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"俺"、この入れ物―――
気に入ったかもしれねぇな。
[入れ替わりの動揺するだけの青年ではなく
それを受け入れ始める―――]
いっそ、キスで目覚めるとかねぇかな…!
[小さく小さく、欲望が漏れた。]
グラス、誰か触ったか…?
[ぽつりと独り言のように落ちる。
今の井上さんは、どうやら中身が入れ替わっているようなので
井上さんに語りかけようにも、どうも躊躇してしまう。
故に、ぽつりぽつりと溢れたのだ。]
[エイルさんは、今回の件では入れ替わらなかったのでしょうか?
小さく漏れた呟き
目に入る姿。
到底信じられそうにはないけれど。山田さんが二人見えます。
そして言われて初めて気が付きましたが、今の彼のグラスには、水が入っていた跡さえ残っていないようで。
だから私は決意を固めて彼に近づきます。]
…信じてくれるか分からないですけど、「私」は誰も触っていないんじゃないかって思います。
山田さんとかと話して目に入っていないことはありましたが、此処まで水が入っていない感じになるなら、私でも気がつくと思うので。
[此処まで言って一息。そして。]
……私も、入れ替わったみたいです。
[そうとだけ、一言。
何を誰に言うべきか、言わないべきか。
私には判断が中々つかなくて。]
【人】 営利政府 トレイル……あ?へ?なんかあった? (43) 2014/08/17(Sun) 21時頃 |
あ〜…、と。
[こぼれた呟きに反応する姿や声は違えど。
口調や雰囲気から、中にいるのが井上さんだとわかる。
自分に起こった“入れ替わり”が、今度は井上さんに起こったのだろう。
自らの体験を持ってしてもだが
こう、目前にするとやはり奇妙なものだ。]
やっぱり井上さんか!
う〜ん、どんどん入れ替わって行きますね。
そうなると誰が誰やら…。
[さっきから聞こえる謎の声も、入れ替わりを愉しめと嘲笑うようで。]
水の話だけどさ。
オレも、誰も触ってないと思うんだよね。
[からりとしたグラス。
いくら少量だったとはいえ、水滴ひとつなくすだなんてことできるもんじゃない。
意見は二人とも同意、だから信じるというわけではなく。]
ん?
オレは、井上さんのいうこと信じるけど?
疑う必要性がないですしね。
[信じてもらえるかわからない、といった井上さんではない姿に
オレではない姿が、フッと笑いかけた。]
みんなが何を思うかわからないけど…
あ〜…特に、オレの言葉ならって意味合いで。
[普段そこまで酷く腐発言をしているつもりはないが
この研究会でも、オレは異色を放っていることだろう。
例えば、紫色の羊だと比喩される程度には。]
とりあえず、ちょっとみんなにも話してみましょうかね。
会長も気にしてたようですし。
──それこそ“信じてもらえるかわからない”ですけど。
[オレが溢すのはほんの少しの苦笑。]
[手にするのは安曇ちゃんが使ったグラス。
水面がゆらりと揺れる。]
移したら、どうなるかな?
[会長が回復する、かもしれない。
回復しない、かもしれない。
ひとつわかるのは、グラスを使っていた人の身が
ただではすまされないだろうということ。]
井上さんは、どう思う?
[眉を下げて、困った顔が問う。]
【人】 営利政府 トレイル は?何?この儀式って何回もデキる感じなの? (84) 2014/08/18(Mon) 19時半頃 |
少し前にも起こったような虚脱感が、再び襲って…
今回は私が入れ替わってしまったみたいですね。他の方は…エイルさんはどうやら、変わっていないみたいですね。
[彼女___いや、彼に私はそう言って、一つ溜息をつきます。
実感は正直まだたいして湧いていないようですが。]
信じない理由なら、多くあげることが出来てしまうと思いますが…だってほら。「あの人」は自らを私だと言ってますし。
[
雰囲気や仕草、口調で判断するにしても…もし「紅子さんの身体をしたエイルさん」と「エイルさんの身体をした別人だけど簡単には見分けがつかない人」がいたら。
…私には、判別出来ないでしょうし。
仮にすぐ私だけ急に元の身体に戻って戻りましたとエイルさんに言っても…それこそ簡単には信じて頂けないように思いますし。
実際に起きていない想定ばかりしても、仕方ないですけれど。
[そう言って、本来の鈴さんには若干不自然な苦笑いを私は浮かべました。]
私が話すよりは、きっと。
[後半の言葉には、それだけを返しました。]
事実自体は、信じてもらえるとは思いますよ。
でも、意味合いの取り方は考えないと…
[最後は呟くように。]
儀式の時のその人の身体か、現在の精神か。
どちらかが今の山田さんの状態になってしまうのではないかな…とは、思うのですけど。
一滴も残らず流し込むのは無理ですから、乾かしきらなければ身体とのリンクは残るかもしれませんが…全然、理論的でないですよね。
[そう言って私は苦笑いを再び浮かべながら、問われた問いに答えました。]
だから、自分のだから…では、すまされません。
特に、入れ替わってしまった人は。
そうか、お互い入れ替わりまくっちゃったらわからないよね…。
[信じる信じない、というよりも問題は
分かる分からない、というところにありそうだ。
ふむ、とオレは頷いて。]
だったら、何か二人だけで分かる言葉とか決めればいいかな?
合い言葉みたいな。
どうやら体は入れ替わっても、記憶まで入れ替わることはないみたいだし。
[合い言葉があれば、井上さんだけは井上さんと確実に認識できる。
オレもまた、オレである証明も出来るというもの、だ。]
あ、やっぱり井上さんもそう思うか。
オレもね…たぶん、たぶんだよ?
誰の水を注ごうが、会長が起きることはない気がしてるんですよね。
[くるり、弄ぶように安曇ちゃんの“命”を回す。]
でも、やってみなくちゃ分からないってのも持論ではあるんですよ。
人の命で試すことじゃないんだけどね。
オレも紅子さんと入れ替わっちゃってるし。
[オレの水を注ぐことで、今のオレの体がどうにかなってしまうのか。
それともオレの精神が、つまりこの紅子さんの体がどうにかなってしまうのかが判断がつかない。]
副会長いわく、あの声が明確に聞こえてるのはオレだそうですし。
オレに何かあったら、一番の情報源が断たれてしまうような気もしてるんですよ。
だから申し訳ないんだけど…
安曇ちゃんのグラスで試してみようかなっ、て?
[とはいえ、あまり気乗りしていないのは確か。
オレの顔は、井上さんが見せる鈴ちゃんの珍しい苦笑につられて。
似たような笑みを形作っている。]
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