って、それきり帰って来なくなったりしないか。]
うん…大丈夫。それに、ここがもし食べられちゃう前にいれられるような部屋だったらそれこそ早く逃げなくちゃ。
大丈夫だよ。なんだったら柊は皆を見ててあげてよ
[思い込みがいつしか本当だと思えてきてしまう。
無意識にあの金色をもう一度見たかったとも思っていた
柊がついてこないなら自分ひとりでいくつもりで]
……うん。
行ってらっしゃい。
[皆を見ててあげる事。役割を与えられればそれに頷く。
かける声だけはいつも通りだ。
部屋の外に出ようとする理依を見送るように、
のろのろとベッドの上で半身を起こした]
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─ 孤児院 ─
[>>)2女の爪は過たずリカルダの肩を切り裂いた。
花吹雪のように鮮血が散り、地面を赤く染める。]
はなして……! はなしてぇぇぇ!!!
[叫びながら、非力で小柄な躰がいくら暴れようと 屈強な守備隊員の腕は解けない。 が、運ぶには支障を来すその荷物を大人しくさせる方法に 守備隊員は手刀を選んだ。
首筋に感じたのはごく軽い衝撃。 踏みつけられるリカルダを泣きそうな顔で見ながら 少女の意識はそこで一度ぶつりと途切れた。]
(104) 2014/02/08(Sat) 12時頃
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[孤児院を舐め尽くした炎は 轟々と音を立てて窓という窓から赤い手を伸ばす。
撤退を開始した守備部隊の一人の腕の中、 目を覚ました少女が見たものは 炎に包まれ黒煙を吹き上げる我が家の姿と、 地面に転がった誰のものとも知れぬ無数の屍体と──
──ジョージの首。
自分たちを守ってくれていると信じていた 黒い門が遠ざかるのを眺め 少女はまた意識を失った。]
(105) 2014/02/08(Sat) 12時頃
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うん。行ってくる。
[柊の言葉に頷いて、それから部屋の中…マユミの姿らしいものを見つけてまずは安堵し、そして小さい声で]
マユミちゃん、帰れる手段、探してくるからさ
ちょっとだけ待ってて。
俺にも責任あるし。
[それから目が覚めたらしい直円に顔を向ける。
あの孤児院で彼が叫んでいた言葉は聞こえていない。
だから今は純粋に安堵のため息]
直円、俺ちょっと出て行くから。
みんなのことお願いね。
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─ ─
『贖いをなさい』
[女が言った。 流れ落ちる黒髪の、美しい顔をした女だ。]
(106) 2014/02/08(Sat) 13時頃
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『贖いをなさい──菖蒲』
[女は──母は繰り返した。
──違う。 これは鬼だ。
母ならこんな風に、 父の首を抱えて穏やかに笑ったりはしない。
だから──これは鬼。 母の顔を真似た、怖ろしい鬼なのだ。]
(107) 2014/02/08(Sat) 13時頃
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[夜風が強く吹き付け、桜を舞い上げる。 少女は眼を瞑る。 鬼も──鬼が抱えた首も、一瞬視界から消えた。
眼を開けた時、少女の手には一振りの小刀が握らされていた。 鬼は小刀を握らせた少女の手を上から握りこみ]
『贖いなさい』
[また、そう言った。
鬼が近づくと、生首の──父の白く濁った虚ろな眸も近づく。 少女はそれが厭で、首を振る。]
(108) 2014/02/08(Sat) 13時頃
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[母が──違う。鬼が首を捨てた。 父の首が転がってゆく。 首はすぐ傍の桜の木の根本で止まった。
少女はほっと息を吐き出す。
一瞬意識の外へ追いやられていた手が持ち上げられる。 小刀を握らされていた右手が。 少女の意志に反して、鬼に導かれ。
──鬼の喉を、貫いた。]
『贖いなさい菖蒲。
───産まれて来たことの罪を』
[鬼は──微笑っていた。]
(109) 2014/02/08(Sat) 13時頃
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─ 春雨の降る日 ─
[孤児院の養母に助けられてすぐ、少女は気を失った。
目を覚ました時、最初に見えたのは着物の少年>>96 自分を見下ろす眼差しの空ろに、何か──記憶を刺激されて 少女は片目を瞑って、こめかみに走った痛みをやり過ごした。
菖蒲──。 その時浮かんだ名は、すぐに記憶の底に沈んで行った。
そんな名前は知らない。 その名は酷く怖ろしいものだ。
自分は──そんな名前では呼ばれていなかった。
目を覚ました少女に気付いた少年が養母を呼びに行ったか あるいはその場で名を尋かれたか。 だから少女は、もう一度『あや』と繰り返した。 哀しいことの起きる前、呼ばれていた二文字を。]
(110) 2014/02/08(Sat) 13時半頃
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[まだ冷たい春の雨に長時間晒されていた幼い躰は、 それから数日、高熱に苦しんだ。
再び目を覚ました時には、 微かに残った朧気な記憶さえ真っ白に塗り潰され、 生まれたての赤子のような無垢さで、 歳よりも幼い笑みを浮かべ、傍にいた人の手を握った。*]
(111) 2014/02/08(Sat) 13時半頃
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[柔らかに過ぎて行くパステルカラーの日々を、 暴力的なまでに鮮やかな赤が嘗め尽くしてゆく。
黒鉄の門も、庭に生える草木も、血と炎に飲み込まれた。
リッキィが泣いている。 いつもはしっかりもののリッキィも 一旦泣きだすと、撫でてあげなければ眠れないのに。
どうして離してくれないの。 彼女の傍に行って、その手を握ってあげないと。
わたしは──“また”、失ってしまう。]
──…!!
[夢の中で伸ばした手は、現実の空を掴んだ。
そこは寝台の上。 目の前に広がる景色は、いつもと違う見知らぬ天井──。]
(112) 2014/02/08(Sat) 14時頃
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― なまえ ― [ここにきたのは物心ついてから、 突然たくさんの家族が出来た。
とにかく自分は世間知らずで、 あまり外で駆け回ったり遊んだりしたことなどなくて、 はじめは慣れないことばかりで、とても戸惑っていた。
だから一人の女の子と共通点を発見したのが嬉しくて、 全力で一緒に遊んでそれから孤児院に馴染んでいけたのだと思う。彼女の名前にそんな小さな意図があったのかは、わからない>>78
弓矢ごっこ、はびっくりしたけど、 はじめて抱えた小さな子は、あたたかくてやわらかくて、 とても優しい気持ちになれた。 あの橋の向こうにいるという顔も知らないきょうだいとも、 いつかこんな風に遊べたらいいな、と思ってた*]
(113) 2014/02/08(Sat) 14時半頃
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―回想― [何が起きているのか、 目と頭に薄もやがかかっていたようだった。
先ほどまでの食堂でみんなの帰りを待っていたのに、 絢矢に手を引かれて食べかけのシチューもそのままで。
外に――あの橋の向こうに行きたいなんて、思っていたせいだろうか。まるで自分が吸血鬼を喚んでしまったような、そんな気持ちになっていた。 行っちゃだめ、と引き止められた手の感触がずっと残る。 真剣な表情の絢矢の言葉に、いつになくしっかりと同意を示した明乃進の頷きも]
[守備隊の軍人さんたちもやられてしまったのだろうか、 安吾はどうしたのだろう、ジャニスの白い軍服はもう紅く染まってた。あの黄金の闇のもたらす絶対的な畏れ、抵抗しても適うわけが無い。 >>52 視線が向けられただけで、動けなくなる。 あれは人間の捕食者で、自分たちはその前に圧倒的に無力なのだ]
(114) 2014/02/08(Sat) 14時半頃
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[今、彼らが去るのであれば、 少なくともサミュエルはここで殺されない。 制服のスカーフをはずして、踏みにじられて傷ついた彼の手に巻いた。
――制服を着始めた頃から、 女の子だから、そんな扱いをされ始めたようで、 すこし、さみしかったのを思い出す。
キャロラインや、円や、リカルダや、明乃進や、涼平や、直円、 近くにいたみんなと小さな子たちは、いつの間にか見えなくなっていた。
戻らなかった零瑠は、どうしのだろう。 こんな風に血を浴びてしまったら、どうなるか。 周は我慢できただろうか、抵抗したらきっと簡単に殺される。 絢矢はここからちゃんと逃げられるだろうか、 外へ出るのもあんなに怖がっていたのに。
何も出来ない、運命に手は届かない、 無事を祈ることも意味があるのか、わからなくて]
(115) 2014/02/08(Sat) 14時半頃
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[それから――、 >>101 聞こえた声に顔を向けた。 どうして?と問うような、悲壮な顔。 けれど音にすることは出来なくて、 ただ漆黒の少女に従った。
燃え落ちていく家、家族の家。 みんな家族だから苗字は別に要らなかった。
円はまだあのハンカチを持っていただろうか、 刺繍されたイニシャルは『Mayumi.S』
――白兎真弓、 それがその日行方知れずになった子供たちの一人の名前**]
(116) 2014/02/08(Sat) 14時半頃
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―城内―
[――夢はなにもみなかった、
見たような気もするけど忘れてしまった。
柔らかなものに包まれて、泥のように溶けていた意識は、
小さく交わされる声にくすぐられる]
……、
[覚醒までは届かない、
ただ柔らかなものが寝具だと気づいて、
――昔の家に戻ってきたのかと一瞬錯覚する。]
――………、、ん、
[まどろむ意識は、もういない人を呼ぶ音を紡がせた]
[ 囁きが意味を成したのは、
自分の名前を呼ばれたからだ、重い目蓋を開く。
見慣れぬ、場所。目の前にいたのは理衣、一瞬であの惨劇が目蓋の裏に蘇った]
っ、……、ここは、
[吸血鬼の居城、なのだろう。
あの漆黒の少女は、黄金の死神はどこにいったのか、
見渡せば、他にも数人の姿が室内にある]
なんで……、
なんで、理衣くん来ちゃった、の。
[待ってて、という言葉に首を横にふった]
|
─ 帝都 守護部隊隊員養成所 ─
[孤児院のものよりも柔らかく、温かな寝台。 空の手がシーツを掴み、ぎゅっと握り締めた。
枕元に寄木細工の箱を見留めると それを大事そうに抱え、寝台を降りる。
白かったぶかぶかのTシャツは 襟ぐりを中心に腰の辺りまで赤い飛沫が散っている。 震える手で自分の顔を撫でると、 乾いて固まった血がぼろりと剥がれて落ちた。]
(117) 2014/02/08(Sat) 15時半頃
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― 夢 ― [みていたのは、孤児院で過ごした何気ない日々の夢。
涼平と遊んでいて、うっかり壁に小さな穴をあけてしまったこと。 素直に謝れば良いのに、慌てて何とかしようとして。余計に穴を広げてしまった。 結局「おかあさん」に叱られた。
それから。 明之進と初めて二人でおつかいに行った時のこと。 迷子になって、皆に心配をかけてしまった。 自分が道を間違えたのに、明之進がぼーっとしてたからだと文句を言ってしまった。 あれは、あとでちゃんと謝ったっけ?
思い出そうとして、意識が戻った。]
(118) 2014/02/08(Sat) 15時半頃
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[掛けられた声で、直円と真弓がいると解り、そちらを見た。
気絶して運ばれた少年には、理依と真弓が理解している事、
ここが吸血鬼の根城だとは認識できていないものの、
ここは一人ではない。全員には程遠いけれど。
やがて彷徨った視線は、理依が出て行くという扉へ]
……涼平君。絢矢。 ――リッキィ。――――
……帰る?
[一緒に逃げようとしていた子供たちの名を呟いて、
理依の言葉を茫洋と繰り返す。
背中の怪我は手当がされている。
痛みにベッドの上で膝を抱えて俯いた。]
|
[目を開けて、まずそこが何処なのか分からなかった。 白い天井、白いシーツ。 孤児院で使っていた布団よりも、良い手触り。
何があったか思い出し、身体を起こせば止められた。 そして助かった者たちの名と、生死が不明の者たちの名を聞いた。
他に何か聞いたかもしれない。でも、聞こえなかった。 目の前が真っ暗になって、指先が冷たくなっていく感覚だけが妙に現実だった。]
(119) 2014/02/08(Sat) 15時半頃
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[暫くして。 動けるようになってから、一度だけ孤児院に行った。 全焼した孤児院は、まだそのままだった。 焼け残った壁と、そこに残る血の跡。
部屋を一つずつ覗く。 行方が分からなくなった彼らはいないだろうと思いながらも、いて欲しいと思って。
入った部屋で、何か蹴飛ばした。 少し焦げていたが、燃えずに残った鶯笛。 そこがどの部屋か分かれば、それが零瑠と交換したもの>>44だと気付く。 それを拾えば俯いて、涙が零れそうになるのを堪えた。
鶯笛はそっとポケットに入れた。 作って渡そうと思った、ガラスの欠片もそこに入ったままだった。]
(120) 2014/02/08(Sat) 15時半頃
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[頬を濡らした温かさを思い出し、 血の気の失せた唇をきつく噛んで、 少女は他の仲間を探し始めた。
同じ部屋、何人の子供が寝かされていただろうか。 けれど、見つからない子供もいる。
明之進が、リカルダが、真弓が、零瑠が、直円が──。 ──他にも、数人の子供が行方不明のままだった。
勝手にそちこちの部屋を出入りする少女を見つけ、 状況を教えてくれたのは安吾。
連れて行かれたのだと聞くと 少女は泣きそうに表情を歪め、 しかし涙を堪え、円の元へ案内を乞うた。]
(121) 2014/02/08(Sat) 15時半頃
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― 帝都・守護部隊隊員養成所 ― [同室者の起きた気配で、目を覚ます。
何度となくみた、夢。 あの日の夢。
行方不明の者の中に、リカルダの名があると知って。 あの時、止めていれば。追いかけていれば。 リカルダは。
リカルダだけじゃない。 他にも一緒に逃げることができていたら。
身体を起こして、じっと手を見つめる。]
……僕の手は、
[あまりにも小さい。**]
(122) 2014/02/08(Sat) 15時半頃
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アヤワスカは、理依も──連れて行かれ──た、と安吾は言っていた。
2014/02/08(Sat) 15時半頃
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[暴れ疲れて眠る円の手を、 少女は起きるまでずっと握っていた。
離してしまったリカルダの代わりのように 何度も何度も手の甲を撫でて。
それから、円の怪我が治るまで、 少女は毎日円の病室に通って、 夜、彼女が眠るまで寄り添った。
けれど、少女の笑顔は日に日に減って行く。 円を安心させるためにだけ向けていた笑顔も、やがて──。]
(123) 2014/02/08(Sat) 15時半頃
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―帝都・守護部隊養成所―
[あの悲惨な事件から数日が経った。
突然の、孤児院襲撃。 たまたまその場に守護部隊が居合わせるも、襲い来る吸血鬼らの力は今までの彼らとは比べ物にならないほど強く。
通報によって隊長らが駆け付けたものの、 成果と言えば、どうにか数人の子どもを救いだせただけ。
多くの吸血鬼を倒しはしたが、隊員らの被害相当に酷い。 切り裂かれ、あるいは炎に飲まれ、 その死者、重症者の数は、この一件が近年のどの襲撃よりも凄まじいものであると物語っている。
――始祖とは。 それほどまでに圧倒的な存在だった。]
(124) 2014/02/08(Sat) 15時半頃
|
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[始祖と対峙して、ジャニスは足首を潰された。 その酷い有様に、もう復帰は難しいだろうかと心配する自分がいる。 しかし彼女の過去を知っているからこそ、彼女はここで終わろうとはしないだろうとも。 その気持ちに彼女の身体が付いてくることを、今は切に願うのみ。]
それよりも、今は…
[助け出せた子ども達のこと。 …だが一体自分は、どんな顔をして彼らに会えば良いのだろう。
大丈夫だ、と。 たしかにあの時、言い切ったのに。
右腕を負傷したものの、それ以外は無事でいるこの不甲斐ない兄をどう思うのだろう。]
(125) 2014/02/08(Sat) 15時半頃
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[柔らかすぎる寝台から、身を起こす。
血で汚れたままで着てた服もぼろぼろで、
悪い夢じゃないことは、はっきりとわかる。
腕を捲くれば――サミュエルが布を巻いて、
円が手当てしてくれた包帯も、痛みもそのまま残っていた。]
……明君、
[ 常から穏やかな明乃進が亡羊と呟く声]
ごめんね……、
|
考えてても仕方がない、よな…
[小さく首を振り、子ども達の眠る部屋へと向かう。 遅かれ早かれ、彼らには事実を告げねばなるまい。
まだ年端もゆかぬ子ども達に何処まで話したものか… 悩みつつ、行方不明の子らの消息を隠したところで、彼らは納得しないだろう。
聞かれることには、多少オブラートに包みつつ、なるべく話すよう心がけた。
程度の差こそあれ、この子達のことは他の隊員の誰よりも知っている自分だから。 それぞれに合わせて、言葉を選んで。]
(126) 2014/02/08(Sat) 16時頃
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あの女の子、言ってたの、
何人か連れて行きましょう、って、
愉しそうに言ってたの……。
でも、わたし、止められなくて、
……何もいえなくて……、そのまま、
[明乃進は、ここにいるみんなは、
その連れてこられた子たちなんだろう。
思い出すわかりたくなかった彼女の言葉]
記者 イアンは、メモを貼った。
2014/02/08(Sat) 16時頃
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―むかしばなし―
[帝都再開発計画により、暮らしていた色街を潰され、親代わりの娼婦達と棲家を失った周が、独り帝都の片隅に放り出されたのは、三年前の冬。
底辺の地で生きるために暴力を覚え、 自分より弱い者から奪うことを覚えた。
そんな荒んだ日々の中。 警察の浮浪児狩りで捕まり、孤児院に連れてこられたのはニ年前のことだった]
(127) 2014/02/08(Sat) 16時頃
|
|
[孤児院に入ってしばらくは、問題を起こさず大人しくしていた。 新入りに興味深々の様子を見せる子もいたが、周が視線を向けると怯えた顔で離れていく]
……けっ。
まぁ、ちょろそうな連中だな。 [周囲の子供達を観察した結果、そんな感想を抱いた。 自分と年の近い少年も数人いたが、腕っ節ではきっと自分に及ばない]
サミュエルと理依とかいうのは少しはマシか。 だが、俺の敵じゃねえ。
[二人を押さえ込めば、後はやりたい放題だろう。 施設の大人たちの目を盗んで、二人に喧嘩をふっかけることの出来るタイミングを窺った]
(128) 2014/02/08(Sat) 16時頃
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[その日は孤児院の大人たちの殆どが外出しており、二人を襲撃する絶好の機会だ。 自分の力を誇示するべく意気揚々と部屋を出ると、おもむろに若い男に道を塞がれた]
なんだ、手前は。
[孤児院に来てから初めて見る顔]
……邪魔だ、どけ。
[にこやかに話しかけてくる言葉を無視して一瞥をくれ、 その場を離れようとする周の肩に、制するように男の手が伸ばされる]
(129) 2014/02/08(Sat) 16時頃
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[男の背は自分より随分高いが、軽薄そうな面をしていた。 一発拳固をくれてやれば、尻尾を巻いて逃げ出すだろう。 振り向き様に殴りかかろうとして――次の瞬間。 天地が引っくり返った。
背中に受けた衝撃で、自分が男に投げられたことを理解する]
……この俺に、喧嘩売ろうってのか。 上等だ! ぶち殺してやらァ!!
[不意打ちをかわされ、あまつさえ反撃されて 怒りに我を失い、滅茶苦茶に殴りかかった]
(130) 2014/02/08(Sat) 16時頃
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……津久居、安吾。俺と勝負しろ! 今度は、前みたいにはいかねえぞ!! [――こうして、自分を叩きのめした男の部屋の扉を乱暴に叩くは何度目か。
こてんぱんに負けて気絶して、部屋に運ばれた周を看病していた子から、男の名は津久居安吾といい、この孤児院の出身者であると聞き出した。
力量差は明らかだったが、このまま負けっぱなしではいられない。 だから、安吾が孤児院に里帰りしていた数日間、 何度も喧嘩を挑み続けたが、とうとう、勝つことは出来なかった]
(131) 2014/02/08(Sat) 16時頃
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―帝都・守護部隊養成所内、病室―
[全身を襲う痛みに目を覚ました。
コルセットを嵌められて首を動かせなかったので、視線だけを巡らせ周囲を見渡す。 見知らぬ部屋、清潔なベッド。 周りには誰もいない] ――……っ。
[首筋がずきり疼き、紅蓮と黒煙に覆われた孤児院、そして金色の鬼の姿が脳裏に不吉に蘇る]
皆、無事か――?
[起き上がろうとするが、傷ついた身体は言う事を聞かず、ベッドから無様に転がり落ちる。 そのまま床を這い、壁を頼りに立ち上がり、事情を聞ける相手を求めて病室を出た]
(132) 2014/02/08(Sat) 16時頃
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[真弓の話をおとなしく聞いている。
直円や他の皆はそれを知ってどう思っただろう。
少年は緩慢な動作で寝台を抜け出ると、傍に寄った。
袖をまくった手を見て、そこに自分の手を乗せて、
熱の出た顔で曖昧に微笑む。
「ごめんね」と彼女が謝ったからだ。]
あ……あぁ、気にしないでくれたまえよ。
今は、「生きている」ことをいったん喜びましょう。
[ちくり、と心に響くものがあったのか、
少し目が泳ぎ気味である。何せ、直近の記憶が土下座なのだ。
今のマユミの様子を見ると、バツが悪いものがある。]
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[訪ねる先、幼子を先にしたのは、殊更に配慮が必要だと考えたため。 ――否。事態の理解が早い年長者を後にしたのは、きっと彼らに責められるのが怖かったから。
こんな時に保身だなんて情けない話だが、それほど安吾も精神的なダメージを受けていた。 あの施設を離れて久しいが、それでもあそこは唯一、「安吾」に還れる場所、"家"だった。
心の中に渦巻く感情から、そっと目を逸らす。 …自分の弱さは、どんな正当な言葉で言い繕ったとて到底、誤魔化せるものではなかった。]
(133) 2014/02/08(Sat) 16時半頃
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[廊下を一人、歩く影がある。>>121 細身、白かったであろうぶかぶかのTシャツ――絢矢だ。]
…絢矢。 目、覚めたのか。 痛いところ、ねぇかな?
[おいで、と声をかけて。 そっと腰を落として目線を合わせれば、姿の無い子らのことを問われる。 僅かの逡巡ののち、肩に手を置き、真っ直ぐ絢矢の目を見つめよう。]
(134) 2014/02/08(Sat) 16時半頃
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………。 今からちょっと、絢矢にとって辛いことを言う。
落ち着いて、聞いて欲しい。 …まず、ゆっくり深呼吸しようか。
ここにいない子達の何人かは、もう戻ってはこない。 …他に。戻って来るかわからない子も、何人かいる。
連れて行かれた可能性が、高い。 でも、俺達も必死で探してるから。 生きてるかも、しれないから。
……ごめんな。頼りない兄ちゃんで。
(135) 2014/02/08(Sat) 16時半頃
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[どうしても最後は、目線が下へと向く。 連れて行かれた者の大半が贄となることは、あえて伏せておいた。
――僅かでも希望を持たせるなど、余計に彼女を傷付けるだけだとわかっているのに。]
…ん、円か。 あっちの部屋だよ。
絢矢だったら、そうだな、 円も少しは、落ち着くかもしれないな…
[そのまま絢矢の手を引いて、円の部屋へ向かった。]*
(136) 2014/02/08(Sat) 16時半頃
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─ 病室へ案内される前 ─
[>>134痛い所はないか問われ、少女は黙って首を振った。
何処も痛くはない。 リカルダも、明之進も、死ぬほど痛い思いをしただろうに。
自分だけが、無傷でいる。
──痛い。
抱き締めた箱の下、 心臓を何者かに握られたような心地がした。]
(137) 2014/02/08(Sat) 17時頃
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[おいで、と言われて素直に歩み寄る。 僅かの間にやつれ、青褪めた顔。 手の届く位置に降りてきた安吾の袖に少女の手が伸びた。]
みんなはどこ?
[やっと開いた唇から、短い問いを発して袖を握る。
強張った表情で、 言われるがままに深呼吸を行う様は人形めいている。
安吾の話を聞き終わった時には、 全身が蝋のように白くなっていた。]
(138) 2014/02/08(Sat) 17時頃
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[少女は首を振る。 安吾の自嘲を否定するように。]
おじさんのせいじゃない。
……鬼が。 鬼が、来たんだもの。
[一瞬、安吾から視線を外し、 遠くを見る眼差しを斜め下へ投げかけ、 少女はそんなことを言った。*]
(139) 2014/02/08(Sat) 17時頃
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「かえして、ねぇ かえして!」>>102
[昨日、円の部屋を訪ねようとして、悲痛な叫びを聞いた。 ゆっくり休めと宥める看護師の声に、今はまだ顔を見せるべきではないだろうかとノックの手が止まってしまい。
きっと安吾の姿を見ればまた、皆の消息を知りたがるだろう。 この場にいる者の無事を伝えるのは容易い。 が、それは同時に、消えた者の存在を、家族の死を告げるのと同義。
まずは絢矢の無事だけを目にして落ち着いてはくれないだろうか、との思いが過る。 無事でない者の詳細を伝えるのは、もっと落ち着いてからが望ましい。
…事実を告げるのを急いだとて、誰かが戻ってくるわけでもないのだ。 なるべくは彼女の傷つかない方法を取りたかった。]
(140) 2014/02/08(Sat) 17時頃
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…絢矢。俺はここまでだ。 中に看護婦さんがいるから、 安吾兄ちゃんに連れてきてもらいましたって言うんだぞ。 …いいか。兄ちゃんだぞ。おじさんじゃないからな。
[小さな冗談を交えて、情けなく微笑みながらそう告げる。 いつだったか大人ぶって、絢矢には歳を誤魔化したことがあったのだっけ。
周りは事実を知っていたから笑っていたけれど。 絢矢はあの言葉を真に受けて、未だ律義に歳を数え続け――先日、ついにおじさん認定を頂いた次第。]
(141) 2014/02/08(Sat) 17時頃
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アヤワスカは、病室へ向かう道中、握られた少女の手は氷のように冷たかった。*
2014/02/08(Sat) 17時頃
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[円の容体が落ち着いたと見れば、また病室を訪れるだろう。 だが今は、自信がなかった。
――絢矢と違って、円は自分に距離を感じていたようだから。>>0:419 施設ではなるべく笑顔でいるように心がけていたのだけれど、やはり軍人故の威圧感は拭えないのだろうかと悩むこと数度。
彼女から会いに来るのであれば、もちろんいつでも歓迎なのだけれど。
…それまでは、まだ。 看護師や絢矢から円が落ち着いてきたと聞いて初めて、円に真実を告げようとするだろう。]*
(142) 2014/02/08(Sat) 17時頃
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―むかしばなし―
[安吾が短い帰省を終えると、緊張の糸が切れてしまったのだろうか。 周は何をすることもなく、ぼんやりと日々を過ごす。 そのうち周囲を力ずくで従えるとか、そんなことはどうでも良い気分になっていた]
つまんねえの。 [ここですることもなくなった。 警察の浮浪児狩りのほとぼりが覚めたら、孤児院を抜け出そうか。 まぁ、それまでは、せいぜい大人しくしてやろう]
(143) 2014/02/08(Sat) 17時頃
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[そんなことを考えながら外をふらついていると、 街の少年達が小さな子供達に絡んでいるのに出くわした]
……確か、マドカだか――アヤだか、言ったか。
[年少の子供たちなど眼中になかったから、名前などろくに覚えていない。 円でも絢矢でもない、もっと別の子だったかも知れないが、兎も角、孤児院で見た顔だ。
放っておいても良かったが、子供がいたぶられている様子を見るのは、どうにも胸糞が悪い]
(144) 2014/02/08(Sat) 17時頃
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[子供達を庇うように、少年達の前に割って入る]
お前ら、その辺にしとけよ。 男がガキ苛めてる姿なんざ、みっともなくて見られたもんじゃねェよ。 ――あぁ? 俺が何処の誰かだって? んなもん、どうでも良いだろが。 [本人は穏便に諌めているつもりだったが、通じる訳もなく 売り言葉に買い言葉から、結局喧嘩になってしまう]
(145) 2014/02/08(Sat) 17時頃
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……やっぱり、俺は弱くねえよな。 [少年達を余裕で追い散らしてから、自分の力を確認するように頷いて]
お前ら、大丈夫か。 外に用がねえなら、さっさと孤児院に帰りな。
[ぶっきらぼうに言葉を投げた*]
(146) 2014/02/08(Sat) 17時頃
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[円の病室を後にして、独り。
…繋いでいた絢矢の手は、酷く冷たかった。
死人を思わせるその冷たさに、白さに、本当に生きているのかと思わず確認してしまったのだった。あの日も。
――明之進とリカルダ、他数人の隊員を見捨てて。 絢矢と涼平を抱えて、なんとか脱出を図った、あの時だ。
冷え切った手。凍りつきそうな心。 どちらも温めてやりたいと願うが…彼らに寄り添うことはできるだろうか。
思案に暮れながら叩いたのは、年長の男子がいる部屋。]
(147) 2014/02/08(Sat) 17時半頃
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イアンは、アヤワスカと円くらいの歳頃で出会った、とある人のことを思い出して溜息を一つ。
2014/02/08(Sat) 17時半頃
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− 回想 −
[意識を手放した白の軍人で遊ぶつもりは無かった。 土産を探そうと視線を動かした先で、声が聞こえた>>101 どう言う風の吹き廻しか。 また雛の頭で何か考えているのだろうか]
良いだろう。
[全て諦めた家畜達より余程退屈しのぎになるだろう。 土産の雛が1つ、ホリーに命乞いをした少女が1つ、 また意識を手放した雛鳥もいて、それも1つ]
(148) 2014/02/08(Sat) 17時半頃
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ささやかだが、私の宴だ。 遠慮はするな。
[焔の中を巡れば、守護部隊に苦戦する吸血鬼を見つければ その吸血鬼ごと隊員の心臓を抉り取る]
まともに余興も出来ぬなら、その身を張るしかないな。
[息絶えた吸血鬼と隊員の骸に、 他の吸血鬼達は表情を変えて戦いに挑む。 使えない者は要らぬと明確に示された事が、 恐怖が彼らを統率する。
宴は凄惨さを増し、 部隊にもある程度ダメージは与えたようだった。 だが壊滅はさせなかった。 与えられた屈辱を思い出せば、こんな外れの地で知らず 壊滅などさせたくは無い。 もっと大勢の家畜達の希望を集め、 士気も戦闘能力も充分に満ちた時に叩き潰す]
(149) 2014/02/08(Sat) 17時半頃
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それまで貴様達の命は預けておいてあげよう。 慈悲深い私に感謝すると良い。
[負傷者の救出と避難や延焼を防ぐために、あちこちに指示を 出していた因縁の隊長の顔が憎悪に歪むのが愉快だった*]
(150) 2014/02/08(Sat) 17時半頃
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― 回想 ―
…雨だ。降ってきたよレイにーさん。
[僕は窓辺に立って降る雨をじっと見つめたまま、同じ部屋にいたレイにーさんの名前を呼ぶ。
にーさんに「零」という漢字の意味を教えてもらってから、>>76 雨が降るたびにちょっぴり、わくわくするようになった。前は好きじゃなかったのに]
(151) 2014/02/08(Sat) 17時半頃
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ね、“きぼう”…って、どう書くの?
[広々とした勉強机の上には紙が広がってるし字を書くための準備も済ませてある。 教えてもらったらすぐに書いてみるんだ。ずっと前から気になってたことをようやく訊けたんだし。
それからはしばらくずっとその漢字ばっかり練習していたんだ。 難しい。難しかった。でも書けるようになった。
みんなに見せて回った。アンゴにーさんにも。 レイにーさんに教えてもらったんだって、内緒にする気なんかないまま付け足して]
(152) 2014/02/08(Sat) 17時半頃
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…よぅ、誰か起きてるか?
[さてその部屋には何人の子どもがいただろうか。 こちらに目を向けた、そのうちの一人に声をかける。]
――周。随分と無茶したそうだな。 聞いたぞ。誰彼構わず殴りまくってたって。
…無事で、良かった。
おまえが吸血鬼に引き摺られていくところを見た奴がいてな。 暴れてたくせに殺されなかったなんて…奇跡でも起きたか?
(153) 2014/02/08(Sat) 17時半頃
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[きぼう――“希望”。
その言葉を僕は孤児院に来る前から知っていた。 僕と一緒に死のうとして、僕より先に死んじゃった母親が言ってたからだと思うんだけど……。 どうして親の顔より先にその言葉が浮かんでくるのかまでは、分からない。
分からないままなのはいい気分じゃない。 けど、嫌いなオレンジのあいつや緑のあいつをつい残してしまうように、その謎は僕の中にずっと残されたまんま。
――そもそも僕は、最初の世界のことを何も知らなかった。 僕らの家が色町の辺りにあったことも、母親が男の人と“仲良くして”お金を稼いでいたことも、 家族が怖い人からお金を借りていて、返せないと家族をバラバラにするって言われてたことも、何も*]
(154) 2014/02/08(Sat) 17時半頃
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[苦笑を交えつつ、包帯だらけの周を見降ろして。
孤児院の外で倒れていたところを、後続の隊員が保護したという。>>55 始祖と彼らの取り決めなど知りもしないから、この不思議に首を傾げつつ。
怪我をしていても何でも、この喧嘩っ早い弟分――尤も、そう思っているのはこちらだけかもしれない――が無事なことが、今は素直に嬉しかった。]
(155) 2014/02/08(Sat) 17時半頃
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[そろりと扉の外に出る。外は空気が冷えていてとても寒い。
道を頭に叩き込むように歩いてみた。
周りからはどこか物騒な気配がする]
…どうなってんだろ…ここ……
[材料を選ぶ、犬猫を飼う。
そんな基準で殺したり捕まえたりする。
吸血鬼にとって、人間は違うことなく家畜なのだろう。
あの時にわかってしまった、
彼らは人間を捕食する存在で。
みんなを殺さないで――命乞いの結果がこれだ]
[漆黒の少女の、酷く冷たかったあの手、
――感情まで凍りついていくようだった。
触れてくれた明乃進の手はとても暖かくて、
添えられた微笑みに心が脆くなるような気がした]
……明君、ありがとう……
[感謝の言葉を口にする、
直円も気にするなと言ってくれた、
どうしてかあまり目はあわせてくれなかったけど]
直君も、ごめんね。
あんまり、……喜べないけど、みんな無事でいてほしい……
[もちろん、彼の様子は知らなかったから、その善意を疑うことは無い。祈るような言葉と共に、重なる明乃進の手をきゅっと軽く握った]
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― 始祖の城 ―
……。
[孤児院襲撃の顛末を思い出す。 相手が帝都守護部隊とは言え、自分の配下を含めた吸血鬼も何人も殺られてしまったのだ。
全く持って情けない。 まあ、マユミ達を連れて行く為に積極的には戦闘に参加しなかった自分が言うのもなんだが。 それでも、追撃をかけてきた部隊の連中は数名殺害していたのだった。]
(156) 2014/02/08(Sat) 17時半頃
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− 現在・始祖の城 −
[盃を口元に運ぶ手を止めて、笑うホリーと
背後で青い顔をした家畜両方に視線を向けた]
城にいるのは約束の2羽。
後の2羽は殺してはいないが、他は死体が多過ぎて
把握していないと問われたら伝えておけ。
[目覚めた雛達が声を掛けるとすれば、同じ家畜の方だろう。
歯の根も合わぬまま何度も頷く様子に満足そうに、
血酒を舌の上で転がした]
[その温度には、少し覚えがあった]
明君、……熱ある?
[看病に付き添ったりすることはよくあった、
彼の平熱はこんなに高くなかったはず、寝込んでた時に額に触れたことを思い出して、
その時と同じように額へ手を伸ばす]
……ちゃんと寝てて、お水貰ってくるから。
[足は震えない、きちんと立てる。
大丈夫、人間だって家畜の面倒くらい見る。
だから、水を貰うくらい平気だろう]
やはり女は処女の血が一番だな。
雛達にも女がいたな。
女には手を付けるな。
男達は好きに捌け口にするがいい。
女は純潔が、男は穢れた方が血は美味い。
[葡萄酒よりも粘度の高い紅い酒を盃で遊びながら
連れて来た雛達を思い出した]
|
・・・・・・。
[これまでは、配下の連中に対してあまりうるさい事を言うつもりは無かった。 だがしかし、人間程度にあの体たらくならば。
或いは、トルドヴィンに仕える別の吸血鬼を育てる方が良いのでは無いかなど思考を巡らす。
少なくとも、宮殿に侍り。 政治力でどうにか地位を得ようなんて連中よりはよほど。]
(157) 2014/02/08(Sat) 17時半頃
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[すとん、と寝台から降りて、
結果、理衣を追いかけるように扉に向かった]
……理衣くん?
[そうっと覗いて、その姿を探してから、
しんと冷えた気配のする廊下へ足を踏み出した]
[過去が頭に去来する。ぶんぶんと頭を振ってそれを消した。
あの時離してしまった手。ちいさくて震えていた手。
そしてサミィをおいて逃げたこと。
後悔と悔しさと僅かに残っている、死ななかったことへの安堵と。
時々、すれ違う人影に驚き、怯えながら探索を続ける。
周りからは殺意に近い視線を感じる。
けれど実際襲われるような気配はまだなかった。
どこを見ても同じような扉と廊下。
遠近感が乱れてゲシュタルト崩壊を起こしそうだった]
ですって。
良かったわね、貴方達にも遊び相手が出来たでしょう?
[家畜達を見て笑う。
家畜は家畜同士交わればよいと、そんな事を考えながら。]
ねえ、お父様。
このお酒せっかくだし、連れて来た雛たちにもあげましょうか?
[そう言ってくすくすと笑う。
それが何を意味しているのか、周囲の家畜達は察しただろうけれど。]
[直円の声に、視線を返してしばし後。
ゆっくりと首を傾げた。
彼が話す事は時折少年には難しすぎるのだが、
今はそれが理由でなく、泳ぐ視線に。
感情の表れない顔には、しばしば行動の意図も表れず
お互いがお互いに不思議がるという事もままあった]
……うん。
[感謝の言葉に頷いて、再び真弓の手に視線を戻す。]
みんな……か。
[直近の記憶、彼は何と叫んでいただろうか。
「『僕は』助けてくれ」などと叫んではいなかったか。
覚えていない覚えていない、と振り切ろうとしても、
マユミを目の前にして、恥と罪の意識が拭えない。]
そそ、そうですね。是非無事でいてもらえれば。
何らの陰謀もなければ、きっと無事ですよ、ええそうです。
[マユミの顔を直視できない。]
正直言って、僕は読書会に行くになって、
諸君とあまり交流を深める機会が減ってしまっていたな。
はぁ……。
|
―回想―
[思えば、読書会に行くようになって彼はあまり 孤児院のみなと交流を深める機会が少なくなったように思える。 直円だって、孤児院では10年超の在籍である。 昔はもっと素直に、もっと理屈なく笑っていただろう。 どんな思い出があって、どんな楽しいことがあったか。 彼だって覚えていないわけではないのだが、 そこを思うに至っていないのだろう。 だから、今は楽しい思い出が「思い至らない」、と。]
(158) 2014/02/08(Sat) 18時頃
|
和算家 直円は、メモを貼った。
2014/02/08(Sat) 18時頃
[そしてまた何か思い付いた様に笑みが浮かんだ]
そう言えばあの意識を無くした雛。
あれは血だか死体だかが余程苦手なようだな。
あれを早々に家畜から部下へと昇格してやるのはどうだ?
最も嫌うものを永遠に渇望し続けなければいけない
楽しさを与えてやろうではないか?
[我を喪うほどの餓えとの葛藤は始祖にとって
娯楽以外何者でもなかった]
記者 イアンは、メモを貼った。
2014/02/08(Sat) 18時頃
|
[周というのはまた、随分と可愛らしい弟分で。 施設に顔を見せる度に喧嘩を売ってくるのだ。 …可愛がりつつ、勝ちを譲ってやったことはないのだけど。]
「なんだ、手前は。」>>129
[あれはいつのことだったか。 平和な孤児院の居室から出てきたのは、まるで似つかわしくない剥き身の刀。のような少年。]
んん、新入り君? 何々、どこ行くの、名前は?
[久々にこういう子を見たなぁ、などと暢気なことを考えながら、思いっきり笑顔で話しかけたらこの反応。邪魔だ、どけなどと言う。]
(159) 2014/02/08(Sat) 18時頃
|
[すると、額に手が触れる。
少しひんやりして温かく、素直に瞼を下ろした。
水を貰って来ると言い、真弓がするりと離れてから、
少年が返事を発したのは少し遅れての事だ]
……真弓ちゃん。今日は、もう――
[今日、とは、いつの事だろう。]
[結局、みなまで告げず、笑みだけが残る。
熱に浮かされて普段より朧なようだった]
|
…おぉっと。ちょい待ち。 名前くらい教えてくれたっていいだr…
[無視して横をすり抜けようとするからと肩に手を置こうとすれば、振り向きざまに拳を振られて。>>130 ――思わず、笑みを深める。
勢いの付いた拳を軽くいなして、ひょいと背中から投げ落とす。 逆上した少年はすぐ立ち上がっては突進してくるも、型も何もあったものではない。]
ほらほらぁ、そんなんじゃ俺は倒せないぞー。
[若いなぁ、と目の前の少年に在りし日の友の姿を重ねつつ。 相手は本気だろうが、こちらは あはは、と笑いつつ、つい挑発を重ねてしまうのだった。
喧嘩を売られて、気絶させて。それを何度繰り返しただろう。 最後の方には無意識か否か、彼はこちらの技を真似し始めていて、その成長っぷりに嬉しくなったものである。]
(160) 2014/02/08(Sat) 18時頃
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―帝都・守護部隊養成所内、病室―
安吾兄、――来てくれたのか。
[病室に現れた兄貴分の姿を見て、強張っていた顔が僅かに緩む。
この二年間、サシで喧嘩をして一度も勝つことの出来なかった相手は安吾だけだ。周はいつしか彼を"安吾兄"と呼んで、一目置くようになっていた。
壁に凭れかかり、ようやく立っていた身体を 彼に支えられて病室に戻り、ベッドに腰を下ろす]
(161) 2014/02/08(Sat) 18時頃
|
|
……俺は、大丈夫。
あいつらが何考えてるか、知らねえけど、 俺みたいな手負いを嬲ってもしょうがねえと思ったんだろう。
[奇跡でも起きたか? という安吾の言葉に首を傾げつつ答え]
それより理依やサミュエルは? 零瑠や――他の皆は無事なのか?
[逆に尋ねた]
(162) 2014/02/08(Sat) 18時頃
|
はぁ……この状況でも、案じられる。
いやはや、マユミくんは「強い」なぁ。
[ぼそっ、と呟いた。はぁ、とため息をついて下を向いた。]
ごめんな、頼りない「お兄さん」で。
[誰にともなく、零した。]
|
[昔も今も、感情に任せて無茶をするところは変わらない周。]
…で、怪我人がこんなところで何してんだ。 ベッドで大人しくしてろ。
[部屋に入ろうとしたところ、廊下を這う彼を見つけたということで。
事情を知りたがったので、絢矢にしたより幾らか大人向きの言葉を選び、知っていることを話した。]
まずはその怪我を治せ。 …話はそれからだ。
[それだけ告げて、先程ノックした部屋へと入る。 …周?自力で戻れるだろうから放置だ。]
(163) 2014/02/08(Sat) 18時頃
|
[思考の時間の後、やはり緩慢に元の寝台へ戻る。
だが、眠ることはせずに懐を探して、
そこにいつも通りの物がある事に安堵した。
掌の上に引っ張り出して、動きを止めた。
きれいな色柄の小さな巾着には血が染みて、
半分くらいはごわついた赤茶色に変わっている。]
――、……
[薄く震えた呼吸を零して、口紐を解く。
指先の動揺で、ひどく手間取りはしたが。
中から円い手鏡を取り出すと、傷や壊れはないか、
汚れが染みついていないか、熱心に目を眇めた]
|
…サミュエルは、無事だ。>>162 もう目を覚ましたから、後で会うといい。
零瑠や理依は…
[それまで浮かべていた笑みは曇り、目は逸らされる。]
…すまない。 まだ、どこにいるのか行方が掴めない。
[眉を顰めながら、力無く首を横に振る。 周の反応が、少し怖いと思う自分がいた。
兄貴としての信用なんてあったもんじゃない。 偉そうな口を叩いても。 …護れなかった。それが事実だ。]
(164) 2014/02/08(Sat) 18時頃
|
ミナカタは、イアンの告げる言葉に、耳を傾ける。
2014/02/08(Sat) 18時頃
[どうやらホリーも似た事を考えていたようだった]
ホリーは賢いな。
[目を細めた貌は家畜達には恐怖でしかないだろう]
1人だけでは贔屓になってしまうな。
それに他の雛達の顔をろくに見てもいない。
絶望に変わる前の姿を見ておくのも楽しいだろう。
ホリー、血酒の褒美だ。
お前にも雛の幾つかくれてやろう。
[人である最後の姿を見ておこうと玉座から立ち上がると、
給仕の家畜が反射的に地に頭を擦り付ける。
それを気にする事も無く扉を開けて廊下へと出て行った]
まあ、嬉しい。
ありがとうございます、お父様。
[そう言って微笑んだ。
ご褒美をあげる父親と喜ぶ娘。
日常の風景であればどんなに和む事か。
しかしそれは周囲で見ている家畜には恐怖そのものだろう。]
あ、私も行きますわ。
[トルドヴィンの後を、笑顔でついていくのだった。]
[明之進の後ろ姿を目を見開いて眺める。
誰に言ったつもりでもなかったが、何もなく寝台へ
戻っていく様子は、さすがに心にずしんときたのか。]
ははは……そうですね、そうですよね。
……ははははは、こいつは堪える。
[項垂れて乾いた笑いをあげるだけだ。]
[懸念した事が起きていないのを確かめると、
巾着に戻そうとして――その汚れに躊躇して、やめた。
左右の手に鏡と巾着が残り、直円の独白を聞く。
ぼんやりとした視線がじいと見守っていた。]
|
あんごおじ……お兄ちゃんから教わりました。
[少女の中では齢三十を超える安吾の教え通り 彼の名を告げるとすんなり中へ通された。 病室は複数あるのか、それとも病状で分けられているのか 周の姿はそこにはなかった。
冷たい手で眠る円の手を握り、 飽かず何度も擦っていれば少しは手も温もりを取り戻す。
眠る円の横顔を見ていたら 昔のことを思い出した。
数少ない、少女が孤児院の外に出た日のことを。]
(165) 2014/02/08(Sat) 18時半頃
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|
[ある暖かな日。 少女は歳の近い円とリカルダと、 庭で鬼ごっこをして遊んでいた。
何度目かのじゃんけんで、 グーを出した少女は鬼の役になった。
全力で駆けまわり高揚していたのもあってか、 そのうちに円が、黒い門を抜けて、 孤児院の外に駆け出して行ってしまった。
少女は最初、戻っておいでと呼びかけながら、 外にいる円を門の内側から見ていたけれど 捕まるまで戻る気のなさそうなはしゃいだ笑い声を聞いて 意を決してリカルダと共に門の外へ出た。
そして、いくらも走らぬうちに、 円は見知らぬ少年達の一人にぶつかった。]
(166) 2014/02/08(Sat) 18時半頃
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|
[少年達はすぐに円を取り囲み、円を指差して笑う。
少女とリカルダもすぐに円に追いついて 円を庇うように二人で挟んで、ぎゅっと手を握った。 質素な服装や生活を笑われても、 何も口答えせず三人で固まっていたけれど 少年たちはいっそう調子づいて手を伸ばして来た。
殴られる──と、身を固くして眼を瞑った少女に、 少年のが届くことはなかった。
>>145声が聞こえて。 恐恐眼を開けた少女は、 自分たちを庇うように立ちはだかった少年の背中を見た。]
(167) 2014/02/08(Sat) 18時半頃
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|
[余裕で見知らぬ少年達を追い返した少年は、 孤児院に来てからまだ日の浅い、周──と言ったか。
颯爽と顕れて助けてくれた周の背中は、 ヒーローのように見えた。
肩で風を切るような荒々しさに それまでは近寄りがたかった少年を、 少女がお兄ちゃんと呼び始めたのはこの日から。
孤児院に帰るまで、少女は周の服の裾を握っていた。 以来、益々少女の足は外から遠のくことにもなったけれど。*]
(168) 2014/02/08(Sat) 18時半頃
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イアンは、ミナカタ>>162に、手負いを嬲っても楽しくないってのはおまえの美学だろ、と軽く小突き。
2014/02/08(Sat) 18時半頃
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―むかしのおはなし― [直円と話す機会が減っていったのは、 彼がその読書会に行き始めてからだったような気がする。 「直にーちゃんが遊んでくれなくなった!」 とちびちゃんたちもおかんむりだったが勉強の為だから、 と養母さんに諭されて、それでもしばらくは収まらなかった。
――もしかして絢矢と自分が弓矢ごっこの時に、 散々、的役に抜擢してしまったせいだろうか、とも思ったけれど。
陰謀という言葉をよく聞くようになってから、 一度はっきり言ったこともある
『直君、その読書会やめたほうがいいよ』
今思えば「読書会」なんて急に大人ぶられているようで、 それが嫌だったのかもしれない*]
(169) 2014/02/08(Sat) 18時半頃
|
|
[告げられる残酷な現実。>>164 一瞬のうちに、血の気が引いていくのが自分でも分かった]
――何だよ、それ。
ふざけんなよ。 ……あいつらが、何をしたってんだ。
[じっと床を睨み、歯を食いしばる。 逆上することなく、力なく首を振る安吾を責めたりもしない。
自分が喧嘩をしなければ、サミュエルと理依があの鬼に目を付けられることなど無かった筈だ。 怪我さえしていなければ、数え鬼のときに上手く立ち回ることだって出来た筈だ]
俺が、悪いんだ――
[絞り出すように、言葉を零し 包帯を巻かれた手を血が滲むほどに、握り締めた]
(170) 2014/02/08(Sat) 18時半頃
|
[そして、項垂れて空笑いをする段になると、
再び首を傾げるのだった。
今度は、彼の言う事の方が解らなかった。
相変わらず、現象と反応の間に独特の間隙が挟まる。
おもむろに立ち上がると、背中がずきりとする。
直円の傍にも近付き、真弓にしたと同じように
手に手を添えて、色なく静かに笑んだ。
その宥め方は、今ここにいない少女のために覚えたものだ。]
[ 直円の言葉は、
なんだか少し寂しそうに聞こえた。
先のことや、わからないことばかり考えて、
つい喜べないなんて、言ってしまったけれど]
ちゃんと、みんなには直君も入ってるよ。
[今、ここにいる皆のことは心配してないみたいな言い方に聞こえたのかもしれない、と、しっかりと念を押していった]
[>>:46 声が、重なる。
その響きの先が確かに聞こえて、口唇を噛む。
理衣はもう先へ行ってしまったのだろう。
この部屋で待ってる、なんて少しも肯定してないのに。
思い出すのは「女の子だから」という言葉に感じる寂しい気持ちだ。
戻る部屋の扉をよく見てから、歩き出す。
多分厨房へ向かえばよいのだろうけれど]
……、……あの、
[じっとこちらを見やる、眼差し。
吸血鬼のような怖ろしさは感じなかったから、
おそるおそる声をかけて、場所を尋ねようとした]
[マユミが自分をおいかけていることは知らない。
慎重にあるいていたからか、まだ部屋からそう遠くない所にはいる
静か過ぎるから、更に緊張の度合いが増してくる。
そしてその糸が最高に張り詰められた頃
肩を急につかまれた]
……え?
[それは吸血鬼たちが「家畜」と呼ぶ者たちだ。
何か血走ったような目で]
……明之進くん。
[直円自身がネガティブな方なので、独特の感覚の間に
臆病風にでも吹かれていたのだろう。]
僕が読書会に参加する前は、一緒に遊んでたのにね。
ああ、マユミくんの言う通りだったのやもしれない。
明之進くん、僕はやっぱり頼りないかい?
[重ねた手を強く握り返し、もう直接尋ねた。]
|
―昔話―
[直円自身は大人しい方だった。 絢矢とマユミから散々的役にされても、「とほほ」と 言いつつも、嫌な顔せずに引き受けていた。 実際、嫌ではなかったのだろう。穏やかに微笑んでいたし。 喧嘩の仲裁役なりがまわってくることもあったか。 それも嫌ではなかったし、進んでやることにしていた。
実際、あまり怒りの感情を見せることもなかったが、 一度だけ、マユミに対して激昂にも似た言葉を投げかけたことがあったか……]
(171) 2014/02/08(Sat) 18時半頃
|
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―回想・春雨の降る日―
[養母さんに寝室へと運ばれた幼子が目を覚ました時、 黒檀のような眼が、僅かばかり細まった。
潤んだ菫色の瞳に穏やかではない色が過ぎったから。
それは何かに例えようのない――]
……だあれ?
[問う声。 弱弱しい唇から繊細な二音が浮かぶ。>>110 少年は口許をもぞりと不慣れそうに動かしてから]
『あや』。
[初めて、幼子を呼び表した。]
(172) 2014/02/08(Sat) 18時半頃
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[熱にうなされる額を、自分が病の時のように撫でる。 すると、幼子は微かに表情を緩める引き換えに、 切々としたものを浮かべるように思われた。>>111
やがて熱が下がり、雪に後戻りしたかのような すっかり真っ新になった笑顔に、手を握り返して―― 霧のように微笑み返して、そっと首を傾げた*]
(173) 2014/02/08(Sat) 18時半頃
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− 城の外 − [守護部隊の者達でも踏み込む事の出来ない深淵。 そこにも家畜達は生きていた。 痩せ細った身体の彼らは、家畜と呼べる活力も 逃げようとする気力も無く、 ただ己の運命と吸血鬼への憎悪を滾らせていた。 彼らが生きていけるのは単純だ。 吸血鬼達が労働を与え、対価として辛うじて 生きていける食事を与えられていたからだ。
彼らの労働……それは家畜達の後始末。
ただの干からびた残骸を、立てた十字架に磔に。 使い魔となった烏や猫達に喰われ骨となって 漸く土に還す事を許された。
無謀にも吸血鬼達に挑んだ者達も同様に磔刑にされ。 誰も自分達を助ける者はいないのだと教え込まれた底辺の生き物。
彼らにもその伝令は広がった]
(174) 2014/02/08(Sat) 18時半頃
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[そう、それは『読書会に行くのやめた方がいい』と言われたときだ。
『マユミくん!君はわかっていない!実にわかっていないよ! 某国では労働者たちが王制を打破して革命を成し遂げたんだ。 我が国ではなんだ、こういう情報は隠ぺいされているじゃないか。 陰謀だ、そう陰謀があるんだよ!
……それに、僕たちは孤児じゃないか。 将来偉くなるためには、正攻法じゃ叶わないんだよ。 人一倍勉強して、人一倍努力しなきゃ。』
まぁ、最後には『すまない、言い過ぎた』とも付け加えたが。]
(175) 2014/02/08(Sat) 19時頃
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―むかしばなし―
[>>146自分の腕っ節を再確認し、何故、安吾に勝てないのか? などと考えていると、ふいに上着の裾を掴まれた。>>168
不意の行動に怪訝そうに眉を顰める。 安吾との喧嘩は、既に孤児院の皆の知るところだ。 それなのに、何故、この子は縋るように自分なんかの上着の裾を掴む?]
……何だよお前。 俺が怖くないのか?
[不思議そうに尋ねる周に答えるように、少女の裾を握る小さな手には力がこもるだろう]
(176) 2014/02/08(Sat) 19時頃
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『吸血鬼の長に気に入られた人間がいる』 『家畜達とは一線を画す彼らに非礼無き様に』
[伝える吸血鬼達も家畜から自分達より優遇される 家畜の雛の存在を、気に入っていないのは明白だった]
どう言う手段を使ったか知らないが、上手く取り入ったみたいだ。
[吐き捨てる吸血鬼の言葉に、 家畜にもなれなかった者達に憎悪が生まれる。 雛達が城から逃亡する事があっても。 彼らは雛達に石を投げ付け捕えるのだろう。 人間を裏切った悪魔と呼んで*]
(177) 2014/02/08(Sat) 19時頃
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[わざとらしく空を仰ぎ、頭をひとしきり掻いて表情を隠し]
お前、名前は? ……そっちの二人もだ。 俺は周ってんだ。 [改めて、三人に名を尋ねる。 そうしてから、少女達を連れて孤児院に戻った。
粗暴な周が年少組と共に戻り、あまつさえ絢矢に"お兄ちゃん"などと呼ばれる姿に困惑した者もいただろう。 事情を問うような視線に、不快そうに眉根を寄せる。
――それは兎も角、この日以来 周の敵意や怒りの向かい方は少しづつ方向を変えていくことになる*]
(178) 2014/02/08(Sat) 19時頃
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サミュエルは、>>122から、頭を出すとキャロの姿を眺め、でも、声は出せない。
2014/02/08(Sat) 19時頃
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…やめろ。
[周の自責>>170を制する言葉は、安吾の常のトーンよりずっと暗く鋭く、或いは彼を驚かせたかもしれない。 自分の口調の激しさに気付き、しまったと思う。
元の柔らかさを思い出しながら、周の握られた拳に手を置き話し続ける。]
周は、何も悪くねぇよ。 自分を責めるのはよせ。
…悔しかったら。家族を奪われたことが悔しいんなら。 ――強くなれ。もっと。 今よりも、もっと、ずっと。 おまえの護りたいもんを、護れるように。
教えてやる。…おまえが望むのなら。 強くなる方法を、俺が――俺達、守護部隊が。
[あぁ、自分は何を言っているのだろう。 それは、14の少年に告げるには、あまりに重い言葉。]
(179) 2014/02/08(Sat) 19時頃
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[声を掛けられた家畜は大袈裟に身体を震わせて
少女を見つめて頭を下げる。
既に始祖のお気に入りの話は伝わっていた]
は、はい…何でしょう……私に何かご用でしょうか…。
[子供相手に怯えた様子を隠しもしない]
|
― 養成所自室 ―
[同室のキャロが自身の手を見つめている。 それを少し眺めてから、窓をみる。 空はあの夜とは違い、穏やかだ。
火に、鮮血、そして、黒羽の少女。 ホリーとマユミは最後、なにを話していたか? そして、気を失いかけた時、聞こえたような気がするリーの声。>>101
それらは、朦朧とする意識の中できいていて、 もう、現実か夢かもよく、わからない]
(180) 2014/02/08(Sat) 19時頃
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[感覚的な怖ろしさはない、
多分自分たちよりも、少し年嵩の女性だろう。
とはいえ、得体の知れぬ城の中だ、緊張は滲む]
あの……、
水がほしくて、厨房はどちらかご存知ありませんか?
兄弟が熱を出して、それで……。
[問いかけに応えは無い、ただ近づけばわかった。
覆われた首筋、精気のない眼差し、少しふらつくような足取り。
眉根を寄せた、この人は吸血鬼に血を差し出している人だ。
“家畜”という言葉の意味を知る]
|
[ただ、確かなことがある。 吸血鬼を、
あのホリー・ニルヴァーナを孤児院に連れていってしまったのは、自分だ]
(181) 2014/02/08(Sat) 19時頃
|
[手が強く握り返される。
彼の中で曖昧なままにしておけなくなった問いに、
いくつか瞬きをして、眼鏡の目を見上げた。]
……ううん。
[直円の掌は、広くてしっかりとしている。]
[女には手を出すなと厳命が下っていた。
雛は殺すなと命令が下っていた。
自分と同じ人間で。
自分より遥かに子供で。
自分より薄汚れた存在なのに。
始祖のお気に入りの肩を掴んだ家畜の瞳は
酷くぎらついていた]
お前、どんな方法で化け物に取り入ったんだ。
|
[昔話 サミィより遅れて孤児院へ入ってからのこと。 周に目を付けられていたとか、 入所後も暫く繰り返していたスリに、零瑠が難しそうな顔をしていたのも知っている。
皆に対して平等で、良く言えば特別は作らない感じで。 けれどサミィや彼に関わるものに対しては特に心を砕いていたことは傍目にもよくわかったはずだ]
(182) 2014/02/08(Sat) 19時頃
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―回想・直円について―
[直円が穏和で、明之進もそうであったから、 活発に庭を駆けまわる子供達とは別に、 彼に遊んでもらう事も、他より多かった。
初めて昔話を読み聞かせてもらった時は、 冒頭から結末までぴっとりと傍にくっついて離れず、 微笑んでその声に聴き入っていたものだ。
ただし、『おしまい、おしまい。』と告げる声がして、 やや時間が経過してから、そのままの表情で 深く首を傾げたのだが。
――直円が初めて選んでくれたそれは、 聡明でない少年には難し過ぎたのだ。
以降、彼はもっとやさしい物語を選んでくれるようになった。 読書会に行くようになるまでは*]
(183) 2014/02/08(Sat) 19時頃
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あ、……、
[ 少し遅れて返事があった。
どうしてか深く頭など下げられて、酷く困惑する。
しかもなんだか早口で、怯えているらしかった]
み、水でございますか……。
[『水』と言う単語に瞳は定まらず、右往左往するが。
意を決したように、首に巻いたスカーフをするりと外す]
どうかどうか…ほんの少しだけ…ほんの少しだけにして下さい…お願いしますお願いしますお願いします。
[ガタガタと震え、何かを乞いながらそれでも首筋を差し出す姿。
よく調教された家畜にとって、喉を潤す水とは他ならぬ
家畜自身の血液しかなかった]
|
[ベッドの横の物入れの上、 綺麗に折りたたまれているのは、>>115マユミのスカーフだ。 発見されたとき、手に巻いてあったという。
今、その右手は身体に密着するように折り曲げられ、身体は縛られている。 他に受けた傷は腹。その奥から沸き上がってくる鈍い痛みは、残念ながら、痛み止めを飲んでいないと耐え切れない。
子どもであるから、治りは早いなどと言われてみても、 それよりも、救出されなかった面々を考えると、また目が熱くなってきた。
そう、聞かずとも、マユミとリーがいない、こと、 感じていたから]
(184) 2014/02/08(Sat) 19時頃
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[今の少年に、自分の人生を選べと迫るのは酷だ。
だが、自分がこの部隊に志願したのはいつだったか。 それを思えば、彼にはこの選択をする自由があるとも言える。
――その先に待ち受けるモノを、告げるか否か。 恐らく問題は、そこだろう。
自分が当時、話に聞いていても実感できなかった事実を。 守護部隊の隊員として生きることの辛さを、覚悟を。
…復讐に生きる恐ろしさを。 自分らのやっていることは、吸血鬼と同じ人殺しであると、知ってしまったあの日の絶望を。
全ての元凶を叩く、それだけを目標にしていても。 あぁ、そこに立ちはだかるたくさんの壁役、 切り捨てねばならない命の、吸血鬼達の、その正体は――]*
(185) 2014/02/08(Sat) 19時頃
|
そう……か…。
[明之進の答えに、眼鏡の奥の瞳がやや綻んだ。
軽く彼の頭を撫でてやった。]
今は油断はならぬまでも、事態が逼迫しているということは
ないやもしれん。事実、僕らの待遇は不当に良きものだ。
明之進くん、熱があるのであれば、障ることもあろう。
ゆるりとご自愛なされよ。
………あぁ。
どうも僕たちは悪くはされていないようだよ。
安心はできないけど、熱があるなら少し休んでいるくらいなら
大丈夫……のような気がするよ。
[ふ、と口の端も綻ばせながら言い直した。]
|
…冷静になってから、もう一度よく考えろ。 守護部隊の一員となることが、どういうことか。
急ぐことはないから。 ちゃんと、自分で考えて答えを出せ。
[周に、自分と同じモノになれと、そう強要してしまったような気がして。 その道を否定するように首を振って、彼の肩を一つ叩くと部屋を後にした。]*
(186) 2014/02/08(Sat) 19時頃
|
|
[安吾には、もしくは、あの時いたジャニスにはこう言っただろう]
――……ホリー・ニルヴァーナ それが、おでの標的です。
[吸血鬼の名前、 それが非常に強い純潔の吸血鬼であること、まだ知らない。 けれど、ホリーをみつければ、
きっと、孤児院のいなくなった面子は、みつかると、思ったから]
――……あいつを、おでは倒します。
[きっぱりと言い放つ。 そう、そのためなら、
なんでも、するのだと……*]
(187) 2014/02/08(Sat) 19時頃
|
え……ぁ……
[「取り入った」という言葉にとっさに返せず、
暫くは口を魚のようにぱくぱくさせるのみ。
やっと我に返って、つかまれた手から逃げるように体をひねり]
取り入ったって…どういう……ってか、はなせよ!
約束だっていってだけだろ!
[瞳の様子が緩んだのを見て取ると、
頭を撫でられるのをおとなしく受け入れる。
続く話に一度は首を傾げたものの、
言い直された二度目に、こくりと頷いた。]
うん……
[再び、そっと寝台に座る。
熱い手で巾着と手鏡を包み持って目を閉じた。
これで休んでいるつもりなのだ。
横になると背中が痛む気がしていた]
|
―帝都・守護部隊養成所内、病室―
安吾兄――?
[>>179いつもの陽気な兄貴分のものとは思えない、暗く厳しい声音に床に落としていた視線を上げる。
強く握り締めた拳に手を置き、語りかける安吾の言葉は、 自分の弱さに心折れ、愚かさに後悔していた周に福音のように響いた]
本当に、強くなれるんだな。 ……俺も、安吾兄みたいに。
(188) 2014/02/08(Sat) 19時半頃
|
|
[――やる。
最初から答えは決まっていた。 例え、安吾に真実を打ち明けられていたとしても、決して意志は揺らがなかっただろう。
周を突き動かす衝動は、怒り。 仲間達を弄び、戯れに死を撒き散らしていった、あの鬼達を赦すことなど出来るはずもなかったから。
休んでから、ゆっくり答えを考えろと制する安吾に頷いて、今は静かに瞼を閉じた*]
(189) 2014/02/08(Sat) 19時半頃
|
[思えば、最近では「わかりやすく語ってやる」という作業自体
していなかった気もする。少し衒学的に過ぎたきらいがある。]
お兄さんたちに任せたまえよ。
(……処遇に関して、交渉の余地はありやなしや。)
[顎に手を当てて考え込む。]
― 始祖の城 ―
……ぁ、…おはよ――、
[僕は目を開けて最初に見えた誰かに挨拶をする。
だって起きたんだから挨拶しないと。おはようって。
――あれ、そもそも僕、いつ眠ったんだっけ。
眠ったならみんなにおやすみって挨拶したしされたはずなのに、
誰かの泣き叫んでるみたいな声だけがかすかに耳に残っていて]
あ、………っ!
[慌ててぎゅっと目を閉じて手で目隠しまでしたのに、
目の前に次々と怖かった光景が映し出される。
皆と一緒に逃げるつもりだったのに、逃げられなかった僕が味わった光景。
あれは遊びなんかじゃなかった。遊びなんかじゃ……
涼にーさんにも明にーさんにも、アヤにも。
遊びじゃなくって本気でああ言われるなんて思いもしなかったのに]
約束? 化け物相手に?
自分達だけ上手い事取り入りやがって。
どうせ誰か仲間でも差し出したんだろう。
俺の命だけは助けて下さいって。
卑怯者が!! 恥を知れ!
[まるで家畜自身の体験の様に決めつけ、罵る家畜は
既に正気を半分失いかけていたのかもしれない]
ただのガキの癖に!
[誰の気配も感じなくても監視の目は付いている。
命の危機があれば吸血鬼達は動くだろうが、それまでは
自分達も感じている苛立ちをぶつける様に。
雛が逃げ出せば家畜が追うのは止めるだろうが、
それまでは好奇の目で家畜と雛を見ているだろう*]
|
― むかしのはなし ―
……逃げろー!
[勝った! 次の鬼はアヤだ!>>166 僕は自分から身体を動かす遊びはあんまりしない。その時だって、最初は漢字を書いていたいと首を横に振りかけたんだけど、 アヤとマドカの眼差しに負けて鬼ごっこの仲間に加わったんだ]
捕まるかっ! 孤児院の庭は僕の庭!
[なんて言ってみてもたいてい最初に捕まるのは僕だ。その時だってそう、だと思ってたんだけど]
(190) 2014/02/08(Sat) 19時半頃
|
|
マドカ…、はしゃぐのはいいけど、外はだめ。
[いつの間にかアヤはマドカを追いかけないで呼びかけてた。戻っておいでって。 見ればマドカの姿があるのは門の向こう]
……。
[これはアヤとふたりで門の外のマドカを捕まえるっていう、いつもと違う遊び……とか考えてる場合じゃない! アヤに「だいじょうぶ?」って訊いてから、えいっと二人で門の向こうに足を進めたんだ]
(191) 2014/02/08(Sat) 19時半頃
|
記者 イアンは、メモを貼った。
2014/02/08(Sat) 19時半頃
|
[結局、いつもと違う遊びで済まないことが起きた。>>145
僕らは街の子達に囲まれて絡まれたところを助けてもらった]
なんで…?
[お礼を言わないといけないのに。でも、不思議だった。 人を殴ることは怖い人達のすることだと思ってたのに、さっき街の子達を殴ったこのにーさんは、ちっとも怖い人に見えないんだ。
アヤもきっと同じ気持ちなのかな。帰りにはすっかり懐いてるみたいだった。>>168]
よろしく、アマネにーさん。僕、……リカルダ。
[僕は歩きながらその人に右手を差し出した*]
(192) 2014/02/08(Sat) 19時半頃
|
|
[それから周や安吾と格闘技の勉強と称してやりあいっこをしたり ジャニスから文字を教わったり。 零瑠のように漢字を教えるまでには至らなかったけれど 歳不相応の本を読み込めるくらいにはなっていて。
何でもっと遊んだりしないのか。 若年寄みたいとは言われていたけれど]
俺はこれでいいの。若年寄ってのは直円兄にいってやれよ。
[そう。何かをして後悔するのなら、 何もしない方がいい。サミィが幸せならそれでいいやと。 離してしまった小さな手をずっと忘れられないまま]
大丈夫だよ。俺は皆大好きだからね。
[それは多分、アヤかリッキィあたりにいった言葉だったと思う]
(193) 2014/02/08(Sat) 19時半頃
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― 孤児院でのはなし ―
[サミュエルが孤児院に入ったのは、いわゆる浮浪児狩り対策を国がうったときの話だ。 減る人口、そして、子どもは吸血鬼にとっても好物である。
だから、子ども対策に乗り出し、いわゆる浮浪児や、犯罪を犯す子どももきちんと矯正しようというものである。
もちろん、これは素晴らしい政策だともてはやされたが、実際、浮浪児の中で広まった噂は、何かしらの実験台にさせられるぞ、というものだった。
それが嘘か否か、ともかく、捕まったあと、孤児院に入れられたが、そこでの生活は非常に人間的なもので、 サミュエル自身、その穏やかさに最初は呆然としたものだ。
やがて、希望をいえば小さな畑をすることも許された。 そこで、野菜をほそぼそと作り始めると、他の子も寄ってきた。 話をするのは、やはり身の上話が多くなる。
びっくりしたのは、大半の子の悲惨な過去で、 サミュエルは、思う。ここで、自分はとても幸せなほうなのだと]
(194) 2014/02/08(Sat) 19時半頃
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―回想・キャロライナについて―
[初めて二人でお使いに行く事になった。>>118]
[言動がとろとろしている所為で、壁に穴が開くような やんちゃな遊びにはなかなか追いつけない。 そのせいか、ほんの一時期、男児たちの遊びを ぼんやりとみているだけだった事がある。丁度その頃]
……キャロ君。
[四つ角で急に立ち止まって、先を行く少年を呼び止めた。 明之進の顔はキャロライナが進む方とは明後日を向いている。
視線の先を、茶色い猫がのんびり歩いていた。
早く来ないと置いてくぞ、と一蹴された。
自分より重い方の買い物袋を抱えたにんじん色が遠ざかり、 少し速くした足取りで彼に追い着く。]
(195) 2014/02/08(Sat) 19時半頃
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――キャロ君……帰、ろう?
[当たり前だろ、と言った風に返されたような記憶がある。
後ろを振り返った。やっぱり、早く来いと呼びかけられた。 しばらくうろうろと視線を彷徨わせたが、 最後までキャロライナは明之進を置いて行かなかったし、 日がとっぷりと暮れてから二人でただいまを言った。
因みに養母さんからお小言をもらうのも二人一緒だった。]
……ごめんなさい。
[明之進がぼーっとしてたからだ、と言われ。 ひとのせいにするんじゃありません、と言われ。 キャロライナと養母さんが言葉を飛び交わさせる中間で、 ぺこん、と頭を下げた。
次の日、彼が飴玉をひとつくれて、 それから男児たちの遊びも見ているだけじゃなくなった。*]
(196) 2014/02/08(Sat) 19時半頃
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[なぜなら、他の子と違い、サミュエルには、確かに幸せな家族の記憶があったからだ。 畑で野菜を作っていた両親の記憶があった。
それが、付火で家がなくなり、親も死に、 残ったサミュエルを誰も引き取りたがらないとき、 誰の世話にもならないと、ひとり、この帝都にきた。
自然と裏の町の浮浪児の中に入り込み、盗みのグループに入ったのは、その足が認められたせいでもある。 リーと会った時、最初は訝しそうにこちらはみたのに、リーはにやにや笑っていたように見えた。
最初は言葉の訛りがとれないから、あまり人と喋りたくはなかったけれど、 段々そんなこと構わなくなってきたのは、 確かに、友達ができたからだと思う]
(197) 2014/02/08(Sat) 19時半頃
|
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『いいがら、野菜をぐえ』
[口癖のようにそういうのは、 おそらくは、自身の記憶もあったかもしれない。 何度口すっぱくいっても食べないリーに呆れながらも、 食事当番の時には、なんとか食べれるようにできないものかと、そんなことを考えるくらいに、
サミュエルはあっというまに、この生活に慣れていった。
周がきた時も、思うことは変わらない。 やさぐれてみえる周だが、その実、小さな子からしたわれているのもみれば、最初はびっくりしたが、 それが彼なのだな、と思って、接してきた。
ちなみに密かに周が企んでいたらしい襲撃事件は、知らないままだ]
(198) 2014/02/08(Sat) 20時頃
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[任せたまえ、と告げる声は頼もしく思えた。
それを信じて、じっとして体を休める。]
[次に目を覚ましたのはリカルダだった。
珍しく(自分なりに)ぱっと顔を上げてそちらを見る。
彼女について、最後に見たのは背後に迫る危機だったから]
リッキィ……大丈夫?
[急いだつもりで、彼女のベッドに行こうとした]
落胤 明之進は、メモを貼った。
2014/02/08(Sat) 20時頃
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―むかしばなし― [リカルダと名乗る少女が、歩きながら差し出す右手に当惑する。>>192 この手は誰かを殴り、傷つけることしかしてこなかった手だ。 誰かの手を取るなどしたことがない]
――……。
[自分の手とリカルダの手にそれぞれ一度、視線を向けてから ようやく、小さな手を取った。
言いようのない不思議な気分を抱えて、孤児院への帰路を*辿った*]
(199) 2014/02/08(Sat) 20時頃
|
卑怯って…ちが…
[自分だけ。その言葉にはっとする。
自分は連れて行ってくれと言ったのだ。
自分は殺されないとどこか思っていて、
他の子供たちの生死間で考えられなかったのも事実で]
……そんなこと、ないし。
俺、友達を…助けたくて…
[腕を引き離そうとつかみ返したけれど、
その言葉にうなだれるだけ
さげすまれるような目に、我慢していた悔し涙が滲んだ・けれど]
じゃー、そのガキに何しようってのさ、
いい大人のくせに。
悔しかったらアンタも取り入ったらいいじゃんか。
[始祖の前を塞ぐ者はいない。
その横に並ぶ者も。
僅かに下がって付いて来るのはホリーくらいだった。
自然に生まれた暗黙のそれは力の差でもあった]
年齢も手ごろだ。
戦士として育ててもいいだろう。
彼らの手で、嘗て彼らを助けようとした守護部隊の
息の根を止めさせるのも面白そうだ。
[その守護部隊に雛達の生き残りが1羽でも混じっていれば
もっと楽しいのだが、と付け足したが。
それが現実になると知るのはもう少し先]
ハッ、化け物のお気に入りとやらのおともだちかよ。
そのおともだちを助ける為に誰を売ったんだ!?
親か?教師か?嫌いな奴か?
[子供相手にムキになっている事を突かれて更に逆上する]
俺はな! 俺達人間はな!
てめえみたいな悪魔とは違うんだよ!!
[怒りに任せ、家畜は首を締めようと手を伸ばした]
確かにそうですわね。
まともに戦えるのが、私とお父様だけですもの。
[そんな事を言いながら。
守護部隊に雛の生き残りが居ればと言う言葉には頷いていた。
自分に最後まで刃向かおうとしたサミュエルと言う雛。
彼が育っていればさぞ良い戦力になるだろうと。
口には出さないがそう考えていた。]
楽しみですわ。
…………明にーさん?
[とっても知ってる声が聞こえたけど、僕はまだ目を開けられないでいる。
僕が思い浮かべた光景の中には明にーさんが僕らを庇って切り裂かれたところも含まれてる。
もし明にーさんがあの時のまま、赤いままだったら……?]
[答える前に首に手が伸びて来た時、今まであげなかった悲鳴があがる。
…昔、父親にされたことだ。一瞬それがフラッシュバックしたからだ]
「お前が殺したんじゃないのか。自分だけ逃げやがって!」
売ってなん、か……
[絞められて、息苦しさに涙が溢れてくる。「悪魔」「人間」
どっちがどっちで、どこが違うんだろう]
うる、せぇ!ただの人間のくせに!
俺に手ぇだして、あいつに殺されてもしらねぇぞ!
[恐怖感になりふり構っていられない。
逃げられるなら…生きるならなんでも利用する。
暴れしながら口にした言葉に僅か顔を青ざめさせたけれど]
サミュエルは、肩の痛みと腹の痛みに耐えている。**
2014/02/08(Sat) 20時半頃
――リッキィ。
[枕元につくと、己を呼ぶ声がした。
長く吐く息が零れた。
閉じた瞼の奥で、瞳が微かに揺らぐのをつぶさに見入る]
……僕たち、「生きている」って。
[直円の言葉を繰り返して伝える。]
リッキィ、大丈夫?
痛い、ところはある……?
記者 イアンは、メモを貼った。
2014/02/08(Sat) 20時半頃
[雛鳥の過去や心など関係なかった。
関係あるのは、彼が始祖のお気に入りだと言う事]
くそがっっ………。
[上げた悲鳴が合図だった。
煩い口を黙らせようと、首を絞める手に込めた力が…抜ける。
雛鳥の眼前で、家畜の首が真後ろに折れた]
『立場を弁えろと言った筈だ』
[監視していた吸血鬼の忠告を聞く筈の家畜の命はもう無い。
雛鳥が口にした通り、報いを受けたのだ]
『…………』
[監視の吸血鬼は雛鳥に怪我が無いのを確認すると
忌々しげな色を隠しもせず、一礼して下がっていった。
そしてまた静寂だけが廊下を支配するのだった]
―始祖の城・雛鳥達に与えられた巣箱の中、で―
[零瑠の両の瞼は降り、未だ眠りに着いたまま。
日頃は左を下に、心臓を庇う様にして寝ているのに。
今は仰向けになり、胡桃色の睫毛が天井を向く。
顔や髪は綺麗に拭われ、血を被った跡など耳の内側にすら残されて居なかった。服も新しいものに変えられているのは、些細な事で意識を手離させない為であろう。
紅が良く映えるよう、それは真白な服。*]
早速愚か者が出た様だな。
[静寂が支配する城では悲鳴がよく響く。
覚えたての囀りが聴こえて冷笑を浮かべた。
贈るのは雛鳥を鳴かせた相手。
監視は付けてあるので何も心配する事は無い]
雛鳥達は全員お目覚めか。
[囀りが聴こえても、方向を変える事も足を止める事も無い。
雛鳥達の仮初の寝床へと辿り着くと中の気配を探る]
ひっ…!
[首が真後ろに折れた瞬間を見てしまった。
ありえない方向に曲がった首がそのまま元に戻らない。
手は放されて床に落ちた。
静かな言葉を落とす吸血鬼の眼は冷たくて何も返せなかった]
う、ぅ……うわぁああああああ!!!!
[あの血まみれの現場よりもある意味衝撃的な場面だった。
人とはこんなに静かにあっけなく死ぬのだと
静寂を破るような大声で叫んだ後、
自分は今来た道を情けないほどみっともない姿で逃げ戻った
タイミング的にあの金髪が来るちょっと前のこと]
死ぬ…殺される…殺される殺される殺される……
[何をきかれても、これだけしか言葉にできなかった]
y
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―回想・サミュエルについて―
[自分と同じ歳の子が来た、と養母さんから聞いて、 実はちょっと期待していた。 仲良くしてあげて、とも言われていたものの、 明之進が試みた行動が功を奏していたかは今でも不明だ。]
……これは、なに?
[指差した緑色の苗。 野菜を丹精する手つきを見ているのが興味深かったのを 今でも覚えている。>>194 身の上話も、そこで聞いた]
(200) 2014/02/08(Sat) 21時頃
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お母さん、が……病気で。
[死というものをきちんと理解したのは、もっと後からで]
お父さん――? は、いない。
[父というものの存在を知ったのも、孤児院に来てからだ。]
お母さんは、きれいで、優しい……かった。
[母のことを、少しずつ過去形に出来るようにもなった。]
……、……
[そこで懐に手を置き、少し考える。 父というものの存在を知って、思い出したのは この形見の手鏡を見つめて、母が誰かを呼んでいたこと*]
(201) 2014/02/08(Sat) 21時頃
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僕たち……、生きてる?
生きて、 〜〜〜っ。
[僕は近くまでやってきた明にーさんに手を伸ばそうとする。痛くなって途中で止まるまで。
手さぐりするように手の指だけ動かしたら何かに触れたかな]
明にーさん、良かった……。生きてて、よかった。
[僕のふたつの眼には明にーさんの顔がしっかりと映ってる。泣いて視界がぐしゃぐしゃになっても、にーさんをちゃんと見たって事実はかわらない。
よかった]
僕は、だいじょうぶ。それよりにーさん、起きてて……いいの?
みんなは、………アヤは!?
[せめて涙拭いてから訊いた方がよかったかな。でももう遅い]
明之進は、アヤワスカ達のことが脳裏をよぎった。
2014/02/08(Sat) 21時頃
その様ですわね。
[トルドヴィンの声に頷く。
囀りは彼女の耳にも届いていたのだった。
監視役の吸血鬼に何が起こったのかと聞けば、家畜が雛鳥に手を出そうとしたと聞いて笑みを見せた。
監視役も、短気を起こせば同じようになると優しげに告げる。
その言葉に監視役の中には嫌な顔を見せた者も居たようだった。]
[リッキィは痛そうな顔をする。
動いている指に、そっと手を添えて握った。
こちらの手はまだ熱いままだが、彼女はどうだろう。
泣き出してくちゃくちゃになってしまうから、
少し迷って、着物の袖で拭ってみるものの、
続いた問いには答えられない。]
――――あ……絢矢、は
[解らない、と、唇が戦慄いた。]
……ごめん、なさい。
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―むかしばなし― [孤児院にも大分馴染み、孤児達に向ける感情も変わってきた頃。 『読書会』とやらで知識を仕入れてきた直円が、孤児の誰かにどこかの国のことや陰謀論を熱く語るのを、聞くともなく聞いていた]
陰謀なぁ。 直円のやつ、折角利口なのに……勿体ねえ。
[周はよく分からない事柄を延々と述べる様子に、溜息交じりに零した]
(202) 2014/02/08(Sat) 21時半頃
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[けれど直円の知識に対して貪欲な様子や、難しそうな本を読んでいることには素直に感心する。
何しろ自分は無学の極みで、まともに読み書きなど出来やしないのだから。 ふと、零瑠に字を教わっているのか、読めた書けたと喜ぶ年少組の笑い声が聞こえてきたから]
――俺、もしかしてチビ共より、馬鹿なのか?
[恐ろしい事実に思いが至った*]
(203) 2014/02/08(Sat) 21時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2014/02/08(Sat) 21時半頃
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― ゆめ ―
『――――。』
[穏やかな声で名を呼ばれ、男児は目を開けた。顔を上げて姿勢を正す。訪れを待つ間にうたた寝してしまったようで、濡れた口許を慌てて拭う。
畳上に白い布が敷かれ、次々と反物が運ばれてくる。人の出入りが多い中、男性と男児だけが並んで正座して居た。机に面した男性の手元では、硯と刷り合わされ水に溶けた墨が海に流れていく。]
『準備が出来ました。では―――どうぞ』
[女の声に促され、男児は1つの色を選ぶ。 初めは赤みの紫。]
『あゐかちたるをききやうといふ、赤みかちたるを、あやめと、となふ』
[細筆がゆっくりと半紙の上を滑り、2文字を顕す。―――『菖蒲』。]
(204) 2014/02/08(Sat) 21時半頃
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[白い天井の病室で、安吾と話した時か。 助けられなかった自分が、許せなくて唇を噛み締めながら呟いた。]
僕は、年上なのに。 男なのに。
[大人で、しかも訓練を受けた隊員たちもやられた。 だから仕方がないと言われた。
でも、そんなことはどうでも良かった。 伸ばした手が届く範囲は、とても狭くて。]
(205) 2014/02/08(Sat) 21時半頃
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[僕の目の色に似ている。そう呟いて次に差した色は、暗い青味の緑。]
『したそめをこんにてそめて。うへにかりやすにて五六ぺん程つけ。右とくさのごとくに染申候』
[読めるかと問われても『天鵞絨』は読めずに首を傾げる。 男性の指の先に、暗い灰味の緑。 あれの方が似ていると『革色』を綴る。
『黒橡』『蜜柑色』『紺鼠』――…
色の漢字を書いた紙が部屋に散らされていく。**]
(206) 2014/02/08(Sat) 21時半頃
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―孤児院のある日―
[帝都の中央を覆う空は鈍色。何れ来るだろうと思っていた雨雲は予想よりも早い。>>151]
あぁ……しずかに、降っているなぁ。 リッキィ。洗濯物仕舞うの、手伝ってくれる?
[頭に手を置き、軽く撫でて訊ねる。 首を振るような子ではないと思っていても、頷いて欲しくて。 文字はそれから、と文鎮で紙を留めた。]
きぼう……。リッキィは、何かお願い事があるかい?
『ねがい』を二つ重ねて『希望』ができる。ただ望むだけでは足りないんだよ、きっと。
[書き順を覚えられるように、紙と筆が立てる音は雨音よりも静か。書き終わると表情を緩ませ、リカルダが覚えるまで、何度でも何度でも『希望』の文字を書き綴る。 髪に残っていた雨粒がぽたり、1枚の紙に落ちて墨を滲ませた。
『きぼう』の漢字を書いた紙が部屋に散らされていく。**]
(207) 2014/02/08(Sat) 21時半頃
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[その沈黙を破ったのは、理依が駆け戻ったこと。
何事かと視線を向けると、出て行った時とは真逆の
凍りついた蒼白の顔になって見える。]
理依君……
[そちらへ体が傾きかけて、リカルダを振り返る。
しばし二人の間で視線を彷徨わせて、
少女の指を、きゅっと握った。]
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[大きくなったら。 強くなったら、手が届く範囲は広がるだろうか。
助けられなかった彼らも、助けることができるだろうか。 行方が分からないなら、死んではいない。 死んでは、いないのだ。そう信じて。
死んでいなければ。もう一度会って、手を伸ばして。
また、一緒に暮らしたい。]
(208) 2014/02/08(Sat) 21時半頃
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[さて、隣の部屋、サミュエルとキャロラインの元を訪れる。 周にしたのと同じ話を繰り返し、 特定の人物に対し行方を聞かれることがあれば、事実を告げた。]
[周と同じく怪我の酷いサミュエル。 事の起こり、吸血鬼との邂逅について聞くと、自然顔つきは険しくなる。>>187]
ホリー・ニルヴァーナ…。
[自分の遭遇することのなかった吸血鬼だが、ジャニスや隊長なら何か知っているかもしれない。
サミュエルの説明を聞きつつも、きっばりと告げられた彼の決意にはまだ、心の底から応援をすることができないでいて。 …先程の病室を出る時見た、周と同じ目をしている。 考え直せと言っても聞かないだろう。それでも、]
(209) 2014/02/08(Sat) 21時半頃
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…標的、か。 サミィ、おまえの気持ちは、よくわかった。
でもな、一応言わせてくれ。 もう一度、冷静になってからよく考えろ。
考えて、それでもその決意が変わらないというなら。 ――その時は、守護部隊を頼れ。 自分一人で、なんとかしようなんて、絶対に考えるな。
[家族を奪われた悲しみを糧に生きる少年らを、この道に導くのは容易い。 それだけに、この修羅の道は選ばないで欲しいとも思う。 今かけている言葉は、果たして自分のしていることは、正しいのだろうか…。
――良心の呵責に悩まされつつ、しかし自分が彼らの立場なら間違いなくこの道を選ぶのだ。 どんなものであれ、選択肢があるのなら示してやらねばならない。 それを選ぶかどうかは、彼らに委ねるべきなのだろう。]
(210) 2014/02/08(Sat) 22時頃
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―帝都・守護部隊隊員療養所―
[ふ、と意識が浮上すると覗き込む視線が見える、 自分は情けなくもあの現場で意識を失った事を知る。 身体を起こそうとして、静止を受けた、 何より足の感覚がなくなっていたから]
砕けた骨はどのくらいで使い物になる? 動かぬのなら義足でも構わない。
[矢継ぎ早に医師に問いかけを投げて返答を得る。 とりあえず動けるようになるまでは安静だと 強く言われてしまいベッドに縫い付けられたのはその後。 対面した始祖とのことを考える時間だけがたくさんあった]
(211) 2014/02/08(Sat) 22時頃
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― ゆ め ―
[目を覚ましてすぐに、今日は大事な日だと思い出して跳ね起きた。 春の庭を歩く。桜の蕾はどれもまだ硬く、枝の下から見上げて目星をつけ、付き人に高く抱えられて確かめては違ったと首を振るを繰り返してばかり。]
―――あ!
[日が翳る頃に漸く、綻ぶ蕾を見付けた。 冷えて感覚の薄れた指先で枝を折る。
硬い蕾が5つと、部屋で暖めて咲くを速めようとした蕾が1つ。 恥じらいながら『お母さん』に差し出す。とても美しい人だった。桜花よりも。秋の頃の紅葉よりも。艶やかで。]
(212) 2014/02/08(Sat) 22時頃
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……?
[『お母さん』の微笑みは受け取った桜の蕾に。次いで男児の手をそっと掴む。 指摘されて、指先が赤いことに気が付いた。枝を手折る時にでも傷付けてしまったのだろう。
ぷくり。 半ば固まって膨らみを保ったままの、小さな蕾のような赤雫。
紅引いた唇へと運ばれて―――…**]
(213) 2014/02/08(Sat) 22時頃
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[一番古い記憶は、孤児院に連れて来られた時のもの。 だから、孤児院が自分の家で。 皆は家族だ。
家族と言う物を知らないと、陰口を叩かれたこともあった。 確かに、血の繋がりはない。 でも、自分にとっては家族だった。
大事な家と、家族を取り戻したい。 そう願う。]
(214) 2014/02/08(Sat) 22時頃
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[キャロライナが目を覚まして。 身を起こそうとするのを制して、聞かれるままに事情を説明すれば>>119 呆然とした、現実を受け入れ難いという拒絶反応を目の当たりにする。
…そう。これが、普通だ。 この子達はまだ、子どもなのだ。 今の事態を簡単に受け入れることなど、できるはずもない。]
キャロル。 たしかにおまえは男で、あの子らの中じゃ歳上だったけどな。
…自分を責めるな。 訓練を受けた俺たち隊員でさえ、たくさんの犠牲者が出た。 俺達ができないことを、おまえに求めたりなんて、誰もしない。…仕方がなかったんだ。>>205
(215) 2014/02/08(Sat) 22時頃
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―巣箱―
[零瑠は目を覚ます。
個々は何処か――見知らぬ天井に、焦点の合い始めた視線が揺れる。
耳に届く声は、『殺される』と繰り返すばかり。]
…………
[部屋の扉が始祖と純血の為に開かれたのは、ちょうどその頃か。]
[囀りと呼ぶには大きすぎる音量が駆け抜ける。
丁度向かう部屋へと消えた音に、手間が省けたと、
扉の前に立つと何処からか現れた監視役の吸血鬼が
そっと扉を開ける]
少しは疲れが取れたか?
[まだ目覚めぬ者もいただろうか。
戻らぬ者もいただろうか。
一通り見渡して]
どうした?
今までの生活とかけ離れ過ぎて感謝の言葉も忘れたか?
[環境の変化にまだ付いていけないかと、機嫌を悪くする事は無い。
むしろ知らぬだろう上質の世界に触れた雛達の様子を
興味深げに観察していた]
[部屋に戻って、何回か深呼吸をしてようやっと落ち着いた。
良く考えろ。なんであの「家畜」が殺されたのか。
自分に手を出したら殺された。
なら、まだ暫くは命の危険があるようなことはないのかもしれない
柊や零瑠と一度目が合う。
けれど言葉を発する前に開かれた扉。きれいなきんいろ]
……ぁ。
|
[それでもキャロライナは、納得しようとしない。 ――あぁ、一緒だ。この子もまた、同じ目をしている。 そうだ。伸ばした腕が届かなかった無念は、自分が一番よく知っている。
キャロライナはずっと孤児院暮らしで。 だから家族を取り戻したい気持ちも、人一倍強いことだろう。]
…それでも。 おまえがその手に、掴みたいものがあるのなら。 よく考えて、その道を決意したのなら、
――掴み取りに来い。守護部隊に。
[またそんなことを言って。 段々と否定の言葉が少なくなっていく自分に嫌気が差す。
一体何人の子供を、この道に引き込んでしまうというのだろう――]
(216) 2014/02/08(Sat) 22時頃
|
[理依が戻って来た直後。
急にぶるっと震えて、扉に視線を固定した。
そうすると、ひとりでに扉が開く。
否、向こうから開かれて、白面金糸の男が姿を現す。
続いて控え立つ黒髪の少女もか。
それは過日の――]
――――……
ミナカタは、イアンは今頃、他の仲間のところを訪れているのだろうか。
2014/02/08(Sat) 22時頃
[邪魔にならない程度に、トルドヴィンの背後に控え。
中を見回していた。
一人一人の顔を観察するように。
中には、こちらに敵意を向けてくるものが居たとしても今は受け流す心算で居て。
トルドヴィンの言葉に、背後で微笑んでいた。
ただし、目は笑っていなかったが。]
[あぁ、『天鵞絨』は『びろうど』と読むのだったと――
ぼんやりと入室者に視線を遣り、室内を巡らせる。
ひとり、ふたり……と姿を認め。
『異常』に気付く。
落ち着かない様子でベッドの柔らかさを確かめ、部屋の明るさに目を細め。
視線は再び、吸血鬼の二人へ。
両の目を見開き、半身を起こし、手は懐を押さえる。]
|
[サミュエルとキャロライナの元を離れて。 最後に向かったのは、涼平のいる部屋。
あの日。 吸血鬼と、炎を上げる孤児院から救い出すために、暴れる彼に手刀を下したのは自分だ。
炎から抜け出たのちは救護班に託したが… 果たしてあの時、明之進とリカルダを見捨てた自分を、彼は許してはくれるだろうか。]
…涼平。いるか?
[ノックの後、そっと部屋に入った。]*
(217) 2014/02/08(Sat) 22時頃
|
[部屋の中を見渡すとマユミの姿がない。
一瞬血の気が引いたけれど、先程のことを思えば多分大丈夫だ。
迷子になったところできっと監視されているし連れ戻されるだけだろう]
…ここ、どこですか。
こんなとこに俺たちいれても綺麗になんてなりませんよ。
[先程の「家畜」は随分と汚いものを見るような目でこちらを見ていた。
きっと、吸血鬼にとっても自分らはそういう存在なんだろう。青ざめた顔はそのままに、なんとかきんいろと黒髪の少女に声を発した]
………いいよ。行って来て。
僕はここで……、
[リーにーさんが何かに怯えている声がする。
気になる。けれど僕の全身は力が抜けたように動かなくて、
明にーさんと絡めた指はわずかに震えている。
だってさっき、アヤも生きてるって明にーさんははっきり答えてくれなかった。
白いコートの人に抱えられてそれから……?]
我慢してる、から。
[痛いんだ。心が。
でもそれはきっとみんな同じだから、僕ひとりがワガママを言ってるわけにはいかない]
――――……ッ!
[だけど、部屋に金髪の知らない人達が入ってきた時、
僕は我慢できなくなって声にならない悲鳴をあげたんだ]
え……ええ、まずは命あることに感謝を。
[ごくり……唾を飲み込む。背中が震えている。
一度明之進たちの方を振り返って、可能な限り勇気を出して。]
僕たちはな、何なんですか。捕虜ですか。
捕虜だとすれば、国際的な取り決めに従って虐待など
非人道的な待遇は受けないことになっていますが、
その通り扱ってはもらえますか。
まさか……何かの陰謀に巻き込まれたのですか。
あら、足りないわね。
これから大事な話があるのに、いけないわ。
[監視役の吸血鬼を呼ぶと、黒髪の女の子がどこかに行ってしまっているから連れ戻して欲しいと伝えた。
その際に、大事な相手なのだから絶対に乱暴な真似はしない様にと念を押して。目の前の吸血鬼が嫌な顔をすると、こちらも目を細めて脅かしていた。]
[皆を睥睨する視線。
手を繋ぐリカルダは、きっと怪我をしている事に思い至る。
声にならない悲鳴があった。
もう一度、指を握り返して、そっと位置をずれ、
自分の体で少女を隠すことを試みた。
表情はやはり、感情のない霧ではあったが、
ずきずきと――薬でも切れたのか、痛みは増している。]
|
―病室巡回から更に数日後―
…うん?行きたいのか?あの、孤児院に。
[病室を離れ、養成所内の一部屋に移った少年からの頼み事。
キャロライナの希望>>120を聞いて、僅か逡巡するも。 自分の同行を条件として、その願いを聞き入れることにした。]
わかった。俺が一緒に行こう。 まだ危ない場所もあるから、俺の目の届く範囲にいることが条件だ。
…俺も。あそこで少し、確かめたいことがあるからな。
[困ったように少し微笑んで、翌日現場へ向かう旨を伝えた。 他にも行きたいと頼む者がいれば連れて行っただろう。]*
(218) 2014/02/08(Sat) 22時半頃
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[何故、サミュエルと周が居ないのかと、理依に投げる視線は今は合わない。]
………ありが
[感謝をと。求められるがまま舌に乗せて途中で止める。
トルドヴィンの背後、唇だけの笑みにびくりと肩を震わせて。
ふっと息を吐き出して笑みを浮かべ、礼の続きは頭を垂れる事で示した。]
|
>>208>>209
安吾さん おでは、そういうこどがききたいんじゃないで、
[考え直せという安吾に、 サミュエルは、顔を動かし、目を合わせる]
人間は、吸血鬼には敵わない。 そう思わなぐじゃいげませんが?
[彼が求める答えは、守護部隊に入るべきか否かではない。 守護部隊は、人間は吸血鬼に敵うのか否かということ]
――……だども、 もし、敵わなぐでも、
おでは、ホリー・ニルヴァーナを追います。
[言うことは、その後も変わることはなかった*]
(219) 2014/02/08(Sat) 22時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2014/02/08(Sat) 22時半頃
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でも、僕は……。
[安吾>>215へと言いかけ、しかしそれ以上言葉が続けられなかった。 慰めてくれているのは分かる。 でも、理解はできても納得できないのだ。 欲しいのは、慰めではなくて。]
……うん。 ありがとう、安吾。 僕は、
[その言葉>>216に、ぎゅ、と拳を握る。 どうするかは告げなかったが、決意は伝わっただろうと。 掴めなかったと後悔はしたくない。 今からでも、また取り戻せると思いたい。
冷たかったはずの指先は、体温を取り戻していた。]
(220) 2014/02/08(Sat) 22時半頃
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─ 記憶 ─
[足が竦んでしまう程、外への恐怖は強い。 それは正体のわからぬ恐怖であるが故に、いっそう。
一人だったら、円を追ってはゆけなかっただろう。 あの時、怖いながらも外へ出てゆけたのは >>191リカルダが、大丈夫かと尋いてくれたからだ。
いつも気に掛けてくれるリカルダ。 大好きなリカルダ。
リカルダが一緒なら、どこへでも行けそうな気がした。]
(221) 2014/02/08(Sat) 22時半頃
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[四人に増えた帰り道。
怖くないかと尋ねる周に、 少女は不思議そうな眼差しを向けた。
少女にとってはもう、周は兄であり、 自分たちを守ってくれたヒーローでさえあったから 服の裾を掴んだ手に力を込めて、 少女は周へと、信頼しきった笑みを向けた。]
絢矢、だよ。 えっと……よろしく、周お兄ちゃん。*
(222) 2014/02/08(Sat) 22時半頃
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―数年前>>80―
[軍にあがったばかりの弟、ハイムゼート家の長男が 零瑠と遭遇したのはとある日のこと。 巡回の任務中にお使い中らしい少年とぶつかり、 豆を少しダメにしてしまったことを謝りつつ 輝かしい未来を持つ彼らに笑顔を向けた]
前見て歩けよ?
[頭を撫でる代わりに落ちた帽子を拾ってから 軽く声をかけてその場を立ち去った。 後日孤児院にどっさりと同じ小豆を手配したから きっと彼は驚いてくれただろう。
長男はその話を長女や次女にも当然したから 孤児院の名前は早いうちにジャニスの心にも残った*]
(223) 2014/02/08(Sat) 22時半頃
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― マユミ ―
[マユミはおとなしく、静かな可愛い女の子をしている。 けれど、マユミは実は勝気だ。
年が近いせいもあって、 同じような仕事をすることも多かった。 掃除や勉強、生年月日順で並ぶ時、マユミはいつも後ろだ。]
――……
(224) 2014/02/08(Sat) 22時半頃
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[最初は何も話さなかった。 だけど、何かと順番がここでは重なった。 嫌なことのくじなら、先にハズレを引き、 食べ物回しなら、綺麗な包み紙のものを残して渡した だけど、きっと鈍感っぽいから、それに気づいてはいないだろう。
いつもどこか遠くを見ているから、その先を少しみつめていることもあるけれど、 イマイチ、何が見たいのかはわからない。 いや、それを見ていると、 きっと彼女の見たいものは本当はここにはないんだろう、そんなことを思い始めたのは、つい最近だ]
――……
[だけど、そう思った時、寂しさも同時に走る。 この孤児院の家族として、まだ彼女は何かを受けれれてないのかも、などと]
(225) 2014/02/08(Sat) 22時半頃
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サミュエルは、薬がきいてきたか、やや眠くなりながら*
2014/02/08(Sat) 22時半頃
どうやら全員元気そうで何よりだ。
[音は無くても空気を裂く振動は確かに響いた
それを静かに庇う者もいた
するりと感謝の言葉を述べたかと思えば
おかしな質問を付け足す者もいた
感謝を言葉から態度へ変える雛もいた
そして相変わらず引かず何かを探ろうとする雛も]
何だ、自分達の立場も知らないのか。
[教えて無かったのかと、控えていた吸血鬼に視線を向けたが
それ以上何かを咎める事はしなかった]
[直円の背中が見えてほっとする。
『お兄さん』でなければならないという思いから少しでも解放される。
明之進とリカルダは共に傍に居る。
理依はもう平気なのか、虚勢や強がりでなければ良いと、誰よりも一番遠くで見。
足りないのは誰か。程なくして連れられてくるのは真弓だった。]
|
―回想・円について―
[何かある毎、少年が取り出す縮緬の巾着に 小さな女の子が興味を示したのは、 染付の色柄がきれいだったから、なのだと思う。]
だめだよ。大事、だから……
[下から伸びる手が届かないように腕を高く上げると、 ちょっとだけ、ちょっとだけ、とねだる声が響いた。]
……ちょっと、だけだよ。
[締めた口紐は自分の指に絡めたまま、触らせてあげた。 その絹地の上等さを少年が知っている訳もないが、 こんなに手触りの優しいものは、他にめったにないと思う。 もし取り上げられたら正直泣いてしまう。]
(226) 2014/02/08(Sat) 22時半頃
|
|
[巾着の中身が何なのか、外で口にしてはいけない、 決して誰かに見られてはいけないと、 母にかたく言い遺されていた。 だから、巾着の事を知っている子はけっこういたが、 孤児院に来てから、中身を取り出した事はなかった]
でも、
[ふくふくと笑う円の顔を見ながら思った。 もう、ここが家で、皆が家族なのだろうかと。]
みんなには、見せても、いいのかな……
[ぽつりと呟いて、窓の外に向けて首を傾ける。 その答えをくれる人がここに来る事はないけれど、 いつか、それも許されると思えるようになるだろうか。*]
(227) 2014/02/08(Sat) 22時半頃
|
少なくとも夢の世界でない事は確かだ。
ここは私の城。
吸血鬼達の集う聖域。
[三日月の笑みから覗く牙]
そして私が全てを支配する者。
トルドヴィン=エメリッヒ。
お前達の永遠の主人だ。
落胤 明之進は、メモを貼った。
2014/02/08(Sat) 22時半頃
……これで、『全員』?
[思わず言葉に出してから、両の手で口を塞ぐ。
服が着替えられ、懐刀の重みが消えている。
その事もあって、落ち着かない。
『約束』を守っただけではないことは、孤児院に居た吸血鬼と守護隊の交戦で分かる。]
っ!
[視界を染めた紅を思い出しそうになり、ぎゅううと硬く両目を瞑る。]
トルドヴィンお父様は始祖吸血鬼。
全ての吸血鬼の頂点に位置する方と言えば分かるかしら?
お父様がどんな存在なのかは。
[そう告げると、微笑んでから名乗る。]
あたしはホリー。
ホリー・ニルヴァーナ、純血の吸血鬼よ。
これから長い付き合いになるだろうし、よろしくね。
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―病室・サミュエルとの会話―
[何があっても、変わることはないだろう決意の表情。>>219 真っ直ぐな目線に出会えば、こちらも逸らすことは許されない。]
…そうだな。 そういうことじゃ、ない、よな。
たしかに、あいつらは強い。 当然、『普通の人間』じゃ、まず敵わない。
でもな、おまえの言うとおり、絶対敵わないと思わなくちゃいけない相手でもない。 人間は、ただ屠られるのを待つ家畜じゃねぇからな。 …あの力に対抗するために、俺達がいるんだ。
[守護部隊は、人間は"能力"をもって吸血鬼に対抗できると、 彼に、暗に伝えることはできただろうか。
――ホリー・ニルヴァーナを追う。 今自分にできることはきっともう、彼が自身の選んだ道を走れるよう、精一杯支援することだけなのだろう…]*
(228) 2014/02/08(Sat) 23時頃
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ミナカタは、明之進の手元の巾着は小洒落たものだったと、ふと思った。
2014/02/08(Sat) 23時頃
[雛達の質問の答えとしては不親切極まりないものだろう。
だがそれ以上何が必要と言うのか]
ああ、安心するがいい。
残りの2羽は殺してはいない。
ただ私の祝宴にしては寂しいものだったからな。
巣に火を放ったから、巻き込まれたかもしれないが。
[『全員?』と訊いた雛には答える必要があったかと
事実を告げる。
約束は破ってはいない。
ただ勝手に火の中に飛び込んで焼け死ぬのは別だ]
トルドヴィンは、サミュエルは生きているだろうと確信していた。
2014/02/08(Sat) 23時頃
零瑠、大丈夫?
[目を瞑った彼が気になる。
血にはとにかく弱いから。
そしてトルドヴィン、ホリーと名乗った二人を見る
吸血鬼。始祖?なんだ。それ。
それに長い付き合いって、何のことだ]
長い付き合いって…食べるまでの時間?
だったらさっさと食べればいいじゃないか
……――永遠。
[端麗な発音から最も耳に残る言葉を自然と零す。
自分達が置かれていた室内は決して暗くはなかったが、
トルドヴィンを名乗る者が現れ、その容顔を見れば
まるで内側に月影を含んでいるように思えるのは、
彼が支配する者だからだろうか。]
明之進は、ミナカタはまた怪我をしていないだろうかと考える。
2014/02/08(Sat) 23時頃
|
[保護されてから、数日が経った。 大して怪我をしていなかった身体。すぐに病室から移動した。
安吾と一緒に孤児院へと行って>>218。 壊れた「家」に、思いをさらに強くした。
ガラスの破片。工作して作った、根付のような飾り物。 持って帰った鶯笛と一緒に、大事にしまってある。]
(229) 2014/02/08(Sat) 23時頃
|
|
[養成所で過ごすようになってから、隊員に名前の由来を聞かれた。
キャロライナという名前が、女の名前だと知ったのは直円が読んでいた異国の本に書かれていたのだったか。 きっかけはよく覚えていない。
ただ、からかわれると、陰謀だ!と直円の口癖を真似して言って騒いだこともある。 その言葉の意味さえよく分かっていなかったけれど。
だから。 隊員の誰かに確認のように聞かれた時も。 陰謀です。 と一言だけ返した。]
(230) 2014/02/08(Sat) 23時頃
|
……だ
[大丈夫ではなかった。けれど、今は大丈夫でなければならない。緩く首を振る。
零瑠の重い瞼を抉じ開ける、声が響いた。
名乗るのは、支配のためか。長い付き合いのためか。
革色に一瞬浮かばせたのは躊躇、拒絶、愁、
―――――――――希。]
そ、
[ん、な。]
[目を閉じた雛に視線を向ける。
現実から逃げようとしているのか、余程嫌われたか。
傍から見ても判るほど機嫌は良くなっていた]
おや。熟成させてと思ったけれど。
折角勧められたのだ。
感謝の気持ちと受取っておこう。
[捕食者たる紅の瞳が金へと変わる。
一歩踏み出すと次には純白の布を付けた雛の前に]
|
>>228 [安吾から。答えをもらうと頷いた。 守護部隊が吸血鬼を倒すべくある部隊なら、そこに所属する。家族を取り戻すためにどんな訓練だって受け入れるつもりだ]
――……
[思い出す、貴方は連れていかない、そのほうが面白いから、と言ったホリーニルヴァーナ。 そのホリーにとって、サミュエルの行動は、 まさに従順な玩具なものに見えたとしても、
それ以外など考えられない]
安吾さん、お願いするですだ。
[リーの言っただろう言葉が頭に過ぎる。 もう、捕まるな。……絶対戻ってくる。>>101]
大丈夫だ。おでが………戻しでやる。
[そう決心して*]
(231) 2014/02/08(Sat) 23時頃
|
吸血鬼……。明にーさんを傷つけたバケモノ、も?
どうして? ねえ……。
[僕はベッドに横たわったまま知らない大人に問いかける。
金髪の人が吸血鬼の頂点ってことは、明にーさんが今こんなことになってるのはつまりこの人のせいってことなんだよね?
まだ握り合ったままの明にーさんの手は、熱出して寝込んでいた時みたい。
顔は苦しんでいるように見えなくてもきっと……。
それだけじゃない。今僕がここにいるのも逃げられなかったのもアヤやみんなと離れ離れになったのも元をたどればこの人が悪いんだ。
―――許さない]
[金の瞳は捕食では無く繁殖の色。
魅了し、相手を同じものへと変える能力を牙に載せて
相手に注ぎ込む。
能力を注がれた相手は間を置かずに強烈な飢餓を覚え、
渇きを癒す術を求める。
最初の飢餓を癒すのは同族の吸血鬼の血のみ。
そして血と力を分け与えられた生まれたての吸血鬼は
永遠に断ち切れぬ鎖に繋ぎ止められる]
[重たく瞬きをした次の瞬間には、月影はそこにない。
だが、首を傾げる必要もなく、くるりと首を巡らせた。
零瑠のすぐ前に居る。
――ここに来て、初めに見せつけたものは牙]
……や、
[少年が声を上げた時には、吸血鬼にとっては
欠伸が出るほどの間を経ていることだろうが、
片手にリカルダの指、もう片手に巾着と鏡を確と握り。]
めて――
|
─ 直円との記憶 ─
[真弓とはしゃぎ遊ぶようになって 一番の被害を受けたのは直円だったかもしれない。
『弓矢だよ。 直お兄ちゃんは的ね!』 『いっくよー! ぶすー!』
真弓が少女の背中を押し、少女が走る。 両手を頭の上で三角に合わせて、直円の脇腹に突進した。 遠慮のない幼子の攻撃はそれなりの痛みを伴うだろうに 直円はいつだってにこにこと笑ってくれていた。
直円のそんな笑顔を見ると、 少女もまた、ほっとしたように笑うのだった。
その直円が、『読書会』に参加するようになり 遊んでくれる機会が減ると、 少女は時折絵本を読んでとせがむようになったけれど 直円はそれに応えてくれただろうか──。*]
(232) 2014/02/08(Sat) 23時半頃
|
始祖――…って……
[さ迷う視線は直円の背に。
読書会で得たのだと、吸血鬼のことを話して聞かせてくれた中で、『始祖』は何だと言っていた?]
安心、えぇ、安心、した…。
ありが、と ござま ……す。やくそ、まもって…
[理依に謝らなければならない。彼を少しでも疑ってしまったから。
二人が直接殺されなかった事を喜んで良いのか、生死が分からぬことを嘆けば良いのか。
二人だけではない、他の――絢矢は、キャロライナは、円は、涼平は、ジョージは………守護隊の人は――。
炎と肉を焦がす臭いを思い出し、再び口を塞いだ。
瞑る目の端から涙が零れる。
何が『祝宴』か。
あんな風に炎を上げて。あれではまるで……]
あなたも、今日が誕生日……?
|
―昔話―
[まだ姉も弟も生きていた頃。 たまたま孤児院に顔を出す機会があった]
ふうむ、こういうところで集団生活するんだな。
[それは軍に入りたての子供たちの集団にも似て まるで違うのに親近感も湧いたりした。 ごく一方的に、そしてそれからきょうだいには黙って 何度か顔を出すことにした。 きょうだいを失ってからもそれは続いて*]
(233) 2014/02/08(Sat) 23時半頃
|
|
―むかしばなし―
[これは将来、傾城になれる器だな、と、真弓を初めて見たとき、そう思った。
見た目の美しさだけではない。 まだ幼くても、異性を惹き付ける何事かを彼女は持っていると。 色街で娼婦達に育てられた周にはなんとなくだが、感じられるのだ]
(234) 2014/02/08(Sat) 23時半頃
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|
[ある日、真弓が街でひどく絡まれた後、年長の孤児達から 彼女が外出するときに付いていってくれと頼まれたことがあった]
用心棒役ね。 あいつのことが気になるなら、お前らがやりゃあ、良いのにな。 ……ま、いーけどさ。 俺が一緒で、かえって絡まれることになっても知らねえぞ。
[真弓を気に入っているらしい、理依やサミュエルの方が適任だとも思ったが、頼られるのは悪い気分ではない]
(235) 2014/02/08(Sat) 23時半頃
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[真弓の用事に付き合う道すがら、話し掛けられても、返す返事は、あぁ、だとか、そうか、など気のないものばかり。
別に彼女との会話が嫌なのではなく、何を話してよいのか分からないだけのことだが、きっと真弓は気を悪くしたのだろう。
帰り道、孤児院へと向かう寂しい裏路地には二人の足音以外、聞こえるものは無かった]
(236) 2014/02/08(Sat) 23時半頃
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[結局何事もないまま暗い裏路地を抜け、茜さす夕暮れに照らされた真弓の横顔に周は思わず目を奪われる。
呆とした表情で、急に立ち止まった周を真弓はどう思ったか。 振り向いた彼女の表情は逆光で分からなかった。 熱くなった頬をごまかすように掻きながら、――黄昏時で助かった、と小さく呟いた*]
(237) 2014/02/08(Sat) 23時半頃
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[化け物と呼ばれても笑みはただ深くなるだけだった]
化け物では無い。お前達の主人だ。
そしてお前達も同じモノになる。
[当然の様に言い放ち、改めて礼を口にする雛に微笑んだ]
お前もリーと同じく聡いようだ。
[零れる涙を指で拭い、そのまま口を塞いだ手をどけさせて]
私ではない。雛鳥の新しい誕生日に、最初の贈り物だ。
[あなた『も』と問うた雛鳥の贈り物に。
その首に牙と金の能力を突き立てた]
|
[生まれが軍人しか選べない家だから、 そのほかの未来、選択肢があることがとても羨ましかった]
軍人以外の選択を、少ししてみたかったかもしれないね。 想像もつかないけれど。
[弱音にも似たその言葉は誰にも向けられていないまま、 そして今]
私は、軍人でよかったと思う。
[明確に今、向かうべき目標があるから]
(238) 2014/02/08(Sat) 23時半頃
|
[ 反応は当然予想外で瞬いた、
困惑と戸惑いに少し後ずさる、首を横に振る]
……あの、違うんです。
違います、そうじゃなくて、……普通の水を。
[酷く震えている女性は、憐れに見えて、
でも恐ろしく感じた、ここにいたらこんな風になってしまうのか。
自分の言葉はまるで通じていないようだった。
後ずさる足、そのまま踵を返して、
どうにか厨房らしきへ辿り着いた。
――人間がいるなら、必要な場所だ。
そして、水差しを手にした時に冷たい手に捕まれた]
[影が落ちた。瞼の裏の桜花が消えたのだ。
ゆるゆると顔を上げる。
『底にあかみなきを黄染めといふ』
あぁ―――鬱金だ。
微笑みの中に新しい色を見付けた。」
―雛鳥の巣―
[そのまま血を吸われるのだと思ったのに
相手はそんな敵意もあったのに、なぜか最初の部屋に連れられて来た。
いぶかしんだまま、扉は開かれて。
すぐに気配を感じた、――あの絶対的な黄金の闇]
……あ、
[足が竦んで震えた、けれど]
「始祖」……とは有り体に言うと、
「世界でも有数のとてもすごくて偉い吸血鬼」ですね。
[努めて平易な言葉で形容した。そして、少し目の色を変えて。]
閣下が僕たちの主人に……なると?
僕たちは……選ばれた、そういうことですか?
[言ったあとで、はっ、として申し訳なさそうに目を伏せた。]
[目の前で引き裂かれた幼子。炎が渦を巻いた死の赤。
急激に脳裏に蘇って、表情が使途不明の微笑で凍る。
視界を染め変えて思ったのは、同じように
零瑠が殺されてしまう、という事だった。
リカルダの寝台の傍から膝を立ち上がらせようとして、
上手く行かずにほたりと絨毯に手をついた。
ビリッと肩から背に痛みが走っても、
まだ頭がぼうっとして、ゆらゆらと霞が揺れている。]
|
― むかしのはなし:hands ―
…リッキィって呼んでる子の方が多いかも。
[愛称のことを伝え忘れるところだった。それはさておき。>>199 僕はアマネにーさんと手を繋ぐつもりでいたんだ。裾はもうアヤが握っているし。 片方だけならマドカが繋ぐ余地もきっとあった]
……。
[アマネにーさんは手を繋ぐのが嫌なのかな。 僕もまじまじとにーさんの手を眺めてしまう。さっき街の子を殴った手。 どうしてかな。 僕はにーさんの手を包み込んであげたくなったから、やがて手を取られた時に迷わずそうしたんだ]
(239) 2014/02/08(Sat) 23時半頃
|
|
[この不思議な感じについて答えが出たのはそれからしばらく後のこと。
物語の本を読んでたら女の子が主人公に言ってたんだ。「殴った方の手も痛いんだよ」って。 その本は好きで何回も読み返してたから、あの時このセリフを思い出してたんだね。なるほど。
それからというもの、アマネにーさんが怪我して帰ってくるたびに、 僕は何も言わずににーさんの誰かを殴った方の手を握るようになっていた。時には他の酷い傷もそっちのけで。
その時僕は、誰かと手を繋いでいる時とは違った気分を味わっていたんだ*]
(240) 2014/02/08(Sat) 23時半頃
|
あ゛っ ぁぁあッ
[悲鳴は長く尾を引いた。
涙を拭う指も、手首を掴んだ手も恐怖を感じさせぬものだったのに。
首筋が熱い。逃れたくとも手首を強く抑えられている。
首を仰け反らせればする程、牙は深く入り込み、
胡桃色と金色が僅かに交わる。]
――……やめて!
[ 響いた悲鳴が事態を認識させる、
喉の張り裂けるような声が出た。
けれどそれは何も止めてはくれなくて]
零瑠くん……、
[縺れる足で駆け寄ろうとした、
彼もあの女の人のようになってしまう、それが怖くて。
けれど事態はもっと恐ろしいことだなんて、知らなかった]
|
―むかしばなし―
それ、お袋さんの形見か?
[一人、縮緬の巾着を大事そうに眺める明之進に声を掛けた。 絢矢やリカルダたちとの一件後、他の孤児たちとも話くらいはしておくか、と考えた結果の行動だ]
あぁ、別に、寄越せとか見せろってワケじゃねえよ。 ちょっと、綺麗だと思ったんでな。
……俺はお袋の面も名前も知らなくてさ、 それで、気になっちまったっていうか。
[少年の黒瞳にじっと見詰められ、何故か言い訳がましい言葉が口をついた。 挙句、不必要なことまで言葉にしてしまったから]
驚かせて、悪かったな。
[ああ、柄にもないことをしちまった、と。 バツが悪そうに、くるり、背を向けた*]
(241) 2014/02/09(Sun) 00時頃
|
|
─ 理依との記憶 ─
[理依が“特別”を作らないこと。 それ自体を特別──と感じ取れるほど 少女は大人ではなかった。
けれど、理依が──何でもないことのように 俺は皆が好きだと言った時>>193。
──きっとその時も、少女はリカルダと一緒にいて 理依が女の敵のように扱われるのを 側で聞いた後だったのだろうけれど──。
不意に、少女は理依の手を取り、握り、 その手の甲を撫でようとした。 何故か少女には、その言葉を言う理依が、寂しそうに見えて*]
(242) 2014/02/09(Sun) 00時頃
|
|
―回想・零瑠について―
――ひいらぎは、どんな冬?
[冬の木と書く、と教わった直後に返した言葉がそれだ。 正確には柊は木である。冬ではない。 刺があるから鬼が嫌って寄り付かないのだと言う。]
とげとげ……
[まだ幼い両の掌を見た。そして零瑠を見上げた。]
…………鬼じゃなか、ったら、大丈夫?
[感情のない黒檀と小さな声だった。*]
(243) 2014/02/09(Sun) 00時頃
|
は……はわっ…………わわ…………。
[零瑠の身に起きている「凶行(便宜上)」。
直視できない……が、目をそらすことができない。
直円、勇気を出せ、お兄さんだろう…………
そう何度も何度も心のなかで唱えて、唱えて。]
ばばば、蛮行はや、止めていただこう……ッ。
ぼぼ、僕は受け入れる、受け入れますよ!
だから、そういう、こう野蛮なことは……。
[彼の顔には苦渋の色が滲んでいる。
後ろを振り返って申し訳なさそうな表情を浮かべて。]
ただひとつ、質問が赦されるのであれば……。
[悲鳴は人間への未練の様に尾を引いた。
とても耳に好い音に、牙を立てたまま嗤う]
どんな心持ちだ?
[制止の声もまた心地良く。
注いだ力の変化を確認する様に、
牙を離すと雛の顔を覗き込む。
わざと襟ぐりを晒しながら、交ざる金の色を見た]
零、瑠君――……っ
[立て、なかった。
手と膝で這って彼の傍に向かい出すのも牙が離れてからだ。
あえかに開いた口から熱に弱った息を吐いて、
零瑠に取り縋ってその顔を見ようとした。]
止める事は無いわ。
光栄な事よ、お父様が直接だなんて。
[そう言って笑う。
その言葉は確信に満ちていた。
ホリーもまた、他の皆とは別の意味でトルドヴィンに対して狂信的であったが故に。]
[―――否。
逃れる意志など金の瞳に魅入られた時に霧散してしまったのだ。
牙の離れる頃には甘やかさの交じる啼声に変わり、
革色の瞳に紅が混じゆく。
皆の声が遠くに聞こえるようだ。
すぐ近くで零れる始祖の声もまた。]
………ん
[右の手で自らの喉を抑える。声を上げすぎたせいではない。
渇くのだ―――とても。
気分を問われ、相応しい言葉が見付からずに緩く微笑む。]
|
―むかしばなし―
[『絢矢くん、後にしてくれたまえよ。 僕には遊んでいる時間なんて勿体無いのです!』
本を読んでとねだられるたびに、彼はそう返した。 笑みもなく、口をヘの字に曲げて。 そして、「人一倍勉強しないと」「陰謀が」などと くどくどくどくど言うのが読書会後の彼だった。
そして、視界の端に周が見えると、ため息混じりにこう呟くのだ。 『しかし、人望は勉強しても得られませんな…』]
(244) 2014/02/09(Sun) 00時頃
|
[明乃進の傍らに、零瑠の様子を見やる。
明乃進だって随分辛そうなのに、と手元の水差しを握る。
口唇を噛み締めて]
……光栄なこと?そんな、
だって、血を吸われたら……あの“家畜”の人みたいに、
[漆黒の少女が笑う、
彼女に縋ろうとしてしまうのは、
年の頃も自分と近く見える少女だからだ。
彼女も吸血鬼であることには変わりないのに]
|
―むかしのおはなし― [>>175 すぱっと言ってしまった後、 直円の激昂したような言葉にぱちくりした。 こわかった、というより、ただただ吃驚したのだ。
直円のこんな様子は始めて見た、 やっぱりあの読書会のせいで直円は変わってしまったのだ、 なんとか言い返さないと、と難しいことを言う直円の言葉を必死にひろった]
……革命が隠されてるって、でも、えっと、 逃げてきてる人、いるじゃない!だから別に隠れてない! それにきっと逃げるくらいだから、そんなにいいことじゃ……
[帝都の内側に住んでた頃、そんな人たちを見てた、 そう確か亡命って言ったはずだ。でも言葉が不意にとまったのは不確かな知識だったから、ではなくて]
直君……、
[方法とかは本当にそれでいいのかな、って思ったけれど、 勉強して努力しなくちゃいけない、っていうのはそうだと思った。]
(245) 2014/02/09(Sun) 00時頃
|
|
わかった。
[全部が納得できたわけじゃなかった、 だから少ししこりは残ったけれど、もう止めなかった。
直円は勉強して努力してえらくなって、 きっとみんなを幸せにしてくれるのだと思ったから*]
(246) 2014/02/09(Sun) 00時頃
|
|
[大腿骨も足首も固定してしまえば無理に動ける、 とても怒られたがただ寝ているだけなんて到底無理で]
子供たちは? あの金色は『本格的に遊ぶのはもう少し先』だと言っていた。
つまりまた、遊びに来る。 遊びという惨殺をしに、な。
時間をかけていられない、対抗できる軍人を増やすべきだ。 『聖水銀』を飲ませるのは早いほうがいい。
万一今回の子供たちで軍にと思うのなら、それこそ。
[その前に自分の怪我を治せとたしなめられてしまう]
(247) 2014/02/09(Sun) 00時頃
|
み、ず………
[蕩けた様な眼差しを、金から首元へと移す。
前に傾いだ身を止めるように腕を引かれ、明之進を見下ろす。
僅かに牙の先を零し。彼の露になっている肌を見ても、何かが違う。]
――あき。生きてる、よ。おれ…。
血を吸われたんじゃ、なくて………
[真弓の持つ水差しを見ても、やはり違う。]
[金は紅へと、悲鳴は艶に。
確かな変化に同じ様に微笑み返す]
喉が、渇くのだろう?
餓えのままに喰らうと良い。
[雛鳥が近寄って来ても
渇きのまま彼に喰らいついても喉の渇きは癒えはしない。
もっとも、それでも面白いとは思っていた。
最初の食事が同じ巣で育った者達と言うのも一興だ。
餓えの命じるままに牙が何を選ぶかを見つめていた]
どう、いうこと…?
[僕らもバケモノになるんだって、そう言った時もうレイにーさんのまえにそいつはいた。
そいつの口から生える牙を目の当たりにして僕はまた目を閉じてしまう。
レイにーさんの悲鳴がやむまでそうしていた。
震える僕を包むベッドの感触は僕がいた世界では味わったことがなくて、ただうっとうしいだけ]
|
―むかしばなし:hands―
[あれ以来、リカルダは周が喧嘩をして帰って来る度に、 他者を傷つける為の手を包み込むように握ってくるようになった。
無碍に振り払うことも出来ず、手が汚れるから、やめとけ、という制止も、彼女にとってはどこ吹く風のよう。 結局根負けして、自分には無い感情だが父親が恋しいのだろうと結論付け、リカルダの好きにさせてやることにした]
……けどさ、リッキィ。 お前も、つくづく物好きなヤツだよな。 俺じゃなくても、寂しいなら、 手を握ってくれる相手は此処ならいくらでもいるだろ。 [その日も黙って小さな手を重ねてくる少女に、不思議そうに尋ねた]
(248) 2014/02/09(Sun) 00時半頃
|
閣下たち……は、「始祖」閣下を頂点とする
『一枚岩』の集団…なのですよね?
[質問の許可が出ようが出まいが、そう発言した。
『一枚岩』というフレーズを発するときは、
ちら、とホリーと名乗る方を眺め、反応を伺った。]
もう……僕たちには、「そうなる」以外の選択肢は。
いや、そもそも「選択する」許可もないのですね。
[目を伏せた。]
[酷くうろたえる様子が滑稽で仕方ない。
視線を孵った雛から離さずに]
牛や豚や鶏や魚を殺すのは蛮行でないと言い切るのか?
お前もまた現実を見れぬ愚者と言う事か?
だが弁えた姿に免じて訊きたい事があるなら訊くが良い。
[答えるかどうかは気分次第だが]
―――…レイにーさん、明にーさんっ
[僕はベッドから降りて二人の近くまで向かう。
急いで駆け寄ろうとしても身体が言うことを聞いてくれない。ぺたりとしゃがみこむ。
その時ふと後ろを振り返って、真っ直ぐ歩けてなかったことに気付く]
|
馬鹿っ、無理して動くなよ…!
…また、来るんだろ。 だったら。おまえだってそれまでに治さなきゃなんねぇだろ、その怪我。
[顔を見に行けば、重症のはずの同僚はやはり早く早くと。>>247 自分の負傷した右腕は棚に上げて、軽く嗜めるも、]
ただ、まぁ… 早い方がいいのは、たしかだよな。
…軍へ志願する声も、ないわけじゃ、ない。
[少し語尾が濁るのは、彼らではなく自分が、まだ決意できていないから。 また、家族を戦場に送りこむ。また、同じことを繰り返すのか…?と。]
(249) 2014/02/09(Sun) 00時半頃
|
……零、……――
[「生きている」、と零瑠は答えた。
だが、直円に言われた時のそれとは違い、
とろりとした声は明之進の表情を緩ませない。
――だって、目の色が違う。
下から顔を覗き込むと、口の中が見えた。]
お言葉ですが!僕は、牛も豚も鶏も魚も食べられませんので。
[主義というか、単なる偏食なのであるが。
言葉を返す様は、いささか申し訳なさそうだ。]
……どうせ、「選択」の自由が認められないのであれば、
「偉い方」の下につきたいものですよ…。
[彼の目には「諦め」の色が広がっている。]
[年少の者たちの方を振り返って、気の抜けた表情を見せた。
その眼差しが物語っている。
「もう抗えないよ。僕はもう 諦めたよ。」
…と。]
[口の中が干からびてしまいそうだ。
頷き、真弓の握る水差しを奪い取り、呷った。
唇を、喉を、水が潤してもそれは表面だけ。]
……ちが、う? どーし、て
[やはり違うのか。]
|
隊長も、言ってたしなぁ…
[少し前、子どもらが目覚める前に、檜江に言われたことを思い出す。>>#1]
もし、守護部隊への入隊を希望する奴がいるなら、 …できるだけ傍で、支えてやりたいんだ。 一応、さ。…家族みたいな、もんだから。
[苦笑しながら頬を掻きつつ、]
聖水銀とかその辺、ジャニスの方が上手いこと説明できる気がするんだわ。 …そこ、任せても大丈夫か?
[だから早く回復しろ、と言外に込めて、頼み込む。]
(250) 2014/02/09(Sun) 00時半頃
|
水?水ならここに……、
[ 明乃進の覗くものはここからは見えない。
だから、水がほしいのかと差し出そうとして、
――何故か言葉を失ったような明乃進に気をとられた]
明くん……?
[何度か見てきたから知っている。弱い息、目元が僅かに赤く見えるのは明之進に熱がある証拠だ。
表情を変えぬ彼の、その唇に濡れた牙を当てようと身を屈める。]
水で足りない身体になってしまっているようね。
おめでとう。
[そう、これで家畜から同じ吸血鬼への道を歩みだしたのだ。
これは祝福されてしかるべきだろう。]
あっ、……、
[いきなり水差しを奪われた、
零瑠のこんな乱暴な様子はみたことがなくて]
ちがう……?
[その言葉に水を求めたのに、
喉首をさしだした女性のことを思い出す]
っ、明くん……!
[その手を引いて、
咄嗟に零瑠から遠ざけようとして、
けれど自分の手はきっと届かない]
ほう。安心しろ。これからも牛も豚も鶏も魚も食べる必要は無い。
[問われた内容に喉を震わせた。
雛でありながら、難しい言葉を使い、
権謀の一端を齧ろうとさえするようで]
小賢しい。
だがお前は這い蹲って必死に縋ろうとする様が私を楽しませる。
そう簡単に傍に寄れると思うな。
[近寄りたくても近寄れずに足掻けば良い。
その小賢しい頭で失脚を謀ろうとするなら、
それも退屈しのぎになるだろう。
ちらり、ホリーに視線を投げれば、意図は伝わるだろうか]
[熱を持った背中が痛む。多分、無理に動いて傷に響いた。
自分では見えぬ傷口が開いて、血が滲む図を想像する。
水を干しても潤わないと言う零瑠。
諦観してこちらを振り返る直円。
柊は鬼を刺す木だという――]
……零瑠君、
痛く、ない?
[年長の零瑠には何度も看病されていた。
頭を撫でる手も、安心させる笑顔も知っている。
微かに首を傾げて尋ねた。]
|
―そして、現在・病室:hands―
[安吾と面会したあと、少し仮眠を取るつもりが本格的に眠ってしまったらしい。
懐かしい夢を見ていた。
目を覚ませば陽は疾うに暮れ、病室にも夜の帳が降りていた。身体の痛みは残っているが、動けないほどではない。
目尻に涙が滲んでいることに気付き、ベッドに横たわったまま右手で擦ろうとして、リカルダはあのとき、自分の問いかけ>>248に何と答えたんだっけかと――そんなことが気になった]
――……。
[今、傷つき血の滲むこの手に、重なる小さな手はない。
ああ、寂しいな――ほたり、止められない涙が落ちた*]
(251) 2014/02/09(Sun) 00時半頃
|
[水で潤う事の無い渇きに苛まれ、
同じ巣の雛の唇に近付く同胞に目を細める]
水では渇きは癒えぬ。
[渇きの背を押す様に、ヒントを与える様に自らの中指に牙を立てた。
切裂かれた皮膚から溢れる血は、嘗て雛鳥の意識を奪う
切欠になるものだったかもしれない。
だが変化した今は。
血の色は、香りは、どう作用するのだろう]
〜〜〜〜!?めめめ、滅相もございません!
どど、どうかお許しを閣下!!
[ひっ、と怯えたような表情を浮かべた後、土下座を敢行する。
靴を舐めろといわれたら、もうそれは舐めにかかりそうな勢いで。
諦めの境地か、長いものに巻かれたのか。]
(……あぁ、どっちに進んでも「地獄」、なのか)
[土下座の姿勢で、零瑠と明之進の様子を見ている。
マユミのように止めに入ろうとはもはやしなかった。
その目からは、完全に「抗おう」という気骨は消えていたから。]
[零瑠から離れない明乃進に、
どうすればいいのか、助けを求めるように見やって、
けれど気づけば直円は――]
直くん……?!
[彼は一体何をしてるのだろう、
口をぽかんと開けて見つめてしまった]
[横合いから、真弓に呼ばれる声がした。
だがそちらを振り向けなかった。
零瑠が零瑠のままでいる、しるしを何処かに探している。
鬼でなければ痛くない。
革色の瞳も、あかく刺してしまわないで済む。
もし、彼が痛むそぶりを見せたなら、
自分はすぐに彼から離れないといけない。
そうしたら二度と触ってはいけない。
けれど、鬼じゃなかったら。
血を怖がる家族が自分にしてくれたように、
頭を撫でたって、大丈夫だと手を繋いであげたって]
……っ、ぅ。
[僕のいる場所からではレイにーさんの眼の色が変わっているのを見て取れない。
でもにーさんは「生きてる」って言った。
だいじょうぶ? 僕は「よかった」って言っていいの?
僕は何が起こっているのか理解が追い付かない。
だからにーさんやねーさんに助けを求める。
リーにーさん。マユミねーさん。それから直にーさんと順々に。
直にーさんはさっきから金髪のあいつと難しい話をしているけどもしかして……]
めっそうも、…?
[やっぱりなんのことか分からない。
地面に手をついてるにしては声の調子は元気そうだし]
[トルドヴィンの視線を受け。
目の前の相手を自分の方へと引き寄せるようにした。
そして口の端からは牙が覗いていたのだった。]
お父様の祝福ではなく。
このあたしが祝福を与えるとしましょうか。
土下座などおよしなさい?
貴方はこれから、搾取し喰らう側に回るのだから。
[土下座した相手を無理矢理引き起こして自分の近くに引き寄せる。]
それとも、見苦しいからってさっさと殺して欲しい?
[明之進の背に回した指先が、服に染みた何かを捉える。
僅かに紅色に染まった中指。
牙は痛くないわけではなかった。だから正直に]
……始めだけ
[と告げる。春風に乗って届く桜花よりも甘い香りがした。
唇が触れ合い、牙の先が僅かに刺さる。
息を吸う様に細管を通り口内に広がる味は――血で。
一層の渇きを招くだけ。]
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― サミュエル ― [多磨の川の向こう――今は多魔の川と呼ばれているけれど、 そこに住んでいた頃は世間知らずで、大人しい子供だった。
そもそもここには同じ年の女の子がいなかったのが原因だ。 小さい子たちは遠慮なくぶつかってくるし、 男の子たちも小さい子たちと似たようなものだった。 ――結果、本性が露になったのだろう。
一月違いの誕生日の男の子。 サミュエルは最初はあまり話さない子だった。 あまり聞きなれない言葉遣いに、 率直に何度も聞き返してしまったせいかもしれない。
話すようになった切欠はわからない。 真弓にとっての認識は本当にいつの間にか、だったのだ。 なんとなく隣にいて、なんとなく話してて、寒い日の洗濯物干しが大変とか、綺麗な包み紙で小さい子に折鶴を折ってあげたとか、どうでもいいことに相槌をうってくれた。
一緒にお使いに行って、荷物は半分ずつだった。 本当はサミュエルが半分より少し多く持っていてくれていたことを知らない]
(252) 2014/02/09(Sun) 01時頃
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あとな、これ、ちょっと相談なんだが…
[ジャニスの顔色を窺うように、悩みながら告げる。]
…行方不明の奴らのこと。 連れ去られた後は、だいたい喰われるか、 ――下僕に、させられるか、だ。
でも、あいつらが無事だと信じてる奴が、それを救いたいって言うのが多くてさ。 だから、希望を持たせてやりたいんだ。
…その、つまり。まだ、伝えたくない。 俺は、甘いかな…?
[冷静な同輩は何を思うだろうか。
この事実を伝えれば、子どもらは少しでも早く家族を救いたいと言い出すだろう。 時間をかけて軍人に育て、万全の状態で次に臨もうとするのなら、 今これを伝えるべきでない、そう考えてくれるだろうか。]
(253) 2014/02/09(Sun) 01時頃
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[見つめている先があることを、 気づかれてしまっていることを知らない。 小さな優しさや、小さな寂しさのあることを知らない。
ただ、何気ない日常が変わっていく寂しさは感じていた。 一緒にいられなくなっていく、同じことが出来なくなっていく。 それを強く感じさせるのがサミュエルだ。 半分ずつだったはずの荷物は、3分の1になってしまった。
身長だって今までほとんど変わらなかったのに、 いつの間にか少し、自分より大きくなっていた。
あの橋の向こうを見つめる回数が増えたのは、きっとそのせい*]
(254) 2014/02/09(Sun) 01時頃
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[まだ幼さの残る自分の感情が、今これ以上彼らを傷つけたくないと、真実から目を背けている。
世の残酷さを知ってしまった大人の自分が、いつか掴む勝利の為に隠すのだと、打算的に囁いてくる。
…どちらも本音なのだ。 経験上、知っている。
知らなければ、悩むことも、傷付くこともない。 その後に、事実を知って手酷いしっぺ返しを喰らうことも。
あの日。 友が下僕吸血鬼に成り果ててしまったのだと、知らなかったからこそ。 ――自分は。斬ることに全く、躊躇がなかったのだから。]*
(255) 2014/02/09(Sun) 01時頃
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―現在・守護部隊養成所―
[傷が癒えるのを待って、ようやく訓練に参加する許可が下りた。
腕っ節には自信があったが、実戦を潜りぬけてきた隊員達にしてみれば周の実戦経験など、ガキの喧嘩のそれでしかない。 さんざっぱら殴られ蹴られして鍛えられる日々の中、少しづつ戦い方を身に付けていった。
時間を見つけては養成所の寮の裏庭の片隅で、独り撃剣の稽古をするのが日課になっていた。 的打ちと、歩法の修練を、ただ丹念に繰り返す。
あのときと――孤児院が火に包まれたあの日とは違い、殺意も怒りも衝動は裡に秘めて。 金色の鬼を討つ為の剣を練り上げていく]
(256) 2014/02/09(Sun) 01時頃
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[――平気だよ、と、優しい声が欲しかった。
部屋に降る雨はそこに有りて無き希望の]
――ッう!
[僅かだが、唇を噛み刺された。
傷という単純な刺激には、単純に生物としての苦痛を示す。
駄目だ。もう――駄目なんだ。
ようやく、手に拒むための力を、未練がましい弱さを込めた。
背に回った指が傷に圧を掛ける。]
[零瑠が明乃進を捕らえる、
漆黒の少女が直円を捕らえる。
何が起こるかは、わかってしまった。
しゃがみこんだままのリカルダと視線が合う]
リカちゃん……、
[彼女の傍に歩み寄る、
適うのなら抱きしめてその目にこれから映るものを、
どうにか見ずに済ませてあげたかった。]
ふふ、普通に殺してくれ、と言って。
それを素直に受け入れてくれる、そんな手合いには
どう転んでも。僕には見えない。
[引き起こされて、諦めのまなざしをホリーに向ける。
零瑠の様子を見てだ。完全に「屈服した」のだ。
もう抵抗も何もない。]
マユミくん……これはもう逆らえないよ。
無理だ。話せばわかる相手でも、僕たちの力が及ぶ相手でもないよ。
ごめんな、僕はもう「すべてを受け入れる」ことにするよ。
孤児院を襲ったこと、僕は決して許せないけれど。
まず 「死にたくない」 んだ。
[唖然としたように見るマユミに。]
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─ いつかの、庭園 ─
『屋敷の外に出てはいけないよ菖蒲。
外には人を喰らう鬼が──棲んでいるのだからね。』
[艶のある低い声のその人は、 着物よりも洋装を好む幼子を膝の上に座らせ、 皐月から文月に掛けての数ヶ月間 庭園のそちこちを彩る菖蒲を見ながら、 童女の髪を撫でてそんなことを言った。
物心つく前から言い聞かせられて来た文句は 考えるより先に身に沁みて。
故に──。 童女は生まれてこの方一歩も屋敷の外へ出たことはなく、 それを疑問に思うことさえなかった。]
(257) 2014/02/09(Sun) 01時半頃
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[実際──。 屋敷のあった場所は、その当時既に吸血鬼の支配下にあり 屋敷の外で、人はみな吸血鬼に怯えながら 家畜同然の暮らしに甘んじていた。
そんな区域にあって、広い庭園を抱えるお屋敷だけは、 まるでそこが異空間であるかのように、 主と、その妻と、使用人達だけを竹垣の内側に抱え、 外の惨状から彼らを遠く隔てて在った。
童女が産まれた時、お屋敷に他の児童は住んでおらず、 かつて住んでいた胡桃色の髪の少年の話は、 時折父の口から断片的に語られるのを聞くのみ。
童女にとって『兄』とは、 現実味の伴わないお話の中の存在であると同時に、 淡く──それでいて尽きることのない、 幼い憧憬の対象でもあった。*]
(258) 2014/02/09(Sun) 01時半頃
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ケガは治す、けれども。 寝ているだけなのも。
[安吾とて怪我をしている、ほかの隊員も然り。 生きていただけ良い方だったのだとも聞かされた、 だからこそ]
家族、な。 私もそれに、混ぜてもらっても良いだろうか。
[>>250子供達のケアの方が恐らく大変だろう、 それを任せたままにしているのも申し訳ない]
説明、なあ。私がして良いのなら。
[その為に治せと励まされた気がした。 本当にこいつは、と漸くこわばっていた物が解けてゆく]
(259) 2014/02/09(Sun) 01時半頃
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―ある日―
[『柊』はどんな冬か。>>243 絵本を開き、吹雪の絵を見せた。 こんなものが来たら、鬼でなくとも逃げてしまいそうだけど。
――と、前置きした上で、棘の話をした。 雨の日に『おかあさん』の所に行こうとしていた明之進に。 きっと何処にも行けないのだと、憶測は口に出せなかった。 手にしていたものを見て、自分も懐刀を大事にしていると鞘を見せたこともあった。
別の、代わりのものを探せるようになれば良いと思って、色々と質問を投げ掛けていた成果であろう。]
人間には痛くないよ。鬼じゃないんだし。 だから、大丈夫。
[表情が崩せないかと髪をやや乱雑に撫でた後、脇腹を擽ったのは昔のこと。 何故、そんな事を気遣わしげに問うのか。当時は分からなかった。**]
(260) 2014/02/09(Sun) 01時半頃
|
[口付けの様に突き刺さった牙と、喉の動きに
拍手を送るべきかと迷ったが、今更片腕が無い事を思い出し
忌々しげに息を吐いた]
初の食事の感想を聞きたいところだが。
今はまだ完全ではない。
今のお前の喉を潤すのは、これだけだ。
[まだ乾きを訴えているだろうその鼻先に、
紅の雫を纏わせた中指を差し出した]
これを呑んでからもう一度喰らうと良い。
世界が変わる。
[――今も。
明之進の問うた意味の、どれ程が零瑠に伝わっていたかは分からない。
未だ人と鬼の狭間に居る雛に、刺さる棘の傷みは『始めだけ』。
こうして家族に牙を見せても。
リカルダの、引き留めるような声に振り向けずに居るのも。
―――抗えずに居るのも。]
|
何だ、相談とは。
[安吾なのに珍しいとベッドで目を瞬かせる。 誂うような口調が出かけるが、堪えて]
そう、だな。 しかしその希望を、打ち砕かれることもある。 殺されていたほうがマシだったと感じることもある。
吸血鬼にされているならなおさら、 彼らに殺し合いをさせることになる。 優しさと甘さはちがう。 知っているほう、知らないほう。 安吾ならどちらが良かったと思っている?
[自分にはその選択すらも、なかった。 安吾のように慮ってくれる人も、無いまま ある意味愚直なまでに凶暴な真実を全て曝け出された]
(261) 2014/02/09(Sun) 01時半頃
|
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[強くなりたいと。 伸ばした手が、届くように強くなりたいと。
そう願うだけでは強くなれない。 怪我は殆どしていない。 だからこそ余計に焦って。早く強くなりたくて。
気持ちだけが急いてしまっていた。]
(262) 2014/02/09(Sun) 01時半頃
|
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―回想・周について―
[周の声を聞いて、使途不明の微笑とともに頷く。>>241 ここに来たばかりの頃、周は怖そうな子だったが、 つい最近、外の子供が円たちに悪さをするのを 追い払ってくれたのだと、人づてに聞いていた。
ただ、手はこっそり巾着を包み隠そうとしていたりする。 続きの言葉に、動きを止めて彼を見つめた]
……袋。
[手の中の巾着を見下ろす。 多分、訂正された。この場合はお母さんの事である。 くるりと向こうへ行く背中に、きゅっと裾を掴む。]
(263) 2014/02/09(Sun) 01時半頃
|
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周君は、お母さんが、いない……の?
[父は知らなかったが、母はとても優しかったから、 ――少年の記憶ではそうだったから、 周が母を知らない事はとても寂しいと思った。
そうした内面の思いはいつも表れない顔であった。 外の子供には気味が悪いと陰口される無色の笑み。
周も外から来たばかりだから、同じように感じるだろうか。 しかし、同じ孤児院の家族には好かれたいとも思った。]
お母、さんはね、優しくて、頭を撫でてくれる、よ。 ここに、住んでいる皆と……同じ、温かいんだよ。
[結果、周の頭を撫でようと試みた。 身長差で可哀想な事になったのは否めない。*]
(264) 2014/02/09(Sun) 01時半頃
|
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「私もそれに、混ぜてもらっても良いだろうか。」>>259
[かけられた言葉に、きょとんと問いかけるような視線。 合点がいけば、あははと笑う。]
何を今さら! 俺にとっちゃ、ジャニスも大切な家族だよ。
そんで。 これから軍に上がるあいつらにとっても、それは同じことだ。 …お互い、顔知らない仲でもねぇしな。
おまえみたいな頼りがいのある姉さん持てて、あいつらは幸せだぜ。
[にっと笑ったまま、頼んだぞ、と拳を軽く突き出す。 これほどまでに信頼の置ける家族が他にいるだろうか。 ――きっとみんなもすぐに懐く。 こういうとき、女はいいよなぁと、どこか暢気に考えていた]
(265) 2014/02/09(Sun) 01時半頃
|
[目視に入る赤雫は、夢の続きを見ている様。
親から餌を与えられるまま、その中指を口に含む。
金平糖よりも羊羮よりも。
甘いあまい、味がした。
強く吸い、傷口へと舌を這わせ。]
―――も、足り…
落胤 明之進は、メモを貼った。
2014/02/09(Sun) 02時頃
[水を飲んでも、生えた牙が血を啜っても、この渇きを満たしてはくれなかったのに。
どうかしてる! 叫ぶような理性すら注ぎ込まれた力が捩じ伏せようとする。]
とる……とる、ど……さ
[縋る様に囀り、指の先を辿って左の肩口に噛み付いた。
腋下から腕を回して縋り付き、渇きを潤す甘美な味に伏せた睫毛と喉を震わせる。]
なにするつもり…?
[黒い髪したあいつの仲間(だろう)が直にーさんに危害を加えようとしている……?
慌てても何しても大声なんて出なくて、僕の声は僕自身でも分かるくらいに薄っぺらで頼りない]
マユミねーさん、僕たち……、どうなっちゃうの…
[僕はマユミねーさんにぐったりと寄りかかる。
少なくとも死ぬことはないって、それだけはわかってた。
だけど死ななくても何か大事なものを失えばもう駄目になるって、
その時の僕は分かってなかったんだろうね。
死にたくないという“願い”にすがるだけじゃ、僕はみんなの“希望”にはなれなかったってことを]
―――… 僕だって、…死にたくない。
[僕はただ生きることを望んだ。
それが、生かされることを望む返事と同じ意味になるなんて考えもしないで**]
|
な、何故そんなに笑う。
[>>265思わぬ反応に、動揺した]
それなら、ええと。嬉しい。
姉に、私はまた姉になれるだろうか。
[姉と同い年の安吾、弟と同じ年になる子供達もいる。 あの時失ったものをまだどこかで求めている そんな弱さはほかの誰にも見せることはできないまま]
期待に答えて吸血鬼を殲滅できるよう、尽力しよう。 そのために厳しくするのも厭わない。
[突き出された拳に、拳を重ね合わせた。 姉というよりは、鬼教官になる可能性の方が強い]
(266) 2014/02/09(Sun) 02時頃
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|
[直前まで笑っていても、相談となれば真剣そのもの。]
…わからない。 わかんねぇんだ、どっちが良かったのか。
[やはり物の見えている友人の言葉は自分とは違っていて。>>261 逆に問われて狼狽える。]
知らなかったからこそ、アレと対峙しても冷静でいられた。 …でも。同時に、知りたかったとも、思う。
[決意を秘めた子どもらの眸を思い出して。 これを伝えても、彼らの気持ちは変わらないだろうとは思いつつ。]
(267) 2014/02/09(Sun) 02時頃
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|
[周たちのように、「外」で喧嘩していたわけではない。 本気で殴り合いをしたことも殆どなかった。
喧嘩をしても、所詮子ども同士。 手が出てしまうこともあったが、怪我をさせたことも稀だった。 喧嘩をするよりも、一緒に遊ぶことの方が楽しくて。
ぼんやりと見ているだけだった明之進>>195が、一緒に遊ぶようになった時は嬉しかったのを覚えている。 それが、一緒に買い物に行った時のことがきっかけになっていたとは、覚えていなかったけれど。 皆と一緒に過ごして、遊んで、眠るのが。 どんなに幸せなことだったか、今ではよく分かる。]
(268) 2014/02/09(Sun) 02時頃
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|
――じゃあ。もう少し。 もう少しだけ、待ちたい。今すぐでなく。
俺も、それまでに考えたい。どちらが彼らのためになるのか。
[守護隊員として、成長していく過程で。 それは自然と明るみに出ることだろうから、その時まで。
正しい答えは見えていたはずなのに、結論を先延ばしにしようとした自分を、ジャニスは叱咤するだろうか。 反対にあえば、自分の軟弱さや愚かさを呪いながら、それに従おうとするだろう。
…傷はまだ、癒えていない。 冷静に向き合えない自分に気付かされてしまった。]*
(269) 2014/02/09(Sun) 02時頃
|
[飴玉を頬張る様に指を舐める雛を
まさに親鳥の様に見つめていると、雛は囀りながら
牙を向けた]
たっぷりと呑むと良い。
お前の初めての食事だ。
[早々無いが肌を刺す牙と奪われる体液に昂揚してくる。
新しく生まれた同胞の存在に細胞の一片まで
喜んでいるようだった]
ようこそ、支配者の世界へ。
[どれだけ雛は啜っていたか。
満たされた様子を見せれば、その頭を撫でながら
身体を引き離す。
まだ雛達は残っている]
……直くん!
[寄りかかるリカルダを抱きしめながら、
その諦めた宣言のような言葉を聞いた。
どうして、と眉根を寄せる。
死にたくない、という言葉、
もちろんその意味はわかる、けれど]
直くん……、直くんは、
みんなのためにえらくなりたかったんじゃ、なかったの……
[それは単純な自己保身に聞こえて、
だからそうだと信じていた彼の姿を問う。
土下座なんて、そんな姿を見たくなかったのだ]
|
―事件後の孤児院にて―
[キャロライナと、同行を望む者がいればその子らと共に、 すっかり焼け落ちて様相の変化した孤児院を訪れる。 ゆっくりと、施設の周囲を正面から裏手へ、ぐるりと一周。]
「国は僕たちを護ってくれますよね?」 「…安全を保障してくれますよね?」 「…ねぇ、ねぇねぇ?!」>>0:404
[大丈夫だ、護ってやる。と、狼狽する直円の背を叩いたのはこの辺りだったか。 あの後、この正面玄関では、ジャニスと檜江隊長、始祖らが対峙していたという。]
(270) 2014/02/09(Sun) 02時頃
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[あの時、傍をすり抜けようとした円を制止していれば、>>0:426 咄嗟にその耳を塞いでやれたなら、どんなに良かっただろう。>>0:429
扉から離れることもできずにただ震えるあの子>>0:435を置いて、自分は外へと飛び出したのだ。 ジャニスも、傍にいてやれと言ってくれたのに>>0:415。
反射的に駆けていってしまったから、ジャニスから話を聞くまで知らなかった。
あの後、自分が閉めた扉の傍に、まだ円が動けずにいたこと。 それを蹴破って”始祖”が現れたこと。>>0:449>>0:454 外からの通報を受けて隊長がその場に駆け付けたことも>>0:@6。]
(271) 2014/02/09(Sun) 02時頃
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―回想・襲撃のあった日―
[駆ける。元凶は外にいる。 少しでも早く対処しようと玄関から飛び出せば、思っていたより多くの吸血鬼に囲まれていて。
苗刀を抜刀しつつ、咄嗟に飛び出してきた”雑魚”を斬り捨てた。 斬ることに最早抵抗はない。…柄を握れば、冷徹さが顔を覗かせる。
次々と襲い来る敵を薙いでいれば、屋根に油を撒いて逃げる集団を見つけ、>>0:443>>0:449]
…待て!やめろ!
[制止したところで、彼らが止めるはずがない。 ――絶対外には出るな、と。>>0:409 安吾の言葉を信じた子らが、中に留まっているのならば、]
くっそ、この…!
おい、誰か手伝ってくれ! 中にまだ子ども達がいるんだ!
(272) 2014/02/09(Sun) 02時頃
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[周囲の隊員を引き連れ、施設内へ戻ろうと。
斬りながら移動したため、今は裏口の方が近い。 勝手口を蹴破って中へと踏み込むと、そこには既に吸血鬼の影。>>39
幼子を腕に抱いたまま、斬り裂かれる明之進の姿が、そこにあった。>>54]
明…!
[…咄嗟に理解する。彼を助けている暇はない。>>72 近くで呆然とする子らを引き連れて逃げようとするも、その場に留まり厭々と首を振り続ける絢矢に困って、無理矢理リカルダと繋いでいた手を引き離す。>>64
自ら絢矢を脇に抱えて>>79、リカルダを隣の隊員に預け。 涼平の手を引き駆け出すも、振り向けばその隊員とリカルダは吸血鬼の手に落ちていた。>>92
他の吸血鬼に押され、こちらの隊員も既に多くの死者を出していて。 苦渋の決断――踏みつけられ、絢矢の名を叫ぶリカルダに>>91、]
リッキィ!必ず戻る…!待ってろ!
(273) 2014/02/09(Sun) 02時頃
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[聞こえたかどうかは、わからない。 一声叫んで背を向け、絢矢と涼平だけでも救おうと。
強く手を引けば、抵抗するように暴れる涼平。 こちらの方が力があるとはいえ、13の男子相手では少々辛い。 咄嗟に手刀を落とし>>81、肩に担ぎあげて走る。
途中で襲われ、庇いきれずに右腕を大きく負傷するも、 どうにか勝手口から転がり出たのだった。]
[外で待機していた救護班に二人を託して、ようやく中へと戻るも。 既に明之進、リカルダの姿はそこにはなく――
そして。 たしかに勝手口を通ったはずなのに、 そこで気絶した零瑠>>22と、許しを乞い続けた直円>>26に会うことはなかった。
…当時の自分は、知るはずもなかった。彼らがとっくに攫われていたなどとは。]*
(274) 2014/02/09(Sun) 02時頃
|
[明之進の背の、傷口に沈まんとする指は止まっていた。
自ら離せないのは、世界を変える為ではない。
迷子にならないように。居なくならないように。
安心出来るように。
繋いだ手を、触れた指を離さないのは―――…
零瑠にとっての『日常』だからだ。]
|
『とうさま、どうしても──お外へゆくの?』
[童女が四歳になって間もなく、 『父』は急に屋敷を出ると言い出して、 童女と、使用人達を驚かせた。
座敷で出立の支度を整える父の背に、 童女が投げた問い。
父は答えた。]
『待っておいで。 あや、お前に兄を連れて来てやる』
[童女は不安げに菫色を揺らし、 しかし何処かしら期待の篭った眼差しで、 一振りの刀を携えて屋敷を出てゆく父の背を見送った。
そして──。 それきり二度と、父が屋敷に戻って来ることはなかった。*]
(275) 2014/02/09(Sun) 02時頃
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|
『お前のせいね──あや』
[父が旅立ってひと月あまりが経った頃、 戻らぬ父を待って母と庭を眺める童女に、母が言った。
紅の引かれた美しい朱唇から、 零れ落ちる言の葉は毒花のように芳しく、 童女の髪を梳る母の細い指先が柔肌に甘く爪を立てても、 童女は小さく──痛いよかあさま、と溢すのみで、 その行いに、何らの疑心も芽生えることはなかった。
───母が屋敷から姿を消したのは、その数日後。
それから季節を三つ跨いだ春の夜。 母は、父の首を携えて屋敷へと帰る。
その日まで、 童女は二人の親がいっぺんに離れて行ってしまった悲しみに 泣き濡れて過ごす日々を送ることになる。*]
(276) 2014/02/09(Sun) 02時頃
|
[とりあえずは……直円もいろいろあって
「仲間入り」を果たしたのであろう。ともかくも。]
はぁっ……はぁっ………えっ、何これ。
かか、身体が。身体が嘘のように滾っている!?
はっは!嘘みたい!これすごぃぃぃぃい!!
これが「第二の生」の幕開けなのか!?
[零瑠とは対照的に。身体能力が今までとは段違い、
あくまでも「人間」比で桁違いに良くなっていることに、
充実感を思わせる驚きを見せている。だが、やはり―]
ああ、僕も同じだ。僕も―……乾く!
[牙をのぞかせた。マユミの方を眺めながら。]
死んだら、偉くも何もないじゃあないかマユミくん。
逃れられないなら、「こっち」でのし上がればいい。
許し難いことだけど 僕は 「強く」 はないんだ…。
[そして次に牙を向けたのは幼子の目を隠す少女の背]
優しく気丈な振舞い。
そこの小賢しい雛とは違うお前が、あれよりもえらくなると良い。
[土下座をする雛の姿に声をあげる少女を
そのまま抱きしめる様に右腕で捕えて、
最初の雛と同じように牙を立てた]
|
そう、だろうね。
[でなければ安吾は包み隠さず子供たちに伝えてしまう、 そんな予感さえあって]
私にも、どちらが良いかわからない。 子供達全てに、言うのではなく性格を見て 伝える伝え無いを決めても良いかもしれないが。
徹底出来るかどうかはともかく、 いずれは知ることだ。
安吾が言わないというのであれば、私は黙ろう。 しかし彼らが聞きに来るのならばそれは、 話してしまおうと思う。良いかな?
[その事に気づくものがいれば、だけど]
(277) 2014/02/09(Sun) 02時頃
|
|
―むかしのおはなし―
[――もしかして私も喧嘩を売られるのかな?
>>234 彼が自分の顔をまじまじと見た時に、 そう思ったのは、>>131気絶してた彼を交代で看病したからだ。 どっちが見ている時に目が覚めるかな、なんて話してた相手は誰だったか。結果、彼の目覚めを見ることは無かったけど、彼がどうしてこうなったかその経緯はもちろん聞いていた。
看病の間、寝顔を見ていたせいか、 その少しきつい眼差しもあまり怖いと思わなかった]
(278) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
|
ん…ン――
[全身に始祖の血が巡る悦に、脳が焼かれそうだ。初めての食事は最高の食事でもあった。]
…ぷ、は ――――― ぁ
[頭を撫でる手に、肌から離れた唇が満足げに幸せそうに弧を描く。
引き離されたことで牙が肉から抜かれた。
夢中で求めていたせいで、赤子の様にトルドヴィンの肌と己の口元を、そして白の服の胸元を紅く汚して居たことに気付いたのは、二つ穴から新しい血が溢れて零れるのを見た後で。
視界に入る紅色。
同時に零瑠は意識を手離した。*]
|
[彼が来た頃には、もう今の自分と殆ど変わりが無かった。 つまり、町の子に絡まれたら加減もわからず言い返してた。 それはきっと危なっかしく見えてただろう、けれど]
……え、別に大丈夫なのに。
[自覚は無かった]
でも折角だから一緒に行きましょう。よろしくね。
[その頃にはもう、 彼は年下さんたちからの絶大な信頼を受けていたから。 “ヒーロー”くんにはもちろん興味があったのだ]
(279) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
|
|
[なのだけど、吃驚するくらい会話が続かなかった。 ――これはもしかして、嫌われているのかもしれない。
話題として気絶してるの看病してあげた。 というのもあったけれどそれはさすがに言えなかった。 むしろ、こちらが喧嘩を売ることになってしまう。
>>236 足音の他に、小さなため息も混ざった]
(280) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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[雛が牙を立てた首筋からは固まり切らぬまま血が流れ
力を注がれた少女を誘う]
お前が持ってきた水で癒えるかどうか試すと良い。
[雛を見れば、その喉の渇きを癒す方法は知れるだろう。
何より理性を越えた餓えが身体を動かす衝動となる。
衝動を止めた時に変わった己を自覚した少女は何を思うのか。
そして自分を守る様に傍にいてくれた姉の様な少女の変化を
間近で見る事になる少女もまた何を思うのだろうか。
嘆いても蔑んでも、辿る道は同じなのだが]
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― 孤児院のある日:雨 ―
[僕は嫌な顔ひとつしないで頷く。>>207 手伝いながら雨の音を存分に聞くんだ……。ここで窓を開けっぱなすわけにはいかないし]
僕のお願い事はね、………ぇと、
[外は雨のせいで青く霞んだように見えてて、 僕らがいる中では『希望』の文字が、黒いインクみたいなので雨の音よりも静かに書かれていった。 ふたつの漢字が書き終わる頃に口を開いて]
アヤと一緒に遊びに行くの。…外で。
…………僕だけじゃ足りないってこと?
(281) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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[鬼ごっこの時以来、アヤはいっそう外に出たがらなくなったから。 僕が願うだけじゃずっと叶わないのかな。 アヤとふたりでならどこにでも行ける気がするのに。
涙をこぼしたみたいに雨の雫が落ちた紙を持って、書く順番を覚えるまでもう一回、もう一回、って。
そのたびに『希望』って書かれた紙が増えていった**]
(282) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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―むかしばなし―
[明之進の前から立ち去ろうとすると、服の裾を引かれて制止される。振り返れば無色の笑み。
内面を窺うことすら出来ない不思議な貌を見せる、明之進という少年に少なからぬ興味を覚え、母の喪失>>241を問われれば、今更隠すこともないので包み隠さず話した] 生きてんだかどうだか、 もう、それすら分かりゃしねえだろうな。 お袋代わりに面倒見てくれたのは何人もいたけど、 本物の母親ってェわけじゃないからな。 [だから、明之進の口する感覚は実感したことがない。
娼婦達は周を可愛がってくれたが、あれは息子ではなく、捨てられた犬猫の仔の面倒を見るような心情ではなかったかと思う。 それでも、彼女達への感謝は変わらないのだが]
(283) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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[基礎のきの字も知らない為、訓練は基本から教わった。 基本的な身のこなし方、それから身の守り方。
誰かが守ってくれていた、子どもではなくなった。 自分の身は自分が守る。 そんな簡単なことができなくて、誰のことを守れるというのだろう。 そう自分に言い聞かせて。 伸ばす手の届く範囲が少しでも広くなるようにと、訓練を続けていた。]
(284) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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[彼がふと足を止めたのは、 自分のため息が聞こえたせいだろうか。
頼まれていやいや来てくれたのかもしれない、とか。 やっぱりヒーローくん律儀なんだな、とか、 そうならそうでちゃんと断ったのに、とか。 いやでも、嫌われる理由はあったかな?とか。
ぐるぐるしてたので、すっかり悲壮感漂う顔になっていた。 それで彼はきっと吃驚したのだろう、と思う。 ――逆光なんて、背負ってる側からはわからなかったのだ]
……周くん、わたしのこと嫌い?
[問いかけは思いつめてのものだったが、 彼にはきっと少年たちに絡まれるよりずっと唐突な災難だっただろう*]
(285) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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温かい、か。 俺にはよくわからんなぁ――
[>>264腕組みをし首を傾げる周の頭に、明之進の手が伸ばされるが、身長差のせいでその手はぺたり、額を叩くことになる。
最初彼が何をしたいのか、全く理解できなかったが 懸命に手を伸ばす様子に何事かを察し、膝を屈める]
……お前なぁ、男はどう頑張ったってお袋にはなれねえぞ。
[そう口にするが、頭を無心に撫で続ける明之進の貌を見て、知らず口元が緩んだ*]
(286) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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[離れた零瑠が始祖の吸血鬼に取り縋り、
あれほど忌避した血を貪る様を見ているしか出来ず、
直円とリカルダの心が折れる音も聞いた。]
真弓ちゃ……
[始祖が少女達の元に向かう。
振り返って、もう動くだけの気力がなかった。
傍らの家族は手を離さない。]
……零瑠君。 とげだから、駄目だよ。
[自分で告げて、使途不明の笑みに涙が滲んだ。
絵本で見た、笠や蓑に吹き付ける雪を払うように、
小さく体を揺すった]
[切欠となった残る雛鳥に噛み付いても良かった。
だがあれはホリーと対峙していた1羽と縁がありそうだった。
それならば、もし再会する機会があるのなら。
ホリーと眷属として再会させてやろうと考えていた。
名を知らずとも本能で、鬼を祓う柊を避けたのかもしれなかった。
それと同時に、弱々しく見えるこの男と、
守られる幼子を前線に送りだしたかった。
火力としては不足に見える2人に無様に殺される家畜達は
見物だろう。
何処までも家畜からすれば、吸血鬼は悪趣味な思考しか
持ち得なかった]
[どうなるのかというリカルダの問いに、答えることはできなかった。出来なかった姿こそがもっとも雄弁な答えになったかもしれない。
その優美な影に抗うことも出来なかった。
――リカルダを守らなければ、
思ったときにはもうその腕に捕らわれていた。
咄嗟にのけぞる様に逃げようとしてしまったのは、
その青く脈の浮かぶ喉首を簡単に差し出す結果になっただけ。
――喉の薄い皮膚の上を、黄金が擽っていく。
感じたのは冷たい熱、痛みよりも激しく鋭く貫かれるような、
仰ぎ見た天井、灰色の眼差しにうつるそれが曇る]
……いやっ、っ、 ぁ 、
[震えて、跳ねたからだが冷えていく。
流れ出していくものはなんだったのだろう]
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[「聖水銀」の話は、いつ聞いたのだったか。 怖いとは思わなかった。 それが必要ならば、拒否するはずもない。
早く、早くと思い、与えられた量よりも多く飲もうとしたこともある。 それを実行する前に止められたが。
分かっていても、気持ちばかりが焦っていた。]
(287) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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[ぐずぐずと手の甲で涙を拭く。
零瑠はやはり血を見た所為か倒れてしまった。
手を伸ばしかけ、踏み止まる。触れてはいけない。]
……、……
[家族に手が届かないことが、
この短い日にちで何度あっただろうか――]
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─ 帝都守護部隊隊員養成所・寝室 ─
[目覚めた少女の胸を占めるのは、哀痛と悔恨。 夢現に入り交じる喪失感に、 天井を見上げる少女の瞳は脆く揺れた。
けれど──少女は奥歯を噛み締め、 濡れた瞳が乾くまでそうしていると、 やがて立ち上がり、寝台を下りて部屋を出た。]
(288) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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― ゆ め ―
[寒さで目を覚ます。まだ夜だから寝ていないといけないのに、瞼を下ろしても眠気はやってこなかった。 懐を押さえて懐剣の在るを確かめてから身を起こす。
布団から出て一歩。足の裏から伝わる畳の冷たさに身を抱いた。 吐き出す息は白く、火鉢に残る僅かな熱を蝋燭に移して明かりを作る。障子と雨戸を開けた庭もまた、一面真白く眩かった。
桜の枝は白を乗せて重みでしなり、雪の塊を落とす。夜闇の中、はらはらと降る白雪は桜花のようで美しい。心奪われ、淡い炎が消えるまで縁側に座って見ていた。
猫のような泣き声が聞こえ、男児はその方を見遣る。新しい母の腹は大きくなっていたが、産まれるには早い。だからあれは秋に使用人の一人が産んだ赤子の泣き声。]
(289) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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[医者の見立てでは女の子だという。妹が出来るのだ。男児は『兄』になるのだ。
名前は『菖蒲』。男でも女でも『あやめ』。腹の上から何度も呼び掛けた。耳を押し付けて鼓動を聞き、腹越しに蹴られたこともあった。
赤みの強い紫色を思い描き、視線を庭に戻す。 春になったら―――…今度は花を植えようと思った。誕生日祝いに、名前の花を。]
(290) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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[首を振る、いやいや、と幼子のするように。
冷え切った体が、沸き起こる衝動のままに、熱を求めている。
まず視覚が鮮明な緋色を捕らえた。
それから嗅覚が酩酊を伴う甘さを感じた。
ふるえる指は自ずと自らを捕らえるものの首筋をつたう、
緋色の一筋に触れようとする、指を握りこんで]
……いや……、
[試せばよいと口にする者に首を振る、
水ではないことは本能が伝える、どうすれば癒えるのかもわかる。
――そういう存在になりかけている。
急速にもたらされる乾きに呼吸が酷く浅くなる。
耐えなければいけないと思うのに、そのことしか考えられなくなる]
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[――けれど。
女童が生まれる前に、 男児の姿は屋敷から消えていた。**]
(291) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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―むかしばなし―
ふ、へ?
[真弓の唐突な問い>>285に不意を突かれたせいで、情けない声が零れた]
な、何言ってんだ、お前 ……って。
[逆光の眩しさに細めた目に映るのは、悲壮感漂う真弓の貌。 自分の態度が彼女の気を損ねるどころか、ひどく傷つけてしまったらしいことに気付き狼狽する]
(292) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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違うって! 別に、お前のことが嫌いとか、そんなんじゃねえって! どっちかって、言うと――好みの顔だし…… そうじゃねえ! 何言ってんだ、俺は。
……兎に角だ。お前を嫌ってるとか、そんなことねえよ。
[「わたしのこと嫌い?」と擦れっ枯らしの娼婦にからかわれることはあったが、自分と近い年頃の娘にこんな悲しげな貌で問われるなど、初めての経験だ。
焦りを隠せずに一息に*捲くし立てた*]
(293) 2014/02/09(Sun) 03時頃
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[血塗れた服は洗いもせずに部屋に丸めて置いてある。 洗うか捨てると言うのを、少女が拒んだからだった。
代わりに支給された服は、 動きやすい綿のズボンと上着。
それでも痩せぎすの少女にはぶかぶかすぎるそれを ベルトでかなりウエストを絞って履いていた。
円はまだ病室にいて、 怪我の治療に専念している。 けれどそろそろ、 こちらの部屋に移って来るだろうとも聞いていた。]
(294) 2014/02/09(Sun) 03時頃
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[零れた涙が頬をぬらす、
嗚咽交じりに喉が震えれば、尚乾く。
どうして縋るようにその黄金を見つめてしまうのだろう、
その一筋の緋色が酷く優しいものに思えてくる、
惧れも嫌悪も抱く必要などない気がしてくる。
――ちがう、
行動はけれど裏腹だった、
細い指はその緋色をなぞる、
また腕に巻かれたままの包帯まで伝い汚れた。
涙は止まらないのに、
うっとりと陶酔するように微笑んでしまう。
もたらされる高揚は、悲しいほどなのに]
[慈悲を請う様に縋りついて、口唇を寄せる。
差し出された小さな舌はその緋色の筋をなぞりあげた。
夢中になってその血を吸い上げたあと、残るものは――]
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なあ、周。 組み手の相手、してくれないか?
[ある日、訓練が終わった後に周へと頼んだ。 彼が裏庭の片隅で独り稽古をしている>>256と知ったからだ。
武器を持っての訓練はまだ拙い。 技術的にもまだまだではあるが、少しでも強くなりたかった。 技術のない者の自主練よりも、誰かと組んだ方がずっと良い。 そう思って頼んだが、周にとっては迷惑だったろうか。]
(295) 2014/02/09(Sun) 03時頃
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[病室の看護師から聞いた、隊員の部屋の前。 少女は笑まぬ瞳を扉に据え、 身長に見合った随分低い位置を、拳で二度叩いた。
そこは──ジャニス・ハイムゼートの部屋だった。]
(296) 2014/02/09(Sun) 03時頃
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わた……、ボクを、隊員にしてください。
[中に招かれ、問うような瞳を向けるジャニスに 開口一番少女は言った。
菫色は怒りも悲しみも顕にはしていなかったが、 真っ直ぐにジャニスを見上げる眼差しだけは 何を問われても揺らぐことなく 頑なに、同じ言葉を繰り返した。]
ボクを守護部隊の仲間に加えて下さい。
[少女に守護部隊の話をしたのは病室にいた看護師の一人。 円も、理解出来たかはわからないが、 少女と共に、話だけは聞いていただろう。
望めば、部隊員として鍛えてくれるという話。 詳しい話は、隊員に直接聞け──と。]
(297) 2014/02/09(Sun) 03時頃
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涙を零す程嬉しいのか?
[やはり嬉しくて意識を手放した雛鳥をちらり見遣ってから]
私の祝杯を受取るが良い。
そうやって喉を鳴らして獲物を屠れ。
[涙と嗚咽の意味を少女が望まぬ方に捻じ曲げ笑う。
悲しげに笑う少女を美しいと目を細め、雛と同じく落涙に
指を伸ばして拭ってやった]
[始祖による誕生日祝いは、零瑠に鮮血の花を齎した。
次に目を覚ましたとき、鏡に映る瞳から革色が消えていた。
腹が減っても用意されるのはパンでも白米でもなく、血。
目前で人間の首から採取される様を見て、零瑠はまた気を失った。]
嫌だ!
[首を振り、頑なに食事を拒んだ時もあった。
あんなに血がだめだったのに。
今ではそれが『生きる』為に必要だなんて。]
さて、後はどうする。仲間達の餌にでもなるか?
[ホリーが直円を眷属に変えた事を確かめ、喉を潤した
少女が我に返った頃、残る3人に問い掛ける。
選択肢が無いのは判り切っているからこそ、余裕の体で
1つしかない道を選ぶのを待っていた**]
[直円を「仲間入り」させた後。
その落差に少しだけ苦笑を見せていた。
人の姿としては、こんな事はいくらでもあるのだろうけれど。]
……そうね、こちら側でのしあがるのを楽しみにしているわ。
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―回想・零瑠について―
[帝都は雪が少ない方だから、吹雪の絵に震え上がった。>>260 けれど、この一面の雪も、春になったらすっかり解けて 水になって花が咲くのだという。
零瑠が見せてくれた細い棒に、これは何かと尋ねたら これが春に咲く桜だと教えてくれた。 母と暮らしていた頃、出かけた時に遠目にした 薄紅色のもくもくしたものとは違う気がしたが、 彼が言うなら、そうなのだろう。 大事にしていると聞いて、近しい気持ちが湧いた。]
……大丈夫。
[ほっと息をついたら、髪をくしゃくしゃと撫でられた。 それから、擽られたら珍しく悲鳴を上げてのたうった。 子供特有のしなやかな体は妙な方向に反ったり捩ったり、 顔も、笑みがひきつれて妙な事になっていた。*]
(298) 2014/02/09(Sun) 03時半頃
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[安吾でなくジャニスを選んだのは。
安吾は──優しい安吾は、自分の願いを断るかもしれない。 そう、幼心に考えたからだった。
少女の決意は変わらない。 力を蓄え、二度と大切な人の手を離さないために──]
何でもする。 強くなれるならボクは───…、
何にでも、なる。**
(299) 2014/02/09(Sun) 03時半頃
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―回想・リカルダと零瑠について―
…………あめ。
[部屋の中に降っていた。>>207>>282 幾度も書いて散らされた『希望』の二文字。 右手と左手に一枚ずつ拾った。どちらが書いたか解る。]
僕、これ、……好きだな。
[感情ない顔で呟いて、両方の紙を大事に重ねた。 丁寧に畳んでしまっておくつもりだった。 駄目だと言われたら――諦めるけど
きっとそれも炎の渦に消えた。*]
(300) 2014/02/09(Sun) 03時半頃
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[―――なら、死んだ方が良い!
……とは言えなかった。
吸血鬼たちを、人間たちを見たら、そんなこと。]
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―事件後の孤児院―
[ぐるり、一周すれば護れなかった子ども達の姿が脳裏に浮かび。 また、自分の無力さを思い知る。
理依や周と組手の練習を重ねた裏庭>>193。 教えたことはすぐに吸収する子らに、教える方もやたら熱心になってしまって。
幼いリカルダに頼まれて教えた”漢字”。>>0:257 彼女の名前は洋名だったから、調子に乗って『梨花琉雫』などと難解な充て字を勝手に考えたりして。 難しい、妙なことを吹きこむなと養母に叱られてみたり。
自分が頻繁に顔を出せなくなってからは、零瑠に後を頼んだのだった。
…あんな平和な日常は、今はもう、その影すら存在しない。]
(301) 2014/02/09(Sun) 03時半頃
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刺だから駄目って、なに?
明に触ったら駄目なの?
……どうして、明は、前みたいに俺の頭を撫でなくなったんだ?
[新しく生まれ変わった日の事を、後日明之進に問うことは出来ただろうか。
あの雨の日、傘は手離さなかったが、彼の手はそのままだった。気を失ってからの事を、見ていた子がこそりと教えてくれたのだ。]
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[本当?と何度も聞く真弓相手に>>0:368、守護部隊で軍服を支給されたことを自慢したのは何処の誰だったか。 吸血鬼は俺が倒すと豪語したあの言葉の、なんと軽いことだろう。
そんなに血を見たくないならこれでも被っておけと笑いながら手渡した学生帽。 自分のお下がりとなるけれど、ないよりマシだろと零瑠に放って。 俺が守護隊員になった暁には、血なんて見なくて済むようにしてやる――それがこのありさまだ。]
(302) 2014/02/09(Sun) 03時半頃
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…んで? おまえは何やってんの。こんなところで。
[…玄関口に転がる、物言わぬ黒衣の塊を、じっと見降ろして。 それは、あの時咄嗟に斬り捨てた”雑魚”吸血鬼>>272。
隊員や子どもらの遺体は運び出しが済んではいたが、 まだいくらか、吸血鬼らの焼け焦げたそれは残っていた。
火に焼かれボロボロになったそのフードを、そっと捲り上げて、]
………。
[特に表情を変えることなく元に戻し、腰を上げた。]
おーい、そろそろ帰るぞー。
[辺りに散っていた子らを呼び集めて、帰還を促す。 何も、変わりはしない。普段通り。 ――ただ一本、腰に差した苗刀が増えたことを除けば。]*
(303) 2014/02/09(Sun) 03時半頃
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…………家族に
[悠然と投げかけられた声に、遅く反応した。
傷ついた口の中に、気持ち悪い味がしている。
永遠という言葉を聞いた時、
――斃れるまで敷かれた道をゆくだけの景色は
脳裏に結ばれていたのだから]
家族にさわれないのは、――いやです。
[そして、頭を垂れた。
従属の証とは少し違う。体力の限界を超えたのだった。]
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…ありがとな。
[情けなく笑いながら、ジャニスの言葉>>277に頷く。 正直なところ、安堵していた――すぐに伝えなくて済む、そのことに。
子ども達の手前、強がってはみたものの。 実際に友を斬ったばかりとあっては、なかなか伝えるという決断は辛いものがあったから。]
あぁ、おまえの言う通りでいいと思う。 聞いてくる奴がいれば、包み隠さず打ち明けよう。 あいつらがどう成長するかによって、話すかどうか決めるのも。
…それでいい。今は、それで。
[自分が追いつくのを待ってくれている、そんな優しさがあるような気がして、 この背を押してくれた家族に感謝して、またいつものように笑ってみせた。]**
(304) 2014/02/09(Sun) 04時頃
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[ハンガーストライキも長くはもたない。
そんな時は、家族に、あるいは始祖に頼る事になる。
ゆるゆると時が流れていくうちに、
流血で倒れる事は無くなった。**]
[涙を拭う指の感触に目を細める、
始祖――わが身を支配する絶対的なこの血の源、
漆黒の少女が彼女を父と呼ぶ理由がわかる。
己にとっても、新たなる父に相違なかった。
その指に安堵する、
その指に嫌悪する、
そして矛盾し相反する敬愛と憎悪とを、
少女は内に飼い続けることに、なる]
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―むかしばなし― [>>292 予想していたのとは大分ちがった反応が返ってきた。 たしかに、ふへ? とした表現できないような声を聞いて、きょとんとした。――しているところに、まくし立てられた。]
えっ、顔がなに? えっ、そうじゃない?
[ふへ、の衝撃となにやらまくし立てられる焦燥に、 問い返す隙は無いまま、結論がそれは明快に提示された。]
そうなの?よかった……、 周くん、ほら、年少さんたちのヒーローだし、 嫌われてたらどうしようって心配になっちゃった。
[悲壮な顔はどこへやら、ぱっと花の咲いたように微笑った。 それから今度は微笑とは違う笑みが零れて、くすりと笑う。]
(305) 2014/02/09(Sun) 04時頃
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ふへ は、 みんなには内緒にしてあげるね。
[手当てをした来たばかりの頃もよく覚えていたから、 そんなふうに気の抜けた所が見られて、嬉しかったのだ。 それからよりいっそう遠慮がなくなることになる。
やっぱりそれも、彼には災難だっただろうけれど**]
(306) 2014/02/09(Sun) 04時頃
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―訓練所―
さぁ、今日も行くぞ! 一番最初に、俺に膝着かせる奴は誰だ?
周か?それともサミィか? 負けてらんねぇよな、キャロル!涼平! 歳下の絢矢や円だって、これだけできるもんなぁ!
[或いは白兵戦、或いは武器を構えて。 厳しい訓練を毎日、彼らに課していく。
――あの残酷な戦場で。 少しでも、彼らが生き残れるように。 僅かでも、彼らの望みが叶うように。
こうして努力すればいつか報われる、 …そんな日を、俺も信じていたから。]**
(307) 2014/02/09(Sun) 04時頃
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― 試練 ― [それは、突然だった。
いつものように、与えられた「聖水銀」を飲んだ。 その時は何も変わらなかったと思う。
部屋に戻り、寝台へと潜り込んだ。 訓練で疲れた身体。 直ぐに眠りが訪れると思っていた。 いつものように。]
(308) 2014/02/09(Sun) 04時頃
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う゛あぁぁああぁ……ッ
[呻く声が、部屋に響いた。 同室のサミュエルは其処に居ただろうか。
彼は既に試練を経験していたか。 もし経験していたなら、何が起きているか直ぐに分かっただろうし、経験していなくとも察することはできたかもしれない。
全身の血が焼けるように熱く、内側から焼かれるような感覚。 息をするのがやっとで、縋るようにシーツを掴む。]
サ、ミュ、
[助けを求めるように、同室者の名を呼ぶ。]
(309) 2014/02/09(Sun) 04時頃
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[熱い。熱い。熱い。 焼けるような痛みに、気が狂いそうになって。
それでも。]
僕、は、
[こんなところで死ぬわけにはいかない。]
(310) 2014/02/09(Sun) 04時頃
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[人参を押し付けあっていたあの日を思い出す。
何故か人参に親近感があるのだと。 人参が苦手だった零瑠には、こっそり言ったことを彼は覚えているだろうか。
結局食べていなかったリカルダにも、それを教えていたら食べてくれていただろうか。
一緒におつかいに行って以来、一緒に遊ぶようになった明之進。 また一緒におつかいに行こうと約束していた。今度は迷わないようにと思っていたんだっけ。
そうだ、直円に「陰謀」とはどういう意味なのかまだ聞いていない。]
(311) 2014/02/09(Sun) 04時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2014/02/09(Sun) 04時頃
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[まだ理依から、あの手品のような技を教わっていない。 怪我をした時手当てしてくれたマユミに、今度お礼をすると言っただけだった。
他にも、まだある。 死にたくない。負けたくない。]
僕は……俺は。
[強く、なりたい。
うわ言のように呻いて。
試練に打ち勝った時。 手にすることになった武器は、長巻。**]
(312) 2014/02/09(Sun) 04時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2014/02/09(Sun) 04時半頃
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[思い出話── 多分1人で窓際でぼ〜っとしてた時。 ふとしたきっかけでアヤやリッキィと女の子の話をしていたのだと思う]
女の子はみーんな可愛いからね。 俺は可愛い子は皆好きだよ。 リッキィもアヤちゃんも可愛いからね。 いつでも歓迎。
[大好きだよ。誰にでもいう。リッキィが女の敵とかなんとか言っていた覚え。 好きなんだからしょうがないじゃないか、とへらへらしていたけど]
なんだいアヤ。どうしたの。
[握られた手をまじまじと見る。 なでられた感触が優しくて、自然、顔が綻んだ]
(313) 2014/02/09(Sun) 07時頃
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[多分、自分のいう「大好き」の意味を分かってくれたんだろうか。 特別を作りたくないけれど、もう誰かと離れるのもいやだ。 あんな思いをしたくないと暗に作った壁だ。
離してしまった小さな手。 もし、まだ離すことがなかったら、同じ位だったはずだ。 少しだけ握り返して、またいつものへらへら顔。 けれど次の言葉を伝えた時、目尻は少し下がっていた]
ありがとうね。
(314) 2014/02/09(Sun) 07時頃
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[回想 周と。 彼が入ってきて、そう時間がたたないうち。 多分、隙を狙われて、気付かぬうちにその目的が違う方向に達成された後だろう>>131頃
一度、練習と称して喧嘩まがいの殴り合いをしたことがある。 体格や力で勿論敵うわけもなかったけれど、スリでの実戦経験でそれなりに上手く立ち会えた。 時間がたつにつれて喧嘩と変わらない様子に周りがなんとか引き止めて引き剥がしたのだ]
っってぇ〜……何お前、凶悪すぎだっつーの…。 それでなんで安吾兄に勝てないんだよウソだろ手抜きだろそれとも頭使ってないだろ。
(315) 2014/02/09(Sun) 07時半頃
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― 周 ―
[周は来た時から、なにか威圧感があった。 周りはすべて敵といったような空気があったように自分は思う。
これを言ったら、周は怒るだろう。 しかし、例えるならば、あれだ。
猿山のサル…]
――……周、飯はちゃんどはやぐ来て、食え。 それど、後片付け、手伝いやがれ。
[そんな周の威圧感になんとなく圧倒されている連中の中で、 サミュエルがそれでも対等であろうとした理由はとくにない。 ただ、猿山のサルボスみたいだなぁ、と思ったけれど、コイツはサルじゃない。そう思っただけだ。
そんな自分や、リーに対して、周が襲撃をかけようとしていたことは知らない。 かけられてたら、まず敵わないだろうから、それなりにまた見方は変わっていたかもしれないが]
(316) 2014/02/09(Sun) 07時半頃
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― そして、5年後の養成所現在 ―
このタコ。 訓練すっぞ
[養成所同期で、やっぱり強いと感じるのは周だ。 だから、訓練相手にはきっと引っ張りだこだろう。
それは自分も同じくで、 モッテモテの周に、差し向けるのは、先に邪悪な切っ先がついた九節鞭。]
今日こそ縛ってやる。
[自身、背は高くなった。きっと周と変わらない。 ただ、痩せぎすなことは認める。 けれど、どれだけ訓練しても足りないことはない。
ホリー・ニルヴァーナに届くまで*]
(317) 2014/02/09(Sun) 07時半頃
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…なぁ。なんでそんな腕っ節つよいのさ。 何の必要があって?
[その後、部屋に遊びにいってもちかけた他愛のない話。 その時、話した自分の過去。 頼られることが多かったから、頼れるように見えた周に時々ぽつりと過去話をすることもあった。
変に気遣われるより彼と話しているほうが余程気楽だった。 ある意味サミィよりも過去の話は多く語っていたはずで。
死んだ双子の弟。形見の赤いピアス 自分が離してしまった小さな手、1人生きていること
スリをしていた時はそんな過去も忘れられたけど、 サミィを置き去りにして逃げた後 罪悪感に自殺すら考えかけたこと]
(318) 2014/02/09(Sun) 07時半頃
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― 養成所、幾年か前 ― >>308>>309>>310>>311
[キャロが発現していた時、 すぐに状況がわかったのは、己もそれは体験していたからだ。 だから、暴れだす身体、止めようがないのがわかっている]
――……キャロ、大丈夫だ。 耐えろっ
[同室者の、家族のもがき苦しむ顔。 それはやはりつらいものだったけれど]
(319) 2014/02/09(Sun) 07時半頃
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[トルドヴィンの言葉を聞くと。
一度待つ体勢になっていた。
自分達から道を選ばせようとする父のやり方に、改めて感服するようにしながら。
残った3人のうち、誰をこちら側に引き込めと言われてもいつでも動けるようにはしていたのだった。]
双生児 ホリーは、メモを貼った。
2014/02/09(Sun) 07時半頃
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[そして、苦しそうに伸ばした手をとって、キャロの寝台から彼を出すと、その身体が暴れることで傷つかないように抱きしめた]
――……少しの我慢だべ。 大丈夫。お前は大丈夫だ。
[キャロは自失寸前だっただろう。 よくわかるから、その手や口がもし、自身の身体をえぐっても、離すつもりはない。 やがて、長い夜が明ける頃、
きっと彼は成長したあとの安らかな眠りにつくだろう]
(320) 2014/02/09(Sun) 07時半頃
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[一連の有様を目の当たりにした時、
何もできなかった自分に眩暈がした。
何のために自分からここに来たんだ。
もうあんな思いをしたくないからだ]
選択肢…ありそうでないもんを聞くんだね、アンタ達は。卑怯者。
生きるか死ぬかなら、生きるほうを選ぶに決まってる。
そういうのが面白いなら、いつか同じ目にあえばいいんだ。
その時、俺が逆に笑ってやるから。生きていれば、だけどね
[ホリーのほうを睨んで静かな声で言う]
俺は生きるほうを選ぶよ。だけど、あんたたちが俺を殺したほうがいいって思うなら殺せばいいよ。
俺は裏切るかもしれないからね!
[吸血鬼の掟とかは知らない。裏切れるのかもしらない。
だけど目的も合わせればそれしか選択肢はなかった*]
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― リー ―
[一番親しいと思っているのが、リーだった。 だけれども、本当は、彼が深く思い悩んでいることに気がついてはいない。
置いていかれた過去、 あの時は、それが仕方ない行動であること。 そして、でも、それでも助けてほしかった気持ち。
両方が入り混じった。
でも、再開したとき、 出てきたのは、やはり喜びだったのだ]
(321) 2014/02/09(Sun) 08時頃
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[回想 サミィと
初めて彼を見たとき、その喋り方と細っこい体格とで こいつは囮かな、と直感的に思ったものだ。 他の連中が訝しげな顔をしているのを制して、 ようこそ、とにやにや顔で受け入れた。
他の連中は言っていた。 あんな使えなさそうなやつをなぜ入れるのかと。 だけと]
ここから追い出したらあいつ行き先ねぇだろ? 追い出すならあいつが次の行き先決めてからにしろ。 野垂れ死にたくない俺らが野垂れ死に出すってか?
タレ込むかもしれない?そしたら追い出した俺らが悪いんだよ。
[仲間の不平は耳に入れず、足が速いことを買って後は普通に接していた…つもりだ。 サミィがどう思っていたかは知らないが]
(322) 2014/02/09(Sun) 08時頃
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[孤児院でも、ふらふらと変わりない様子には、 なんだ、こいつは変わんないな、と安堵したりもする。
やっぱり野菜は食わないけれど、 それでも食うように顔をみればやかましくは言っていたから]
――……おまーとはもうあえね、どおもっでただがなぁ?
[ぽろり、何かしらのときにそう漏らした言葉。 彼はどう受け取ったか。 ともかく、 心許してたことは確かだ。
でも、本当はその心の深淵、気づくことはなかったこと、 まだ知ることはない*]
(323) 2014/02/09(Sun) 08時頃
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[その後のこと。軍隊だって殿は一番難しい役割だ。 けれどサミィはいつもそれを上手くこなしてくれていた。
ある時仲間の1人がヘマをして、サミィがとっつかまった時思い出した大きな後悔。 その後自分が捕まるまで、長くはなくて
孤児院で再開した時思わず浮かべたにやにや顔は 初めて会ったときと同じものだった*]
(324) 2014/02/09(Sun) 08時頃
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[回想>>323]
会えないと思ってた? …そうだな。俺も思ってた。
[置き去りをごめん、とはいわなかったしいう必要もなかった。 それが彼の役割なのだから、普通に考えればヘマしたやつが悪い]
会っちまって、わるかったな。
[その時苦笑しながら返した言葉。お互い、含むものがあったかどうか*]
(325) 2014/02/09(Sun) 08時半頃
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[与えられた聖水銀の最初の一杯に 少女は躊躇なく手を伸ばした。
細い、棒きれのような手には 大きすぎるくらいのコップを顔の前まで掲げ]
“ ”
[唇を微かに動かし いつかの──目指す『その日』を思い浮かべ 咲き初める桜のような、淡い笑みを浮かべた。
息を詰めて、満たされた液体を飲み干す。 雫の一滴さえ残さぬように。
これが──少女の見せた、最後の笑み。]
(326) 2014/02/09(Sun) 10時頃
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― 試練 ― [苦痛に悶えてそれでも打ち勝てたのは、負けたくないという思いと、何よりサミュエルの声が聞こえていたから>>319。 その時は意識になかったが、抱き締めてくれている間>>320の言葉は、確実に支えになっていた。 無意識に暴れてその爪がサミュエルの頬を傷つけてしまった。 呻き声が漏れ、堪えるために何処かしら噛んでしまったことも、その時は気付かなくて。
先に経験していたとはいえ、サミュエルがそうしてくれたことを知って感謝した。 彼が傍にいなければ、あの長い夜は終えられたかは分からない。**]
(327) 2014/02/09(Sun) 10時半頃
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>>327
大丈夫だったが?
[朝、目が覚めたなら、ほっぺたに絆創膏をつけた姿で、キャロにオレンジ色のジュースを差し出した。 それが、オレンジジュースでなく、人参ジュースなことは、きっと誰もがもう知っていること]
おまーも、つよがっだんだな。
[聖水銀を少しずつ飲む。 それを決心したとしても、その試練は必ずしも超えられるものではない。 実際、乗り越えられず、冷たくなった者、 試練中に暴走し、飛び降りて命を落としたケースもあると、きいた。
自身もひどかった。 だが、その時、浮かんだのは、あの時の場面。
ホリー・ニルヴァーナとマユミが業火の中で…]
(328) 2014/02/09(Sun) 11時頃
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――……あとは、身体をつくっでいぐだ。 おでも細いけど、おまーもでっがいほうじゃねぇべ。
[実際、キャロの力は想像以上に強かった。 服越しにでも噛み付かれた肩口は、肉が抉りとられそうになっていたけれど、それは見せずに]
がんばっただな。
[試練を乗り越えたものは、決して多くはない**]
(329) 2014/02/09(Sun) 11時頃
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─ 現在・帝都守護部隊隊員養成所 ─
[夜明けを待つ訓練場。 地平線は藍から東雲へと色を変えつつある。
他に人のいない、ガランとした空間に 響く──規則的な風切り音。
空気はまだ蒼い。 吐く息の白さごと空間を真横に切り裂くのは 刃のない訓練用の模擬刀。
それを握る腕は、五年前と較べ、 細くとも靭に伸びた少女の右腕だった。]
(330) 2014/02/09(Sun) 12時半頃
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[左の腕には模擬刀を収めていた白鞘を握り、 規則正しく、淡々と、澄んだ樋鳴りを重ねてゆく。
纏う装束は膝上まで裾を断った小袖。 色は烏羽。
死者を悼む黒に近く──しかし決定的なそれを否定した色合い。
小袖の袖を翻し、少女は只管に空を刻む。]
(331) 2014/02/09(Sun) 12時半頃
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[『聖水銀の試練』の日より、 少女は着物を好んで身に付けるようになった。
あの日──全身を千々に裂かれるような痛みの中で、 少女は幾つかの消し去りたい記憶を取り戻した。
家を出た父の末路。 母の乱心。
────己の犯した、その罪を。
紅に嘗め尽くされ崩れ落ちた孤児院とは違い あの桜と菖蒲の咲き乱れる不可侵の庭園は 今も何処かで穏やかに朽ちているのだろうか。
幼さ故に、断片的な記憶には謎も多いけれど。
少女は──父と母の名と貌と、 兄になる筈だった人の名前を思い出した。]
(332) 2014/02/09(Sun) 12時半頃
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[試練に耐える夜、痛みを感じたのは躰のみならず。 真に引き裂かれそうだったのは心。
四と十一の歳、 己の頬を叩いた血飛沫の温かさが 忘れようにも忘れ得ぬ血汐の腥さが 何度も、繰り返し少女を責め立てた。
同室の少女は、側にいただろうか。 深夜、縋る相手を求めて彷徨い出す手を 少女は己の肩に爪を立てて留め、 枕に顔を埋めて声を殺した。
くぐもった呻き声は時折数名の名を成し 夜明けを前に、遂に震える腕が虚空へ伸びた。
その手は最後、誰かに掴まれたように一度震え、 不意に脱力し、寝台に落ちた。]
(333) 2014/02/09(Sun) 12時半頃
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[この日、枕に吸わせた雫を最後に、
少女の眼から──涙は涸れた。**]
(334) 2014/02/09(Sun) 12時半頃
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優しく弱い雛だな。確かに家族は大切だ。
[巣の雛達に強い意識を持つ言葉を聞くと
大袈裟なほど感動した声を上げて雛の前に立ち、
髪を掴み上げる]
祝福を受ければ全てがお前達の家族となる。
[絶対的な壁は崩れないが]
私の寵愛を受けている間は、多少の我儘は許してやろう。
例えば外で見掛けた家畜を家族にしたいと言うのなら。
お前達の頼み方次第では叶えてやるかもな。
[行方の絶えた巣の雛達と再会したなら。
生きていれば憎悪に燃えているだろう雛達を
更に屈辱の世界に引き込む事も叶えてやろうと]
家族を求めて血に塗れると良い。
[ホリーの傍ならば積極的に狩りに向かい、全身を、
心を紅く染め続けるだろう。
どこまで耐え、どう変わるか楽しみだと控えている
ホリーと視線を交わす]
お前もしっかり学ぶと良い。
[眷属となった少女に庇われていた少女は何と答えたか。
死にたくない
それははっきりと届いていて。
後から何を言おうとも、それを盾にするだろう]
お前も成長が楽しみだな。
外の世界を見て、多くを学ぶと良い。
優しい兄の事も心配だろう?
助けてやると良い。
[人殺しの]
[残酷な笑みと共に、少女から離れれば彼女もまた
項垂れた少年と共にホリーの眷属となる事が決定したのだ]
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[うとうとと微睡んで居たところで扉をノックする音、 >>296どうぞと少女を迎え入れて話を聞いた]
我が部隊では、君の入隊を歓迎する。 よく決意してくれた。
無論厳しい訓練も試練も待ち構えている。 それでも、構わないのだね?
[自らの道を選ぶその決断を、まだ幼い少女にさせる それがどういうことになるか知らない訳ではないが 今はただ、彼女の決意を尊重する]
――何にでも……な。
[少なくとも吸血鬼の餌になる未来はこれで無くなる、 たとえ顔見知り、兄弟、親友、愛する人そのどれもが 吸血鬼になっていたとしても殺せる力を*]
(335) 2014/02/09(Sun) 13時頃
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アヤワスカは、イアン(安吾)の訓練の最中も、表情を変えることはない。
2014/02/09(Sun) 13時頃
[そして最後に最初の切欠を生んだ雛鳥へと向かう。
最初の時も今も。
全て灰塵と化すと判っていても足掻く様に悪態を吐く様子が
たまらなく愉快だった]
元気の良い者は嫌いでは無い。
ただ頭の悪い者は好みでは無いな。
私が斃れる時が来るとでも思っているのか?
有り得んな。
それこそ天から樹が生え、地から雷が沸き上がる程有り得ぬ話。
[戯言を笑みと共に一蹴すると、金に変えた瞳で雛を覗き込む。
本来なら2人に祝福を与えた所で残りはホリーにやるつもりだった。
だが1つ思い立った事に、自らそれを破る事にしたのだ]
勝負に勝ったお前に敬意を表して。
お前と言う家畜は今日死ぬのだ。
そして新たに絶対に殺されない地位を与えてやろう。
[宣言と共に首筋に牙を立てる。
眷属となった者は父が斃れない限り、命に背く事は出来ない。
その上で彼に命じる。
ホリーに付き従い、命に逆らわず仕える事。
ホリーに危害を加える者が現れれば真っ先に守り、戦う事。
そして万一ホリーが斃れたら。
その相手をその手で葬る事。
ホリーの眷属であればホリーが斃れれば支配下から逃れられる。
だが父が違う以上、呪縛は続く]
『残りの雛が是非お前を襲ってくれると楽しいのだが』
[不確定の未来をこんなに待ち望んだのは初めてだと
ホリーに語りかけた時の笑みはそれこそ邪悪そのものだった*]
では新しい家族に祝杯を。
[全てが変わった後、用意された盃が配られる。
満たす紅は幾多の女の血酒。
祝杯を上げた後は、まるで興味を無くしたように踵を返し、
ホリーと他の吸血鬼達に世話を任せたのだった*]
[城には蔵書も遊具も溢れ、部屋も衣装も調度品も、
教育も最高のものが与えられる。
他の吸血鬼達は嫉妬と羨望の矢を突き刺していくが、
彼らの父を思えば穢す言葉1つ漏れてはこない。
ただ無音の視線だけが彼らを刺す日々が続いた。
変化したからと言って最初から狩りが出来る筈も無い。
眷属達に付けられた給仕達は食事の時間の度に
自ら血を流し彼らの空腹を満たそうとする。
拒絶や意識を手放す者も当然いたが、構う事は無かった。
飢餓が頂点に達すれば本能に逆らう事など出来ないのだから]
[諦めてでも進んででも、食事を認める様になった頃から
食事が滞る様になる。
代わりに彼らの周囲に頻繁に家畜が姿を見せた。
屈強では無い少女や子供達。
餓えの中、いつでも襲える家畜を放ち、狩りを促した。
獲物は徐々に変わって行く。
子供や少女から少年、老年に。
青年になればただ逃げるだけの者から武器を持ち、
抵抗する者まで。
ただいずれも城や支配の地の中での狩りの模倣。
それでも時々気紛れに、褒美として血を分けてやったりもした。
煮えた心を抱えて成長していく様は、
家畜があげる断末魔に似て心が躍る**]
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―回想―
――……男の子はいいなあ。
[そう昔のことじゃない。 食堂の椅子に座って、ちらりと理衣を見ながら言ったことがある。 少女が理衣に主張するところを要約すると以下だ。
先日殴り合いの喧嘩(ではないと言ってた気もするが) >>315をしてた二人は、いつの間にか仲良くなっていたし。 サミュエルとだってやっぱりいつもどうりに仲良しで、 言い合いとかしててもなんだか楽しそう。
そしてこんな主張をしたのは、 サミュエルと少し喧嘩したからだということは、 理衣なら気づいていたかもしれない]
(336) 2014/02/09(Sun) 14時半頃
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「二人って仲がいいよね、 ……もしかして昔から知り合い?」
[切欠はサミュエルに向けたそんな言葉だ、 彼の答えをなんだか少し、言葉を濁すような素振りに感じたのだと思う。 ちょうど「女の子だから」を理由に、あれこれ制限され始めた時期だった。
過敏になってたせいで、些細なことで拗ねた。 男のたちだけで秘密を持ってる、仲間はずれにされた。ずるい。 多分、そんな気持ちに振り回されて、もういい、と席を立って、 それからサミュエルとほんのり気まずくなった。
後から反省して謝った、何で拗ねたりしたのか、 それが「さみしさ」のせいだったなんて気づいてなかった*]
(337) 2014/02/09(Sun) 14時半頃
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―むかしのおはなし― [器用だなあ、と思ってた。 その手が生み出すものは綺麗だったり、楽しかったり。 器用でちびちゃんたちの面倒見もよかったキャロライン。 怪我が多かった円は彼によく包帯を巻いてもらってた]
いくらキャロくん器用でも、 自分で手当てするのは難しいものね。
[>>312 彼が小さな怪我をしたのは、ガラスの破片のせいだ。 装飾品作りに使えないかと持ち込まれた、綺麗な蒼い色硝子。 それを拾ってきたのは自分だ、橋の近くにあった廃教会]
(338) 2014/02/09(Sun) 14時半頃
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[木造で壁もはがれてぼろぼろで、 窓も割れてあまり人も近づかない場所だった。
――もうこの町の神様は死んでしまったのだ。
そんな風に思ったのを覚えている。 それでも割れた窓から差し込む光の筋はとても綺麗に、 床に広がる割れて散った色ガラスを照らし出していた。
ステンドグラスは知っていた、何が描かれていたのは知らない。 白い硝子もあったから、その蒼は天使様の衣かもしれないと、 そんな話をキャロラインにした。]
私のせいで怪我したようなものだもの、 お礼なんていいよ。
[そう言って、お礼のことは忘れていたけれど。彼に渡したあの色硝子は何かに生まれ変わることが出来たのだろうか、と。時折、そんなことを思い出す*]
(339) 2014/02/09(Sun) 14時半頃
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―回想・帝都守護部隊養成所―
[入隊が許された頃。 訓練が終われば焦燥と怒りにまかせ、自分を苛むように木刀を振り、精も根も尽き果てては泥のように眠る。
――そんな日々を、ただ繰り返していた]
(340) 2014/02/09(Sun) 15時頃
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[今日も木刀をひたすらに振り回し、やがて体力を使い果たし地に伏す。 既に日は暮れ周囲は昏い。空には白く輝く満月。 月光の下、倒れたまま呼吸を整える周の上に不意に影が過ぎる。
ふと其方へと首を向ければ、いつの間にか傍らにやって来ていたジャニスと視線が交錯した]
(341) 2014/02/09(Sun) 15時頃
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――ハイムゼート教官。 [起き上がろうとすると、ジャニスに手で制される。 だが、さすがに寝たままという訳にもいかず、半身を起こした。 何故、誰にも相談せずに独りで木刀を振るのか。 問われれば]
安吾兄――。 津久居教官……だけじゃなくて、 他の教官にも、面倒かけるわけにいかねえ――いきませんから。 [そんな、殊勝な答えを返す。 孤児院を襲撃した金色の鬼――始祖との戦いで、帝都守護隊は大きな人的損害を受けた。 教官役の隊員は訓練生の世話以外にもするべきことは幾らでもある]
(342) 2014/02/09(Sun) 15時頃
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[答えたのは理由の半分に過ぎない。 だが隠しているつもりのもう半分の理由――焦燥と怒りなど、疾うにジャニスは見抜いているだろう]
――……。
[ジャニスは僅かに考える素振り。 そして、見て覚えろとばかりに剣術の基本となる歩法を示す。
知らしめられるは武の精髄の一端。弱き人間が鬼と戦う為の術。
やってみろ、などと言われるまでもない。 今、目の当たりにした技術を血肉にせんと立ち上がる*]
(343) 2014/02/09(Sun) 15時頃
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―帝都守護部隊養成所―
[訓練終了後、日課の独り稽古を始める。 ジャニスに教えられた歩法を脳裏でなぞり、ゆっくりと型をさらっていく。 一頻り型をさらい、呼吸を整えて水を飲んでいると、稽古が一段落するまで待っていたらしい、キャロライナに声を掛けられた>>295]
組手の稽古? ……ああ、俺は構わないぞ。 [申し出を快諾し、模擬刀を構える。 実戦さながらの訓練を日々行えるのは偏に聖水銀の力によるものだ]
いくぞ。 ――――っ。
[互いに剣を向け合うや否や。裸足の足で地を掴み、蹴る。 撃ち込み、捌き、また撃ち込む。
周の口から零れるのは荒い呼吸の音だけ。 気合も掛け声なく、己の全てを得物の切っ先に込め、キャロライナの動きを全身で捉えようとする*]
(344) 2014/02/09(Sun) 15時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2014/02/09(Sun) 15時頃
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― むかしのはなし:hands ―
……?
[僕はアマネにーさんの手を握ったまま首を傾げる。>>248 物好きってことは僕がやってることは変なのかな。怪我したところに「いたいのいたいのとんでいけー」って言うかわりみたいなものだって思ってたのに。 僕はただ、僕らのために身体を張るアマネにーさんに何かをしてあげたくて――]
……じゃあ、アマネにーさんはさびしい時誰とこうしてるの。
そんなこと言うなら、……行っちゃえばいいんだ。その人のところに。
[僕はアマネにーさんに勝手なことを言ってしまったと気付けない。 くるりと後ろを向いて、駆け込むのはいつも寝ているベッドのある部屋*]
(345) 2014/02/09(Sun) 15時半頃
|
双生児 ホリーは、メモを貼った。
2014/02/09(Sun) 15時半頃
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―回想・サミュエルについて―
[黙って首を横に振ると、食堂に微妙な空気が流れた。 これまで好き嫌いをした事がなかった子供が、 初めて何かを食べる事を拒絶した。
サミュエルが作った野菜が初めて食卓に載った日の事である]
……、……
[態度の変化に、好き嫌いを窘める声よりも なんで? と疑問視する声が多く上がった。 だから言った。]
かわいそう
[小さな畑を手入れして育てた事を知っていた。 知ったから、今まで食べて来たその他の全部が そうやって、誰かが大事にしてきたもののように思えた*]
(346) 2014/02/09(Sun) 15時半頃
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[――だから]
[これは違うと知っている]
[生きるために食べるという行いとあの一夜
決定的に何かが違うと解っている。]
[髪を引っ張られる痛みに顔を顰めた。
刺され、と願った。
願うだけでは何かが足りなかった。]
[――だから、少年が首を縦に振るとすれば、
家族の誰かから説得があった後だった*]
|
−マドカ夢― [マユミに教わりながらリッキィや絢矢、女の子たちで作った色とりどりの衣装をきた子供達。 ふんわりとしたシフォンの布は理衣とサミュエルがどこからか仕入れてきてくれたもの。
手先が器用なキャロライナと明之進が作った銀紙星の飾りを手に持って、直円が作ってくれた台本道理にちょっとしたお芝居を交えて歌う。 周や涼平大きなお兄ちゃんが達がつくってくれた舞台の上で跳ねて。
ほら、零にぃ みてみて!
キャッキャと声を立てながらわらってる幼子 きっときっと零露は喜んでくれる きっと]
(347) 2014/02/09(Sun) 15時半頃
|
|
[だけど
ねぇ、ジョージ気を付けて… デメテルそんなに跳ねたらあぶないよ
だってだって
踊る子供達 ――ぐらぐら揺れてる頭 高くなる歌い声にあわせてくるくると回り出す]
(348) 2014/02/09(Sun) 15時半頃
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|
[――ダメッ!
いつかキャロライナが読んでくれた絵本 壁の上からおちる卵の怪人
間に合わない 間に合わない
ジョージに手を伸ばしたらデメテルの頭が落ちる デメテルの頭を受け取ろうとしたら ハナの顔が地面に落ちる
Humpty Dumpty Humpty Dumpty All the king's horses and all the king's men Couldn't put Humpty together again]
(349) 2014/02/09(Sun) 15時半頃
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[始祖の決定を受け、リカルダと明之進の首筋に牙を立てる。
眷属へと変えて行く血の儀式。
やがて離れれば2人の眼も真紅へと変貌していた。]
こちら側のセカイへようこそ。
歓迎するわ。
[冗談めかしてそう告げると、血酒を掲げる。
ヒトの身体であれば嫌悪感をもたらす様な味は眷属であれば愉しめるであろう。]
|
[届かない、間に合わない 足もとに転がる子供たちの顔 あの時の吸血鬼たちの顔が暗闇に浮かぶ
叫びながら目覚める 恐ろしさと後悔になき声を上げながら]
(350) 2014/02/09(Sun) 15時半頃
|
[やがて、城の中での擬似的な狩りにも彼らが慣れた頃。
ホリーと配下の吸血鬼による新たな“教育”が始まった。
始祖の城の一室で、武器を与えられての戦闘訓練。
それを渋ろうとする者も居るかも知れないと、ホリーは苛烈な教育方法を考案していたのだった。]
|
―むかしばなし―
[>>315理依に格闘の練習をしようと提案されたとき、少し前に企てていた襲撃計画を知られたのかと、僅かに口元が強張る]
――……。
[バツの悪さもあったし、彼の出方も見たかったので、仕方なしに練習と称する殴り合いに付き合うことにしたが 理依の本気ぶりに、やはり計画に気付かれていたのだと確信するも、今更降りるわけにもいかず 最後は本気の殴り合いになってしまった。
孤児院の職員達に引き離され、これからどうしたものかと考えていると、喧嘩も襲撃計画の存在もなかったかのように、理依は気軽に話しかけてくる]
(351) 2014/02/09(Sun) 16時頃
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|
……ったりめえだ、踏んだ場数が違えっての。
[理依の感想に、そう口にはするが、膂力や喧嘩の経験で及ばない分、知恵を使い小技を駆使する彼は、正直なところやりにくい相手だ]
……安吾の野郎は――あの強さはおかしいだろ。 けど、次にやったら、絶対に負けねえ。
それよりも、お前、俺のこと馬鹿だと思ってんだろ。
[実際、馬鹿なのだが]
(352) 2014/02/09(Sun) 16時頃
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[痛み止めと混乱した頭のせいで ぼんやりしてよくわからなかったけど
誰かがずっと手をさすっていてくれた 私が寝付くまでずっと>>123
すこし冷たい指先 だけど触られているとほんのり温かくなる お母さんとか知らないけれど お母さんの手ってもしかしたらこんなのなかって その手がそばにある時だけは 安心した気分になって眠りに落ちた]
(353) 2014/02/09(Sun) 16時頃
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訓練の前にあちらを見て?
[優雅に指差した先には怯えた顔の家畜達。
親子で連れてこられた者たちも多く居たのだった。]
貴方達が真面目にやらなかったり、訓練を失敗したら。
家畜をあたしが殺すわ。
[言い含められていたのか、青い顔で俯く家畜達。
それを横目で見ながら、愉しげにホリーの話は続く。]
貴方達の中には、裏切るかもしれない子も居るし。
目的の為に生きないといけない子も居るのでしょう?
なら、強さは必要だわ。
強さが無いのならば……
[目配せすると、家畜の中でも10歳前後の少女を配下が連れてくる。
そして、その相手を笑いながら日本刀で貫いていた。
最初から彼女を殺すつもりではあったのだけど、貫いてから微笑んで。]
さ、訓練を始めましょうか。
これ以上、家畜の犠牲者が増える前にね?
[首筋を穿たれて、短い悲鳴を上げる。
口の中の自分の血を微かに甘く感じた瞬間、
小さな傷は塞がり、その味は途絶えた。
血の儀式により、人ならざる速度で回復する体となり
心臓に巣食った血統が、従属のために頭を垂れる事を教えた]
[訓練の内容は武器の使い方から、吸血鬼相手の実戦練習にまで至る。
トルドヴィンやホリーの眷属である以上、身体能力はすでに並では無くなっているのだが。それでも、鍛えない事には仕方ないだろうと。
無論、訓練の合間にホリーの不興を買う事もある。
とはいえ、不興を買う度に殺されるのは家畜なのだが。]
―後日―
[命日(と、密かに心の中で呼んだ)から少し経ち、
絶賛絶食中の零瑠に尋ねられて、
独特の間よりも長い、時間があった。
――勿論、答えるかどうかを悩んだのだ]
『柊』は、鬼を刺す……ん、でしょう?
[元の色が黒檀だった故か、直後の血の真紅から、
少し暗い色に落ち着いた瞳を伏せて俯いた。
けれど、結局彼らは眉ひとつ動かさなかった。
髪を掴んだ金の月影も、少年を従僕に仕立てた黒百合も]
|
[そしてまたくりかえす悪夢 燃えていく孤児院の夢 にたにたした吸血鬼の夢 あの時扉の外にいた大きくて怖いものの夢
それでも、どうにか落ち着いた頃には ふっくらした頬は削げ落ち 瞳はぼんやりと昏く陰り まどかの幼さい表情はすっかりと抜け落ちていた]
(354) 2014/02/09(Sun) 16時頃
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[自失の時が過ぎて、皆が新しい誕生を迎える。
明乃進の拒絶、ここにつれてくるのを止められなかったのは自分なのだ。
ただ自分が言える事は、生きてほしい、それだけだ。
祝杯を拒絶しようとして、甘い香に耐え難い飢えを覚える]
[しばらくは飢えと戦うだけの日々が続いた。
皆に会うことも出来なかった、
家族の血をほしいなんて思いたくなかった。
城のすべてを拒絶して、与えられた部屋に閉じこもる。
鍵をかけて拒絶しても食事の時間は、やって来る。
自ら首を傷つけ、血を流す。
かぐわしく甘いそれがどれほど恋しいか。
この給仕たちにはわからないのだ。
必死に押さえ込もうとしているのに、どうして。
――極限まで飢えの達した頃、
今日訪れた給仕は女だった、誕生の日にあった怯えた“家畜”
やめて、と言った、私の前で血を流さないで、と。
けれど女は怯えながらも身を差し出す、
自分を変えようとする、その芳しい香を纏う。
その生贄に罪は無い。けれどはっきりと憎しみを覚えた]
[――ふと気がつけば、
憎しみを覚えた女の姿はどこにも無い。
真っ赤になった自分の腕、
爪の先から足先まで血に塗れていないところはなかった。
――円に巻いてもらった包帯、
怪我はもうないけど身につけていた其れも真っ赤に染まって、
肉片と臓物と、ばらばらになった欠片たち。
血の海の中に、立ち尽くしていた]
[――響き渡る悲鳴は、
別の部屋までも届いたのだろう、誰かが来る足音。
自分の声だったのに、随分遠く聞こえた。
――それが最初の“食事”だった]
|
―名前の話― [7年前まだようやくお箸を使えるようになったくらい頃だった。 習字の筆をぶんぶんと振り回しながら零露から教えてもらったばかりの自分の名前をなんどもなんども広告の紙の裏にくりかえし書いて遊んでいた]
えっ−とね ここは思いっきりはねるーっ
[大胆な筆さばきは自分の顔に墨を跳ねるどころか 読書のついでに子守り番をしていた直円にまで被害をもららす]
うわーっ 直円におひげー おもしろー
[相手が怒ってるかどうかも気にしないで ゲヘヘっと大笑いをして直円を見上げた]
(355) 2014/02/09(Sun) 16時頃
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あれ? 直円にいにの御本にまどかのお名前かいてある? なーんで?
[習ったばかりの円という漢字をみると きょとんとした顔 同じ漢字だと教えてもらえば]
うわーっ すっごい! あやちゃんとまゆちゃんみたい まどか、と直円の名前っておそろなんだね
[絢矢とマユミの名前の由来の話はこっそり聞いていた。 あやの名前は小さな子たちの憧れのマユミと一緒 それがとっても羨ましかったので直円と同じ漢字ということがマドカにはとても嬉しかった]
(356) 2014/02/09(Sun) 16時頃
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―――やっ、 はなしてぇ、
[マユミねーさんの手が僕から離れて金髪のあいつが目の前に姿を現す。
――マユミねーさんを離して!]
…………、 ぁ
[僕は今度こそ悪夢のような光景を最初から見つめることになる。
ただの人間がバケモノに代わってしまう――]
[僕の言葉は聞いてもらえなかったんだね。
じゃあ、アヤのことはいじめないでって何度も、何度も言ったのも全部、ムダだった?
こいつらには最初から聞く気なんてなくって、アヤは今頃もう――
「なら、死んだ方がいい」
そう言われていれば僕はその通りにできたのかな。きっと無理だ。
アヤは助かったって信じたくて。きゅうけつきが怖いのとおんなじくらいにアンゴにーさんとその仲間を信じていて。
ごめんねにーさん、必ず戻るって言ったのにこんなところに来ちゃって。
今頃アヤも他のみんなも助けてくれてるよね……?]
たす、ける……?
[そいつの笑みを見てると寒気がする。僕がきゅうけつきになるのを選んだ後も変わらずに。
なのにその一言が僕の心をとらえて離さない]
……。
[金髪は僕から離れて黒髪が近付いてくる。
迫りくる牙と痛みに、僕は声を殺して耐えた。たった一つの願いでもって。
―――待ってて。今度は、僕がみんなを助けてあげる*]
|
―むかしばなし―
……何故、腕っ節が強いかって? 俺らみたいのは、弱けりゃ死ぬしかねえだろが。
[>>318それから理依とは言葉を交わすことが多くなり、お互いの過去すら語るようになっていた。 いつしか、彼が裡に隠していた罪を打ち明けてきたとき]
……俺もさんざっぱら、ろくでもないことはしてるしな。 その事を悔やむことだって、あるさ。 [窃盗、暴行、恐喝――生きるために悪事に手を染めたこと。 理依とサミュエルを襲撃し、孤児たちを牛耳ろうとしたこと。 理依には全て話したが、とてもリカルダや絢矢たちに話すことなど出来ない]
(357) 2014/02/09(Sun) 16時半頃
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楽になりたいだけなら、とっととサミュエルに懺悔でもなんでもすりゃあいい。 あのお節介焼きは、きっと、それで赦してくれるだろうさ。 ……けどよ、それで、お前は自分を赦せるのか? 本当に後悔してるってんなら、……手前のやったことは、最期まで手前で抱えていくしかねえだろ。
――まぁ、俺も偉そうに言える立場じゃないか。
[思うところを口にし――あぁ、柄でもねェ、と付け加えた*]
(358) 2014/02/09(Sun) 16時半頃
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―名前の話―
直円にいとまどかはきっと何かの縁でむすばれてるんだね
[どちらかというと活発で外で遊ぶ方が好きなマドカにとって、直円正反対の存在だったかもしれない。 リッキィと一緒に本の話を聞いてもほとんど理解できなかったけど。 難しいことを知っている直円は凄いんだと、 同じ漢字を名前に持つ者として誇らしげに見ていた。]
(359) 2014/02/09(Sun) 16時半頃
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―それからの年月―
[一晩で熱も傷も癒えた。
その足で即、城を出た。
どこかでまだ生きているかも知れない家族のために。
その結果が、無表情のまま指を震えさせる現状であった。
城の外にいた人々に石を投げられたのだ。
既に眷属となっている少年を、監視も誰も助けない。
石つぶてで死ぬ筈もなければ不要なまで。
無様に身を縮めて城の中に駆け戻った事で、
脆弱な雛は『家畜以下に怯んで逃げる』という記録を立てた]
|
―子分― [別の意味での特別視 ―周 まどかは周の子分になりたがっていた]
(360) 2014/02/09(Sun) 16時半頃
|
[時間が来る度、傍仕えが血を流す事を首を振って諌めたが、
給仕は命じられた行動をやめる事はなかった。]
……ごめんな、さい。
[受け入れる代わりに、掌を合わせる事をした。
家族の様子を訪ねて回っても真弓には会えない。
与えられる全部が見た事のないもの。
孤児院の暮らしではゆっくりと温かく育まれていた知と情が、
ひどく冷たく急速に注ぎ込まれていった。]
|
―子分― [まどかは外で遊ぶのが好きだった 外に出ても一緒に遊んでくれる友達はいなかったけどそんなのお構いなしでお外に遊びに出かけていた。
あれはいつの事だったかいつもみたいに飛び出していくと、男の子にぶつかった。 後で考えるとまどかがぶつかったんじゃない相手がわざとぶつかってきたのだった。
男の子たちは何が可笑しいのかわからないけれど こちらを見て笑った。だから、まどかも大きな声で笑い返した。 そしたら男の子達の顔はこわばり怖い顔になった。>>167]
(361) 2014/02/09(Sun) 16時半頃
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[ある日、久しく会えなかった家族の悲鳴を聞いた。
いつの間にか、耳は遠く微かな音まで捉えるように、
脚は一息で飛ぶように速くなっていた。
気付かぬ内に、男児の遊びを遠くで見ているだけの
のろまな子供は姿を消している。]
――真、弓ちゃん。真弓ちゃん……?
[扉を叩く。ドアノブを掴んだが鍵が開くかどうか。
微かに漏れ伝う紅の香が、寒気を際立てていた。]
|
―子分― [どうしようって思ったけれど。 あやとリカルダがいつの間にかそばにいて しっかりと私の手を握ってくれたから勇気が出た。 もしお姉ちゃんたちに手を出して来たら戦うってそう決めていた。 きたら頭突きでもかまそうと身構えていた]
(362) 2014/02/09(Sun) 16時半頃
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[給仕が入った時のまま、
錠の降ろされてない扉は簡単に開く]
――……、明く ん ?
[血の洗礼を浴びて立ち尽くす。
ゆっくりと戸口を向いた双眸は緋色――、
不吉な月の色に変じてた。
そこにあるのが“家族”だと認識すれば、
大丈夫、と笑って見せようとして、表情は強張った。
そしてそのまま血の海の中に屑折れる]
|
―子分― [その時にさっそうと現れた周が結局その子達を追い払ってくれた。]
すごい! 周 かっこいい! 周って名前だったよね? 俺が何処の誰か関係ないっていうセリフも ものすごくかっこいいっ!
[まるいほっぺを紅潮させて興奮して周の周りを飛び跳ねる]
ねぇ、子分にして 子分にしてよ!
[それから何度もねだったけど未だ舎弟にはしてくれていない。]
(363) 2014/02/09(Sun) 17時頃
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[くずおれる真弓に駆け寄る。
毛足の長い絨毯がびしゃりと音を立てた。
全身真っ赤の体を支えようと手を伸ばして、
どうしたら良いのか、と戸口を振り返った]
……真弓ちゃん……っ
|
―現在・帝都守護部隊養成所―
おう、来やがれ。
[>>317訓練を挑んできたサミュエルに、不敵な笑みを向ける。
周の得物は雌雄二口の白鞘の日本刀。 匕首は懐に呑んだまま、一尺八寸の長ドスを構える。 対するサミュエルの武器は、凶悪な切っ先もつ九節鞭]
行くぞ――。
[地を蹴り、一筋の矢の如く飛び出す。 振り降ろされる九節鞭を、かわし、距離を詰める。
ジャニスに授けられ、磨き抜いたた歩法は、サミュエルの速さには及ばずとも、変幻自在の動きで九節鞭の的を絞らせない。
自分もサミュエルも――孤児院の仲間達も強くなった。 それでも金色の鬼を討つには、まだ足りない。 だから、周は貪欲に力を求め続けるのだ*]
(364) 2014/02/09(Sun) 17時頃
|
……明くん、
わたし、だめだった……、
[明乃進に支えられ、
問いかけるような眼差しで見上げた。
――どうすればよかったのか。
戸口からはほどなく側仕えの者が訪れるだろう。
こんなことは主にとっては計算済みであろう、
すなわち餓えの反動はより強い衝動となること。
雛はその身を持って、ひとつ、学んだのだ]
|
―お母さん?― [みんなよりも小さかったからか同じ年の子供がいなかったせいかマドカは小さな子たちのリーダーをきどったり、年上の子供たちの間をふらふらとついてまわったりして過ごしていた。]
それなあに?
[大人しい少年が袂から取り出したものに興味を寄せた。あんまり少年が大事そうに見つめていたのでよく見てみたいと思ったのだ。]
ねぇ、なあに? それ綺麗 まどかにみせて
[手でつかもうとすると邪魔された。 小さいからってあややリッキィには割と甘やかされていたから見せてもらえないなんて事があまりなくて、むきになった。 ねぇねぇ、とぴょんぴょんと飛びながら明之進に強請った]
(365) 2014/02/09(Sun) 17時頃
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[緋色の双眸は艶やかな翳りを含んで、泣いて見えた。
自分が与えられる血に後ろめたさを覚えながら
けれど、甘んじている間も、一人で耐えたのだろう。]
……僕は、真弓ちゃん、にも、生きてほしい。
だから、ねえ。
つらかったら、頼って――いいよ。
家族なんだよ……?
サミュエルは、周との戦いに、まゆを寄せた。
2014/02/09(Sun) 17時頃
|
―むかしばなし―
――子分だぁ?
[円のおねだりに、つい、素っ頓狂な声が出てしまった。>>363
気まぐれで街の少年達を叩きのめし、少女達を保護した帰り道。 かっこいい、子分にしてよ、と瞳を輝かせて纏わりつく円に、しっしっと追い払うように手を振る。
三人の少女達はそれぞれ、違うやり方で周を当惑させる。 色街にいた頃、女衒が『女は弱いが弱いからこそ強いし、怖い』と言っていたことを何故か思い出す]
(366) 2014/02/09(Sun) 17時半頃
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俺みたいのに懐いてどうすんだ。 子分になりてえんなら、もっと全うなヤツにねだれ。
[全うなヤツとやらが、少女を子分になどする筈もないのだが]
……あぁ、もう、うるせえな。 少し黙ってろ。 [周囲を飛び跳ね、わいわい騒ぐ円の口に、取って置きの黒飴を放り込む]
おら、帰るぞ。
[彼女が望むなら孤児院への帰り道、空いている右手を差し出すだろう*]
(367) 2014/02/09(Sun) 17時半頃
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[あんまり私がしつこかったせいか 困ったような顔をしてちょっとだけだと巾着を触らせてくれた]
うわぁ…ふんわり柔らかねぇ
[差し出されると今度はなんだか恐れ多くてそっとそっとと気を付けて触る]
これ、何が入ってるの?
[今度は中身に興味を持って、巾着をきゅっっと引っ張りながら、口紐を抑えている明之進の顔を覗き込んだ。]
明にいちゃん?
[泣いてる?>>226 明之進の顔は 困ったような、耐えてるような つらそうな顔にみえたので]
ありがとう、お兄ちゃんの大事なものとっても綺麗ね
[にっこり笑って手を放した]
(368) 2014/02/09(Sun) 17時半頃
|
|
>>364 [九節鞭は、ゆっくりと孤を描く。 それが早くなれば打撃の勢いは増す。 もちろん、訓練は相手をやり込めることではない。 目的は、攻撃を受けないこと、そして、相手を捕獲する動きだ。 その訓練には周がよかった。
だが、サミュエルからすれば、周の戦いは、 少し、眉を寄せるものがある]
――……おい おまー、………。
[言いかけて、止める。 それを人が言ってどうだというのだろう。 代わりにというわけではないが、
刀と鎖がぶつかった時、詰めた間合い、睨みつけていた眼光の光の色がふと、緩んだ]
――……周
(369) 2014/02/09(Sun) 17時半頃
|
|
―お母さん?―
[その後 お袋さんの形見か?>>241―キャロライナに孤児院の床に転がって絵本を読んでもらっていた時だっただろうか―その言葉が耳に飛び込んできた。]
お袋…ってなに?
[キャロライナに聞いてみたらお母さんだって答えを聞いた]
(370) 2014/02/09(Sun) 17時半頃
|
|
あの時のこと、本当に知っでるのは、 ごごでは、お前とおでだけだ。
[周に告げる言葉。 そう、あの金色の吸血鬼、との死の数え鬼。 その時にいたリーと零留は行方不明で]
(371) 2014/02/09(Sun) 17時半頃
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サミュエルは、鎖を押して、周の刀から離れた。
2014/02/09(Sun) 17時半頃
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―お母さん?―
そっか お母さん
[明之進はお母さんに触っているんだ そうか あの幸せなような、哀しいような―泣きそうな顔。 あれってお母さんに触る時の顔なのか
なんとなく納得をした]
(372) 2014/02/09(Sun) 17時半頃
|
明く、ん、
――……ごめん、ね……ごめん、
[震える口唇が、謝罪を紡ぐ。
何に謝っているのか、きっと自身もわかっていなかった。
たとえば彼の服を血で汚してしまった、
この時認識してたのはそのくらいだったけど。
でも、その言葉の本当の意味は、まだ 届いていた。
“家族”という言葉に、
双眸が滲むように揺らぐ。
それはいちばん大切なこと。
――血の穢れを落とすように、と、
側仕えが、引き剥がすようにその身を連れて行く。
明乃進から離されるのに、いや、と首を振っていた]
[豪奢な浴室、流れる湯を穢す赤。
まだなだらかな曲線にそって伝い落ちる。
もちあげた指、尖ったつま先、磨かれた氷のような爪。
鏡を見れば、別人の顔がある。
血の洗礼を浴びて、少女は変わる。
拒んでいた全てを受け入れるようになった。
学ぶことはもともと嫌いではなかった。
けれど知識、立ち居振る舞い、教養作法も
好悪など関係なく、ただひたすらに吸収するだけのものに過ぎなかった。]
|
[>>369長ドスと九節鞭が交錯し、金属音を立てる。 両手に力を込め、そのまま押し込もうとすると、逸らさず睨みつけていたサミュエルの眼光がふと緩む]
……おい、サミュエル。
手前から挑んできたくせに、気合抜いてんじゃねえよ。 それとも、俺相手じゃ物足りないってか?
[周の言葉を無視して、サミュエルが言葉を紡ぐ。 彼が得物を下ろしたので、長ドスを鞘に納めて話に耳を傾ける]
(373) 2014/02/09(Sun) 17時半頃
|
[そして――、
憂いと憎悪と寂しさと恋しさと、
複雑な感情は割れた色硝子のように複雑な色を為し、
成長する少女に繊細な陰影をもたらす。
その緋色の瞳なくとも、
人外の者とわかるような冷たい美しさとして*]
|
あっ!
[突然思い出して床から起きあがる …円のお札どうしたのかな ボロボロだから捨てちゃったかな どんなつもりで捨てたのか どんなつもりでお札を張り付けていたのかわからないけど。 たったひと欠片の繋がり 欲しかったな。
そのあとなんだか涙がポロポロ零れたから キャロライナが困っていた―という記憶]
(374) 2014/02/09(Sun) 17時半頃
|
|
―訓練所―
………誰にも負けねぇよ、勿論安吾兄にもな、っと!!
[毎日毎日、飽きずに安吾へと一番に襲いかかるのは涼平だった。>>307 誰にも負けたくない、強くなりたい。 あの時のように自分の無力を喚くだけでなく、守る力を、倒す力を手に入れたい。 その思いは日に日に強くなっていったものの、体は中々ついてきてくれなかった。 そんな自分に内心舌打ちをしながらも飽きもせずに時には背後から、時には二つの模擬刀を用いて。 それでもきっと、安吾に膝を着かせるどころか、掠り傷一つ付けるのが精一杯。 しかし諦めなかった。諦めるわけには、いかなかった。]
(375) 2014/02/09(Sun) 17時半頃
|
|
―回想・周について―
[伸ばした手は、額に当たる。>>286 苦笑したような周の言葉に、一度は唇を結ぶ]
……で、でも。いつか。
[膝を曲げて貰わなくても手が届くようになるから、 という意味の、文脈上残念な回答をしつつ。 少し緩んだ口元を目敏く見つけて、嬉しかった*]
(376) 2014/02/09(Sun) 17時半頃
|
|
―回想・円について―
[中身を尋ねられて、返答に窮した。>>368 うまい答えでさらりとかわす、なんて芸当は出来ない。
その間、純真な眼がこちらを覗き込んでいるけど、 やがてにっこりと笑ってそれを返してくれた]
ありがと……円は、やさしい。
[ぽんぽんと抱き締めて頬ずりすると、とても温かい。 そう、家族にさわっている感触は、とても*]
(377) 2014/02/09(Sun) 17時半頃
|
|
―夢の中―
[他愛の無い平和な日常。涼平が見たのは焼ける前の孤児院。 まだ幼かった自分とキャロライナが無邪気にはしゃぎ回っている。 場面が切り替わって室内。二人はうっかりあけてしまった小さな穴の前で呆然としていた。 怒られるのが嫌で怖くて、何とかしようとした結果穴を広げてしまい。 それをまた何とかしようとした所で見つかった。 結局二人揃ってしっかり叱られた。]
[再び場面は切り替わり、今度は零瑠と円が共に居た。 自分達の名前を書けるようになりたいと彼に話をした時。 自分と年齢はそこまで離れていないはずなのに、自分に理解できない難しい話をする。>>76 それでも、何とか理解しようと努力して。面白いと感じるより、なんだか綺麗な名前だと思った事を良く覚えている。その時は口には出さずに筆を取ったが。 何度か零瑠から修正を貰い、そのうち確りと書けた自分の名前を掲げて見せた。]
(378) 2014/02/09(Sun) 17時半頃
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|
[視界がぼやけていく。零瑠へと見せたへたっぴの「涼平」と書かれた紙が遠くなっていく。 入れ替わりに見えるのは紅と朱。叫び声、化け物の顔、家族の怯えきった顔。*]
(379) 2014/02/09(Sun) 17時半頃
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[なのに今、真弓の手はひどく冷たい気がする。
謝罪に首を振り、手の甲をさすっていると、
彼女を連れて行こうと、後から人がやってきた]
だめ。
[それを制する自分の声も、どこか冷たい気がした。]
……大丈夫、真弓ちゃん。
いなくなったり、しないよ――大丈夫。
だから、行って、おいで。
[しかし、家族に傾ける時には変わらず温かく。
安心させようと、一度手を握って、湯に向かわせた]
|
―回想・病院―
[勢い良く起き上がると濡れていた目元を拭い髪の毛をぐしゃぐしゃに乱す。 どれも夢じゃない、耳に残っている光景も目に焼き付いている。 リカルダは、明之進は、絢矢は、皆は無事なのだろうか。 深く息をつくと同時にノックの音がする>>217。安吾兄の声がした。]
……いるよ、安吾兄。 なぁ、絢矢は?リッキィは?明之進は?無事なんだよな?
(380) 2014/02/09(Sun) 17時半頃
|
|
[あの時の事を良く思い出せば自分の手を強く引いたのは彼だったはず。 なら、自分が気を失った後の事は一番良く知っているだろうし、安吾なら家族を救ってくれているはず、そう思って聞いた。 しかし期待した答えとは別な言葉が返ってきただろう。 俺の事はどうでも良かったのに、なんでリカルダと明之進を助けてくれなかったんだ、そう叫んだ。
その日は情けない事に一日中泣いた。後悔も沢山した。 俺が絢矢を連れて合流すれば、逃げていればリカルダも、明之進も殺されていなかったかもしれない、と。 このやりきれない気持ちをどこにぶつければ良いのか分からなかった。 結果、力を欲した。倒すため、残った家族を守るため。*]
(381) 2014/02/09(Sun) 17時半頃
|
落胤 明之進は、メモを貼った。
2014/02/09(Sun) 18時頃
|
[距離を引いて、九節鞭は頭上で回しながら、しゃがみ込む]
――……聞いておきたいことがある。 周、おまー、なんのために戦ってる?
[下から見上げるように周に話しかける]
お前、そのお上手な歩法も身にづけで そりゃ、強いだ。 もちろん、おまーにはづよくなってもらわねぇどいけね。 この部隊の誰よりもづよぐなっでもらうつもりではいるだ。
けんど、 おまー、
(382) 2014/02/09(Sun) 18時頃
|
|
今、楽しそうにみえるのは気のだが?
[そして、返事は聞かず、周が言葉に詰まれば、その瞬間に姿を消す**]
(383) 2014/02/09(Sun) 18時頃
|
[給仕から血を差し出されることがなくなり、
周囲に『動く血』が放たれるようになってから、
一時、少年はぴたりと食事をやめた。
狩りやすいと見なされ初めに与えられた子供達を、
決して襲おうとはしなかったのだ。
耐えて、耐えかねて、初めて意志で手に掛けたのは、
いつだったか家族の陰口を叩いていた大人の男だ。
卑怯にも足音を殺して後ろから襲った。
初めて命を選んだその日、意外と呆気なくて
誰にも何も言えなかった]
|
……あぁ、そうだな。
[>>371始まりの夜のことを口にするサミュエルに頷く。 あの夜の怒りは決して消えない焔となって、未だにこの胸の中に燃え続けている]
何の為、だ――? そりゃあ、あの金色をブチ殺す為に決まってるだろうが。
……お前、何が言いたい。 回りくどいのはタチじゃねえだろ。
[しゃがみ込み、言葉を紡ぐサミュエルを睨みつけた]
(384) 2014/02/09(Sun) 18時頃
|
[故に、己の周囲に大人が配されるのは早かった。
体が変わった分、箍になるのは心の方で、
敵意を向けて来る者の方が襲いやすかった。
――故に、己にとって『人間』は、
己と家族に敵意を向けて来る者なのだと、
少しずつ、少しずつ――
染み込んで、そして上達は早かった。]
|
楽しそう――、だと?
……どういう意味だ。
[仲間の思いもかけない言葉に、眸に怒りのいろが浮かぶ。 今の周を形作る根底を、あの夜の真実を知るサミュエルだけは 知ってくれていると――そう思っていた]
俺が遊んでるとでも、言いたいのか!? おい、サミュエル、待ちやがれ!! [言葉の真意を問い質そうと、伸ばした手は届かない]
クソ、何だってんだ!!
[サミュエルが姿を消した方を睨み、忌々しげに地を蹴った*]
(385) 2014/02/09(Sun) 18時頃
|
落胤 明之進は、メモを貼った。
2014/02/09(Sun) 18時半頃
|
―むかしばなし―
[周の何気ない問い>>248 不思議そうに首を傾げたリカルダの表情が、みるみる曇っていった。 どうやら、何か拙いことを口にしてしまったらしい。 だが詫びるにせよ、どうせよ、自分の言葉の何がいけなかったのかが分からない]
おい、リッキィ――
[尋ねようとするが、リカルダは拒絶の言葉と共に駆け去ってしまう]
どうしたってんだ、待ってくれよ……おい。
[慌てて小さな背中を追いかけた]
(386) 2014/02/09(Sun) 18時半頃
|
[やがて黒百合から本格的な訓練を受けるようになる。
披露された怯える人間達に、眉を顰める少年は
畏れ多くも、儀式を施した主に口を挟んだ]
……それは、――いやです、
自分の罰、は、自分で…………っ!
[言うが遅いか、問答無用で刺し貫かれる少女に、
今度こそ言葉を失った。
強くかぶりを振る。
嫌なら真面目にやることだと、真紅が笑っていた。]
それなら、――お願いが、ありま、す。
うまく、できたら…………外に出させてください。
サミュエルは、ミナカタは問いただしにくるだろうか?
2014/02/09(Sun) 18時半頃
[願いが興をそそったか不興を買ったか。
いずれにしろ、手を変え品を変えて賜る洗礼を
死にもの狂いで受け入れる以外に道はない。
敷かれた道を斃れるまでゆくしかないのなら、
それはただ、家族のためにゆきたい、とだけ]
[されど、柊。
心の臓を服従に巣食われながら、
鬼を刺す木は雪深く、息をひそめている**]
落胤 明之進は、メモを貼った。
2014/02/09(Sun) 18時半頃
明之進は、ミナカタの背に、少しは追い着けただろうか――**
2014/02/09(Sun) 18時半頃
|
>>337
[マユミから、リーとのことを聞かれたとき、 さすがに、昔のスリ仲間だとはいうことができなかった。
だから、なにか、こう、煮え切らない言い方で話題をそらそうとしたのは事実だ。 すると、マユミはかえって拗ねてしまった。
どうしようかとも思ったが、 でも、自身のことだけならまだしも、リーのこともなにかバラしてしまうようで]
――……
[その時マユミは、それでも、素直に打ち明けるような親しさを求めていたことには気付かなかった。 リーのことも理由。
ただ、その過去を知られたくなかった、ということだけが真実だ]
(387) 2014/02/09(Sun) 18時半頃
|
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――……
[少しずつ、噛み合わなくなる空気。 そうなりたくなどないのに、それでも、マユミを女の子と意識してしまった時から、 もう友達、という目だけでは見れない。
謝ってきたマユミにも、なんだか素っ気ない態度をとってしまったのは、器用じゃないからだ**]
(388) 2014/02/09(Sun) 18時半頃
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− 最期と始まりと −
[紅の色が金に変わる。 父たる吸血鬼が祝福を与える時にのみ変わる瞳の色。
その色を見た雛鳥達は。 その時人間である生を終えた。
代わりに始まったのは永遠の生命。
変わり果てた己に耐え切れず逃げ出した者もいた。 だがそれも、城の周囲に住む家畜達に裏切り者と 蔑まれ石を投げられ逃げ帰って来たと言う。
報告を受けても玉座で愉快そうに始祖は嗤う]
良かったではないか。 これで己の立場を弁えるだろう。 次に石を投げた家畜達がどんな末路を辿るか楽しみだ。
(389) 2014/02/09(Sun) 18時半頃
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―病室― [まどかの場合10歳以下という事と精神的にショックを受て不安定なことを配慮し軍はどうすべきか悩んでいたらしい。 遠慮がちに扉を叩く安吾。
いつもは安吾の軍服を見ると首をすぼめる少女だったが今日は全く反応もしなかった。
安吾が遠慮がちに、みんなにした話をまどかへもくりかえす。誰がいなくなって誰が残っているのかそしてもうすでに何人かが特殊部隊に加わるようになったこと。
泣きも驚きもしなかった。 ――ただ こくんと頷いた。]
(390) 2014/02/09(Sun) 19時頃
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[リカルダが駆け込んだ、彼女のベッドのある部屋。 その扉の前で、呼びかける]
……おい、リッキィ、話を聞いてくれ。――入るぞ。
[許しが出るのなら部屋に入り、そうでないのなら扉の前に立ったまま]
あのな、リッキィ、俺も大概、無神経だから、……お前が何で怒ってるのか良く分からねえ。 けど、理由を知らないで、上辺だけで謝るわけにもいかねえだろ?
だから、今すぐじゃなくてもいいから、落ち着いたら、理由を教えてくれよ。勿論、俺だってきちんと考える。
[取り合えず、言いたいことはそれだけだ、と背を向け]
(391) 2014/02/09(Sun) 19時頃
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それと、な。
……俺みたいな野郎の手を取ってくれる物好きなんて、 お前以外にいるわけねえだろ。
[そう付け加えた*]
(392) 2014/02/09(Sun) 19時頃
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−病室― [あまりに静かな反応だったから安吾に伝わらなかったかもしれない。こちらをみている安吾にもう一度頷く。]
やるよ。 わたし、吸血鬼を殺す
[最後に来ていた服(洗濯はされいたが)がベットの横にきちんとたたまれておいてある。その一番上にあるきちんとたたまれた白いハンカチを手に取ると。 キュット頭の上にリボンのように結んだ]
(393) 2014/02/09(Sun) 19時頃
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[今家畜達に手を下さなくとも、 いずれ彼らは眷属達の狩りの練習台になる。 それまで精々生き足掻けば良いと言い捨て話は終わる。
その後は眷属達が内に抱いたものを推測しながら 成長する日々を、ある意味慈しんでいた。 人間と時の流れは違うが、ゆっくりと成長はする。 その流れの差が経験の差にもなる。 重ねれば重ねる程人間達と差が開き、人間等では まるで手の届かない存在に変わるのだ。
だが今はまだ重ねた年月も短く、差が出るとすれば 主の吸血鬼から与えられた身体能力だけだろう。
そう。 今はまだ手が届くのかもしれなかった*]
(394) 2014/02/09(Sun) 19時頃
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―現在・帝都守護部隊養成所―
おい、サミュエルの野郎を見なかったか? ……そうかい、見つけたら話があると伝えてくれ。
[噛み付きそうな勢いで他の隊員にサミュエルの居場所を尋ねるが、彼の居場所は分からなかった。 一方的な言葉の真意がどこにあるのだろう]
クソ、あの野郎、なんだってんだ。
[毒づきながら、自室、食堂、道場――と捜し歩く]
(395) 2014/02/09(Sun) 19時頃
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−病室― [リハビリから始まったが、もともと運動神経は良い。 訓練はすぐに他の子供達に追いついていく。
が精神状態はかなり不安定さをみせる。 服用する安定剤のせいか夜が眠れず。時折夢に叫んだり、幼児化をみせる事があった。
そんな時はあやに手をさすってもらったりリッキィにあやされたり、こっそり男子寮のキャロライナのベットへ潜り込んでキャロライナの心臓の音を聞きながら眠りにつく。 翌朝のキャロライナの驚きは…知った事ではないらしい。**]
(396) 2014/02/09(Sun) 19時頃
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[孤児院襲撃から暫くは大きな騒ぎは起こらなかった。
だが湖面の下で蠢くだけで、波を立てなかっただけで。
徐々に湖面に波紋が広がり始める。
頻発し始めた行方不明事件。
姿を見せ始めた吸血鬼に何かを予想したのか、 守護部隊は陸軍との連携を図ろうと隊長は頻繁に 陸軍を訪れる様になっていた**]
(397) 2014/02/09(Sun) 19時頃
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>>346
[孤児院で、はじめて作った野菜を出した時、 反応はびっくりするものだった。 白い視線はには心底驚いて、 あの時、確かに目は泳いだ]
そが……みんな野菜嫌いなんだな。
[その時はいたたまれなくなって、それぞれの子どもの皿をとると、鍋に戻しはじめる**]
(398) 2014/02/09(Sun) 19時頃
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― それから ―
[金髪と黒髪によって僕らは新しい世界に迎え入れられたけど、
新しい世界の全てが僕らを歓迎したわけじゃなかった。
なんでこの人たちは怖い目で僕を見てくるの?]
……っ
[彼らは街の子達のように僕をからかう真似はしない。そっちの方がわかりやすいのに。
でも、彼らの中には僕が訊いたら答えてくれた人もいた。
僕らは“始祖様のお気に入り”だって。“選ばれた”んだって]
そんなの、どうでもいいじゃん……。
[僕はそう言った途端余計怖い顔で睨まれた。だから部屋に逃げ帰って泣いた]
[僕はただひとつのことを僕自身に化していた。
――決して誰かに助けを求めてはならない。
肌触りのいいベッドの中で泣くことはあっても、ここにいない誰かに助けてって言うのだけは我慢した。
ここに連れられてきゅうけつきになったにーさんやねーさんにも弱さは見せられなくって、
そういうのをずっと抱えたまま、僕は時を刻んでいった]
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― 養成所の庭 ― >>395 [周に言い捨てたあと、庭に来ていた。 そこには、本当にささやかな小さな小さな畑があった。 育てたものを収穫して食べる。 そんな当たり前のことを知らない子が多かった衝撃は忘れない]
――……トマト、甘く、できっがなぁ
[寒さに耐えながら、育つトマトは、その葉はぼろぼろで、とてもみすぼらしくみえる。 必死に集めた栄養をその実に一心に注いでいるのだ。
植物は、わかりやすかった。 水やりをサボれば枯れる。日差しが強すぎれば枯れる。 肥料をやりすぎても枯れる。
実をつけるまでに気遣いをかけてかけて、やっと実るのだ]
(399) 2014/02/09(Sun) 19時半頃
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サミュエルは、畑をいじっている。
2014/02/09(Sun) 19時半頃
[きんいろは手が届かないものの象徴と思っていた。
瞳の色が、綺麗なその色に。それが間近に、あって。
内心に押さえ込んでいた恐ろしさと絶望感で、かみ締めた唇は深く切れた]
…ありえないなんて……
[ありえないのだと言葉を続けようとして立てられた牙
その後、祝杯をあげるまでのことはよく覚えていない。
ただ、その瞬間発狂したように叫んだことはしっかり覚えている。
目の前にある杯を映す目は赤い。血を見て、喉がなったことに酷い嫌悪感と…]
サミュエルは、マユミとホリーのことは周に告げていない。
2014/02/09(Sun) 19時半頃
サミュエルは、ミナカタが探しにくれば、逃げるようなこともしない。
2014/02/09(Sun) 19時半頃
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―養成所の庭―
[>>399庭の片隅にある訓練所には不似合いな小さな畑で、サミュエルの姿を見つけた]
なるほど、 ……考えてみりゃあ、ここが大本命だよなぁ。
[特別措置で与えられたらしい畑に、時間を見つけてはやってきて せっせと野菜の面倒を見るのが、サミュエルの楽しみだ。 孤児院時代から続く彼の趣味を思い出すまで、かなりの時間を費やした。
そんなことにも思いが至らないとは、相当頭に血が登っていたらしい]
……あれだけ、お前が丹精してるんだ、 不味いわけねえだろ。
[サミュエルの後ろに立ち、彼の独り言に答える]
(400) 2014/02/09(Sun) 19時半頃
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で、さっきのアレ、……どういう意味だ。
[サミュエルの後ろに立ったまま問いかける。 だから、彼がどんな思いでいるのかは窺えない。
既に怒りは去っていた。 ただ、自分を良く知るはずの彼が、 何故、あんな発言をしたのか真意が知りたかった]
(401) 2014/02/09(Sun) 19時半頃
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>>400
そっが。 でも、がんばっだがらって、成果が出るとは限らねぇだよ。
[周がやってきて後ろに立った。 かけられた言葉に振り向かずに答える。
ただ、そのあとの問いに答えるまでは、かなり沈黙が落ちた。 でも、やっぱり振り向かない]
――……あん時、 数え鬼で、おでは、孤児院に吸血鬼をつれでっだ。
結果、吸血鬼が孤児院を囲んでおそっだんだ。
[ぼそりぼそりと]
――……あの時、おでは、 もっと早くつがまっで、孤児院にたどり着く前に死んでおぐべきだっだかもしれね。
(402) 2014/02/09(Sun) 20時頃
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――……なんて、言ったら、 お前は、どう思うだ?
[ゆっくり振り向く]
(403) 2014/02/09(Sun) 20時頃
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[その後、血を口にする過程は他の家族とそう変わらなかった。
拒絶して、もがき苦しんで、そして口にした赤は生臭い鉄の味。
そしてそこからこみ上げてくるものに吐いてはまた求めて、極限状態になった時、ついに「家畜」に手を出した。
端から見れば、まるで獣が人に襲い掛かったようにも見えたらしい。
その初めて牙を立てた家畜は…どことなく、「誰か」に似ていた]
落胤 明之進は、メモを貼った。
2014/02/09(Sun) 20時頃
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[円が不安定に泣き叫ぶ夜、 少女は──絢矢は、円の手を握り、撫で それでも落ち着かなければ、円の肩を抱いて 眠りにつくまで背を撫でてやる。
円が朝まで眠らぬ夜は、絢矢も朝まで寄り添う。 そんな日は、円が寝付くのを見届けてから、寝ずに早朝修練に出た。]
円──円。 大丈夫だよ。 ───大丈夫。
[円を抱いて、耳許に囁く静かな声に かつてのような無邪気さも豊かな抑揚もない。
涙は捨てた。 笑顔は忘れた。
それでも──。家族が困った時、 絢矢のとる行動は昔のまま、何も変わってはいなかった。]
(404) 2014/02/09(Sun) 20時頃
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[サミュエルが背を向けたまま零すは、悔恨の言葉。>>402 彼が語り終わるまで、口を挟まずに耳を傾ける]
……馬鹿か、てめえは。 サミュエルは悪くねえ。――悪いのは、俺だ。
だって、そうだろ? あんとき、……俺が下らない喧嘩なんざしなけりゃ お前も理依も家でチビ共と飯食ってられて、あんな化け物共に目を付けられることなんざ、なかった筈だ。
だから、――死ぬべきは俺の方だよ。
[>>403ゆっくり振り向くサミュエルの双眸をじっと見詰めて、答えた]
(405) 2014/02/09(Sun) 20時頃
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[それから悟る。あぁ、もう「戻れない」のだと。
紅い血溜まりに映る自分は双子の弟そっくりだった
自分が離してしまった小さな手。その時の弟の顔が今でも責めてくるようで。
おいて逃げて、再会した時のサミィの顔。]
……。あぁ、ごめん……。ごめん、ね……。
[そこからぱきりと張り詰めていた自分の何かが壊れてしまった。
自分を苛んでいた彼はもういないのかもしれない。
自分は殺されない。なら、せめて果たせない約束であっても守らなければいけないのだと]
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>>405
ほら、やっぱ、おまーは、あんぽんたんだ。
[馬鹿に言い返したわけではない。 ただ、5年前から言うことが変わらない、周に、 悲しげな眼を向けた]
死ぬべきってなんだ? おまー、戦って死ぬつもりだろ?
それがわかんだよ、おまーの戦いは
[静かに続けるが、それは怒りの言葉だ]
(406) 2014/02/09(Sun) 20時頃
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[静かな怒りの言葉は核心を突いた。 やはりサミュエルは、周のことをよく知っていた]
……それを言うなら、お前だって同じだろうが。 分からないとでも思うのか。
俺があんぽんたんなら、お前は馬鹿野郎だ。
[そう言い返すが、戦って死ぬつもり、という言葉は否定しない]
(407) 2014/02/09(Sun) 20時頃
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……見ろよ、この畑。 お前は俺みたいな、他人を傷つけるだけのろくでなしと違う。 きちんと生きていけるヤツだ。
そんなヤツをこんなことに巻き込んじまって、赦されるわけ、ねェだろが!
[本当はサミュエルにも、他の皆にもこの戦いから降りて欲しい。 けれど、それは今更叶わぬ願いだ]
(408) 2014/02/09(Sun) 20時頃
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>>407
[馬鹿野郎と言われても、それはスルーする]
――……同じじゃないだよ。 おまーは死んだらいげねぇんだ。 昔っから何度もいっでるだが、全然ききゃしねぇ。
いい加減にわがれ、 おまーが死んだら、おでらは一体何を希望にするだ?
おまーは、自分がわりぃがら、死んで終わりがもしんねぇけど、 おまーが死ぬど、みんなが困るんだ。 あんな、おまーは何があっでも、生きなぎゃなんね。 それがクソカッコ悪ぐでもだ。
[座り直し、周を見上げながら]
(409) 2014/02/09(Sun) 20時半頃
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―回想・サミュエルについて―
[目を泳がせたサミュエルの言葉に、一拍おいて>>398 深く深く首を傾げる。 ――別に、野菜は嫌いではない。 その一言が咄嗟に出ない性質だった。
それに加えて、明之進はあまり頭がよいとも言えず、 恐らく孤児院の中でも、ものを知らない子供だった。
かつて、母は明之進をあまり外に出したがらなかった。 外へは必ず母と一緒に出て、友達という存在も覚えがない。
皿から鍋に戻していくサミュエルの背中をひたすら見つめ、 後で養母さんにお小言をもらったのは言うまでもなかった。
多分サミュエルも、皆に好き嫌いをさせないようにと 養母さんからのお願いが行っただろう]
(410) 2014/02/09(Sun) 20時半頃
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[『いいがら、野菜をぐえ』>>198
やがて彼の野菜攻勢は手を変え品を変えて始まった。 残さず食べた方が喜ぶのだという事も知った。
なんとなく、それまで明之進の中で宙に浮いていた 『いただきます』と『ごちそうさま』が 畑で屈んでいるサミュエルの背中にぴとりと着地して、 野菜が嫌いな子供達もきちんと食べられるだろうかと 最後までじっと見守っているようになった*]
(411) 2014/02/09(Sun) 20時半頃
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>>408
あほか。 おまーとおでとやっでるごと、何が違う?
おまーが誰を傷つけてるっで?
[周の言い分に眼は据わった]
おまーは、一体何様だべ? 誰がおまーに巻き込まれでる?
ちげえよ。 おまーがいるがら、みんな自分の足で立とうとしでんじゃねぇが。 ちびっこたちが、おまーに弟子入りするどが、いっでるのは、 おまーが奴らを育ててるがらだよ。
(412) 2014/02/09(Sun) 20時半頃
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[最初に僕が手にかけたのは小さな子供だった。
僕は喉が渇いていたから、ぶつかっちゃった子にほんのちょっぴり血を分けてもらおうととした。はいどうぞってされるはずなかったのにね。
僕は背を向けて逃げた子を追いかけて――そこから先は覚えていない]
ごめん、ごめんね
[僕は“食事”を終えた後その子の亡骸に向かって何かを謝り続けた。
それから僕は背後から一瞬で音もなく忍び寄るやり方にこだわりだした。
せめて痛いって思うことのないように、断末魔の悲鳴をあげることのないように……]
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あんな、 だがら、おまーは、
ちゃんと生きる戦いをしろ。 生きて帰れ。
残念ながら、おまーは、そういうポジションなんだよ。 カッコつけて死のうなんで考えんな。
[周の顔をじっと見つめ続けたまま]
――……誰もおまーの代わりはいないだ。 そしで、おでもおでの代わりはいないど思ってる。
いや、人に代わりなんでいねぇ。
いねえんだ。
[それはあの時、消えてしまった連中も**]
(413) 2014/02/09(Sun) 20時半頃
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[新しい世界は鳥かごの中みたいだ。エサは自分で取ってるけどそれだって籠の外から運ばれてきたんだし。
僕は彼らを本気でエサだなんて思ってない。絶対に。
だけど僕自身がどうしようもなく怖くなる時はあるんだ。
床に広がった血だまりに映る僕の顔が、笑みを浮かべているように見える時*]
[怯えさせぬように微笑んで、
白い手が“獲物”を捕らえる、模倣の狩りは簡単だった。
吸血鬼だとわかっているだろうに、人は外見に油断する。
餓えなければ、殺さぬように血を奪うことも出来た。
それは命を奪わぬ優しさだったのか、
あるいは制御の学習に過ぎなかったのか。
単純に亡骸が目の前に横たわるのが不愉快だったのかもしれない。
その時奪った命は青年のものくらいだ。
武器もち抵抗するものと、
自分の体に触れようとしたものと。
前者はともかく、
後者は最初の食事と同じように原型を留めなかった。
もう自分のしたことに悲鳴をあげることはなかった。
それは遠くで聞こえていたような気がしただけ]
[自分には約束があった。必ず生きて戻るという約束。
だから、今はそれだけが縋れる唯一のもので。
まずはやっと言葉を話せるようになったくらいの小さな子供を食った。次に、アヤくらいの女の子からマユミくらいの。
そして初めて自分の意思で武器をもって殺したのは柊くらいの少年から始まり、零瑠や直円くらいの少年と青年の狭間の人を殺した。
どんな形であれ生きるためにはコロサナイといけなかった。
いつしかそれが、いつも口にしていた四足の動物から人間になっただけなのだと認識し始めた
多分、それからは…「吸血鬼」として与えられた場に相応しい技量と知識を躊躇いもなく受け入れていった]
[家族の様子を訪ねて回ると、リカルダは決まって
大丈夫だと主張して振る舞った。
少しでも笑顔が増すように、時々手を握った。
最後まで耐えた真弓は砕けてひかる氷になった。
理依や直円を訪ねる事は出来ただろうか。
零瑠が血を見て倒れなくなったと聞いて、
少年は少しの安堵を抱いたけれど、
彼自身は、それをどう思っているのか。]
[漆黒の少女から施される
戦闘訓練には理不尽なルールが付随した。
特に理由も無く少女は殺された。
己が口唇を噛んだのは、明乃進が言葉を失って、
落胆したように頭をふったからだ。
――悲鳴はどこか遠くで聞こえ続けている。]
─ねぇ、マユミ。
[それは戦闘訓練が終わった頃のこと。殆ど喋らなくなった自身が、珍しく声をかけた]
マユミはいつも優しく殺すね。
それはなんで?情けとか、そういうもの?
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[さらにサミュエルに言い返そうとして]
……俺がお前らの希望? [耳に落ちた思わぬ言葉>>409に瞬き、口を閉ざす。
こんなろくでなしの姿が、誰かの支えになっているのだと。 馬鹿野郎でも、後に続く子供たちの範になっているのだと。 このお節介な仲間は、そんなことを言うのだ]
――……。
[座り直すサミュエルの対面に、自分もまた腰を下ろし、その言葉を静かに噛み締める]
(414) 2014/02/09(Sun) 21時半頃
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[サミュエルの言葉を最後まで聞き終わってから]
言いたい放題、言いやがって。
手前のやったことは、最期まで手前で抱えろ、か。 ……ったく、偉そう台詞だよなぁ。
[それはいつか、理依に罪を打ち明けられたときに>>318、彼に向けた言葉が>>358 いつの間にか周の上にも降り掛かってくる。
そして、責任は犯した罪だけではなく、勝ち取った信頼にもあるのだと。 サミュエルに指摘されるまで、そんな当たり前のことすら、忘れていた]
(415) 2014/02/09(Sun) 21時半頃
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─ 波羅宿 ─
[某日──。
帝都に吸血鬼の侵入ありとの報告が入り、 偵察隊の調査により吸血鬼二匹の姿が確認された。
数の多寡と敵の実力を鑑み、 派遣されたのは絢矢を含む孤児院組。
判断したのはジャニスか安吾か──。 サポートに、どちらか──あるいは二人とも 付いて来ていたかもしれない。]
(416) 2014/02/09(Sun) 21時半頃
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[能面のような表情のまま訓練を終えれば、
理衣が話しかけてきた、ふと温度のようなものが戻る。
そこにいるのは“家族”だからだ]
……優しい?そうかしら。
悲鳴とか、これ以上、聞きたくないの。
[わずかに首をかしげて、一息に殺す理由を告げる]
でも、そうね、……可哀想ね。
[恐怖に震え屠られるために生きているというのは、憐れだと思う。表情はなにも動かぬまま、理衣を見つめる瞳は問うた意図を問い返すもの]
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本当、昔っから、お前の小言にゃ敵わねェよ。 [お手上げのポーズを取ってみせてから、表情を引き締める] 今は、未だ、この戦い方を変えるって……約束はできねえ。 けどな、お前の言葉はきっちり胸に仕舞っとく。 勿論、命を粗末にするつもりはねえさ。 ――俺が言えるのはこれだけだ。
[感謝と侘びとを込めて、頭を下げた]
……だから、お前も死に急ぐな。生きて帰れ。 そうじゃねえと、約束する相手がいなくなっちまうからな。
[にぃ、と口の端を吊り上げてみせた*]
(417) 2014/02/09(Sun) 21時半頃
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ターゲット確認。 一匹はスクランブル交差点内にいる。
もう一匹は──上。
[建物の陰から状況を窺っていた絢矢の視線が 109ビルの屋上を見る。
身に付けているのは既に着慣れた烏羽の小袖。 袖に淡い桜の花弁散るそれは実戦用にと誂えたもの。
周と並ぶと、夜桜が軍服の スタンダードであるかのようにも見える。]
下はまだ若い個体。 恐らくは上の一匹がリーダー格。
叩くなら先に若い個体から 一気に囲んで──潰す。
(418) 2014/02/09(Sun) 21時半頃
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[そう言えば、この城に来てから初めて、
少年は自分ひとりの部屋をもった。
最初は四六時中を母と共にし、
孤児院では近い年頃の子達と寝起きしていたから]
ひとりだと、時々、暇だから、
……時々で良いから、遊びに来て、くれる?
[家族には、そうお願いしてみた。
いつしか自然に、彼らには形見の事を打ち明けても良いと、
もっと言うと、打ち明けておきたいと思うようになった。
どこか、予感めいていた。]
[ある日、理依が真弓に声を掛ける。
めっきり口数の減った彼が珍しいな、と思ったら、
それは狩りの方法についての話題。
けれどせっかく話をしているならと、
歩み寄って耳を傾ける。]
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― むかしのはなし:背中越しの声 ―
[待てと言われて待つ人がいるかー! >>390 僕は部屋に駆け込むとベッドにうつぶせになって悔し紛れに枕を叩く。ノックの音がするまで何度かそうしてた]
……。いいよ。
[別に泣いちゃってひどい顔になってるわけでもないし。>>391 だけど気まずくて、アマネにーさんに返事をするためだけにあげていた顔を、 ドアの開く音が聞こえた途端にまた枕に押しつけて。
そのままアマネにーさんの話を聞く。 背中の上から声が降ってくるみたい。 僕はちゃんと聞いていたから話の合間にうなずくことができた。 今すぐじゃなくていいって言ってくれたから、僕は落ち着けたんだよ]
(419) 2014/02/09(Sun) 21時半頃
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それ、と…?
[声の向きが変わった。出て行くのかな]
…、……!? あ、アマネにーさんっ、
[僕は背中を向けてたアマネにーさんを呼び止める。>>292 我ながらいつ飛び起きたんだろうって思う。とにかくアマネにーさんをちゃんと見て]
ぼ、僕みたいな物好きで、いいならいつでも…、いる、よ。
[変なことじゃなくて特別なことって言われたみたいで、嬉しかったんだ]
(420) 2014/02/09(Sun) 21時半頃
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[陽が沈みまた昇り、落ち着いた頃に僕はまたアマネにーさんのところに来た。
アマネにーさんだけが痛いのは嫌。 にーさんは自分で思ってるほどここで嫌われてないと思う。 だからあんまり無理しないで。
つっかえつっかえ主張したのはそんなこと。二つ目はアヤとマドカを見て思ったことだから現実と違うかもしれない。 僕が部屋に駆け込んじゃった理由はその中にはなかったんだけど、 責める気のなかった僕は何も言わなかったんだ**]
(421) 2014/02/09(Sun) 21時半頃
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− 初陣を前に −
[雛達は餌を啄む事を覚え、羽ばたきを覚え、武器を磨き、
狩りの方法を覚え育って行く。
ホリーの苛烈な教育は技術だけでなく、彼らの心にも
影響を及ぼしたかもしれなかった。
だが心が砕けようが、失おうが、変わろうが、どれも
始祖にとっては玩具の色や音が変わった程度。
雛達の苦悩を気分1つで掌で転がす様子は、確かに
彼らが始祖の『お気に入り』である事の証拠だった]
ホリー、どうだ?
そろそろ雛も初陣を飾れそうか?
[帝都守護部隊が動き出した報告は既に届いていた。
陸軍など紙の兵隊だが、守護部隊が絡むなら話は別。
派手に潰してやるのが面白いと、初陣の目標を告げた]
|
―波羅宿―
向こうさんが此方に気付いた様子は?
[経験を積む為に派遣された実戦の場。 隣に並び立つ観測役の絢矢に問う。
彼女は戦士になってから、随分と変わってしまった。 そんな絢矢を、戦う機械のようだと称する者もいたかも知れない。 けれど、その心の優しさは変わってはいないことを周は知っている]
(422) 2014/02/09(Sun) 22時頃
|
かわいそう?なんで。
[返された視線。その答えは明確だった]
だって食わなきゃ死ぬじゃないか。
俺、死なないって約束、したから。
[いつもその約束だけにすがって生きていた。
けれど、もうとうに約束をした主と…
どうして約束をしたのかは忘れていた。
ただ、誰かの為にマユミは守ってやらないといけない存在ということだけは頭の片隅にこびりついていたから。
だから、変わってしまった…いや、以前はどうだったか、もう忘れてしまったけど、目の前の彼女に問うた]
なんでかわいそうって思うの
|
[交差点の中央で辺りを見回しているのは 白い長髪に紅の眼の少女。 周囲に獲物の姿がないことに苛立っている様子。
先遣隊の指示で波羅宿からは既に人払いが済んでいる。 屋上の個体は赤毛に眼帯の男。]
多分──気付いてる。 だけど恐らく、あれは監視役も兼ねてるから すぐには攻撃して来ない。
念のため目を離さないで。
北と南に分かれて挟撃だ。 ボクは──北から行く。
[周の問いに瞬時に答えを返す。]
(423) 2014/02/09(Sun) 22時頃
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ええ、お父様。
随分と育ってきましたわ……並みの吸血鬼ではもう叶わないぐらい。
[尤も、基礎を踏まえていれば元の能力値が段違いなのだ。
当然と言えば当然であった。]
初陣には私は同行しますが、お父様はどうされます?
|
[サミュエルのように素早く走れる足はない。 周のような変幻自在の動きを可能にする筋力もない。
体力もリーチも兄達に劣る絢矢が選んだのは 足りない武力を智で補う方法だった。
修練の合間に戦術書を読み、 先輩隊員に実戦さながらの訓練を頼み 兄妹達と幾度も模擬戦を重ねて動きを叩き込んだ。]
(424) 2014/02/09(Sun) 22時頃
|
アヤワスカは、白い方は気付いてない──と追加報告。
2014/02/09(Sun) 22時頃
|
……分かった。初撃は任せろ。 俺は南側から回って、其方に追い込む。 トドメは北側組に任せる。 [絢矢の指示>>423に従い、南側に回り込んだ]
(425) 2014/02/09(Sun) 22時頃
|
[誰かが話している時、会話の狭間でじっとしている、
これは昔から変わらない。
何もして来ない人間が死ぬのは可哀想だけど、
家族に悪意を向ける人間には当然の報いを降らせる。
そういう事だと思っていた。]
……震えて、怯えながら、
生きているのは、憐れなことだと思うわ。
どこにも逃げ場なんて無いのに。
[怯えていた女のことなど、
もう忘れていたけれど、考えたことを口に出す。
けれどそれは本当に“人間”のことだった、だろうか。]
……約束は、大事ね。
だれとやくそくしたの?
|
[周はいつだって自ら先陣を切ってゆく。 敵の視線を引き付け攻撃を集め、 後方が戦いやすい陣形へと導く。
最も命を落としやすい危険な役目を 彼は進んで引き受ける。
けれど──絢矢は黙って頷いて、北へと走り出す。 南へ向かう周の姿は見ずとも動きはわかる。
昔のように服の裾を握って 後をついてゆくことはなくなっても 絢矢の周に対する信頼は変わってはいない。]
(426) 2014/02/09(Sun) 22時頃
|
|
― 波羅宿 ―
[昔と変わらないでいてほしいと思っていても、 人というのは何かしら、変わっていく。 でもそれは、確かに成長という証でもあり、 時間の流れは、あるのだと思う。
作戦の指示を出す絢矢に思うのは、 何よりも成長だった。 あの外に出たがらず、みんなの帰りを願っていた小さな少女は、 今は外できっちりその足を地面につけている]
――……
[それもひとつの寂しさという、そんなセンチメンタルはおいて]
(427) 2014/02/09(Sun) 22時頃
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サミュエルは、サミュエル自身も 奇数:北側 偶数:南側へ 6(0..100)x1
2014/02/09(Sun) 22時頃
|
―波羅宿―
[8公像のある広場に立ち、長ドスを抜き放つ]
帝都守護隊、南方 周、――推して参る!
[名乗りをあげ獲物を気を引くや、地を蹴り猛然と駆け出す。 サミュエルほどの達人ではないが、脚力に任せた踏み込みで一挙に敵との距離を詰める。
――閃。
長ドスが陽光を受け、妖しく煌いた。 白紙紅眼の少女は慌てて飛び退り、左腕と引き換えに致命的な一撃を避けた]
(428) 2014/02/09(Sun) 22時頃
|
[ 明乃進の言葉を聞いてから、
時々、思い出したように皆のもとに赴くようになった。
黙って話を聞いていることが多かったから、
沈黙ばかりが空間を満たすことになったかもしれない。
部屋の主がいなかった時には、
扉の前に鎮座しているのは、千代紙のふうせんうさぎ]
結構。
[ホリーの返答は当然返されるべき内容だった。
父の血を与えられ、あれだけ時間を掛けたのだ。
『お気に入り』に甘えて怠惰を貪るなら、最後に断末魔を
聞かせる位しか楽しみは無い]
私も雛達が喜んで獲物を狩る瞬間を祝ってやろう。
それにいかに家畜とは言え、地位のある連中だろう。
挨拶の1つもしてやろうではないか。
[組んだ足を解き、立ち上がる]
初陣だ。
呼べ。
[短い命を下すと、それぞれの世話係が眷属達を
召喚する為に城に散った]
|
[南に向かって進んでいく周の後ろについて、サミュエルも進む。 少人数のチーム編成だ。
あれからも、ともかく、戦うスタイルは変えない周。 ただ、言葉は心に刻んでくれていることはわかる。
だから、自身も自身の仕事をするまでだ]
(429) 2014/02/09(Sun) 22時半頃
|
|
― きおく ― [手慰みのように鶴を折る、 ふうせんうさぎ、飾り箱、金魚に 風車 どれも難しいものではない。
小さな子供たちと一緒に綺麗な包み紙で折っていた。 キャロラインほど器用ではなかったから、 あまり綺麗なものは出来なかったけれど。
小さな子たちが喜んでくれるのが、嬉しかった]
(430) 2014/02/09(Sun) 22時半頃
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[隻眼の吸血鬼は109ビルの上から にやついた表情で地上を見下ろし、
9……8……7……とカウントを始めた。
南から複数の帝都守護部隊が現れるのを見ても 余裕の表情は崩れない。]
───、
[北の路地へ素早く移動しながら、 絢矢は109の屋上から目を離さない。]
(431) 2014/02/09(Sun) 22時半頃
|
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[首を落とすつもりで撃ち込んだ初撃を避けられても、周は慌てない。
すぐ後ろを駆けるサミュエル。北側に向かった絢矢達。 共に戦う仲間を信頼しているからだ。
先陣を切るスタイルは変えるつもりはないが、自分の命の変わりに、仲間への信頼を掛札にして戦うことが、サミュエルの言葉への答えだった]
(432) 2014/02/09(Sun) 22時半頃
|
それがそいつの運命なのさ。
逃げ場がないんじゃなくて逃げないだけじゃないのかい。
約束は…誰とだろう。忘れた。
大事だったのに。ね。
[そこで一度、ため息をついた。とても、深い]
ねぇマユミ。マユミは俺に勝てると思う?
柊も。
[さきほどから隣にいた柊にも不意に問いをなげた。
守ろうと思っていた少女はもういない。
朦朧とした記憶の向こうにあるのは
こうあってほしいと思っ手いた幻]
―ある日、自室にて―
……良い機会、だから、真弓ちゃんにも、見せるね。
[願いに応じて部屋を訪れてくれた真弓に告げて、
厚いカーテンをぴったりと閉じて蝋燭を灯す。
彫金の傘を被せると、部屋の陰影が深くなる。
懐から手鏡を取り出した。
裏面の花鳥図を指で撫でて、くるりと返す。
包む巾着は新しい、やはり上質のものに替えられて、
あの日、血に汚れた形見は引き出しの奥に仕舞っていた。
蝋燭の光をあてて暗い壁に向ける。]
――きれい、でしょう?
昔、隠れ切支丹が……お祈りをするために、
こういう細工を、使ったそうだよ。
[それはただの鏡ではなく、鏡面のごく僅かな歪みによって、
繊細な光の形をなすもの――
柊、ではない。牡丹の紋様だった。
それが意味するところを、今の持ち主は知らない。
知る筈の誰かのやさしさだけが朧に、雪の下に在る。*]
|
[名乗りを上げる周の声が波羅宿の空気を震撼させる。 表情は変えずとも、奮い立つものがある。
屋敷の外へ出ては行けないという、 父の言葉を鵜呑みにしていた童女はもういない。 黒鉄の門の中で少女を守ってくれていた家はもうない。
絢矢は──いくらかの人間らしさを犠牲にして 自らの足で竹垣の外へと歩み出した。]
(433) 2014/02/09(Sun) 22時半頃
|
[ その時は部屋にいた、
色とりどりの鶴がそこかしこに転がる部屋。
始祖の前へと召されれば、
少女はゆるりと頭をたれる。]
……お呼びだと、伺いました。
[白い洋装のスカートがふわりと、広がる。
戦場には適さぬだろう、服装だった。
けれどその左手の袖の下には、
緻密な銀の透かし細工の指甲套。
優美な装飾品は凶悪な尖った爪でもある]
― 回想 ―
勿論。
あたし達だって、ずっと君達を閉じ込めておく訳では無いわ。
お父様に捧げる上質な家畜の狩りだってあるのだもの。
[そう言って、彼の問いに微笑む。]
今回がうまくいったらと言う約束はしないわ。
けど、成長すればいずれ外に出る時は来るわ。
それを楽しみにしていなさい。
|
>>728
フン、相変わらずカッコつけやがって、タコ
[派手な周の名乗りを聞きながら、 それでも、今度は口端、あがっていた。
そして、周の影として、その背後の援護に回る]
(434) 2014/02/09(Sun) 22時半頃
|
[少し前のこと。
トルドヴィンから命じられたのはホリーの護衛。
彼女と話したのは何度あっただろう。
一度、聞いてみたかったことをといかけたことがある]
…ホリー。君はなんであの人を「おとうさま」って呼ぶの。
「おとうさま」は君を殺そうとしたり、しないの?
[戯れというにはもう昔の面影を残さない自分の問いに、
黒い彼女はどう答えただろう]
理依君、に? ううん――
僕は……難しい、んじゃ、ないかな。
[同じように苛烈な過程で練り上げられてきたものの、
明之進と理依の間には血の壁がある。]
……でも、練習なら。してみても、良いかな。
[案外、他の吸血鬼と組手するよりも良い練習かも知れない。
最近は安定して勝てるようになっていた。
始祖に献上するものの品定めにも同行させて貰えるよう
黒百合に願い、少しずつ叶うようになって来ている。
――ここまで、五年かかった。]
|
―『希望』―
あんごおにーたん。
『れい』って、どんな漢字があるの?
[孤児院に来たばかりの男児には、問われても答える名前がなかった。言葉を失い、記憶を失い、瞳からも生気を失っていた。
自分の名前を決めようと思い立ったのは、孤児院での生活に慣れて言葉を話せるようになってから。 『いる』にしようか、それとも『れいる』にしようか。迷いあぐねている時に、安吾の姿を見かけた。
今日もまた子供たちに文字を、漢字を教えている。だから尋ねて、『零』を選んだ。]
(435) 2014/02/09(Sun) 22時半頃
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|
[安吾のしてきた事をひとつ、引き継いだ。書き散らした半紙の、広告の裏の。楽しげな声。]
……リッキィのその願いは叶うよ。 絢矢は外に出るのを渋る――というか、誰かの『おかえり』を待ってるから。
うん、リッキィに叶えて欲しい。願っていて欲しい。俺も願えば足りるよ。
君は――…『希望』だから。
(436) 2014/02/09(Sun) 22時半頃
|
[召還の声があったとき、ぼんやりと本を爪繰っていた。
昔読んだことがあるようなないような。文字が絵に見えて頭に入らない。
また一つ、零れ落ちた記憶を惜しむ感情ももうない]
─参りました。
[けれどそのきんいろの前に、こうべは下げない。
それはいつものことだった。逆らえないと身を持ってしっている。
けれどいつもきんいろを見る目は睨みつけるような光すらあった]
― 回想 ―
[理依の問いかけに微笑んで、
久しぶりに話す気がする理由を答えていた。]
いつからだったかしらね。
あたしは物心ついてから、お父様に会った事があったわ。
その時に「全ての吸血鬼の祖」と言われてね。
それで「お父様」と呼んだのよ。
[その呼び方をしたものは今まで居なかったのか。
周囲には随分と驚かれた気はする。
しかし、トルドヴィン自身がその呼び方を許した事でホリーには特に何も無かった。]
ま、君達でいうあだ名のようなものかしらね?
もう今更、他の呼び方も馴染まないし。
|
[君は、君達は。 自分以外の家族を差す。零瑠の願いは自己の過去に向けられたものだから。希望になり得るのは、そう、リカルダのような子。
明之進が2枚の『希望』を重ねる。]
……明の、希望は何だろうね?
[手習いの字の様に。 増えていけば良いのに。]
(437) 2014/02/09(Sun) 22時半頃
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|
[『希望』『希望』『希望』。
重ね連なる文字の中に、1枚だけ、
『冀望』が―――…。**]
(438) 2014/02/09(Sun) 22時半頃
|
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─回想・帝都守護部隊隊員養成所─
[新たな子どもたちを入隊させた後、 怪我からのリハビリと後輩育成に追われていた。 そんなある日、訓練の後にも居残っている姿を見つけた]
一人で無理をしても良くはならない。 それはただの感情の発散だろう?
[いくら人手が足りないと言えど、 無理を重ねる子供を放置するほど非情ではない]
君たちが成長すればするほど、有益であるからにして 迷惑だとは思わないな、私は。
(439) 2014/02/09(Sun) 22時半頃
|
|
[少しキツかろうがすっぱりと切り捨ててしまう口調、 まだ重荷なのかもしれないがそれでも訓練生は 同じ隊員の一人なのだ]
私は普段剣は使わないのだけどね。 安吾の方がもっと上手いよ?
[前置きでハードルを下げてから模擬刀を手に 本当に基礎の部分を周へ示した。 あとは請われれば何度でも、時に刃さえ交えて 雛が羽化するまでの時間を共に過ごす。
きょうだいの一員に、少しでも近づけたかなと思いながら*]
(440) 2014/02/09(Sun) 22時半頃
|
[まるで子供が親戚の相手を小さい頃に読んだ呼び名のまま呼んでいる様な。そんな理由を告げてから。
次の問いにはおかしそうに笑う。]
変わった質問ね。
あたしはお父様が大好きで、配下の吸血鬼の誰よりも強いし。
誰よりも役に立っているわ。
そんなあたしを殺す理由なんてどこにもないでしょう?
|
[自分一人で戦況を決定付けようとするような無理はしない]
噛み殺せ、『夜刀』!!
[号令一宣、長ドスの刃は凶暴な光放つ鞭剣となり、距離を開けようとした 白髪紅眼の少女の足元を襲う。
合図などいらない。 黙っていても、サミュエルは連携してくれるはずだ]
(441) 2014/02/09(Sun) 23時頃
|
サミュエルは、指示通りの仕事をこなすつもり*
2014/02/09(Sun) 23時頃
|
― 現実 ―
[世話をする者の居なくなった桜の木々は、雷で焼かれたり強い風で枝が折れたり病にかかったりと、ほとんどが枯れてしまった。
そうして、年々桜花の量が減っていく。
菖蒲の花は、背丈の長い草に日光を阻まれ、小さな花を咲かすしかない。
そうして、年々咲く花の数が減っていく。
この屋敷に住む者が『桜庭』と呼ばれていたことを、今も知る人は―――減っていく。**]
(442) 2014/02/09(Sun) 23時頃
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……うん。遊びに行く。
眠れない時、でもいい?
[きゅうけつきになってから、たくさん眠らなくてもよくなっていた。
本を読んでいる途中にあくびが出ることもなくなったし]
ねぇ、…手、握ってもいい?
[明にーさんは伸ばせば振れる距離にいるのに、僕はいちいち訊かなきゃ手も握れなくなってる。
きゅうけつきになってばかりの頃はずっとそうだった。
僕の笑う数は、確実に増えていると思う。
ふとした時に部屋で鏡を見つめると、赤い目をした僕はいつも意味ありげに笑っているんだ。
それが怖くてすぐに表情を消す。
“家族”と一緒にいる時、僕はふつーに笑えてるのかな]
[――まずやってきた2人、真弓と理依を見やる。
この5年で随分と印象が変わったようにも見える真弓と。
相変わらず敵対心は無くしていない理依。
尤も、ホリーが理依の行動を咎めたりする事も無いのだけれど。]
逃げたくても、
……逃げられないこともあるわ。
[声に感情はこもらない、
それはどこか遠くにあるのを感じている]
忘れてしまったら、約束した相手が、……可哀想。
[こんな言葉が何故零れたのか、わからない。
けれど機械的に告げられた言葉よりも、少し温度があった]
あなたと戦う理由が無いわ。
[問いかけには少し、不思議そうに返した]
|
[周の鞭剣とサミュエルの九節鞭が、交互に煌くたびに 少女吸血鬼は北側で待ち伏せる絢矢達の元へ追い込まれていく]
――後は、任せたぞ。
(443) 2014/02/09(Sun) 23時頃
|
よく来た。
[雛達が揃えばその眼光と纏う羽根を、見定める様に
玉座から見下ろす。
身に付けさせた衣装も武具も最高級のモノ。
それに見合う中身かどうか。
玉座に向ける視線や殺意が混じろうが歯牙にも掛けない]
喜べ。
初陣だ。
[掛ける言葉は簡潔なもの]
目標は帝都陸軍。
誰も残すな。
お前達の成長を私に見せろ。
いよいよね。
期待しているわ。
[そう言って笑う表情は愉しげで。
手塩にかけた教え子を送り出すようには到底見えないだろう。]
今までと違って外部の家畜を殺すのだもの。
緊張するかもしれないけれど、頑張ってね。
―初陣の前―
[召喚を受ける時は必ず、黒百合の後ろや、
理依や真弓や零瑠よりも下がった位置につく。
この習慣は、心臓の巣食いとともにすぐに覚えた。
不要な言葉も発しない。]
……承知しました。
[和装をすることは昔から変わらないが、
腰にある短剣は西洋の趣を備えている。]
[そう、この5年間の指導の中では当然ながら家畜を殺す訓練だってあった。
食事のためでは無く、邪魔だから相手を殺す事。
それもまた、トルドヴィンの求める戦力には必要な事なのだから。]
|
―むかしばなし―
[>>419リカルダが話しを聞いてくれたことに、とにかく安堵する。 去り際、呼び止められ振り向けば、いつの間にかベッドから跳び出していた彼女に、真摯な視線>>420を向けられる]
そっか、ありがとな。
[「いつでも…、いる、よ」 どこか恥ずかしそうに告げられる、そんな言葉に口元が綻んだ]
(444) 2014/02/09(Sun) 23時頃
|
|
[>>421次の日の夜、リカルダがやってきて、つっかえつっかえ主張する言葉を頭の中で組み立てる。 彼女は自分が甘えたかったのではなくて、周を心配していたのだと]
……なるほどな。 確かに、お前が怒るのは当然だ。
すまなかった。
[真剣な表情で頭を下げた。 ――いつか周が、リカルダの胸の裡に秘められた本当の理由を、知ることはあるのだろうか*]
(445) 2014/02/09(Sun) 23時頃
|
|
[絢矢の側には誰がいたか。 北の路地に身を潜め、右手を翳して待機を促す。
もう少し──あと少し。
長ドスと九節鞭の連携は幼い吸血鬼を容易く追い詰める。 そのまま二人で息の根を止めてしまえるだろう実力差。
けれど、二人がそれをしないのは 万一の反撃──窮鼠が猫を噛むことのないように 一部の隙さえなく敵を圧倒するためだろう。]
(446) 2014/02/09(Sun) 23時頃
|
――5年後――
[扉の前で脇に挟んだものは学生帽。
視界を塞ぐ為に『兄』から与えられたもの。
名残惜しい訳ではない。
ただ、体が成長するにつれ、隙間がなくなっていくから手離せ難かった。
開く扉。歩を進め、ブーツの踵を揃えて理依の隣に立つ。]
………。
|
[109ビルの上では、赤髪隻眼の男の吸血鬼が 平坦な地面を歩くような自然さで 屋上の端を蹴り、地上へと降りて立つ。
周とサミュエルは、男に背後を取られる形。]
(447) 2014/02/09(Sun) 23時頃
|
……魔鏡?
変わったものを持っているのね。
[>>*251 古いけれど大切にされていただろう手鏡の、その仕組みがそう呼ばれることは知識にあった。
一歩前に近づく、ろうそくの炎が揺らめければ、壁に映る花模様もあえかに揺らいだ]
うん、……綺麗、
牡丹の花ね、冬にも咲く花。
――……あなたは何か、祈るの?
[問いかけて振り返る、
ゆらぐろうそくの灯りは、柔らかな色。
照らされた頬は、魔物ではない人のような色だった]
お前達が携えて良いのは吸血鬼の誇りと勝利のみ。
未だ分を弁えぬ家畜達に思い知らせろ。
[儀礼用に携えていたサーベルを抜くと、一度天に掲げて
ゆっくりと扉を指した]
|
[不意に動き出し、背後を突こうとする赤髪隻眼の吸血鬼に 先に気付くのは、周の背後を守る形で連携していたサミュエルだろう]
――――っ。
[サミュエルの注意を促す、短い叱咤に周が振り返る刹那。。 鬼は九節鞭を紙一重でかわし、鞭剣が伸びきったままの周に鋭い爪を振り下ろす]
(448) 2014/02/09(Sun) 23時半頃
|
― 初陣の前 ―
…外、ですか。
[外の光を浴びなくなってもうどのくらいになるのかな。……五年?
日にちを数えるのはとっくにやめていた。
僕はにーさんやねーさん達より小さいままで、相変わらず長袖の服しか着なくて、
もう意味ありげな笑い顔が顔中に貼りついちゃったに違いないんだけど、
鏡を見なくなってやっぱり長いから実際のところはわかんない。
でも今は表情を消して頭を垂れている。
だってここは“始祖様”や“お姉様”の前]
行け。
[放った一言で控えていた吸血鬼達も一斉に動き出す。
玉座から動いた始祖が率いて向かうのは帝都の陸軍駐屯地。
火力に任せれば勝てると思い上がる家畜達に、
どれだけ戦力を集結させても無意味だと思い知らせる為だった*]
[東洋の雀金の衣服に手にしたもは二振りの小さな乾坤圏]
初陣って誰にとって喜ぶことなんだよ。
[サーベルが指す先、扉を見つめる。
5年ぶりに見る外の世界とはどんなものだろうか。
不思議と胸騒ぎがする。それが期待なのか不安なのか、
わからない]
ホリー。あんたは来るの?俺はあんたを守らないといけないから。
|
[少女の吸血鬼は男の参戦に気付いていないまま 二人の襲撃者から逃げる為路地裏へと駆け込んだ。
片手を切り落とされ、太腿を九節鞭の先端に抉られ、 長い髪は途中で断たれた憐れな姿。
紅の瞳に涙を湛えた外見は ともすると守ってあげたくなるような可憐さであるけれど]
────
[絢矢は、北組を制していた手を下ろすと 漆黒に宵闇色の刃紋の浮かぶを黒刀を構え 一歩目の踏み込みで、残る少女の片手を落とし、 次の一歩で左手を切り上げ、少女の喉を切り裂いた。]
トドメを──。
(449) 2014/02/09(Sun) 23時半頃
|
|
――ッ!!
[懐に呑んだ匕首を逆手で引き抜き、赤髪隻眼の鬼の爪を間一髪弾いた。 匕首『夜刀』は金剛不壊。 鬼の爪すらものともせず、逆に打ち砕いてしまう。
そして、がら空きの背を見せた鬼に襲い掛かるはサミュエル]
(450) 2014/02/09(Sun) 23時半頃
|
律儀な事ね。
けど、今日はいいわ。
久しぶりの外なのだもの、好きに愉しんでいらっしゃいよ。
[そして、自分も愛用の日本刀を右手に持つと。
余裕の表情を見せたのだった。]
第一、あたしの方が強いから。
たかが家畜相手の戦闘で、守ってもらう必要は無いわ。
私にとって。ホリーにとって。お前達にとって。全ての吸血鬼にとって。
[誰にとっての喜びかと耳に入った声に返した声は
当然と言ったもの]
お前達が吸血鬼としての力を示す事が出来る。
家畜達に吸血鬼の力を改めて思い知らせる事が出来る。
それが喜び以外の何だと言うのだ?
[己が吸血鬼である誇りを世に広げる機会だと言うのに。
何を聞くのだと一笑した*]
[マントの下、腰から下げるのは刀身の短い日本刀。
懐剣は鍔のないせいで柄握る手まで血に濡れてしまうからと、
新しい武器を求めたのはいつの頃だったか。
初陣と聞いて、声援と鼓舞に背を伸ばし表情をこわばらせる。
いつか来る日が来ただけのこと。]
―――御意。
[言葉と態度が示すのは従順。
ゆるゆると微笑み浮かべて頭を垂れる。
灰みの僅かに残る紅は、何を顕すか、知られる前に帽子をり、余計な事を言うなと視線で理依を咎める。]
|
[隣には誰がいただろうか。
仲間が少女の心臓へ 決定的な一打を叩き込む音を聞きながら、 絢矢は既に、周とサミュエルの背後に迫る吸血鬼へと 漆黒の二刀を構え駆け出している。
距離は──、まだ遠い。
間に合わないと知るや、 帯から抜き出したくないを一本、 隻眼の吸血鬼の残った瞳へと投擲した。]
(451) 2014/02/09(Sun) 23時半頃
|
|
− 初陣の時 −
[吸血鬼に強襲されたのは帝都内で、 最新の軍備が整えられていると言う陸軍の駐屯地。
火力さえあれば吸血鬼さえ押し切る事が出来る。 そんな思い上がりを潰す様に鬼は舞い降りて。
孤児院の時とは全く違う。
初陣と言う名の殺戮が始まった]
(452) 2014/02/09(Sun) 23時半頃
|
アヤワスカは、投げたくないが狙った的を貫くのを見た。
2014/02/09(Sun) 23時半頃
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― 陸軍駐屯地 ―
[トルドヴィンに続いて舞い降りる。 孤児院の時は殆ど戦闘らしい戦闘をしなかったからか。
出撃前は守らないと行けないとまで言われてしまった。 なら、する事は簡単だ。 彼女の力を存分に示すまで。]
(453) 2014/02/09(Sun) 23時半頃
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大好きなんだ。不思議だね。
俺は大嫌いなのに、ホリーには大好きな人とかさ。
誰より強くなってもあの人は俺のこと大好きにはなってくれないのにね。
[好かれたいとかではなくてただ不思議だっただけ
確かに殺す理由はない]
―回想・リカルダについて―
もちろん……夜でも、良いよ。一緒に寝る?
[眠りたいのに眠れない事があるのだと、察する。
自分が傍にいる事で、少しでも安らげるなら。
手を握り、頭を撫でる事が許されるなら。
形見の手鏡の事も、そうした晩に彼女へと教えた。]
――うん。
[リカルダが手を伸ばす時、どこかこわごわと尋ねる。
だからいつも、笑みを浮かべて許し、両掌を差し出す。
そうして、]
痛くは、ない? 痛くないなら……大丈夫だよ。
リッキィは大丈夫。
[尋ね返すのだ。*]
[「おとうさん」という言葉に憧れたこともあった。
だけどもうそれも昔の話。
記憶のかけらがまた一つはがれて落ちる。
「おとうさん」と呼んで笑う弟の記憶。
その時、一瞬だけ複雑そうな目でホリーを見たのだった]
|
さぁ。私を楽しませろ。
[家畜達は全力だろう。 配下の吸血鬼達も無様な姿は見せられぬと 全力で狩りを始める。
視線はそんな必死な配下では無く、初陣の眷属達に向けられた]
行け。そして滅ぼせ。
[短く命ずると、サーベルを腰に携えたまま気儘に 軍人達の命を刈り取って行く。
金の吸血鬼率いる強襲は、すぐに守護部隊にも伝わるだろう]
(454) 2014/02/09(Sun) 23時半頃
|
― 回想 ―
――そんなもんでしょ。
誰からも愛される人も居なければ、誰からも愛されない人も居ない。
それぞれ好みも違うんだからそれで良いんじゃない?
[そう言ってから、彼の言葉を思い返し。]
ま、君がお父様の事を嫌ってるうちは向こうだって好きにならないでしょ。
―回想・真弓について―
うん。
――お母さんの、形見だったんだ。
[壁に近付く真弓によく見えるように、角度を変える。
何か祈るのかと尋ねられて、こくりと頷いた。]
……家族が皆、無事で、ありますようにって。
祈ってる。
[揺れる火には温度があった。
滑らかな頬を優しく照らしている。]
そう言えば、牡丹は、紙で折れるのかな……?
[彼女の部屋に散らされる千代紙を思い出す。
もし作れるのなら見てみたい、と願った。*]
[律儀な返答を最後まで聞いてから、零瑠は扉に向かう。
一度足を止め]
――柊。
[5年前の誕生日から変えた名で明之進を呼ぶ。]
|
[編み上げの革靴が交差した縞模様の中心を蹴る。
周は──サミュエルは──。 九節鞭の先端は──吸血鬼の心臓へと──?]
(455) 2014/02/09(Sun) 23時半頃
|
|
―波羅宿― [絢矢の投擲したくない>>451に残った片目を奪われ、悶絶する鬼の首を九節鞭がいとも容易く刈り取った] ――ったく、肝が冷えたぜ。
[油断をしていたわけではないが、不意を突かれるところだった。 やはり実戦は計画通りにはいかない]
向こうも終わったみたいだな。
[投擲された絢矢の得物を、赤髪無眼の首から引き抜き、北側組の方へと歩き出した]
(456) 2014/02/09(Sun) 23時半頃
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……長物、
置いてきてしまったわね。
[刃がなければ戦えないわけではないから、
そのまま命に従うことにする。
フードのついた白いマントは、
毛皮に縁取られてふわりとたなびいて、
そのまま離れるかと思えば、一度振り返った]
……リカ、
[多分彼女を案じていたのに、
案じる言葉がどんなものだったか。
――剥離したままの感情が、戻らない*]
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さて、と。
[手近な陸軍の相手を見つけると、日本刀を抜き放ち。 次々に切り裂いていく。
サミュエルとの“鬼ごっこ”でも見せたようにホリーの最大の強みは速度にあった。 捕らえることも難しければ、ホリーの斬撃を回避しきることもまた難しい。
駆け抜けるようにして次々と切り捨てると、適当な相手の顔を足蹴にして天に駆け上がる。 一息つくと、他の雛たちの様子を見るべく戦場をソラから見やる事にしたのだった。]
(457) 2014/02/10(Mon) 00時頃
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――はい。
[出立するところ、零瑠に呼ばれた。
主である黒百合が己を呼ぶ様子がないのを見ると、
彼の元に控える。]
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─ 戦闘後 ─
────…、
[余裕を見せていた吸血鬼も 周とサミュエルの前にあっけなく斃れた。
朱の下緒で帯に結ばれた 艶やかな黒鞘へ対の黒刀を収めると、 絢矢は背伸びをして、周の頬に手を伸ばした。]
血が──。
[周の頬についた一筋の赤を、指先で拭う。
昔のように、血を見て青褪めることはない。
──けれど。 伏せた夜色の睫毛は微かに震えた。*]
(458) 2014/02/10(Mon) 00時頃
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難しいかな。…うん、柊が練習したいというなら、いくらでも付き合うよ。
[淡い期待とは違う答えに僅かに眉が下がったけれど、血の壁を考えればさもありなん。
その場はそれで終わらせた話だった]
是非俺に勝てるようになってほしいね。
柊。
[くしゃりとかきまぜた柊の髪の毛。
感触は昔のまま。ちくりと胸にささった痛みは正に柊の葉のようだった]
多分、俺も忘れられてるんじゃないかなぁ…。
もう、何も思い出せないままだ。
[マユミへ投げた「俺に勝てるか」の問いに返ってきた答えには
僅かな苦笑だけを返した。
強くなってくれたなら、もう約束そのものを忘れても責められないんじゃないかと
ほんの少し思ったのもあったけれど]
そうだね。馬鹿なことをきいた。
[それきり、その問いを繰り返すことはなかった]
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―波羅宿―
[帝都に2体の吸血鬼が現れたと聞き、派遣されたのは自分の所属する部隊。
5年――あの孤児院襲撃から、5年という月日が経った。 皆それぞれ、試練を乗り越えて今日という日を向かえている。
身体も、心も大きく成長した。幾度かの実践も経験済みだ。 彼らの伸び具合には、内心舌を巻いている。 …自分が抜かされる日も、そう遠くはないだろう。
隻眼の吸血鬼とは違うビルの屋上から、絢矢や周、サミュエルの行動を静かに見守る。
それぞれが役目を理解し、一つのチームとして動いているのが、遠目からでもよくわかった。 ――大丈夫。こいつらは、そう簡単には死なない。]
(459) 2014/02/10(Mon) 00時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2014/02/10(Mon) 00時頃
君の大好きなお父様の命令だからね。
……。そうだ。君のほうが強い。
なんで俺は君を守らないといけないんだろうか。
[行け、と命じられ、きんいろに一瞥をくれてやってから踵を返す。
その手の日本刀を目を細めて眺めながら]
今度理由を聞いておいてよ。
背面を任せても、よいかな?
[自由にというのなら、方面を同じくしないかと尋ねる。]
アヤワスカは、ビルの屋上に立つ安吾を見上げ、視線で作戦の終わりを告げた。*
2014/02/10(Mon) 00時頃
[顔を上げる。“始祖様”の合図は済んだ。
左の腰に下げた東洋と西洋の剣が触れ合ってかちゃりと鳴る]
…呼んだ?
[真弓ねーさんだ。先に歩き出したかと思ってたけど。
何も言わないで隣に立つ。どんな顔したかな。
僕はふと昔のことを思い出す。部屋に入る前に慌てて踏みそうになった折り紙のうさぎ。
僕、まだあれを取ってあるんだよ]
……行こう。
[笑う赤の眼を隠すように、男の子っぽい帽子を深くかぶった*]
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[ここのところ、また吸血鬼の動きが派手になってきているように感じる。
行方不明者も多い。 …餌としてなのか、配下に加えているのか。 どちらにしろそれは、あまり良い兆候とは言えなかった。
守護部隊も、その他の軍も、警戒を強めている。 確か今日、隊長は今後の相談のため、陸軍の駐屯地へと出向いていたのだったか。
上手く話がまとまれば、ある程度の人数で組織的な戦いができるだろうと予想しつつ。]
(460) 2014/02/10(Mon) 00時頃
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[零瑠に目で咎められたことなどどこ吹く風。
扉を出る時、一度きんいろをふりかえり]
………
[小さく、吐息だけで紡いだ言葉は彼らも聞き取れないものだ*]
イアンは、アヤワスカに大きく頷いてみせた。合図を送る。――よくやった、帰還しよう。
2014/02/10(Mon) 00時頃
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