147 書架の鳥籠
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( ほら、あなたの願い事はちゃんと叶ったでしょ。 )
[どこからか嘲笑う姿なき少女の嗤い声が 聞こえたきがした**]
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だって、わたしは "ヒトゴロシ" なんだもの!!!
(8) Catbird713 2013/10/09(Wed) 22時頃
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ぼ く 、は
も う
いい…… ん だ。
[途切れ途切れ、海の底にいるようにくぐもった声が探偵に届く]
て ぃ しゃ
を … …。
――宜しくね。
[その一言だけは、クリアに、影が色を持っていた頃のように届く
どうしても伝えたかったかのように]
一蓮托生、と…言ったはずだ。
[少女が人形に変わる姿が脳裏にはまだ残っていて。
あの時、
少女に手を伸ばしたのは、シメオンで
少女に手を差し伸ばさなかったのは、私。]
…いいなら、どうして顔を隠した。
だれかに見られたくないと思ったからではないのかい?
―― …無論、そのつもりだ。
[黒い影が誰であるか、
この聲で、レティーシャを呼ぶその愛称で容易に合点がついていく。]
シメオン君…。
いってしまうのか。
――……。
[どうして、それに返す声は無い
つまり、否定の意思も見せないということ]
よ か
っ た
……。
[そのつもりだ、そう聞けてきっと影は嬉しさを覚えただろう。
――ごぼり、ごほ……――まるで海の底へ沈んでいくように、声は届きづらくなっていくけれど]
… … ん
みん … と
ち が う 、とこ ……。
[なんとなく、それは分かっている。
彼らとは行けないし、行くつもりも無いのだ。
弟から始まり、何人もの大切な相手を自分のせいで、或いはその手で死なせてしまったのだから]
だめだよ、
……だめ。
[その手は悪魔に触れる為にあるわけじゃないんだ。]
[ 皆と違う場所。
墜ちていく声は拾いづらく]
――…、また 逃げるのかい。
私の前からも消えて、誰の前からも消えて…
逃げる事で罪を背負うと、 いうのかい。
[疑問符のつけず語尾を上げない聲。]
シメオン君、
[説得する言葉はいくらでも出てくる。
敢えて自分の身の上話もしてこなかった。
あるはずのない命の天秤にいくつも命を乗せてきた。
同情を誘うつもりなど毛頭なくて
唯、思うままに言葉にするなら ―――]
…シメオン君。
君が逝ってしまっては、私は さみしいよ。
――……。
[それは違う、けれどそうとしか見えないのだろう。
敢えて何も言わなかった、理解される必要は無いと、自分のことなど忘れればいいのだと。
やがて諦めるだろうと思っていたから]
……悪いね。
来世があるなら、こんな大人の言うことを聞かない子供は持たないようにね。
謝ることはないさ。
…、来世、か。
そのようなものを
考えてもいなかった。
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―目覚めの後、書架のどこか―
サイモンさんは、私の血の中に魔力が注がれていたのを 感じていたのかもしれません、ね。 魔女の力に対抗できるのも、また、同種の力故…と。
その魔力も殆どが血と共に流れ、 使い果たしてしまったから…きっとこれで最後でしょう。
[守護の力かと問われれば、思案気な顔になり。 ルーカスが手首の傷を見遣り、痛げに目を眇めるのに>>11。 大丈夫ですよというかのように、小さな微笑みを返す]
(136) Catbird713 2013/10/12(Sat) 01時頃
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―目覚めの後、書架のどこか― わたしは…兄の魂までも失ったことを思い出した今、 一人で、あの地下室を抱く屋敷に帰って、 元のように暮らせるとも思えません…
暫く……旅にでようかと。
[血を使うかどうか考え得ている、との応えに>>12、 ご判断をお任せします、と頷く。夜を宿す瞳に、 ルーカスの掌中の小瓶に浮かぶ蛍火が映り、 一瞬だけ、濡れたような色に揺らめく]
あ、ありがとうございます…。
[手首に巻いて貰ったハンカチーフから、 不可思議な空間に、心やすまるような石けんの香が薫れば。 ふいに、生きているのだという実感と、 失われた人達の想いが、現実感を伴って胸を突き。 ルーカスの背を見送って、暫く一人で佇んでいた]
(139) Catbird713 2013/10/12(Sat) 01時頃
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―目覚めの後、書架の何処か―
[まだ、家族が笑顔で暮らしていた頃]
[博物学者だった父の元を訪れた、 様々な容姿服装、文化・言語を持つ、研究者や学生たち>>1:8。土産話は、遙かな国の風の香りと見果てぬ夢幻の幻影]
[砂漠を渡るラクダの足音]
[海に眠る巨大な生物の子守唄]
[色鮮やかな布を纏う女性たちの踊り]
[燃えるような大地に立つ一本の樹]
[氷に閉ざされた世界の静謐]
[何万光年も彼方の星々の囁き]
(143) Catbird713 2013/10/12(Sat) 01時半頃
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―目覚めの後、書架の何処か―
“いつか行ってみたいね”
“いつか聴いてみたいね”
“ああ、ホリー、いつかきっと僕達は、 あの星にだって、手が届くよ―…“
[幼い頃、寝台の中で、あるいは夜空の下、 天体望遠鏡を覗き込みながら、 オスカーと交わした言葉と、好奇心に輝く瞳を想う。
ああ、どんなにか……その願いを叶えたかったことだろう。 叶えてあげたかったことだろう]
(145) Catbird713 2013/10/12(Sat) 01時半頃
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(貴方の代わりに、わたしが世界を見るから、 あの星々に手を伸ばすから…)
[命も魂も消えてしまっても、想いまで失われはしない、 失わせはしない。]
わたしね…暫く、旅に出ようと思うの。 だから、専属の風景画家さんを、一人、探していて。
ラルフさえよければ、だけれど。 一緒に行かない?
[突然の申し出に、さもあらん、驚いた様子のラルフに、 ラルフが、無理じゃなければだけれど、どうかしら?と 夜色の瞳に小さな微笑みを浮かべて、首を傾げた]
(147) Catbird713 2013/10/12(Sat) 01時半頃
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(……にゃあ、にゃあ)
(にゃあ、にゃあ、にゃーあ)
[ふいに、すぐ近くで、懐かしい”夜”と”闇”の鳴き声が聴こえた気がして、微かに瞳を瞠る。 それは、ずっと耳奥に木魂していた、 あの地下室の夜の、決死の哭き声ではなく。
幸せだった頃、撫でる私の手のぬくもりに喉を鳴らし、 安心しきった微笑みで微睡む時の、愛おしげな囁きで―…*]
(149) Catbird713 2013/10/12(Sat) 01時半頃
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[子犬の目は道行く人間達に注がれている、誰かを探すように]
(迎えに来てよ、待ってるからさ――*)
…、ありがとう。
[ひと言、ようやく出てきた言葉は 感謝の言葉。
ひと言に含まれた意味は幾重。]
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ありがとう…!
ええ、一緒に…世界を見に行きましょう。
[ラルフの笑顔>>150に、安堵と感謝の籠る微笑みを返して、 その傍らで、同じく天井を仰ぐ]
……いつか、星空に、手が届きますように。
[この天井に輝いていた、 失われてしまった星々の願いを想い。 そして、まだ見ぬ新しい星空を探すかのように、 凝らされた夜色の瞳には。 微かな光が、生まれたばかりの小さな星のように、灯る*]
(167) Catbird713 2013/10/12(Sat) 02時頃
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