262 【突発誰歓RP】聖夜におうちに帰れない村
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この村にも恐るべき“人狼”の噂が流れてきた。ひそかに人間と入れ替わり、夜になると人間を襲うという魔物。不安に駆られた村人たちは、集会所へと集まるのだった……。
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…そっちじゃないよ、こっちだよ。 ここ、秘密基地なんだ。雨もへいきだし暖かいよ。
(0) 2016/12/16(Fri) 00時頃
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垂れかけの鼻水さえ氷粒になるんじゃないか、ってくらい。
ひどく、ひどく、冷え込む日だった。
(#0) 2016/12/16(Fri) 00時頃
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ほら、こっち、こっち。 プレゼントもってきた? いま、ちょうど交換するとこだったんだ。
[薄暗く、高い土手の茂みの中。 ひそかに建てられたちっぽけなダンボールハウス。 ちいさな影がいくつか、身をかがめてもぐりこんでいく]
この紐、結びつけて。 それで、そっちに置いて……ふふ。
ぼくが何持ってきたか、しりたい? あとでね。
[だれかがスウィッチを入れれば、 色セロハンの貼られた懐中電灯が あたたかなオレンジ色の光をはなち、歓声があがった]
(@0) 2016/12/16(Fri) 00時頃
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商店街のスピーカーが陽気な旋律を奏でる中。
厚ぼったい雲の隙間からわずかに差し込む夕日の光は、
せっかちなイルミネーションを窘めるみたいに、
街全体を染め上げている。
(#1) 2016/12/16(Fri) 00時半頃
双生児 オスカーがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(双生児 オスカーは村を出ました)
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––––あのう、はい、それを追加で。 ええ、ひよこのを、お願いします。
砂糖菓子のひよこがまた、一羽。 まっしろなケーキの上にそぉっと置かれ、 華やかな柄の包装紙に包まれていく。
少し曇ったガラスケースの中 色とりどりのケーキ達は歩兵隊の如くに。 何列にも、整然と頭を揃えて並び、 今宵の出番を待ち構えているのだ。
(1) 2016/12/16(Fri) 00時半頃
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なぜって、今日は、クリスマス・イヴ。
こどもたちはよろこびを歌い、
恋人たちはほほえみを交わす。
樹上に掲げられた金の星がいっとうに輝き光く、
今年最後の、祝いの日なのだから。
………たぶん。
(#2) 2016/12/16(Fri) 00時半頃
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ー ある日のこと ー
[私は寒空の中、家へと急ぐ足を早めた。 今日は孫のためにプレゼントを買ったのだ……私が生まれた頃には無かった異国の祭りは未だ馴染むことは無いが、孫達の喜ぶ顔はいつだって嬉しいもの。 つい玩具を買い与えすぎては子供たちに叱られてしまうのだけれど。
だけれど、今日は孫達も喜ぶくすりますなのだ。 ええと、何を買ったんだっけ?……まあそれはいいとして。
もうすぐ、そこの角を曲がったら我が家が見えてくる。 戦後の動乱の時期に、有難くも教職を得た私がようやく手に入れた我が家だ。 妻と子と、可愛い孫達が待っている。]
(2) 2016/12/16(Fri) 20時頃
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[私は、躊躇うことなく扉を開けてこう言うのだ。]
ただいま。
(3) 2016/12/16(Fri) 20時半頃
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ー 現在 ー
「ぎゃああああああああ!!!」
[耳を裂くような悲鳴に我に返ると……つい先程まで玄関先にいたはずなのに……儂の目の前には、何故か頭が金色に染まった娘さんが、何故か素っ裸で蹲っている。]
「ボケたフリして風呂覗いてんじゃねーぞクソジジイ!!」
[まっ金金な娘さんは驚くほど汚い言葉を吐きかけると、儂に風呂桶を一つ投げつけてくる。 カン、と一つ小気味のいい音をたてて、風呂桶は儂の額に当たって……カラカラと床の上で回った。]
……すいませんなぁ。
[尚もきいきいと喚く娘さんに頭を下げてその場を後にしようとすると……尚も責め立てる声は追いかけてくる。
(4) 2016/12/16(Fri) 20時半頃
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「すいませんなーじゃねんだよ!!孫の裸体なんか見てどうすんだエロジジイ!!」 「つか何度目だよ!!間違えて風呂入ってきたり、アタシのことお嬢さんとかってさぁ!!」 「どっか行け!!とっとと施設入っちまえ!!」
[娘さんはどうやら儂の孫らしい。 らしい、というのも、儂の記憶の中の孫の姿といえば、それはそれは可愛らしい赤ん坊なのだもの。
……本当は分かっている。 だんだんと記憶と現実の境目が曖昧になってきていると。 先程のように急に場面が変わったのも、今さっきだけのことではない。この頃は何度も何度も、そういった現象に悩まされている。
だけれど、何処までが現実で、何処までが過去なのか判別することも難しくなってきた。
……遠くの方で、未だに金切り声が聞こえたいたけれど、一体それが誰の声で、何を喚いているのか、つい先程まで知っていたはずのことがコップの底で崩れていく角砂糖みたいに、ふわふわと崩れていく。 それが儂の恒となりつつある。]
(5) 2016/12/16(Fri) 21時頃
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わぁお。
[家に帰ったら、家が無かった。]
(6) 2016/12/16(Fri) 23時頃
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─ 四頭川 橋の下 ─
マジかい。
[一週間ほど前まで。 自分の家、と呼んでいるものが”あった” 低い橋の下、真っ平らなコンクリート上を眺める。 前のねぐらから引き摺ってきたブルーシートも、 下流で拾った上等なすだれも、穴空きを無理やりつめた予備の長靴も、寿命が切れかけては無理やり直していたラジカセも。 ……ついでに言えば便所用のフタ付きポリバケツ、 そして焼酎のパックに肥料用に貯めといた小便も。
ぜんぶ、ぜんぶ。 大切な物も、どうでもいい物も無くなっていて、 残っていたのはぼぅっと虚空を眺める雑種の犬一匹。 前のねぐらから付いてきた、名無しの相棒だけだった。]
(7) 2016/12/16(Fri) 23時頃
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せやよなぁ。 おめぇに番犬期待する方が阿呆やがな。
やけどココまでサイレント撤去て、これマ? Get onや。いや外道やな。 [無表情に虚空を眺め続ける犬を、 呆然としゃがみこんで惰性の様に撫でる。 今の彼にはこの役に立つんだか立たないんだか、 居るか居ないんだか、といった犬と。 ポケットに残った本日の収入3050円しか、 文字通りに『残されていない』のだ。
蒲生 陽は路上生活者である。 のっぴきならなく拠ん所無い理由で隣町の土手に住み着き3年。されどもついぞ半年前だったか、所有権の曖昧だったその土手に。『リバーサイドゴルフ』なんてはいからな名が刻まれてしまって。
汗水垂らして耕した畑は奪われ、 共に暮らした仲間たちは分散。 ようやっと辿り着いたこの街の土手。 たったひとりでも土を弄って、稼ぎの伝を見つけて、なんとかやっていける、と思っていた矢先に、これだ。]
(8) 2016/12/16(Fri) 23時半頃
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はぁー…クソぉ。 とりま、…寝る場所さがさな。
[肩を落とし、大きな溜息。 男、蒲生は立ち上がり、腕をだるそうに回した。 犬はうんともすんとも言わず、ぺたりと腹をつめたいコンクリートにつけて寝そべるがまま。]
おめぇもアレ。 なんかえー場所探し。 今日中に家建て直すとか、多分無理や。 もうおてんとさんバイバイやかんなぁ。
[薄暗い橋の下にも夕日の光は差し込む。 肩越しに怠惰な相棒に声を掛け、 彼は足取り重く土手の草叢を上っていった。
登りきった先、橋の向こう側には 浮かれた街が広がっている。]
(9) 2016/12/16(Fri) 23時半頃
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[土手の階段を登り切り、ふと歓声に振り返る。 橋の反対側、茂みの中に小さなダンボールハウス>>@0があった。どこに通っているかは知らない、ちびっこたちの秘密基地。 彼ら…は犯人ではないだろう。 万が一、ホームレスの家からモノを盗むような肝の据わったガキ大将達だったとしても。 焼酎のパックだの、トイレバケツだのも持って行く理由が無い。]
……ま。 すこやかなるはよきことかな、とな。
[楽しげな声に不機嫌な心を微かにほじくり返されつつ。 男はスズランテープの靴紐を結び直してから、 橋を街に向かってゆっくりと歩き出した。]**
(10) 2016/12/17(Sat) 01時頃
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―― 町並みの外れ:夕暮れ
……はぁ、主はなぜこんな試練を与えたもうか……などと申しまして。
[夕焼けの日差しに目を細めながら指を組んでお祈りのポーズ。 そんな事をぼやきながら、活気溢れる町の中をトボトボと歩く少女は齢20の大学生。 着ているものはカジュアルな服装だが、これから夜の帳が降りる頃まで歩くなら少々心もとない。 こんなカップルやら家族連れが多い中、とぼとぼと所在なさげに歩いていく姿は一人というのもあって逆に目につくかもしれない。
家は一緒に上京している姉と二人暮しで特に貧乏しているわけでも家がないわけでもないのだが、こうしているのにはちょっとした理由がある]
……姉さん、家をキャッキャうふふの愛の巣窟にしないでください。
[今日は姉が付き合っている男性と一晩過ごしたいということで、今日だけどこかに行ってもらいたいとのこと。 仲良きことは美しきことかな。アガペーアガペー。アモーレアモーレ。
そうして家から体よく少女は追い出されたわけなのだけれど]
(11) 2016/12/17(Sat) 09時半頃
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……財布とかほとんど忘れてしまいました……。
[小銭程度ならあるけれど、それで一晩明かすには心もとない。と言うか過ごし方がわからない。 スマホも置いてきてしまったし、だからといって今からお子様に見せられないよ!ないちゃいちゃが展開されているであろう我が家に乗り込む勇気もない。仕返しも怖い。姉さんやめてジョロキアは山盛りにするものじゃないの]
……はぁ。どうしましょう。
[ただただため息をつくばかりで、とぼとぼと。 せめて、この身も心も冷やしてくる風を凌げそうなところはないかと、夕暮れ時の町を歩き続ける]**
(12) 2016/12/17(Sat) 09時半頃
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[ 嗚呼! 可哀想なクリストファー・ロビン! ]
(13) 2016/12/17(Sat) 10時半頃
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[ 明るい建物のなか、ずるずると不味い紅茶を啜る。 どれも同じように聞こえるクリスマスソングのお陰で、 脳内BGMは聖歌で固定された。
ティーバッグの扱いがなっちゃいねえ。 香りが飛んじまってるじゃあねえか。
元々人相の悪さならピカイチだ。 白いカップに添わせた薄い唇が不機嫌に歪むと、 赤ん坊も泣くと言うものだ。
───赤ん坊が泣くから、仕方がない。
薄水色の其に嫌気が差して、ち、等と舌を打てば、 それでも綺麗に片づけたカップを返却口まで届け、]
── ご馳走さん。
[ とか、向こうの洗い物担当の女性に言うのだ。 見送りの明るい声が、煩い。]
(14) 2016/12/17(Sat) 10時半頃
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[ 高架下の小さな紅茶専門店、“Christopher=Robin”。 店ができた頃、家のガキが黄色い熊が好きだったから。 そんな理由で名前がついたような気がする。 こじんまりとした店ながら、それなりに客はいて、 金に困っていることはない。 寧ろ そう、この趣味の悪い豹柄ストールで察してほしい。 成金趣味だ。
かつ、かつ、当てどない革靴のヒールの音。]
(15) 2016/12/17(Sat) 11時頃
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[ 嫁の妹とやらがクリスマス頃を狙って姉を訪ねてきたのは、 店兼自宅が良いところに有るからだ。 少し出ればイルミネーションの並樹通り、良い紅茶だって出る、 子どもの洋服だって買いに行ける。そんな場所。
大きな荷物を抱えて上機嫌、観光気分。 5歳になった姉の子も良い子のようだし、旦那は子煩悩と聞く。 きっと赤ん坊を連れていっても世話する人は沢山居るだろうって そんな腹のなかでの計算をして。
──赤ん坊 が 泣くから仕方がない
幾つかの紅茶を入れた紙袋が、からん、と音をたてる。]
(16) 2016/12/17(Sat) 11時頃
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[ 数えきれない程の電球が瞬く並木通り。 何を見るわけでもなく、緩慢な足取りで進む。
何処もかしこもひと、ひと、 こんなに寒いと言うのに何せ今日はクリスマスイブ、 家族や大切な人と過ごす日だ。 男が一人でウィンドウショッピングする日ではない。断じて。 明るい窓に引き寄せられるように寄ると、大体女物の洋服屋だし。
は、と白い息を吐いて、窓に背中を預ける。 誰かを待ってる風、に。
ポケットからスマホを取り出して、無駄にGoogleを開いたりしてみる。 ──ロゴがクリスマス仕様で、少しばかりいらっとしたのは ちょっと、許してほしい**]
(17) 2016/12/17(Sat) 11時頃
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— 駅 —
え、これ、どうしようもなくない……? うそでしょ?
[街の玄関口。 人の出入りが激しい駅の照明の下、途方に暮れる不幸なあたしが一人。]
(18) 2016/12/17(Sat) 12時頃
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[……2時間ほど前にはウキウキ気分で列車に揺られていたはずだった。
今日はクリスマスのさらにイヴ。なんかよくわかんないけど世間が浮つく日。 手を繋いで暖め合う恋人もいなければ、田舎くさい我が家でホームパーティーを開く風習もない。 ゆえに世間の 浮つきは見て見ぬ振りをし、部屋に閉じこもって毛布を被ってヌコヌコ動画を見漁る予定でいた。
が、今年は奇跡が起きて。 ネットを通した付き合いのある友人からお呼びがかかり、クリスマスオフ会に招かれることになった。 さみしさからの卒業。ばんざい。
財布と携帯と、プレゼント交換のために用意したペンギン型の置き時計(重い)——を丁重にラッピングしたやつを抱えて、 慣れない電車に飛び乗ったところまでは順調だった。]
(19) 2016/12/17(Sat) 12時頃
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[乗り換えもなしの鈍行線。 座席でゆらゆら揺られているうちに、いつの間にか意識が飛んでしまったらしい。 この日のために交通費とプレゼント代を稼ごうと、時間を増やしたバイトの疲れが祟ったのか。 まったく本末転倒な話で。
目覚めたらそこは既に、目的地をとっくに通過した知らない街でした。]
(20) 2016/12/17(Sat) 12時頃
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[不幸はそれだけに終わらず。 行き帰りの交通費を十分に詰め込んだはずの財布は、慌てて電車を降りた際の混乱で落としたかスられたか。 綺麗に消失していて、そりゃまあ、青ざめた。]
こわい……都会ってこわい……。
[こんな状況ですぐに頭を切り替えられるわけもなく。
まず、田舎から出てきた人見知りのインドア女にとって、 遠くの地の人というのはとっても恐ろしく映るものであり、 駅員であっても気安く話しかけたら一撃で殺されて内臓を引きずり出されるんじゃないかと、 そう怯えて何もできないでいた。
街から流れて来るクリスマスソングが呪いの歌のように聞こえる。 さみしさから卒業したと思ったのは大間違いだった。人生ナメてた。
あたしはズレた眼鏡を直すのも忘れて、 プレゼントの包み(重い)を抱えたまま、とぼとぼと下を向いて歩くしかなかった。**]
(21) 2016/12/17(Sat) 12時頃
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ーマンションの一室にてー
『いいかお前ら、よく聞けよ。
女に包丁で刺されるホストは二流。 一流のホストは、女に包丁を仕舞わせる。
そんくらいの話術とテクニックがなきゃ、ホストなんてやってけねえからな』
[あれは確か営業終了後のミーティングでだったか、幹部候補の先輩がスピーチで飛ばしたその名言もどきに当時の自分は真剣な表情で頷いていた。
だってその先輩は当時飛ぶ鳥を落とす勢いで売れまくっていて、その彼の覚えをよくすることはすなわち自分の出世の近道にもなると信じて疑っていなかった。ホストの世界では女にモテる技術と同じくらい、男に取り入る技術も必要なのだ。
数ヶ月後同棲していた風俗嬢の本営彼女に掛けを飛ばれ、売上も信用もトップどころかマイナスまで落ちたあの先輩は今どこで何をしているのだろう。
嗚呼、今ものすごく先輩に謝りたい]
(22) 2016/12/17(Sat) 14時半頃
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(あのときは陰で「意識高い系ホスト(笑)」ってバカにしてほんとすんませんした、俺は二流です、女に包丁を下げさせることもできない二流のホストです、だから一流の先輩助けてくださいあわよくば盾になって代わりに刺されてください……!)
[薄暗いワンルームマンションの一室で、パンツ一丁で女から包丁を突きつけられながら、土鈴留太が考えていたのはそんなことだった。 勿論それは現状を打破するための希望なんかではなくて、ただの現実逃避だ。だってここから言い逃れる術なんてない。 ここは目の前の女が家賃を払う部屋で、おっさんに体を売って金を稼いで帰ってきた彼女がドアを開けて最初に見たのは、自分の彼氏(ということになっている)が別の女とお別れのキスをしている姿。 ちなみに彼女の普段の口癖は、
「浮気したら去勢してから殺す」
役満、というよりただの有言実行だ]
な、ナツミ……。
[へたり込んだ体から手を伸ばす、願わくばこのまま抱きしめられてくれないだろうか。そしてあわよくばこのまませっせせに、]
(23) 2016/12/17(Sat) 14時半頃
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ザシュッ
[ーーそんな甘い幻想をぶち壊すと言わんばかりに壁へと突き立てられた包丁は、コンマニセンチ隣、恐怖で震える子羊の頬を切り裂いて。
一方的な断罪の始まりを告げたのだった]
(24) 2016/12/17(Sat) 14時半頃
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[そして、今]
さっみいい……。
[ワンルームマンションを出て、というか蹴り出されて。 ホストかぶれのチャラ男ホームレスが一匹、この世に爆誕した。 右頬には包丁によってつけられた大きめの切り傷が、手当もされないままうっすら血を滲ませている。 左頬が赤いのは冬の寒さのせいではなくグーでぶん殴られたからだ。 パンいちで震える子羊の背中にさっきまで着ていた服を投げつけてくれたのは、彼女の最後の慈悲だろうか。それとも近所の目を気にしてか。 黒Tにジーンズじゃなんの防寒にもなっていないけれども、少なくとも歩いているだけで通報されることはない。 手元にあるのは、先程手負いのメンヘラ女から逃げ回る際に落としてバッキバキに割れて電源の入らなくなったスマホ (仕事用、ちなみにもう一台ある女のアドレス用はついさっき風呂に沈められた) と、手切れ金として投げつけられた一万円のピン札のみ]
(25) 2016/12/17(Sat) 14時半頃
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……これでどっかビジホに泊まるか……。 いやでも、そしたら明日以降困るか。 とりあえず店に欠勤の連絡いれねえと……。 あー、あっちのスマホが無事だったらなあ。
[手元のピン札とにらめっこしながら受け入れてくれそうな優しいお姉さんの顔を何人か思い浮かべて独りごちる。 と、そこへ]
ーーふわり。
[風が吹いた。 一際強いそれは冬の寒気を伴いながら彼の元へと訪れてーー
ーー彼の手元の一万円札を、巻き上げた]
あっ、ちょ、待て!待ってください!
[いくら言葉をかけても一万円札は止まってくれない。 街はクリスマス一色、浮かれた空気に相応しくない情けない表情を浮かべながらダッシュで追いかける男を嘲笑うように、ピン札は風に乗り、街をかけていく。 一万円札は、そして追いかける彼は、どこへ行き着くのだろうか?]**
(26) 2016/12/17(Sat) 14時半頃
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営利政府 トレイルがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(営利政府 トレイルは村を出ました)
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[ひらひら、ふわふわ]
待ってくれ、俺の命綱!
[男は駆ける。失くしたくないものを追いかけて]
お前がいないと、俺はなんにもできないんだ!
[そうだ、なんにもできない。 暖かい寝床も、食事も、性欲処理も ーーいやそれは一万円じゃ無理だけど、とにかくお前がいないと困るんだ!だから、]
戻ってきてくれ、諭吉ーー!!!!
[幸福に包まれた冬の街を、男は走る]
(27) 2016/12/17(Sat) 15時頃
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[ 特に用もない時間稼ぎには結局飽きてしまって、 何をするでもなく待受画面を眺めていた。
5歳になった誕生日、ケーキのクリームを口の端につけて 楽しそうに、嬉しそうに笑っている、母親似の、
検索画面よりずっと飽きない。 なんて寒さに強張った表情は弛んで ( ──といっても地の顔が此だから、何かアングラな画像でにやけてでも居るのか、という具合だけれど) あー、家帰りたい、とは思いつつ、
赤ん坊のことを思うと仕方がない、 彼が寝入るまでは外を歩こうと思うわけである。 うちのガキには何か買ってってやろう。]
(28) 2016/12/17(Sat) 19時頃
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[ そんなきらきらした画面を 何か が 遮った。]
(29) 2016/12/17(Sat) 19時頃
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[ 何かも確認せず払うと、其れはまた冬の風に流されて行く。 人のかおが見えた気がした。
──札?
漸く思い当たって顔をあげたけれどもう遅い。 夢の世界を遮られた不機嫌さで札の端を見送った。
一応、名誉のためにいっておくけれど、金欲しさに見たわけではない。 ただ、でも、金一枚。無駄にしちゃあいけないものだ。たぶん。
さて、一児の父親の目の端、寒そうな格好の男は、映ったろうか、]
(30) 2016/12/17(Sat) 19時頃
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……はぁ。ため息をすると幸せが逃げるといいますが、逃げるほど幸せがない場合はどうするべきでしょうか。
[ともあれ、ため息をついたところで今の状況を変えられるはずもなく。 ただただ、吐息は白く染まっていくばかり。 ああ冷たい。ところで姉さん家事はちゃんと出来るかしら。姉さんの彼氏、惨事な事になってなければいいですけれど]
……どこか風を凌げそうな……あら?
[風ニモマケズ、冬ノ寒サニモマケズに歩いているとどこからか何かを引き留めようとする男性の声>>27が聞こえたかもしれない]
……結ばれるカップルもあれば、離れるアベックも有り……。 主よ、彼らに慈悲を……。
[それと私に温かい何かを。 声は少し遠かったからか、その男がお札を追いかけているなどとは露知らず。 彼がどちらの方向へと向かっているのかも知らない。
ひとまず祈りを捧げつつも、まずは良いところを探さないとと歩きまわり続ける]*
(31) 2016/12/17(Sat) 19時半頃
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[しかし……ここは一体どこだったか。 住み慣れた家とは違う……見知らぬ家に1人だけ取り置かれたような居心地の悪さに儂は心許なく身じろぎする。 居間と思しき部屋の壁には淡い花模様の壁紙がかかっていて、洋風な食器棚には薄いレースが目隠しするように貼られている。 その生活感がこのもぞもぞした違和感を掻き立てているようで、儂はシャツの裾をぎゅっと握りしめる。 テーブルの上に置かれたケーキの上には可愛らしいひよこ>>1……ではなく、赤い服の三択なんたらと鹿が仲良くちょこんと乗っていて、こちらをにやにやと見つめている気がして。
そんな最中のこと、突然足音荒く、部屋に女が1人飛び込んでくる。
「お父さん、大丈夫?! やだアカリったら……おじいちゃんに酷いことを……」
何故か一点額が熱を持っているところを、女の細い指がなぞる。水仕事をしていたのかひんやりとした感触が気持ちよくて、儂はうっとりと目を閉じる。]
(32) 2016/12/17(Sat) 20時頃
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……マツ?
「……お父さん、違うでしょー。 お母さんとっくに死んじゃってるじゃない。」
[何とはなしに妻の名を呟くと、目の前の女はからりと笑って恐ろしいことを言う。 全身から力が抜けていくようで、儂は思わず喉の奥で呻く。 見知らぬ女はそれでも……優しく宥めるように囁くのだ。
「お父さん、ちょっとこっちの部屋にいて。 もうすぐお夕飯にしましょう。 ……アカリにはよく言ってきかせるから。」
そう言って儂の肩に手を添えて、奥へ奥へと進む。 その奥に行きたくない。ここに居たくない。 そんな我儘は許さないとばかりに。]
(33) 2016/12/17(Sat) 20時頃
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[女に連れられて来たのは、ちんまりとした和室だった。 真ん中に布団が敷かれ、部屋の隅にはごちゃごちゃとものが積み重ねられている。 着ていたちゃんちゃんこの前を描き合わせても、やはりこのぞくぞくと背中を撫であげるような薄気味の悪さは消えそうになかった。
妻は死に 見知らぬ女が娘になり 孫は金色だった
この砂を噛んだような心持ちはこのところずっと付きまとっているものの、どうしてこうなったのか、何処に行けばそれが無くなるのかは皆目見当もつかない。
遠くで何やら声が聞こえる。 遠くの世界の出来事のような、だけれど荒々しい怒りを言葉の端々に滲ませて。]
(34) 2016/12/17(Sat) 20時頃
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こんなはずじゃあ、なかったんよぉ……!
[心の中を渦巻く気持ちをつい口にすると、哀しさが音になって部屋の空気を震わせる。
ここは、寒い。 もっと暖かなところにいたはずなのに。 どうしてこうなったのか。
居てもたってもいられなくて、儂はそっと部屋を抜け出す。言い争う声から逃げたくて、そっと逆の方向へと家の中を歩いて回って。
その中の一等冷えた扉をぎぃ、と押し開ける。 家の中よりずっと凍えた風が頬を撫でていく。
それでも構いやしないのだ。
さて、出掛けようか。 在りし日に戻るために。]*
(35) 2016/12/17(Sat) 20時頃
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なんかねえ なんか、もう、あーあって感じなの。 だから、そんな感じなの。
[道行く人には、イヤホン越しの相手に愚痴ってるようにしか見えないと思う。 でも本当は、通話状態でもなんでもない。画面には適当に開いた連絡先が光ってる。誰だっけ、この子。メールアドレスを変更し損ねて、もう二度と連絡のとれない相手だと思う。
スマートフォンのマイクにむかってしゃべり続ける独り言。]
(36) 2016/12/17(Sat) 20時半頃
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そういう時、あるでしょ?
[誰もこの会話を真面目に聞かない。 誰も日南子を見たりしない。**]
ねえ、そういう時、あるんだよ。 きっと、みんなにも、あるんだよ……。
(37) 2016/12/17(Sat) 20時半頃
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ー街中ー
諭吉ぃぃぃぃ……!
[寒空の下、男は駆ける。大切なものを求めて]
あっ、そこのおにいさ……えっ顔怖っ、いやお兄さん! その諭吉捕まえて……ああっ!
どてっ。
[ふと追いかけていた愛しのピン札が男性の手元に渡ったのが見えた。>>29 希望が見えたとばかりに声をかけるーーちょっとだけ率直な感想が混ざってしまったけれど。 走りながら張り上げた声はあまり響いたとは言い難く、相手の耳に自分のこととして届いたかどうか。 嗚呼しかし悲しいかな、彼は小中高通して体育の10段階評価で3以上をとったことがなかった。 走っているうちに足がもつれ、気づいたときは地面が目の前に]
(38) 2016/12/17(Sat) 22時半頃
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……いってえ……!
[元々顔面満身創痍だったところに追い打ちをかけられ思わずうずくまる。 幸か不幸かそのおかげで、相手がピン札を振り払う瞬間を目撃することはなかった]
……うう……って、諭吉は!?
[慌てて顔を上げたけれど、愛しいピン札の姿はもうどこにもなかった]
そんな……諭吉……!
[街中で、往来の真ん中で、情けなくへたり込む。 その姿は、すでにその場を離れてさえいなければきっと、一児の父親の視界にも入っただろう]
(39) 2016/12/17(Sat) 22時半頃
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[小さなつぶは、いろとりどりの。 光は。道ゆくひとの、幸も不幸も問わず。 ただ、平等にふりそそぐ。
鈴の音に浮かれた音楽にまみれながら。
それが。]
(クリスマス、ですねぇ……)
(40) 2016/12/17(Sat) 22時半頃
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[ 紙一枚を振り払って少し。 重いものが落ちたような、ぼて、と言う音に 風下に向いていた瞳は音の方へ 全く、騒がしいこと。 彼の喚いていたらしい声は 左から右に流れていって ( 失礼な 率直すぎる感想も! ) あ、諭吉だったんだ、くらいの感想のみが残る。
男一人、落ちていた。 青年よ、足が絡む気持ちはよくわかるぞ。 そうだ、この男だってこの見た目で喧嘩の経験もない。 運動神経は何処かに捨ててきてしまったから。]
(41) 2016/12/17(Sat) 23時頃
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[ かつ、かつ、てかてかと悪趣味に光る革靴を鳴らして へたりこんだ青年の前へ。
ぐ、と屈み込んで顔を覗く。 顔が怖いのも行動が極道じみてるのも、染み着いたものなので 悪気はないんです ええ本当に。 器用に片目だけ見開いて、上から下、 怪我はないか、一応そんな風な目線のはず。 金目のものとかは、探してないです。]
── 平気かィ、兄さん。
[ 彼が目線に耐えたなら、そうやって言葉をかけて 立ち上がるようなら手を貸してやろう。 袖すり合うも、と言うやつだ。]
(42) 2016/12/17(Sat) 23時頃
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[あとに控えた年末の存在も、今は意味をさないのだろう。 溢れ出た陽気には、すっかり真っ黒の空さえも忘れられてしまって。
青年、とも。少年、とも。 曖昧な、境界線の上をふらふら。と、見える彼は。
ほう。と吐き出す白い息ごしに。 救いの御子の誕生を祝う街頭を眺めた。
その視線は、煌めく世界とは裏腹。 昏く濁って、虚ろ半ばに。]
(その存在を信じている人の方が少ないっていうのに)
[毒吐くことばは、胸の内にしまって。 それでも眇めた目には、きっと。 しまい損ねた羨望が、うっすらと乗っている。]
(43) 2016/12/17(Sat) 23時頃
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[−−さりり。
コートの袖口から、ほんの少し、覗く、指先。 寒さに摺り合せれば、かさついた音がする。
それでも。]
(……ばーちゃん)
[記憶に残る、あのひとと握り合った掌の。 あの感触よりはずっと、ずうっとマシな気がした。]
(44) 2016/12/17(Sat) 23時頃
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[幼いころ、祖母と歩いて見た風景を思い出す。 あのとき見たクリスマス・イルミネーションはもっと間近にあって。 まるで自分だけに与えられた宝石箱みたいに。]
(……綺麗だったのに、な)
[べったりと張り付きあった男女は。 まるで世界に自分達しかいないように振舞って。]
−−痛っ!
[薄汚れたスニーカーの先っちょを、 女の履いているピンヒールで踏み付けたことも。 それに悲鳴をあげた彼のほんの小さな悲鳴にも。
気付かないまま、駅に向かっていった。]
(45) 2016/12/17(Sat) 23時頃
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(ばーちゃん。……ばーちゃん、ばーちゃん)
[あのひとがいれば、今も。 ここが、まだ。あの、宝石箱の中に見えるのかも知れない。
そう思い。 願って、祈って。
それでも救いの御子も、神も。 その髪の毛一本すら見せてはくれない。
それが、今日という日だ。]
(46) 2016/12/17(Sat) 23時頃
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−数時間前−
「オイ!ババアはどこだよ!!!」
[薄いアパートのドアは、まるで祭りの太鼓みたいにどんどん。 けたたましく打ち鳴らされて。 その音に負けないようにか。 合いの手にしてはずいぶん乱暴な怒号が繰り返し。 −−繰り返し。
終業式のあと、ともだちと駅前のファーストフード店で戯れて。 夕方からは祖母と連れ立って、 浮き足立った街並みをひやかしにでも行こうと思案しながら、 やはり薄っぺらい階段を上がってすぐに見えた光景。]
(47) 2016/12/17(Sat) 23時半頃
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……な…に……してる、ん、ですか……っ!
[一足早いサンタにしては、 どうにも悪趣味にギンギラした男に危機感をおぼえて。
総毛を逆立てて敵を威嚇する猫みたいに、彼は。 声を掛けたけれど。
それは、そこにいるはずの祖母を。祖母を。
守りたくて。
父も母も裏切っていく中。 今まで側にいてくれた祖母を。
守りたくて。]
(48) 2016/12/17(Sat) 23時半頃
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いっ、……つぅ……。
あ、はい。ありがとうございま……す……。
[したたかに打った頬に触れると、先程切られた傷がまた開いたのか、手のひらにうっすらと血が付着した。 本当に顔面満身創痍だ。立派な売り物だというのに、明日以降、店に出るときのうまい言い訳を考えなきゃいけない。 そんなことを考えながら、降ってきた優しい言葉の方向に目をやって。
紡ぎかけの感謝の言葉は尻切れとんぼで終わった]
(えっ顔怖っ!)
[2回目の台詞が口から出るのをかろうじて留まったのは、彼がこの数分で慎みを覚えて人間的に成長したからとかでは勿論なく。 単純に距離が近すぎて下手したら殺られる!という防衛本能が働いたからだった。
ていうか、えっ、この人は?]
(49) 2016/12/17(Sat) 23時半頃
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[声を掛けたけれど。]
(50) 2016/12/17(Sat) 23時半頃
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(えっなんだっけ俺なんかやばいことした? もしかしてあれか、ミカの件がばれて……いやあれはなんやかんやで話はついてるはずだしいやちょっと待って、俺指詰めたくない、)
[咄嗟に昔、ほんのちょびっとだけ手を出してはいけない女の子に手を出してしまったうっかりてへぺろ案件を思い出して青ざめてみたり。 いやしかし、さっきかけられた言葉は優しかったはずだ。自分の記憶違いでなければ。 一か八か一縷の望みをかけて、彼は差し伸べられた手をとった]
あ、あの……。 俺、今一文無しなんで……その……け、けじめとかはまた今度で……。
[相手の優しさに訴えかける、そんな一言とともに]
(51) 2016/12/17(Sat) 23時半頃
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−現在−
[それは彼にしてみれば、 裏切りに他ならなかった。
黙って姿を消したことが。ではない。
そうなるまで、彼には何一つ告げなかったことが。だ。]
(僕は。僕では貴女の支えには、なりませんでしたか)
[それは、子供だったからか。
もう、この街の雰囲気に。 心躍らせることすら出来やしないのに。]
(52) 2016/12/17(Sat) 23時半頃
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[褪せて見える、聖夜の街を。
やはり、白い息ごしにもう一度眺めて。
少年と青年の境界線の上をふらふらとする彼は。
煌びやかな街と、その裏で昏く沈む街の。 やはり境界線の上をふらふらと。
行く宛もなく、歩き始める。**]
(53) 2016/12/17(Sat) 23時半頃
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……うーぁあ。
[橋を渡りきり、街に近づくにつれ、 薄らと聞こえてきた賑やかな音楽に足を止める。 せや。日付感覚なんてとうに消えとったが、 成る程ディッセンバーやんけ。 泣く子も笑う12月。 更々にこげに街が浮かれる日っちゅーたら…]
クリスマスやん。 タイミング悪ゥ…
[あの河川敷に辿り着く前。 あたたかな地下鉄の駅構内だとか、 賑やかなガード下だとか、そういう場所に身を置いた事がある。 –––––が、駄目だった。 行き交う人の流れの中、ぽつんと孤島に残る感覚。 そっと逸らされる視線。そして何よりも。
人混みの中は、空気が、薄い。]
(54) 2016/12/18(Sun) 00時頃
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あーあかんあかん、 頭、が…
[商店の入り口でくらり、と足を縺れさせ。 男は慌てて電柱に手をつく]
…はよう、ネカフェやな。
[ポケットの中の残金を確認。 3000円ちょいなら一晩越せるやろ。 あっちもあっちで空気の悪さはピカイチやけんど 寝ちまえやそいつも関係ねーべや。 よーするに、今宵を越して。 朝一で資材だの何だの集めてさ。 それで簡易な拠点が作れりゃあ、 後はゆっくり立て直していける。 そう思っていた時代が、俺にもあったんやけど。]
(55) 2016/12/18(Sun) 00時頃
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☆*゚* MAD FIGHTERS クリスマス杯 *゚*☆ [ 『決まったァアアアー壁打ち無限ねこまんま!!』
『いや見切った!!見切ってゲージが…』
『三段返し!?』『鬼ブロォォオ!!』 『ボれ!はよボれ!!』『抜いたか!?』 『羅漢キャンセル波動きたぞコレ!!』]
あかんて。
[頼りにしたネカフェは国内最大の オンライン格ゲー連携店。 クリスマスイベントに覚醒した猛者達がすし詰め、 ついでに何かよぉわからへん実況とかスクリーンとか とにかくなんかこう、俺みてぇな流れもんが入れる雰囲気ではなかったんです。]
(56) 2016/12/18(Sun) 00時半頃
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ー ある冬の日の記憶 ー
[どうにも指先が悴むような冬である。 今年の冬が一等寒いとラジオの天気予報で言ってたか。 私は隣で跳ねてはしゃぐ娘の手を捕まえて外套の中へと一緒に包めてやる。子供の柔らかな肌は冬の風にも負けずに確かな弾力を返してきたが、指先はそれでも幾分か冷たくなっていた。 黄色い声をあげながらさくさくと新雪を踏みしめていた娘が、ポケットの中でぎゅっと小さな手でもって手を握り返してくれた感触は今でも私は覚えている。
『おとーさん!』
なんだい?
『あのねー、あたらしいてぶくろねー、 あたしねー、あかいのがいい!』
そうかい。いいのが見つかるといいね。
そうやって二人で手を繋いでよそ行きの赤い手袋を買いに行ったんだ。]
(57) 2016/12/18(Sun) 00時半頃
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はおう ナナコロがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(はおう ナナコロは村を出ました)
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[ケーキ屋には長い行列ができて、 サンタ服を着た若い女性が大声で看板を掲げて駆け回る。 狭い厨房では白い服の男達が、 あちらだこちらだと駆け回る。
お客同様、ずらりと並んだひよこの形の砂糖菓子。 おかわり、といわんばかりに新たな列が、 厨房の銀色の台の上、ととととん、と配置された。]
(58) 2016/12/18(Sun) 00時半頃
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[ 青年の整って見える顔は、けして無事とは言えない様相だった。 紅茶屋は、喧嘩の華を咲かせたことも無ければ、 嫁と殴り合いになったこともない。 彼の頬が赤く腫れている原因に思い当たることもなく、 地面にガラスでも落ちていたんだろうか、程度に 大きめの切り傷に納得して、
ち、 と 舌を打った。 綺麗な顔に傷つけてんじゃねえよ、勿体ねえな。
あ、これも癖です。失礼。]
(59) 2016/12/18(Sun) 00時半頃
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[ ティッシュでもハンカチでも渡してやりたいところだけれど、 必要最小限の荷物と 何故か紅茶缶数個を持ち歩くだけのおっさんであって そんな気の効いたものはどこを探しても出てこない。 その事実にもまた一つ、ち、と舌が鳴る。
そうして、]
── あ゛?
[ 彼が“優しさに訴えかけ”ようと口を開いたなら、 「ちょっと聞き取れなかったのでもう一度お願いします」と言う意味の擬音で答えた。]
(60) 2016/12/18(Sun) 00時半頃
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[ 少しの思案の後、けじめ=お礼みたいなもんかな、 見た目のわりに古風な子なんだろうか、みたいな 適当な空気の読み方で、]
……要らねェよ。 アンタの札飛ばしちまったしなァ
[ 寧ろ文無しだと言うならあれが全財産なわけで、 逆に責任を感じないこともない。 この男の運動神経では認識していたところで キャッチ出来ていたかは分からないけれど
残念なことに男の懐も、今日に限ってはそう温かくもないし、 見ず知らずの青年に金を渡すのも変な話。 あげられるものと言えば紅茶くらいだ。]
(61) 2016/12/18(Sun) 00時半頃
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てめえの金拾いに行きな。 あと──何処かで顔洗っとけよ。
[ 紅茶缶の入った紙袋で札が流れていった風下を示し、 ついでとばかりに満身創痍の顔を指摘して 紅茶屋は仏頂面のまま。]
(62) 2016/12/18(Sun) 00時半頃
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[……だけどあの赤い手袋は、さっそくお友達に見せびらかしに行って、そのまま雪遊びをしたものだから酷く泥だらけになってしまったんだっけ。 妻にこっぴどく叱られて泣いている娘を宥めて、また買いに行こう、と約束したのだけれど、あまりに早々に手袋を駄目にしてしまったものだから妻はなかなか財布の紐を緩めてくれなかった。
……だから、娘の手袋はずっと妻の手編みだったんだ。 慣れないうちは随分不格好だった。 練習だと言って私のセェタァやら襟巻やらも作ってくれたっけ。
……だから、娘と一緒に手袋を買いに行ったのはたった1回だけ、それも気が遠くなるくらい大昔のことだけれど。 それでもああして二人で手を繋いで雪の降った後の道を歩いた日のことは、こうして指先が悴む度に思い出すのだ。]
(63) 2016/12/18(Sun) 00時半頃
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……祭りなんはドコもかしこも同じなん…
[窓を破らんばかりの熱狂に、 結局逃げる様にビルの階段を駆け下りた。 暗いネカフェの壁を駆け巡っていた阿呆みたく鮮やかな光が 未だに網膜をうろうろしている。 なんかあかんモノを軽くキメちまったみてぇな気分だ。]
…あかん。吐き気が。 あかん。あかん、あかん…
[人酔いだ。 誰かが頭ン中で呟いた。 酸欠みてぇに気持ちが悪い。
ひとのいないばしょ。 そして、あたたかいばしょ。
それを求めて、足取りは商店街の端。 そこから、じりじりと路地裏へと向かっていく。]
(64) 2016/12/18(Sun) 00時半頃
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ー 現在 ー
[指先どころか頭の中まで悴むような寒さである。 だけれど、また目の前の風景がガラリと変わって……何だか街全体が酷くけばけばしい色の光に満ちている。
隣を歩いていたはずの娘がいない……ちゃんちゃんこのポケットの中に儂の手が泳ぐだけ。 手繰ってみれば、小銭が何枚かといつの間にやら蜜柑が一つ、ちゃんちゃんこのポケットに先客として入っていた。
娘の名を呼ばおうてして……やめる。 何か引っ掛かっているように、喉の奥から娘の名が出てこない。
……その引っ掛かりにいらいらと荒く息をつく。 まただ、この感覚は。
魚の小骨が喉に刺さったみたいに 細い針に糸を通そうとして何度も失敗するみたいに そこにあるものが出てこない。 出てくればこの苦しみから解消されるというのに。]
(65) 2016/12/18(Sun) 01時頃
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