65 In Vitro Veritas
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― B1階 スタッフステーションモニタ前 ― [流れる映像から目を背けて、口元を押さえていた。 明るくなった室内、耳を侵す音声は止まず、流れていく。
目蓋に鮮明に焼き付いた映像 抵抗するクローンの――人間の体を押さえつけるという、 非常に原始的な手段。
麻酔のひとつも使わないのは、 いわゆる経費削減のためなのだろうか、と。 じわり、掌に滲む汗とは裏腹に、 逃避する思考はそんなことを考える]
――……ヨーランダ、やめないか。
[雪織の口走る数々も、また耳を侵し止むことなく流れていく。 留めようとする言葉に返るのは『私に命令しないで』 彼女が立ち去る瞬間に、その向こう――見えた姿は戸惑いに揺れる色>>231]
(243) 2011/09/27(Tue) 18時半頃
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[そこにある存在。 あれが雨宮セシルのクローンなのだということを認識する。
はじめまして、こんにちは、 こんなことになって災難だね。
浮かんだフレーズは音にならない。 “自分”という存在は、一人で充分だ。
同じように考え、行動にする存在など、2つもいらない。 それは自己という存在を脅かすものだ。 何より、客観的に自分自身を見せられるのは、気持ち悪い。 そして、相手もそう想っている可能性に至れば、自ずと眉根の寄った]
――……、
[相手が――雨宮セシルを自身と同じものと、 見てはいないことなど知らない。 ただ落とした視線の先、その指先は自分のものより ずっと、節が目立つ日焼けした色だということには、気付いた]
(245) 2011/09/27(Tue) 19時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/09/27(Tue) 19時頃
――――赦さない。
[それは、酷く底冷えした声で。
今まで一度も抱いたことの無い感情が渦巻いていた]
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[カウンターの上、手にした荷物を置く。 花瓶に入れられぬままの花束は萎れかけている、 紙袋とヴァイオリンケース、持っていても荷物になるだけだ。
今はとりあえず、 目の前の“自分”から目を背けたくて――]
……出口を探すか。
[呟けば、それはこちらに近づいていた。 行方を問う言葉に緩く瞬く、明かりの中、青は色濃く]
は? え? どこにって、なに言って、るの?
誰と勘違いして――……、
[言いかけた言葉が途切れる、 表層には現われない何かが、思考の渕で繋がってゆく]
(280) 2011/09/27(Tue) 23時頃
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>>282 [自分が、その声を、 まだ壊れていない頃の兄と聞き違えたように、 クローンが自分に見ているものは、もしかしたら――。
兄とは5つの年の差がある、ああ、丁度同じ年齢だ。 5年前の手術で――あの映像のようなことが、 本当に、起こっていたのだとしたら]
――……ちがう。 俺は、その人じゃない。
ニーナなんて、知らな……
[首を振る、知らないというのは、きっと嘘だ。 それがどうなったのか、多分自分は気付いている。]
(288) 2011/09/27(Tue) 23時頃
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>>293
最後の、仕事?
[言葉は想像を補強するものでしかない、 あの腕の出所は、あの映像と等しく、 こうして自我を持って動いている存在から。
抵抗するクローンの映像が目蓋の裏に、 その人物の姿は、容易に塗り替えられていく。 あとずされば足元がふらつく、額を押さえる、一度]
――……ッ、ちがう。 俺は、その人じゃない。君のことも知らない。
[伸ばされる手から怯えたように逃げて――、 懇願の声は届いたけれど、何を答えろというのだろう。 ただ、今はこの場から立ち去りたくて背を向ける。]
(299) 2011/09/27(Tue) 23時半頃
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[まだ階下を見ていない。 ――早くここから立ち去りたくて、 向かうのは先ほどは降りることのなかった非常階段。
道すがら、ピンヒールの音が聞こえた。 『早く迎えを来させなさいよ』 そんなことを言っていた、ように思う]
……黙れ。
[額を押さえ込んだまま、 低く、呻くように発した言葉は、 モニターの音に掻き消され、彼女にまでは聞こえない]
(308) 2011/09/28(Wed) 00時頃
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セシルは、非常階段前、響いた悲鳴にびくりと足を止めた。
2011/09/28(Wed) 00時頃
奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/09/28(Wed) 00時頃
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あ……、
[響く悲鳴に我に返る、 逃げる者と追う者は、先ほどの“ふたり”だ]
って、何して る。
[事情は全くもって飲み込めないが、 とりあえずどちらかを止めようと、追いかけて手を伸ばした。]
(317) 2011/09/28(Wed) 00時頃
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皆が……
いなくなったのは……
戻ってこない、のは……
セシルは、どうやら、追いかけてた方――クローンの方を捕まえ、損なったようだ。
2011/09/28(Wed) 00時半頃
あのおっきいヨルのせいで……
ヨルは、帰ってこなくなった……?
他の、皆も……
帰ってこなくなった皆は……
ステラレタ?
[おかしい]
[こんなのおかしい]
[だって、壊れたからって取り替えたら]
[今度は僕達が、壊れてしまう]
[そして……棄てられるというのか]
なら……先に、壊れた方を捨てればいいのに。
[何故 どうして 僕達が**]
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[反射的に手を引いてしまったのか、 転ぶ彼女を受け止め切れない、 慌てて傍らにしゃがみ込む]
――……あ、すまない。 大丈夫か、おい、しっかり――、
[よりによって、顔から、転んでいるように見えた。 起き上がらせようと身を寄せるが、 彼女が現状認識に時間がかかっているとまでは気付かない]
なんだ、今のは。
[悲鳴を上げて逃げた方の彼女は、大丈夫だろうか。 少なくとも倒れているほうの彼女に、 悲鳴を上げて逃げなければならないような危険性があるようには、見えなかった]
(341) 2011/09/28(Wed) 00時半頃
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……いたいのか?
[腫れた頬、痛いに決まっているだろうに、 そんなことを問うのは酷くばかげている。]
とりあえず床の上に座りっぱなしじゃ冷えるだろう。 どこかに座って、それから頬を冷やしたほうがいい。
[立てるか、と視線で問いながら手を伸ばして]
(344) 2011/09/28(Wed) 01時頃
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[部屋をドアの隙間から見る。
そこにニックはいて、ぶつぶつと何かを言っていた。]
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[震えながらの訴えに、眉根を寄せる。 よほど打ち所が悪かったのか、 転んだことがよほどショックだったのか。 何か、子供を相手にしているような気分になる]
――……や、大丈夫だ。 ずっと痛いなんてことはないから。
[自分でも何を言ってるのか、だったけれど。 目線を落とせば、掴まれた袖に皺が寄っていた。 何か言葉が生まれようとしている気配には気付かぬまま]
どうしたんだ? ほら、座ってないで、立って。
[掴まれた腕と、もう片方の腕を支えに回して、 立ち上がらせようとして――ふと過ぎるのは、 彼女と彼女との関係性]
……なんで、追いかけてたの?
(358) 2011/09/28(Wed) 01時頃
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大きいヨルのせいで?
ああ、
[ニックの言葉に、心、染まっていく。]
すてられた
そうかもしれない。
(ああ、いやだ。
もしかして、ニーナも
すてられたのか?
いや、ちがう
いやだ
ニーナは…)
[そう、あれはオリジナルなのだと、
事実がそう告げている。
だけれども、もしかすると、
そんな淡い期待。]
先に壊れたほうを捨てる?
[その呟きを訊いて、目を開いた。]
ニック……
何か、するなら、
相談しろ。
[それは、彼のその考えを否定しないもの。]
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[訴えが何であるかは気づかぬままに、 ただ律儀に三度、伝えられた言葉には眼差しを和らげた]
どういたしまして。 いや……むしろ、俺が君のこと転ばせたんだけど。
[こちらも大分スムーズになった返礼で、 支える片手をゆっくりと離す、 袖が掴まれたままであるならそのままで]
……わからない。 君は、彼女のことが、知りたいの?
[あの映像を見た今、2人がクローンとオリジナル、 自分と彼と同じように、その関係であるということは、わかる。
ゆっくりと誘うように足を向けるのは、スタッフルームへと。 停電があけて水は出るようになっただろうか]
(370) 2011/09/28(Wed) 01時半頃
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[スタッフルームの椅子に彼女を座らせれば、 その前に膝をついて、ゆっくりと袖を掴んだ指を解いてゆく。 ヨーランダの磨かれた爪を持つ指先とは、 随分と異なる指だと、ふとそんなことが過ぎる。]
そう、じゃあ君が 「あなたのことを知りたい」って言ってたって、 彼女に会ったら、伝えておくよ。
どうして、そんなこと知りたいのかな?って思うけど。
[言葉に返しながら――水は出ただろうか。 出なければ、荷物の中にボトルの1本でもあっただろう。 ハンカチを濡らして、頬にあて冷やす様に示した]
――……そういえば名前は?
[彼女のオリジナルに告げるのなら、 示す言葉のひとつも必要だと思って問いを向けて、 それから、スタッフルームを後にした]
(379) 2011/09/28(Wed) 02時頃
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セシルは、非常階段を降りて、地下2階へと降りる。
2011/09/28(Wed) 02時頃
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―地下2階― [ゆっくりと歩く途中、重苦しい扉が一つあった。 どちらかといえば不吉さの漂うその扉を開ければ 漂うのは吐き気を催すような腐臭]
――……ッ、
[上着のポケットの中、 指に触れる小さくて冷たいものがある。 ―――扉の向こうに、それを投げ捨てて。
それからは別に扉を開けることもなく、 階層を一周すれば、岩瀬と本屋ともう一人、 先ほどの彼女のオリジナルの姿が目に入っただろう]
(384) 2011/09/28(Wed) 02時頃
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― 地下2階・B1行き転移装置付近 ―
[断片耳に入った言葉は、]
旧ソリテス中央病院……ああ、 ヨーランダがここを昔手術した病院だと言ってた。 そうだね、彼女が手術したのは当時の中央病院だった。
――で、やっぱりそれも、動かないの?
[転移装置を見やる、 その前で佇むばかりの彼らを見ればそれは察しがつくことで、 それから一度、周囲を見やるのは]
そういや非常用の脱出装置って、まだ見てないよな。
[ごく基本的なところを思い出したからだ]
(386) 2011/09/28(Wed) 02時半頃
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― 地下2階・B1行き転移装置付近 ― [それからどうやら気分が悪いらしい、 “彼女”のオリジナルを見やる、気分が悪いのは―― 追いかけられたせいだけ、ではないだろう。
悲鳴を上げて逃げていた、落ち着いて状況を考えれば、 自分も自分のクローンからは逃げたかった。それはわかる。 恐慌状態とまで呼べる域になるのかは、わからなかったけれど]
――…お大事に。
[言葉は落ち着いてから伝える方がいいだろう。 岩瀬が背を撫でる様子を見ながら、 今口にするのはそれだけ]
(389) 2011/09/28(Wed) 03時頃
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[それから本屋>>382に同意を示し頷いて。 頷くついでに――自分が“暇そうな人”に当て嵌まると自覚した。緩く息を吐く]
一応外回りは一周まわって来たんだけどな。 部屋の中までは調べてないけど。
探しに行くか?
――……っと。
[またピンヒールの足音が聞こえる、 小さくため息を一つ吐いて、 変わらず騒々しい彼女の元へ足を向けた]
(390) 2011/09/28(Wed) 03時頃
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ヨーランダ、 ピアスの片方がないね。
いや、向こうの方で、 君のそれと似たのが落ちてるのを見た気がしてね。
[そこまで伝えれば彼女の口からは、 また罵りの言葉があふれただろう、いつものこと。 彼女の口から「ありがとう」なんて言葉を聞いたことはない。]
悪い、出口を探さないと。 早く帰りたいんだろう?
[最後までその言葉を聞かぬまま、傍らを離れた**]
(391) 2011/09/28(Wed) 03時頃
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[それから、ニックが何かをもってどこにいったのかはわからない。
ニックのオリジナルの顔を見ながら、優しいニックが今、どうしているのか、ふと心配をする。
そう、あの女。
ヨルに似た、でもヨルではない、あの女。
それに対する嫌悪憎悪は自らも一緒で…。]
[もし、ヒジョウグチを探して地下二階に下りるならば、
そのごみ処理場の近くにうろうろするその女を見つけるかもしれない。
そのとき、ニックは、どこにいるだろう?]
/*
ヨラの位置は、ごみ処理場の近く。ピアスを片方探しているようです。
ヨラキリングはニックがするのが自然かな?と思っていますが、もししないのであれば、自分がします。
|
[>>392 こちらもいまだ相手は、 停電の中で野球をしたがるとても非常識な人物、 という認識であった、のはさておき。説明はありがたく享受した]
そうそう、コンサートホールとかな。 まあ、非常用装置なんて使ったことないから、 今の今まで忘れてたけど。
[眼帯の表情が至極素直な賞賛に見えて、 ぱちくり少し瞬いたのだけれど―― その眼帯にまじまじと視線が留まったのは一瞬。 あの映像を見たあとだ、想像はそこから飛躍する。
それから一度>>391ピンヒールの元へ 話を終えれば雪織の足音は、この場からは離れただろう]
――ま、とりあえず彼女、休ませてあげたら?
[岩瀬に向けて、それだけは意思表明しておいた*]
(395) 2011/09/28(Wed) 03時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/09/28(Wed) 03時半頃
奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/09/28(Wed) 03時半頃
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