233 逢魔時の喫茶店
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― 夜 ―
[静まり返る町と路地。
人々はみな眠りに就き、夜明しの人間も外の変化に気付く事はない。
時計の長針と短針が仲良く重なり合う頃、どこかでねこが、にゃあと鳴いた。]
[ cafe & bar ]
[ Twilight ]
[揺れる看板には、昼間とは違う文字が現れる。
しかしそれは誰かが書き加えた物では無く、昔から刻まれていたかのような顔でそこにあった。
明かりのついた店の窓に人影が揺れても、きっと誰も気づかない。]
― cafe & bar ≪Twilight≫ ―
やー、悪いね。
休みの日だってのに来てもらっちゃって。
[カウンターの前の、背の高い椅子。
そこに陣取る店主は、今はグラス片手にすっかりだらけきっている。
先ほどまではきちんと掃除をしていた筈…だったのだが何時の間にかエプロンを外し、煽るのは何杯目かのアルコール。
店主が握っていたであろうモップは今は壁に身を預け、臨時の休憩を言い渡されて居た。
店内のイスやテーブルは隅の方に積み上げられ、床はまだ濡れたまま。
客は居ない。定休日だ。
勿論店員もそれに伴い休みを設定されていた日付だったのだが、何故かスタッフ全員、出勤を余儀なくされて居る。
店主からの緊急通達は、]
『掃除するから、汚れてもよさそうな服でテキトーに来て。』
[緊急でもなんでもないゆるい用件と、潰れた休み。
不満を投げられても、店主は何時もの調子で笑うだけ。]
− cafe & bar ≪Twilight≫ −
[ふわふわと、ほんのりアルコールで酩酊する頭を揺らし、
けれど足取りは迷うことなく通い慣れた職場へと向かう。
呼び出しに気づいたのは、いつものように
『バー ファミリア』で飲んでいた時のこと。
どうにも性質の悪い男に絡まれ、
まじで蹴りかかる5秒前の着信はトレイルを救ってくれた。
――色んな、意味で。]
ホレさーん、それ全然
悪いと思ってるように聞こえなーい
[やや間延びした声を上げて、店内の惨状と店主に肩を竦める。]
[暴力沙汰を起こし、
『ファミリア』を出禁になることは免れたが
一難去ってまた一難。]
つーか、風呂敷拡げすぎでしょ……
これどっから手をつければいいの?
[びしょびしょの床と、
すっかりできあがってる店主へ呆れた視線を向けて。
スニーカーの踵を鳴らし近づくと、
手にしているグラスを半ば無理やり奪おうと手を伸ばす。
この半端な状況、どこから片付けようか考えて
まずは飲み足りない酒を身体に補充し、難を興に変えようかと。]*
[しゅるしゅるしゅる。
音を立てて蠢くのは、全長3m程の黒蛇である。
尻尾の先にモップを被せ、手の届かない狭い場所に突っ込んだ。
そのまま器用に拭いてゆく]
あー、俺も飲むー
[頭の部分はテーブルまで伸び、ウィスキーの瓶に絡みついて、器用に蓋を開ける。
そのままロックグラスへと注ぎ、ぴちゃぴちゃと舐める。
酒を飲みつつ掃除もする手腕である。手は無いが]
床組は頑張れよー
[床の惨状を見つつ、酒を舐める。
面積が広い部分は、手が有る奴が頑張れば良いのである。
自分も人間体になれば良いのだが、それはそれ]
――cafe & bar ≪Twilight≫――
[掃除だの片付けだのは、力仕事で、得意分野。
得意分野だけれど急の呼び出しは想定外で、今日も今日とて天邪鬼は若干不機嫌だ。
というのも、今日は珍しくゲームにログインもせず買い出しなんぞに時間を割いていて、さてこれから葉野菜と根菜でも炊いて鍋いっぱいにスープでも作るかなというタイミングだった。
小鬼は食わねば死ぬし、それで食うのがこの店の何やらというのは避けたくて、人並み程度の飯は作る。
仕事が増えるので、店員含む関係者には一度も言ったことがないし、そのためこの地味な不機嫌をどこにもやれない。]
酒。
オレにも。
[やけとまで言わないが、飲みたい気分だ。]
[酒の一杯でも貰えたなら、それをガソリン代わりに取り敢えず床を広げる作業をしよう。
テーブルの上に椅子を乗せたりと、まとめて片付けていく**]
そーお?
僕なりに精一杯謝ってるつもりなんだけどなー。
[出勤した店員に口答えをするものの、さて、その真偽は店主にしか分からぬ物として。
まさか気まぐれの通達がそんなお助けになっていたとは思いもせず、出来上がった店主はアルコールをもう一口。
昼は喫茶店店主として。しかし本業は、夜営業のバーテンダー。
酒を提供する職業の者が職場で出来上がるのもどうかと思うが、男のグラスの中身はそれなりに度数の高い物であった。
だからつまり、しょうがないよね。って感じで。
グラスを奪わんとする手には少し抵抗したものの、其れは案外あっさり取り上げられてしまっただろう。
普段と変わらぬ口調に見えて、これでもトレイル店員より酔っている。]
だいじょーぶだいじょーぶ。
ケーくんもコーちゃんもすっごい頑張っててくれてるし、終わるって。
[どうせちいさい店だし。
それに、ものすごく汚れて害虫害獣が出たという訳でもない。
…害獣の方は、ケイ店員に恐れを為して絶対に出ないのだが。
器用に掃除と飲酒を行う蛇を見て、あーおれも尻尾ほしーなー。なんて思いながら、心配症の声にケラケラわらった。
何やら不機嫌なコテツ店員にゆるい頭で首をかしげながら、]
なに?
コーちゃんなんかのむ?
俺、超働いちゃう。
[酒を所望されれば自分の出番と、ふわっふわした足取りでカウンターに入って行った。
モップは壁に立てかけたまま、酔った店主はトレイル店員に更に一難与える事になっただろう。**]
[昔は、害獣も出ていた。
出ていたのだが。
蛇にとってはおやつにしか見えないそいつらを片端から丸呑みしていった結果
全く出なくなったのである
ちなみに一部の虫も丸呑みしていたので、出てこない]
[モップ尻尾がみょーんと伸び、今度は雑巾を装備。
壁の高い部分をごしごしと拭いてゆく。
何だかんだと全員酔っぱらいの掃除である]
おつまみでも作ろうか?
[もう食料品店は開いてないから、食材はここの冷蔵庫の野菜を使うしかないが]
[普段もっと美味しい物を飲み食いしている筈なのに、どうしてこの店員は拾い食いをするのだろう?
駆除用の罠や薬を置かずに済むのは有難い事だが、いつか遭遇した丸呑み現場には、正直ドン引きの店長であった。]
じゃー、
ケーくんは、おつまみ担当ね。
[なかなかどうして、この蛇の作る食事は美味い。
ネズミ丸呑みとかするのに。
店長から彼への任務は掃除から厨房行きへ切り替わり、掃除担当はきっとまた一人数を減らす。
終わらなかったらどうするつもりなんだと、そんな事を言われたのならこう答えるだろう。
「今日の昼は臨時休業しよっか」と。]
地下軌道 エフは、メモを貼った。
2015/08/03(Mon) 19時頃
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――― ひとねむり前の ―――
…… はは、 此処のコーヒーは味が似ている、それで良い。
[睡魔に負けて舟を漕ぐ要領で ほんの僅かに首を傾ぎ、店長>>308に返した。 もとより誰かが眠ればおつまみに有り付ける身体だ。 なんなら、
そう言い掛けて、塩っぱい夢の味を思い出した。 あれを食べるのは如何にも気が引けた。 大事な記憶が見せる夢なのか、別の意味か 初めて見た日に、妙に気になってこの店を訪れたのだ。 ――― その頃にはもう 現場は見られなかったかも知れないけれど>>324]
(47) 2015/08/03(Mon) 19時頃
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注文したか、わすれる。
[夢現の注文を繰り返していた直後 噴き出すような笑い>>309に目を眇めた。]
うん。
[―――そして、"うん"で、ある。 軽い調子で、もう何度も聞く、本来なら愛のことば。 甘さを苦手とするおれでも、そのおとは軽く聞こえて 軽く聞こえるから、応えることも出来た。 応えるおとに、笑うくちも、何時ものこと。
そして、うつら、サイフォンの音色に、漕いだ首に ぐしゃぐしゃ掻き回される頭>>310と それ以上に夢を醒ます噎せたおと>>313で目が覚めた。]
(48) 2015/08/03(Mon) 19時半頃
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[噎せたおとには、直ぐさま店長が懸念を向けていて その理由――あるいは現場――に自分も居合わせて いるとは、よもや、まさかの、寝起き面。]
あんた、案外いろんな反応、するんだな。
[公園を走り抜けている時の しゃき、とした表情以外>>5を見て取って、]
仲良くなると、いろんなものが 見える。
[頷く角度は、首を縦に 掻き回された、乱れた髪のままで。]
(52) 2015/08/03(Mon) 19時半頃
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[その乱れた髪に、指>>29が触れた。 首の角度を上向ければ 先程おはようを言った相手で、おやすみを言った相手で。
ぽつ、と、漏らされたことばに、瞬き。]
…… うん。
[眠気まなこは、一瞬虚を突かれた面をした。 後の祭りの悪夢は食べられない。 良い夢に導く術も、持ち合わせていない。
思考がうつつにぼんやりと それから導き出したのは、人間が行う術。 ゆっくりと腕を伸ばして、ブローリンの髪に、触れた。]
(53) 2015/08/03(Mon) 19時半頃
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よしよし。
[母親が子供に、大事なひとが大事なひとに 人間が編み出したあやす術で、頭を撫でた。 柔らかく乗せたそれは、精々髪を乱さない程度。
そのあとには 夜の営業のこと、ブローリンとリツのやり取り 少し遠くで聞こえた"追悼">>32の単語。 誰かが死んだときに告げるおとに、目を向けた。 おれがうたた寝している間に出て行った子供は 視界にはない、が、公園で悪戯してくるこわい子供だ。]
(54) 2015/08/03(Mon) 19時半頃
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また、何時でも来ると、いい。
今度はここまで走って来ると、いいよ。
[また、と、誘いをかけるブローリンの口先に 公園の先、その先のゴールは知らないので 此処まで走ってくれば良いと、小さく、誘う。
言っている間にも リツ>>51がぐるぐる、水ともコーヒーともつかない 混乱の極みを見せているので、口端が笑った**]
(55) 2015/08/03(Mon) 19時半頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2015/08/03(Mon) 19時半頃
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[時計>>60と、ひとつ向こうで声がした。
追悼を捧げると言う持ち主が恐らくは ちく、たく、もう時を刻めない、それでも 店員に、客に、大事にされていたそのひとに。]
おやすみ。
[死者は夢を見ないだろうが ことばの参列に、おれも加えておくのだ。 そうして、今は客だと言いながらもそれなり働く 店員の背中も目に留めて、ふう、と、息を吐いた。
夜ならともかく昼間働く姿が、珍しく映ったから。]
(67) 2015/08/03(Mon) 21時頃
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知らないことを知るのに、悪い、は、ないねえ。
[崩れた敬語>>56に対しては、はは、と まるで堪えない眠気の目で、確かに、笑った。]
……… 此処まで?
[その笑う口を留めて 言われなくとも、と、告げる口>>63が肯定を匂わせて 言質を取るみたく、続けた。口に出させるのは大事だ。]
うん。 また、いつも、いるな。 そうしたら、見る。
[次に見付かったら、起きるか、如何か。 何時もは夢から見ていたかおを眺めて 確かめるように、頷いた――― 後。]
(69) 2015/08/03(Mon) 21時頃
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[カウンターテーブル、隣の席>>66 触れたのは近い指で だから、攫われたのも、近い腕だ。
預けた腕に、ならば、こちらも身体を傾けて 腕枕にも重石にもならないが、支えには、なる。 眼鏡の奥で目を細めても、目蓋が閉じているかは分からないが、手の甲をちょいと、前髪簾の額に。]
おやすみ。
[そう告げて、うつら、また、舟を漕ぐ一瞬。]
まったく、寝不足だらけだねえ、此処は。 ふわあ ……
[表向き眠気を隠している店長も 腕に凭れる隣の彼も、もしかしたら、他にも。 よく眠れていると言っていたリツに目配せをして 寝過ぎているくらい寝ている俺は、欠伸をした。]
(71) 2015/08/03(Mon) 21時頃
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[触れた手の甲から、じわりとした、暗い夢が滲む。
ああ、まったく
欠伸の影に、その感情を隠して 眠気ではない角度に、半目を瞬かせた。 目の前にはまだ、お代わりのコーヒー。 湯気を残したそれを、空いた手で拾い上げた。 ――― ぐい、と、熱いものを飲む、一気に。
そうして、かつん、と、カップの底が音を立てて それを合図に、おれの頭も、重たく傾いだ。 ずるりと、お隣さんの夢を食うのは、距離上、容易い。 問題はその腹持ちの、良さ。]
(73) 2015/08/03(Mon) 21時半頃
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[意識が落ちる寸でに、声>>72が聞こえた。 短いことばも、相手が彼なら、聞き馴染んだもの。]
うん。 どんな音がしたか、気になってねえ。
[大事に触れられるそれに手を伸ばすことが 気が引けたのも本心で、おれは素直に、そう告げた。 そのあとは、うつら、うつら、傍らの眠気に誘われて うたた寝し過ぎのおっさんが、また、舟を漕ぐ。
おやすみ、と、言ったからには、おやすみしてろ。
夢>>70をつまみ食いするずんぐり、ばくり**]
(74) 2015/08/03(Mon) 21時半頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2015/08/03(Mon) 21時半頃
いらない。
[オレにも、と言っておきながら、働こうとする店主は止める。
勝手知ったる(知らなきゃ困る)バータイムのグラスの配置。
ショットをひとつ取り出して、透明な酒を自力で注いだ。
度数の高い火酒を、一息。]
っし。
[景気づけってのはこういうものだ。
けふ、と息ついて、掃除開始。]
食い物作れよ。
[つまみを作りに行くケイに短く釘を刺して、あとはだんまりのまま、黙々と片付けと掃除を進めていく。人出を減らして終わらなくなるなんて、そんな殊勝な心配をする頭も口も持ち合わせちゃいなかった。
床がすっかり広がったら、トレイルに拭くよう頼んだか。
オレ自身はその積み上げた椅子だのテーブルだのを拭いていく。]
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[全部食うには時間が足りない。
あくまでつまみ食い、に、留めて 夢見もそこまで良くはならない塩梅で 塩っぱいような苦いような複雑な夢から、醒めた。
此処で出るコーヒーよりも、複雑な味だ。]
ふああ、ッと………
[夢でも聞こえた、店内の会話。 地獄耳では、ございません。]
おれの方が先に、見付ける。
[起き抜けに口にしたのは、対抗心の対抗心>>83]
(96) 2015/08/03(Mon) 22時半頃
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おはよう。
[また寝て、また起きて、また寝て、また起きた。 この挨拶にも時差があって トレイル>>84が口にした瞬間は、確かに寝ていたのだ。
夜の店を知る彼ならば この時差に違和感にも慣れているかも知れないと言う 安心感――― にしては怠惰に近い、元。]
あんたも、平和だ。
[ちら、と、次に、蛇の店員>>90を見た。 これもまた時差はあるが、おれは構いやしないのだ。 彼の悪夢は、食べた記憶など一度たりとも、ない。]
(99) 2015/08/03(Mon) 22時半頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2015/08/03(Mon) 22時半頃
まあ、いーんだけど。慣れてるし
休日手当、つけてくれるんでしょー?
[ホレーショーから強引に奪った酒の中身は、
思いのほか濃いアルコールが詰まっていて、ひとくちだけで
喉がかっと熱くなり。
酩酊する頭をぐらり、傾け語尾が更にだらしなく伸びる。
といっても、全長3メートルには遠く及ばない。]
ケイってほーんと、器用だねえ
[今は文字通り、掴みどころがなくなった同僚へ向けて。
昼間、厨房でふるっていた腕がどこへ消えたのか、
ほかにも謎は多いが、謎のまま済ませている。
店主も、店員も、今や気が置けない存在で。
それだけで、トレイルには十分なのだ。]
[どれだけ悪態をついても、
呼ばれれば宴の最中でも駆けつけるのはつまりそういうことで。
それはきっと、ホレーショーにだって伝わっているだろう。
届いていなくとも、それはそれで構わない。]
おお、コテツかっけえ
[純度の高い酒を煽り、軽々と家具を移動させ広がる床に。
感嘆の息を洩らし、しぶしぶモップに手をかける。
何をどうしたって、動かなければ終わらない。
ひとまずはケイの作るつまみをニンジンに、働くとするか。
忠告は先にコテツがしてくれたから
トレイルやホレーショーの口に合うものが出てくる、はず。]
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[アマノ>>97の声を聞いたときは まだ現の夢で、どろりと眠気に誘われながら 聞いてはいたが、応えることは出来なかった。
だから、短いうたた寝のあと。
天邪鬼の、おはようの反対に、欠伸のあとに笑う。 遅れて、笑う。]
あんたの言う、じいちゃんの声ッてのは 優しい声なのか? 柔らかい声なのか?
[おれは、その声を知らないから。 アマノの例えの補足を求めるのは 言葉にするのが苦手そうな彼への意地悪の心算では、ない。そんなことまで気を回す頭は、おれには無いのだ。]
(106) 2015/08/03(Mon) 23時頃
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おはよう。
[おはよう、おはよう、隣>>103も、起きた。 この短いうたた寝の間に、一人だけタオルを乗せて。 ――― なんだ、贔屓か>>105みたいな目は、した。]
……… あんたも探すの?
[前髪の向こう側は見えないが なにを、だれを、どれを、省いて聞いた。]
ちゃんと、おやすみ、しろよ。
[謝意>>108を受け止めるより懸念を向けて おれは漸く、カウンター席から立ち上がった。]
(112) 2015/08/03(Mon) 23時頃
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[追悼会、と言う単語には、ぐるうり、視線。
蛇のように料理を振る舞うことも出来ないし デニスのように場所を空けることも出来ない
巡らせていた視線が、再度店長>>117とかち合った。]
……… 一度あることは二度ないのか。
[東洋に似た、ことわざとか言うものがあった気がした。 眠気の晴れないかおで、首を捻る。 在庫切れの早さに文句、と言うよりは、疑問に近い。]
(119) 2015/08/03(Mon) 23時半頃
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偶然重なって 欠けるのも何だ、おれも…… 行く。
……… 追悼会に必要なものッて、なんだ?
[睡魔でないことは、確かだ。 早めに店を終うのなら、どちらにせよ出るか、と しかし結論はデニスの返答次第かと、目が向いた。
まだまだ、夕焼けよりも日は高い。
ふあ、と、あれだけ寝ても欠伸が漏れる。 是非の解があれば、それを聞き届ける心算で ――此処が閉まっていればファミリアに行けば良い そんなアバウトな感慨は、ひとの身でない、それ。 来た時よりははっきりした足取りで、歩く。]
(123) 2015/08/03(Mon) 23時半頃
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はは。
[半分落ちた目蓋で、笑う先。 悪魔が握り締めたバスタオル。 覆い被さった肩に、手を伸ばして、ぽん、と叩いた。 取りゃあ、せん。声には、しない。]
二度目は、ない。
[とは、単純なおれの経験則で、ある]
(124) 2015/08/03(Mon) 23時半頃
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[ひとの弔いを夢に見ることは多い。 現でその弔いを見ることは、少ない。 夢で散々見て来たものに触れるのは、億劫だ。
だから、いま足を運ぼうと思ったのは 悪夢のそれと違う――― と、感じたのか 何だかもっと単純に楽しそう>>100だったから。]
そりゃあ、いい音だねえ。 …… 静かな音は、よく眠れる。
[店の扉に手をかけて、一度、振り向いた。 まだ聞けない時計のおと>>122に対するもの。 誰かを安らがせる音に対する、羨望と なかなか言葉足しが上手くなったアマノに、目。]
(134) 2015/08/04(Tue) 00時頃
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また、あとで。 おやすみ。
[日の高い内から言う、何時ものこと。 ドアベルを軽やかに鳴らして
―――… ファミリアッてそういえば何処だっけ?
と言う根本的問題を忘れた獏が、からん、からん**]
(135) 2015/08/04(Tue) 00時頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2015/08/04(Tue) 00時頃
わかったって
ちゃんと作る
[コテツからの釘刺しにはにやにやと笑うばかり。
害獣つまみ食いは、所謂ジャンクフードなのだ。
高級料理ばかりでは舌が飽きる、ジャンクを食べたくなる時だってある。
ただそれだけなのだ]
へへ、器用だろ?
[トレイルからの言葉にもにんまりと笑う。
蛇がうねり、とぐろを巻くと、鱗が捲れるように黒髪の人間が現れた。
原理としては、東洋の狐が化けるのと同じである。
さすがに料理をする時は手が欲しいので人間姿だ。
ジャージを来ている辺りは、ちゃんと掃除を想定していたらしい]
じゃ、マスターの指示通りってことで
[人間姿だがどことなくにょろにょろと、音もなく厨房へ]
さーて、何があんのか……おお
キノコ有るのか、いーじゃんいーじゃん
貝ねーかなあ……シュリンプは居る、と
[ごそごそと冷蔵庫を漁りつつ、消費期限を確認しながら積み上げて
メニューを考えていた]
[様々なキノコ類をフライパンに投げ込み、バターで炒める。
ここに貝が入ると美味しいのだが、無いので諦めた。
酒やコンソメで味を整えつつ、醤油を加えた。
漂うバター醤油の香り。東洋の神秘の味である]
[ついでにもう一品。
小エビをオリーブオイルで炒めて。
みじん切りにしたアンチョビとニンニクを加えれば、香ばしい匂いが漂った。
タマネギとプチトマトが追加され、華やかに。
アルデンテに茹でたパスタを加え、白ワインとバジルで味を整え、完成。
盛った後、チーズと胡椒を振りかけた。
ボリュームの有るオイルパスタの完成である]
出来たぜー
[キノコのバター醤油炒めと海鮮オイルパスタがテーブルに並ぶ。
野菜類の無いメニュー構成だが
肉食の蛇はサラダという観念が抜けがちなだけである。
要望が有れば、冷やしてあったコールスローが出てくるだろう]
なんか……酒のつまみどころじゃなくなったな……
[何故か完成したのは、がっつりと食事が可能なメニュー。
単に、蛇の腹が減っていたというだけの理由であった**]
ええー?いらないのー?
[そんなーさみしー。とか言いながらカウンター内をうろうろちょろちょろ。
まあ彼が頼まなくても、作るし。自分のを。
シェイカーもミキシンググラスも使わず手近な酒をビルドして、没収された一杯の代わりにもう一杯。
ウォッカ少々を拝借して、共に注いだのは、薬草のリキュールがほんの少し。
ロックグラスに大きめの氷を浮かべれば、仕上がったのは、氷山の名を冠すカクテルだったか。
風味がついた物の殆どロックと変わらない度数のアルコールを再び煽り、しかし誰かに取り上げられたのなら、再びすんなり没収されただろう。]
はいはいきゅーじつてあて。
大丈夫、ちゃんと、つけとくから。
増しにしとくから。
[口調はどんどん溶けていく。
これでもきっちり従業員の出勤記録は付けて居て、そろそろノートパソコンでも導入してデジタル管理にでもしようかなあなんて、経営者はいろいろ大変なのだ。
勿論今日の出勤の事もきっちりノートにメモして、書いたのは酒で思考が揺れる前。
酔っぱらった日の計算は、ドンブリ勘定になりがちである。
雇用主と店員。彼らとはそれだけの関係であった。
のだが、緩すぎる店の為かどうにもそんな間柄を超えている気も、偶には、する。
するが別に悪くは思わないし信頼関係も築けているようで、
つまり、店長感激。
きょうも店員達で酒がうまい。]
[トレイル店員がここに勤めるようになったのは、さてどういった経緯だったか。
親はふっさりした耳としっぽであったにも拘らず、しかし息子の彼はつるりとした肌。
人狼の親に人間の息子とは、面白い事もある物だ。
養子と知ったのは意外とすぐに。
トワイライトの『前』の店長も人狼であったから、きっとその辺りの繋がりだっただろう。
前の店長の、知り合いか友人の、息子サン。
昔は子供だった彼と再び再会したのは、店長の称号が自分に引き継がれてから。]
ケーくん、これガッツリ夜食だね?
[仕上がったアツアツの炒め物とパスタを見れば、進んでいた掃除の手はぴったりとまる。
ああ、まずい、すっごいおなかすいてきた。
自分は元々夜間営業中は数度に分けた軽食で食事を済ませる事がほとんどで、こんなガッツリした食事久しぶりっていうか、抗える筈ないじゃない?みたいな?
こうばしいバターと、あまりお世話になる機会の無いソイソースの、香り。
チーズと、ニンニク、オリーブオイルの、暴力の様な、香り。
っていうかケーくんわざと香りのいい物選んでない?ぜったいそうでしょ。
料理が出来上がる頃にはそれなりにアルコールが抜けて、今はモップ片手にきちんと床を磨いている。
居たのだが、]
――ワイン、開けよっか。
[だからご飯にしよっか、と。
掃除はいったん休憩で、彼の料理が冷めないうちに。
大丈夫。まだ夜は長いのだから。**]
|
――― 公園 ―――
起きてるから……
[目の前には金髪の子供、その手にはゴム鉄砲。 店にいないと思いきや、思わぬ再会に足留めを食らった。 ベンチで寝転んでいた日には、額に食らって強制送還。
見た目より凶悪な武器だということは理解していた。 ――だあが、今は起きているから駄目だ。]
(180) 2015/08/04(Tue) 08時頃
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|
……ああ、
[ふと、思い至る一案。 相手は子供だが、人間の子供だ。
追悼を悪夢の類いと捉えがちなおれよりは 意外と妙案こさえてくれるのではないか。]
あんた、追悼って、分かるか? 追悼。 ついとう、あ――…
[どんな文字か、どんな意味か。 悪戦苦闘している間にも日は傾く**]
(182) 2015/08/04(Tue) 08時頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2015/08/04(Tue) 08時頃
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[陽の傾きが、じりじり、髪の色を焦がす。
ひとは、おれより早く死ぬ。 当然のことを、もう何度目に、目の当たりにした。
喫茶店で眺めた、光景。 受ける日差しに、追悼なんて慣れない説明、あと、ねむい。
金髪の子供を前に、白昼夢を、見掛けた。 起こされたのは、声>>186だ。]
………
[喫茶で見掛けたかおと、時々此処で見掛けるかお。 息切れする姿が重なって、一瞬、真面目に目が覚めた。]
(187) 2015/08/04(Tue) 12時半頃
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ああ。
[自分でも思いもよらない間抜け声。 金髪の子供は、未遂だが おれに向けていたゴム鉄砲を降ろした。 悪戯が見付かった子供の調子で、後ろ手に隠して、走り去る。
――…事案でこそないが、取り残された。]
見付かった。
[何をしている、の、答えではない。 喫茶での会話、対抗意識の延長戦。 はは、短く声を漏らして、おれは普通に笑ったんだ。]
(188) 2015/08/04(Tue) 13時頃
|
|
追悼ッてのは、何を持っていくのが普通なんだ?
[それから、子供に尋ねようとしていた疑問を 笑う口を留めて、尋ねた。
息を切らしているのに 水でも飲むか、なんてことばも出て来ないんだ**]
(189) 2015/08/04(Tue) 13時頃
|
地下軌道 エフは、メモを貼った。
2015/08/04(Tue) 13時頃
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[一瞬醒めた目は、リツ>>191を捉えて、眇められた。 笑う口端に合わせた角度。 喫茶店で見せた表情とは、少なからず違う。 陽の光を反射する眼鏡の所為で その違いも、まあ、効果半ばと言ったところで。]
…… うん。 あんたの勝ちだ、次はおれが、鬼?
[かくれんぼ>>133のルールは、なんとなく把握していた。 見付かったのだから、次はおれの番か、と 首を捻ったところで、まるで拗ねたみたいな顔>>191] はは。 こんなに早く見付かると、思わなかったんでね。
(200) 2015/08/04(Tue) 19時半頃
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[逃げた子供の行く先を、追い掛けはしなかった。 行き先は家かもしれないし、喫茶店かも知れない。 あの店をよく気に入っているようだから。
こちらが座ったままだから 自然と、距離が縮まるのに、任せて。]
寝てない。 喋ってるだろ、ほら。
[笑う口を指差して、から。]
……… 好きだったものは、理解らないな。 花ならおれにも、用意できるか。
(201) 2015/08/04(Tue) 19時半頃
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[白いはな。
うつくしい夢を連想させる、単語だ。 馨しい匂いに、甘い味は、如何にも苦手だが おれのぼんやりとした疑問に、丁寧に答えてくれる姿に それを口にする必要はないな、と、自然と感じた。]
あんたは。
[相手は人間だ。 追悼を捧げられる、常連客と同じ。 あんたは花を添えられたら喜ぶのか 続けかけたことばは、飲み込んだ。 頬を伝う汗が陽を受けて、眩しかった所為だ。だから。]
あんたなら、あんたは、なにが好きなんだ。
[疑問を繋ぐにしては、検討違いかもしれなかった。]
(202) 2015/08/04(Tue) 19時半頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2015/08/04(Tue) 19時半頃
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[逆光の猛威を振るう最中 おれも傾いた太陽が眩しい。 眠気ではない意味で細めた目が、リツ>>204を見た。
ベンチ、座高分、ちょいと見上げる姿勢。]
うん。 …… 走られるのは、困る。
[獏とは元来、のんびりした生き物だ。 例外に漏れず足に自信はない、素直に、首を横に振る。]
あんたも、おれの通り道に居れば良いな。
[そういえば、今日に限らず、おれが居るのは通過点だ。 本当にゆるく瞬きを重ねて、ぼんやりした、対抗心。]
(207) 2015/08/04(Tue) 20時半頃
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寝言か。 美味い、…… とか。
[食事の夢を見る人間も、多い。 その延長戦みたく言うが、おれにとっちゃただの事実だ。 後は彼の受け取り方次第>>205で。]
エフ。
[繰り返してから、首を捻った。 あんたは、と、多少、尋ねる目をしている心算で。
―――… まあ、多少、なので。]
エーフィ、…… ふあ、でもいいけどなあ。 欠伸が出る名前だろ。
[名乗る際に、どうにも欠伸が漏れて エフが段々とエフィに変質したのだと言う 冗談みたいな、本当のはなしだ。]
(208) 2015/08/04(Tue) 20時半頃
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うん。
[そして、"うん"、だ。 まじまじ此方を見る目に、洩れた欠伸の所為で 落ちかけた目蓋と一緒くた、首を捻った。 訝しがられることなんざ、起きている時は、何時もで。] 走るのは、知ってる、 …… 見てた。 コーヒーと、本、なあ。 覚えとく。
[うつら、舟を漕ぐより確かに、頷き。]
(210) 2015/08/04(Tue) 20時半頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2015/08/04(Tue) 21時半頃
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困る。 おれは走らないし、あんた、速いから。
[追い付けない、と、言い掛けて ふと、見上げた姿勢のまま、手を伸ばした。 リツ>>217が着ている服の、裾を摘まむ、算段で。]
……… 捕まえた。
[と、言うのは、ズルかも知れない、いや、ズルだ。 うん――と、おれはおれを納得させるべく、頷き。]
あんた、また、来るんだろ。 ブローリンも言ってた、しなあ。 …… 自由に、なれる? し。
[おれの友人であり、彼が言うには、司書>>41の ことばを借りた。ことばの重みは、まるで違うが。]
(226) 2015/08/04(Tue) 22時頃
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腹が減ると、ねむいなあ。 夜に、 食べるよ。 あの店で。
[夜間営業については 店長も口にしていたし、稀に、人間も見掛ける。 第一店長も人間だ。口にして構わないだろう、うん。
ぼんやり、まなこ、目を眇めて 厭だったら、と言うから、笑う>>221から おれはまた、はは、と、呼吸で、笑う。]
厭じゃない。 気になるなら、あんたも、ちゃんと名乗れば良い。
[呼ぶから、と、まだ、笑いを滲ませて。]
全然ちがうのか? ……それは、困るな。
(230) 2015/08/04(Tue) 22時頃
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[頷く時は、首を縦に、確かに頷いた。 生態として、動きは鈍い、今現在立ち上がるのが億劫 陽は傾く、追悼会ッて、何時から、だ。
思考の流れを示すよう、陽を追い駆けたが その目は結局、リツ>>229に留めた。 彼の問いかけに、疑問が塗り替えられて ちく、たく、ちく、時計の針よろしく、数秒間。]
好きなもんを貰ったら、喜ぶもんじゃないのか。 …… それなら、良いこと、あるだろ。
[そして、また、黙る。 おれなりに考えに、考えて。]
……… 寝ること。 コーヒーと、……… あの店と、此処。
(238) 2015/08/04(Tue) 22時半頃
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ハンディキャップ。 あんたが歩けば、おれは追い付く。
[走るなら、難しい、立ち止まるなら、なお易い。 例えば、今の状況のように。 立ち止まった相手>>240なら、捕まえるのも簡単だ。]
だめかねえ。
[おっさんは、フライングの有効を所望する。 裾を掴んだ指を離さない。再度、軽く引いて。 駄目か。 もう一度、尋ねて、眼鏡に、目に、リツを映した。]
そうか。 …… なら、あんたの気が向いたら、おれが見付ける。
[夢見の獏に、リツの気の向き様など 察しようもないが、なんとなく、また、を悟るくらいは。]
(257) 2015/08/04(Tue) 23時頃
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腹が空いたら、眠くなる。 ……おれは。 あんたは、違うんだな。
[人間の三大欲求を、頭に巡らせた。 感覚の違いをぼんやりと、慈しむように、笑う。]
会員制と言うか、なんだ、……紹介制。 あんたは、
[――― 此処で一度、口を噤んだ。 彼の口から、きちんと名乗られた名前>>244 それをきちんと耳に留めて、陽の所為か、別の理由か 色付いた頬を、まあ、おれは見ているわけだ。]
リツ。
[確かめるように、呼んで。]
(261) 2015/08/04(Tue) 23時頃
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リツは驚くかもしれないが、ねえ。
[夜の営業と昼の営業は、まるで異なる。
――― 欲がない、欲がない、か。 暫く口を噤んでも、別にうたた寝しちゃあいない。 いまの欲求は睡眠欲でも食欲でも、なくて。]
…… 喜ばれたいッてのは、欲じゃないのか。 次に捕まえたら おれがあんたを連れて行くッてのも、欲じゃないか。
[夜の喫茶店を見たら、どんな顔をするだろう、とか。 笑うかおか、困惑したかおか 想像するのは難しい。何せ、意外と百面相なもんで。]
(263) 2015/08/04(Tue) 23時半頃
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[客の連れから、ひとりの客としてここを訪れた時には、
ホレーショーは店員から店主に変わっていた。
働かせてほしいと頼んだのは、更に一年ほど後のこと。
ここにいれば、いつか。
養父が、帰ってくるかもしれないと。
そんな淡い期待を寄せてから、
間もなく両の手が塞がる年月が経つ。]
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ふわあ。
[ゆるい、最後が締まらないのは、おれの性質だ。 掴んだ服の裾を離して 言いたいことをぼんやり言っている間にも陽は傾く。]
ファミリアッて、そういえば何処だ。
[場所の検討は付く、何せ夢に見る男が居るので。 花屋の検討も付く、これはもっと簡単だ。]
白い花、だっけねえ。 …… うん。 探して来る。
[ハンディキャップ>>262をくれたので 眠気ではない半目で、笑い、手を伸ばした。 よし、よし、髪を撫でる心算で、これもハンデで 許されるか如何かは、彼次第である。]
(268) 2015/08/04(Tue) 23時半頃
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そりゃあ、いい夢が見られそうだねえ。
[腹が満たされて眠るなら 夢も見ないか、あるいは、見る夢も良いものか。 おれのご飯になりはしない、空腹感、漸く、ねむい。]
内緒。
[突き放すリツ>>285の口振りも 喫茶店から此処まで、大分、慣れた。 ただでさえ堪えないおれに磨きがかかる。]
はは、…… 紹介制にも、理由はある。 昼は、あんな風だしねえ。 何時でも来れば、いい。
[気が向けば、と、彼のことばを借りて。]
(299) 2015/08/05(Wed) 00時半頃
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あんたの名前は、欠伸が出ないな。
[リツの想像が、おれの知る店の実情と かけ離れていくとは気付きようがない。 人間の成りをしている以上、口に出来ない部分が多い。
眠気まなこ、ちょいと深めて まじまじ、おれを見る目>>289に首を捻った。]
欲がない、なんてことは、ない。
[結論だけを漏らして、目と口が、笑う。 しかし目が口ほどにものを語るので おれが勝ったら、教える、とはよく言ったもんだ。]
(301) 2015/08/05(Wed) 00時半頃
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[欠伸を噛み殺せない上に 口許を手で押さえるなんて芸当も出来ない。
指は無事、リツ>>295の頭に触れて よし、よし、人間がよく、やる仕草だ。 褒めたり、寝かしつけたり、そういうのに用いるらしい。]
うん。 なんとなく、分かる …… と、思う。
[辿り着けなければ、道端に花を供える。 わりとそうしかねない口振りで、頷いた。 止めろ、と、言われた指は、すこし撫でて、離れて。]
はは。 一勝一敗。
(304) 2015/08/05(Wed) 00時半頃
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また、おやすみ。
[時間帯は気にしない。
撫でた指を揺らして、手を振るのは 別れの挨拶だ。おれは、知っているとも。
足取りはいくらか確りと――― しているかは怪しいもので、公園近くの、花屋を目指した。
大丈夫だ、ここまでは、迷わなかった。 金髪のこどもの二度目の襲撃にも合わなかった。]
(308) 2015/08/05(Wed) 01時頃
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――― 花屋から ―――
[陽が暮れる前に、買い付ける、白いはな。 初めは白い大輪の百合を勧められて
それは無理 それは 本当に 死ぬほど 無理で
甘い匂いのいくらか抑えられた薔薇を選んだ。 常連は人間の年配で、男性で ブーケを断り、一本フィルムに包まれる質素なもの。]
ふあ、 ………
[公園でしゃっきりしていた現の意識が 夢を頼りにファミリアを探したものだから、うつろ。 店の扉の前に辿り着いた頃には、既に他の面子は その扉の奥に潜ってしまって、いたようだった。]
(317) 2015/08/05(Wed) 01時頃
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………
[睡魔をはらはら漏らす半目で、扉を眺めて、]
………
[ひとつ、瞬き。]
おやすみ。
[夢を見なくなった、死を悼まれるひとに。 扉の前に――― 花を、置いて行く。 この店の店主が気付くか、あるいは、誰かが
それに期待して、おれは痕跡だけ残して、踵を返した**]
(324) 2015/08/05(Wed) 01時頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2015/08/05(Wed) 01時頃
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