231 獣ノ國 - under the ground -
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( ねえ、クラリッサ。
きみは きみが望んだとおりに いられた? )
ここは檻の中よ! 自由なんかないわ!
そんなの、自由とは言わない。
自己犠牲、って言うのよ……!
[何度も、考えたことを思い出す。
ここから出られるなんて思っていない。けれど、もしここから出られる獣がいたとすれば。
それは、ジリヤのように抗い続けた者だろうと。
愚かだと思いながら、私はどこかで、いつかジリヤが逃げ出せる日を、願っていたのだ。
それなのに、抗い続けたジリヤを踏み台にして、私が逃げるなんて。
そんなこと。そんなこと、できるわけがない]
――――――……!?
[そんな時届いたフィリップの声に、私は一瞬言葉を失って]
な、に……何、言ってるの。
もちろん私だって、外に行くわ。
でも今は、ジリヤを助けないと。
[状況が逼迫しているのはジリヤの方だ。私にはこれからも逃げるチャンスはあるはずで、ジリヤは現時点で命が危ういかもしれなくて。
優先順位が違うわ、と言いかけて、飲み込む。
自分と他の人の優先順位が同じとは限らない。それは私だって、よく知っていることじゃないか。
私と、フィリップのそれだって、違っていて当たり前で。
だけど……だけど]
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―第一棟・廊下―
[何が正しいのだろう。状況は一刻を争って、こんな時こそ落ち着かなければいけないのに、私は酷く混乱したまま、足だけは医療室へと向かっていた。 どうしよう。どうしたらいいの。 届く声。私以外の二人の意見は一致していて。だけどそんなの、私には到底納得できない。承服できない。 唇を噛み締めて、私は急ごうとしたけれど]
フィリ、ップ。
[私の、好きな人。大切な、人。 それなのに、その姿が視界に入った時“見つかってしまった”と思ったのは、なぜだろう。 びくりと肩が震えたことに、気づかれてしまっただろうか。 まるで悪戯が見つかってしまった子どものようだ。 でも、都合が悪いところに出くわしたという意味で、大差ないのかもしれない**]
(18) 2015/07/16(Thu) 13時頃
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自己犠牲でもッ!誇りを持って死なせてくれよッ!犠牲にすらなれねぇなンて、まっぴらゴメンだッ!
死に方を選ぶ自由をくれよッ!マユミッ!
[ひどい言い草だ。自分の自由のために、相手の自由を制限しろと言っている。エゴだ。]
僕はきみを犠牲だなんておもわないよ
まだジリヤが死ぬなんて、決まってない。
きみはきみの自由に
ぼくはぼくの自由にする。
本当はね、
まゆみのしたいようにしようかと思ってたんだ。
狡いよね。人のせいにしようとするなんて。
自由なジリヤがいたから、僕はぼくを自由にできた
……自由を、思い出させてくれて ありがとう。
|
[抱きしめる腕>>19は、どんな頑丈な鎖よりも私を縛る。 だって、好きな人なのだもの。大切なのだもの。 そんな人に抱きしめられて、振りほどける、わけがない]
……ずるい、わ。
[掠れた声で、力なく抗議した。僕と逃げて、だなんて。なんて酷い誘惑の言葉。 私はもちろん、フィリップと一緒に逃げるつもりで。けれどそれは、今じゃないはずなのに]
逃げるわ。……でも、ジリヤも、
[一緒に。そう言いたくて、けれどその言葉は、途切れてしまう。 ジリヤは、足を挫いている。そして、飛べと言われたけれど……きっと私には、一人が限界だ。 いくら私の翼が大きくても、二人を連れて飛ぶなんて……そんなことは、できない。きっと、私の手に余る。 今の私は、あれもこれもしたいと、できもしないことに駄々をこねる子どものようで]
(22) 2015/07/16(Thu) 15時頃
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どうして、死ぬって決め付けるのよ……。
生きなさいよ! 生きるために抗いなさいよ!
[ジリヤへの返事は、我ながら八つ当たりめいている。
自分の無力さに、打ちのめされて]
生きて、よ……お願いだから。
[思い出した私は、知っている。私は、大切な人を亡くしたことがある。
病気でとうさまが亡くなって、かあさま一人では、私を隠し通せなくなった。
お願い、と震える唇で私は駄々をこねる]
生きることを、どうか、諦めないで。
抗って。
マユミは、フィリップ>>21、に「ずるいわ」と繰り返す。
2015/07/16(Thu) 15時半頃
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[もう一度、ずるいと私は詰った。わかっている。八つ当たりだ。 無表情な瞳から涙を零して、こちらを見つめる瞳>>21を見つめ返して、私はしばらくの逡巡の後、結局小さく頷いた**]
(23) 2015/07/16(Thu) 15時半頃
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…最後まで、抗うさ。それでも、ダメな時なことを、頼みたいンだ
[我ながらひどい嘘だと思った。もう、決まって…いや、決めているのに]
ねえ、ジリヤ。
きみは僕らのうちの誰より強いんだから
君はずっと きみのままでいて。
………先に、いってるから。
出られなくって戻ってきたら… 笑ってよね。
[ 別れのことばは言わない。
いつか太陽が、彼女のプラチナの髪を照らす日が来るよう
願うだけの狡さを噛みつつ。
彼女が内に秘めた決意のことなど
なにも、しらないままで。]
…あぁ、アタシが変わるわけ、ないだろ?
[嘘だ、今はこんなにも変わって…いや、戻って?]
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[八つ当たりなのに、フィリップは私が詰っても、何の反論もしない>>31。 わかっている。本当に悪いのは私だ]
そんなの……私だって。 ……謝らないで。
[私だって、何よりフィリップが大事で。 違うのはきっと、私に覚悟が足りないこと。 二兎追う者は一兎も得ないのに、ぐずぐず選べずにいた私が悪いのだ。 ずるいと言ったその口で、謝るなと言って、私は首を横に振る]
ごめんなさい。
[私が選べずにいたから。今だって、本当に選べているかはわからないくらいだから、フィリップは悪者になってくれたのだ。 悪者にしてしまったことを謝って、私は取られた手>>32を握り返した]
(33) 2015/07/16(Thu) 20時頃
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駄目な時のことなんて、考える必要ないわ。
もがいて、抗って、なんとしてでも、生きて。
生きてなきゃ、ここから出られないのよ。
[覚悟を決めていないのは私だけ。そんなことも知らず、言い放って]
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[強く握られた手を引かれて、走る。走る。 頷いたのに、その手を取ったのに、どこまでも優柔不断な私は、後ろ髪を引かれて。 決してついていくのが苦になるような速度ではないのに、フィリップに引っ張られるように、走る。
わかっている。一番最悪のシナリオは、ジリヤが殺される上に、私たちの脱出も失敗に終わることで。 一番いけないのは、ぐずぐずと優柔不断に何も選べずにいることだ。 そして、このまま私がぐずぐずしていては、フィリップのことも、巻き込んでしまう。
あふれる涙はそのままに、私は歯を食いしばって、今度こそ覚悟を決めた。 一度強く目を瞑って、ためらいを振り捨てるように速度を上げる。 フィリップに追いついて、追い越して、 でも、繋いだ手は、絶対に離さない**]
(34) 2015/07/16(Thu) 20時半頃
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ああ、あぁ、わかってるよ。そうだな、ダメなんてありえねぇ。
…抗ってりゃ、いつかは出れる。だろ?
だから、先に出て待っといてくれよ。アタシは一人で出れるから。
[嘘を重ねる。目の前の人間に言っていることと、まるでチグハグな事を並べる。ジリヤは、この空の下で、生きている。そういう事にして、傷つけたくない。そんな臆病な、ハリネズミ。ちょうどいい距離を、見つけられなかった]
[ かけられた言葉に こころは泣いているのに
笑みがこぼれる。
たぶん、僕の中の針鼠が
変わらず彼女であり続けてくれたからだとおもう。
庭で少しだけなでた手の感触を思い出して
僕はそれを抱え込むように 刻むように胸に当てて
ぼくは彼女の声に 無言の別れを告げた。]
私たち、獣がここを出られる日が来るなんて、思っていなかったわよね。
[私は言う。出られる日が来るなんて思っていない。けれど、願うことは許されるはずだと。
きっと来ないと思いながら、ここを出る日を夢見続けた日々]
鮫の彼だけじゃない。私たちもここを出られるって、証明してみせるから。
待ってるから。
必ず、来るのよ。
[女医の命を奪おうとして、殺されるかもしれないジリヤ。
足を挫いていて、今は逃げられないというジリヤ。
彼女が逃げられる未来なんて、私にはわからなくて。
けれど私には、願うことは許されるはずだ。
信じることは、許されるはずだ。
抗い続けた、そしてこれからも抗い続けるジリヤになら、できるはずだと]
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[走って、走って、たどり着いた未知の領域>>35。 一足先に、と飛んでいくフィリップの兄を見上げようとしても、その行き先は、闇に包まれていて]
わかったわ。
[先に行く、というフィリップに頷いて、繋いでいた手を離す。 どっちみち、手を繋いで梯子を上ることはできないけれど、先に行ってと言われていたら多分躊躇っていたと思う。 それは、スカートの中がとかそういう問題ではなくて、私を逃がすことを最優先するあまり、囮になろうとか冗談じゃないことを考えるのではないかという不安が拭いきれないからだ。 闇を睨むようにして、私は未知の領域へと、外の世界へと、梯子を登っていく。 先の見えない闇の中。けれどこの前にフィリップがいると知っているから、怖くはなかった。 いつしか、私の涙は止まっていて]
(38) 2015/07/16(Thu) 22時頃
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[やがて、目指す先に光が差す>>36。 道しるべのように羽ばたく鸚哥のシルエットが見えて。先を行くフィリップの背中も見えて。 道案内はありがたいけれど、少し声の大きさに不安になったりしたのだけれど]
……フィリップ?
[ようやく追いついたフィリップの背中が、なんだか呆然としているように見えたから>>37。 名前を呼んで、顔を覗き込んで、そして私は息を飲む。 フィリップが、泣いていたから]
フィリップ……。
[その涙の理由は、私にはわからない。 けれど、無性に胸が痛くなって。 泣かないで、と囁いて、私はフィリップの背中をそっと撫でた]
(39) 2015/07/16(Thu) 22時頃
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ああ、必ず…
[一度、嘘をついたなら、エゴで、嘘をついたなら、せめて…突き通す、責任がある]
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大丈夫よ。
[フィリップは、何かに脅えているように私には見えて。 私は努めて穏やかな口調で、語りかける。 膝を折ったフィリップ>>42の頭を、そっと撫でた]
私は、あなたを置いてどこにも行かないわ。
[むしろあなたが私のために、自ら置き去りにならないかの方を私は心配しているくらいなのに。 その視界の端、月見の姿が見えても>>40、今はフィリップを落ち着かせることの方が大切で。 緊張すれば、きっとそれはフィリップに伝わってしまう。だから私は気づかぬ振りを決め込んで、静かにフィリップの頭を撫で続けた]
(46) 2015/07/17(Fri) 01時頃
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[警備の人間が駆け寄ってくるのが見えた>>43。 けれど大扉は閉まっていて。そもそも、フィリップを置いて逃げるなんて選択肢は私にはない。 そんなことをするくらいなら、ここで殺された方がましだ。 フィリップの背中を、頭を撫でる手に、力がこもる]
――――――……!?
[けれど、目の前で起こったのは、思いも寄らぬ展開だった。 月見が、警備の人間に駆けて。そして流れる、血>>44。 そして開かれる、大扉]
……どうして。
[思わず、フィリップを撫でていた手も止まってしまった。頭に手を乗せたまま、呆然と私は呟く。 それはもちろん、こちらにしてみれば願ってもない展開だったけれど。 そんなことをして、月見に何のお咎めもない……なんてことは、もちろん、ありえない。 静かに促されて、私はもう一度、どうして、と呟いた。 それでも、フィリップが我に返ったなら、私は逃げることを躊躇わないだろう]
(49) 2015/07/17(Fri) 01時半頃
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[いきていたい>>53その返答に、我に返る。 そうだ。私は、ここから出て行きたい。ここから出て、生きたい。 その為に、ジリヤを置いてまで、ここまで来たのだ。 人間を傷つけたジリヤを置いてきた私が、ここで人間を傷つけた人間をその後を心配するのはおかしな話だ]
フィリップ。
[顔を向けると立ち上がったフィリップ>>47が、私の手を取った>>48。 その顔に、決意をこめて、頷いて。 私は月見に向かって一度深々と頭を下げた。 逃がしてくれることへの感謝か。それとも、旅立ちの挨拶か。それは私にも良くわからない。……今までお世話になりました、でないことだけは確かだけれど。 踵を返し、もう振り向かず、私たちは大扉をくぐる。 外の世界へと向かって**]
(57) 2015/07/17(Fri) 02時半頃
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[振り返りはしないけれど、私は少し、考える。 そういえば、あの日私が暖炉の抜け道を知った切っ掛けも、この人だった>>2:3。 考えてみれば、それはあまりにも、無用心。 だって彼は、私が図書室にいることを知っていた>>2:2のだから。 獣を逃がそうとするこの人が、どんな人なのか私は知らない。なぜ管理者なのかも知らない。 10年間、私は孤独を愛してきた。特に人間とは、まともにコミュニケーションをするつもりが全くなかった。 そのことを、後悔はしていない。今更聞くつもりもない。 けれどあの日、一言くらい、返しておけばよかったと。 そんな小さな後悔をした。
――――――“あなたも、本が好きですか”]
(70) 2015/07/17(Fri) 12時半頃
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[空気が、変わった。 私の嗅覚はそれほどいいわけではないけれど、それでも確かに、空気が違う。風が、頬を撫でる。……外の匂いがする。 そう、今まで暮らした鳥籠は、こんな風に空気が動くことが、なかった。風が、なかった。空が、なかった。 私は手を取り合ったまま、フィリップの方を見て、口元に笑みを浮かべる]
はぐれてしまわないように、側にいてね。 外の世界は、広いから。
[嗚呼、潮の匂いがする。土の匂いがする>>66。10年振りの外の世界で。 私はとうとう翼を広げる。さて、飛ぶのも実に10年振りだ。飛び方は覚えているつもりだけれど、ちゃんと上手に飛べるかしら**]
(71) 2015/07/17(Fri) 13時頃
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大丈夫よ。 あなたのお兄さんは、あなたを見失ったりしないわ。
[もちろん私もそのつもりだけれど、と言い添えて、私を包み込む優しい腕>>72に体を寄せる。 大切な人を、間違っても落としてしまうことのないように、私もしっかり抱き返して。 行くわ、と短く囁くと、10年振りの空へ飛び立った。
赤い星のような彼の兄を視界に収めながら、本来は夜の住人たる私が、光の下を飛ぶ。10年振りの太陽の光は、いっそ暴力的だと思うほどに眩しくて、まるで私は笑顔を作る時のように目を細めた。 夜に溶けるはずの翼は、青空の中の染みのように目立つだろう。逃亡中の身としては、それはあまり都合がいいことではないけれど、私の翼は大きいから。きっと追いつけるものなどそうそういない。
羽音のあまり立たない梟の翼で、人間の気配を避けるように、建造物のない方を選びながら飛び続ける私は。 自由と引き換えに失った大切なものに気づくことはなく**]
(74) 2015/07/17(Fri) 16時頃
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[外の世界に、たった一人だけ会いたい人はいたけれど、今どこにいるのかわからない。 10年前まで暮らしていた場所は、私を匿うための、人里離れた森の奥。 私がいなくては、その場所は意味を失うから。一人になったかあさまが今も尚そこに住み続けているとは思えなかった。 といっても、そのうちあの場所にも行ってみるつもりではいる。 フィリップに、私の育った場所を、見てもらいたいから。 かあさまに、いつか会えるという希望も、捨てない。 世界は広いけれど、時間はあるし、そしてなによりも、もう私は自由なのだから。
赤い鸚哥に導かれる>>75ようにして、場違いな昼の空を梟は飛ぶ。 嗚呼、空から見た世界は、とても広くて綺麗。 そうして、夜の気配が少しずつ忍び込む頃、どこか懐かしいような森が眼下に広がった。 目印になりそうな大きな楢の木に宿るフィリップの兄を追いかけて降りていけば、先に木に移ったフィリップが抱きとめてくれる]
(80) 2015/07/17(Fri) 22時半頃
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ありがとう。 お邪魔します。
[着いた場所は、かつての兄弟の住処のよう。 抱きとめてもらったことと、お招きに感謝してそんな挨拶を。 長旅お疲れ様、なんて言おうかと思ったけれど、当然ながら長らく住人を失っていたその住処は埃まみれで。まだちょっと一息つけそうにない]
まずは……お掃除かしら。
[第二図書室を片付けたことを思い出す。あれはこのための予行演習だったのかしら、なんて思って。 そして、私はようやく、その場所に先客がいることに気づく。 掛けられたその声は、歓迎の声なのか、それとも迷惑がられているのだろうか? 瞬きを一つして、先客を見つめた]
(81) 2015/07/17(Fri) 22時半頃
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