43 朱隠し
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[祭の空気を吸い込む様を
愉しげに見ながら。]
祭にあわせたかのか十二支の供物を捧げた男もいたんだ。
奥ゆかしいのか謙遜していたけど。
いい出来だったな。
祭を盛り上げてくれている。
[供物台の方へとちらり視線を向けて。]
ああ、俺も見たよ。
とても良い出来だった。
明之進も、謙遜しなくてもいいのになあ。
[ちらりと向かう視線に、供物台に並ぶ十二支と、巳を納めに来た明之進の姿を思い出し微笑んだ]
[勝丸に触れる。
そこにヒトと同じ熱はあったか、あるいは無かったか。
ふ、と笑みを浮かべる]
[同士であると確かめる意味以上に何かに突き動かされた、
触れてみよう、という意識]
[確かめられれば胸に沸く、満足と、空ろな感情]
ふぁーあ。
まだ、眠いや。
[寝ぼけてどこか、うっかり人間を通り過ぎてしまわなければ良いのだが**]
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―祭り会場―
んー。やっぱ、朝は暇やねえ。
[ふぁ、と欠伸をひとつ。祭りとはいえ、朝っぱらから甘い飴を買い求める客はあまりいない。時々、寒さしのぎに飴湯を買っていく客もいるが、今日に至ってはそれも少ない]
ちょっと店置いて、どっか行こかなー。 折角のお祭りやもんね。
[さて、どこへ行こうか。屋台の横の木箱に腰掛ながら、のんびり考えている]
(64) 2011/02/13(Sun) 02時半頃
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飴師 定吉は、メモを貼った。
2011/02/13(Sun) 02時半頃
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まぁ、油売ってないで、早うお供え物作らな、いう話やけどねえ。
[昨夜作っていた飴の花の事を思い出し。>>10>>11 けれど、仕事づくしで、気分を変えたいのも本音だ]
その辺ぶらぶらしてみよか。 なんやおもろいもん売ってへんかなー。
[どれ、と立ち上がり。売り上げを懐に仕舞ってから、店を空けた]
(65) 2011/02/13(Sun) 03時頃
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―祭り会場:屋台の通り―
[少し歩いても、どこまでも屋台が並んでいる。金魚すくい、くじびき、五平餅、お面屋、団子にうどんにそば。玩具の屋台もあった]
玩具で遊ぶ年でもないしねえ…あん。
[ふと。石畳の上に、風車が一つ落ちているのを見つけて]
おばちゃん。これ落ちとったよー。
[拾い上げて玩具の屋台の主に渡そうとするも、通行人に踏まれたのか一部が汚れて凹んでおり。屋台のおばさんは「使えないねえ」と残念そうに首を振る]
…ううん、それやったら俺買うたるで。 ちょっと修理したら使えそうやしな。 あ、まけてな?不良品やもん。
(66) 2011/02/13(Sun) 03時頃
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[ほとんどタダ同然の値段でその風車を貰い受け、礼を言って歩きだす。風車の凹んだ箇所を、反対側から押して膨らませ…]
かざぐるまなんて久しぶりやね。 何かこう、久々に祭りを楽しんでる気がするわー。
[子どもの頃好きだった祭りは、いつからか純粋な楽しみではなく、単に仕事が忙しくなる時期になっていた。それが大人になるという事でもあるけれど]
ま、俺の飴に喜んでくれる人がおるっちゅうんは、充分楽しくて幸せやねんけどな。
おや、回たわー。
[からからから。汚れた風車は、どこかぎこちなく、それでもきちんと回りだす]
(67) 2011/02/13(Sun) 03時半頃
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…冬のかざぐるまて、回ったら寒いなあ。
[もちろん、風車を回しているのは北風なので、同時に頬に冷たさも感じる。風がやむと共に止まったのを見れば、息をふうっと吹きかける。
からから。からから。]
…全然回らんまま、捨てられるか、ばらされるんかも悲しいやんね。
[そんな理由で、思わず買ってしまった風車。]
(68) 2011/02/13(Sun) 03時半頃
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[時折、北風で回る風車と一緒に、しばらく屋台の間をぶらぶらして。
午後からはいつも通り、飴細工を売る仕事へと戻るだろう**]
(69) 2011/02/13(Sun) 03時半頃
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飴師 定吉は、メモを貼った。
2011/02/13(Sun) 03時半頃
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―祭り会場―
いらしゃーい。飴作るでー? ああ、虎やね?まかしときー。
[飴細工の屋台では、いつも通りの声が響く。 ただ、いつもと違うのは、店先で汚れた風車が、風がふく度にからからと回っていたこと**]
(91) 2011/02/13(Sun) 14時頃
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[――りん]
[どこかから、鈴の音が聞こえた気がして、思わず息を飲んだ。慣れていたはずなのに]
……っ痛!
[しかし、その鈴は普通の音とは違うように聞こえた。突然頭痛がして、作業の手が止まり、片手で頭を押さえる]
[『……定吉が、弟が』
『うちら、もう家族なくしたくないねん』
『アヤカシの里を覚えてたらまた、…いつか…』
『…忘れ…何か…方法……』
『我が儘かもしれ……でもお願……』
『柳……爺…ん』]
(94) 2011/02/13(Sun) 19時頃
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何、今の………
[頭の中で、奇妙な記憶が駆け抜けた、気がした。けれど、その正体はつかめず。しばし呆然と。だが]
!? しもた、失敗してもた!うわ、堪忍してな!すぐ新しいの作るから!
[客からの視線で、飴細工の途中だったのに気づく。飴は、熱いうちに形を変えなければならない。
しかし、作りかけの猫は、後ろ脚が一本のまま、冷えて固まってしまっていた。片足のない猫の飴を逆さまにして網の上に置き、慌ててやり直し始めた**]
(95) 2011/02/13(Sun) 19時頃
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そういや――。
春松は兄が急に居なくなったと言っていたけど。
[子供達と別れた後、
アヤカシの里へと続く蝋燭の火が等間隔に並ぶ道を見て。
連れてゆかれたのなら
己が里を離れていた間の出来事だろう。
春松の兄を知る人はいるのだろう、か。]
聞いてみよう、か。
[早い時刻に見た春松の顔と何時かの顔が重なり。
の事をふと思い起こし。]
…………誰か呼んだ?
[何処かで声が聞こえて返事を返す]
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あれ?
[ふっと一息ついていると、屋台の前を通り過ぎていく人影が見えた。目についたのは、その人影が杖をついているにも関わらず、必死に歩こうとしていたからだ]
あ、前ぶつかる、危な……
[屋台から飛び出しかけた所に、明之進を支える一平太の姿。一つ息を吐いた]
一平太、いい仕事してはるわー!
[二人からそれほど遠く離れてはいないが、少々大きな声を出して届かせ。>>117]
(119) 2011/02/14(Mon) 00時半頃
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飴師 定吉は、メモを貼った。
2011/02/14(Mon) 00時半頃
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あはは、照れんでもええよー。ええことしたやん。
……ああ、やっぱり。 飴細工二つ、買うてくれたお人やね?
[照れ笑いをする一平太をからかいつつ。彼の連れてきた明之進を見れば、特徴的なその姿から、すぐに思い出せた]
すごい慌ててどうしたん?財布でもとられたん? そやね、飴湯でも飲んで、まずは落ち着きい。
[ありがとさん、と言いながら、一平太から飴湯の代金を受け取り、湯のみを二つ用意した。
屋台の隅の方に、まだ、足が3本の猫の飴を置いている事を忘れたまま。]
(126) 2011/02/14(Mon) 01時頃
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飴師 定吉は、メモを貼った。
2011/02/14(Mon) 01時頃
[屋根に腰掛けながめるなかに、アヤカシと彼を探していたひとが話すのを見つけた]
会えたのか、良かったな。
……あの様子では……連れていくのだろうな。あちらに。
[予感を口にし、頬杖をつく。
以前に彼の誘ったひとのこは、その後どうしていたのだったか。
手元にはおいてはいなかったな、と、ぼうやりと思う]
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贔屓にしてもろてるんかな?嬉しいわあ。 婆様にもよろしゅう言うとってな。
うん、食べるの勿体ないってよう言われるよー。 こういうのは見るんも楽しいからね。 寒い所に置いてやったら、しばらくは溶けずに長持ちするよ。
[笑顔で明之進に返したが。その表情が曇るのを見て、何だろうと視線を追えば>>129]
……あちゃ。んん、これ、途中でうっかり手を止めてもうてなあ。 足作りそびれてもうたんよ。
[明之進の足もちらりと見ながら、きまり悪そうに頭をかいて]
(131) 2011/02/14(Mon) 01時半頃
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[くつくつと朧には見えぬように肩を揺らす。
このアヤカシは本当に悪趣味で、意地の悪い性格だ。
何人も人間を攫っては泣かせ、途中で飽きて放り投げるばかり。
今度の相手はそうならないと良いなと願いつつキセルを吹かす**]
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河童の川流れともいうなー。
どんぶらこどんぶらこーって流されていってまうわ。 俺拾ってくれるの、婆さんじゃなくて別嬪さんのがええけどな。
[さらに軽口を叩いて、場の空気を明るくしようとしてみるが。効果はあっただろうか……>>133]
(134) 2011/02/14(Mon) 01時半頃
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[ひとによく似たアヤカシである男は、藤之助に捨てられた人の子を助けたこともあっただろうか]
――… 今度は。
[どうなるだろうか、
その答えは誰に問うわけでなく、風に流れていく]
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え、いやいや、こちらこそごめんやで……
[明之進に慌てて諸手を振ったが、続く明之進の言葉にぴたりと手が止まり、細い目を見開いた]
え、アヤカシに……山の神様に会うたん? それ、ほんまにアヤカシやったん?
[つい、勘違いではないかと確認してしまう]
(140) 2011/02/14(Mon) 02時頃
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[「アヤカシに会った」という明之進の言葉は、定吉の心をざわつかせるのに充分だった。
りん……とどこかで、鈴の音が鳴った気すらする。
…心の中のざわめきを、無理矢理に押さえつけて]
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手妻師? なるほど。手妻師やったとか、ちゃう? 水出したり蝶出したり、不思議な事するお人らやからね。
[少し前に一平太の出した話題を拾ってみて>>139]
(143) 2011/02/14(Mon) 02時頃
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飴師 定吉は、メモを貼った。
2011/02/14(Mon) 02時頃
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[体の前で止めていた手をぱたと下ろす。>>145 姿かたちは覚えていない。でも一つだけ覚えていたのは]
鈴の音……
[そういえば、あの音がどこからか聞こえたような気がしたから、何かを思い出しそうになって]
…もしかしたら、俺の会った人?とおんなじかもしれんね。子どもの頃やからよう覚えてへんけど、俺もそれっぽい人に会うた事がある。
……鈴の音が鳴っとったんは覚えてるんよ。 わーわー。おったんやなあ。
[落ち着きなく指を動かし]
(148) 2011/02/14(Mon) 02時半頃
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[一度はアヤカシに連れていかれた定吉。
けれど、戻ってきた後、常にぼうっとしたり、夜中に突然目を覚ましたりと、様子がおかしくなっていた。その様を見た定吉の二人の姉は、弟がおかしくなったのはアヤカシの里へ連れていかれたから、そしていつか再びさらわれてしまうのではないかと考えた。
姉達は定吉を連れ戻した一平太の祖父に、アヤカシと関わった一連の記憶を消す方法がないか、もしあるのならば消してほしいと願ったのだ。
定吉自身も、「家族を心配させるから」と承諾し、願った。それが「杖」の力だったのか、柳生の知り合いの力だったのか、そこまでは姉達も定吉も知らない]
えと……あんたさんも気ぃつけね。 俺はたまたま帰ってこれたんやけど。 怖かったせいか、鈴の音以外はあんま覚えてないんやけどね。
[明之進へとそう忠告する。 記憶は完全には消しきれておらず、少しだけ「覚えていた」。>>149]
(153) 2011/02/14(Mon) 03時頃
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飴師 定吉は、メモを貼った。
2011/02/14(Mon) 03時頃
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うん、昔ね。外で飴細工の練習しとったら、声かけられてさらわれそうになってん。飴作ってるの、妖術みたいで面白い、って言われてねえ。
結構大胆に、がーっと来て ばばーっとさらっていこうとしよるからね。夜、一人で出歩くんはやめた方がええね。
狐面かー。お面屋の前通るの怖くなりそや。
[一通り自分の経験を語った後、かなわんなぁと独りごちて]
あ、うん、俺定吉言うねん。よろしゅうに。 気をつけな、一平太もあんたさんも……あ、名前教えてもろてええ?
(156) 2011/02/14(Mon) 03時頃
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明之進さんやね、こちらこそ、今後ともご贔屓に。
[明之進に頭を下げ返した。>>160 と、一平太が明之進に問いかけたのが耳に入り。>>159]
………
[その問いは明之進に向けられたものだったが、自分も心の中で自身に問いかける。子どもの時は家族もいたし、『もっと腕をあげたいから』という明確な目標があったから、帰りたいと望んだ。
――今は?]
(163) 2011/02/14(Mon) 03時半頃
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飴師 定吉は、メモを貼った。
2011/02/14(Mon) 03時半頃
飴師 定吉は、メモを貼った。
2011/02/14(Mon) 04時頃
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もしかしたら、もう一回あの“アヤカシ”に会いたいとは思ってるかもしれん。多分、怖いもの見たさ言う奴やろなあ。
や、もちろん、帰ってこれるん前提やけどな。 ・・・ようわからん。
[ぽつ、とその問いに、尋ねられていないけれども呟いた]
(171) 2011/02/14(Mon) 04時頃
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