297 湿っぽい古風和ホラーRP村「紫陽花奇譚」
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――……、ゆうちゃんは、嘘吐きや。
[すべてが終わったあと――ぽつりと、呟く]
ぜんぶ、終いやって。 朝が怖いんの、ぜんぶ終いやって。
ほんと、なにいうてんのかなあ――……、
[姉の消えた世界で、ひとり。 生きていくことより怖いことなぞ、あるわけないのに]
(1) migya 2019/07/17(Wed) 20時頃
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――掃除、洗濯、料理。 ほんと、朝は、なんもでけんなぁ。
[嘆息、ひとつ]
お母ちゃんお父ちゃんも、そっちなら。 どこぞのお座敷にでも上がるしかないわなぁ。
[可愛げだけで通せるのは、そのくらいだろう。 家事がひとつもできない嫁をとるなど、女中を雇うほど金のある家だけだ。 そしてそんな家が、身体が弱く、後継ぎを産めるかも怪しい女を迎えるとも思えない]
――それか、"朝顔"みたいに尼になるでもええけど。
[でなければ――後を追うか、なのだけれど]
(2) migya 2019/07/17(Wed) 20時頃
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……せや、怒るわ、ほんと。 朝も同じとこにって、あのとき、いうたやないの。
ゆうちゃんかて、ずっと一緒や、言うたやないの。 朝のことも、同じとこに、連れてってほしかったわ……。
[だけど――まことに残念、こんちくしょう]
最後の最後で……ずる過ぎるわ。 いつも側にいるから、堪忍なんて……、
[――それが、最後の言葉だなんて。 そんなの、どうしたって、許さざるを得ないじゃないか。 ゆうちゃんが傍で見ているなら、不幸になるわけにはいかないじゃないか]
(3) migya 2019/07/17(Wed) 20時頃
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――でも、文句いうたる。絶対文句いうたるからな……。
ゆうちゃんがそっちいってしもたせいで――……、
姪っ子を可愛がる楽しみとか、 旦那の愚痴言い合う楽しみとか、のうなったんやって。
だから、いつか、そっち行ったときに、文句いうたる。 それが嫌なら、今からでもひょっこり戻ってきて……いいん……やよ……、
[――その先は、嗚咽で言葉にならなかった*]
(4) migya 2019/07/17(Wed) 20時頃
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[――姉が消えて。自分に許した時間を、たっぷりと泣いて。 それから、顔を上げ、立ち上がって、二人に向きなおった]
――さて、見てのとおりや。 朝が黒幕で、ゆうちゃんを消した――次は、兄さんたちやね。
[口にして、ふっと]
――……なんて今更いうても、そんなんな。 箕島の兄さんには、とうに伝えてしもうてたし。
[溜息吐いて]
(9) migya 2019/07/19(Fri) 21時半頃
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――終わりや、終わり。 心配いらへんよ、もう……、終わりみたいや。
[――姉が消える前に遺した言葉から。 そして――説明はできないけれど、きっと姉が願ったであろうことから]
……んで、なあ。お願いが、あるんよ。 こんなことになってしもたけど……でも、ゆうちゃんはな なんや、その……、……みんな幸せにって、言うてたんよ。
[手段はともかく、それが幸せかはともかく。 ともかく、それを目指していたことは違いない]
なんや、やり方を間違えてしもたかもしれん。 でも、悪気はきっと……ううん、絶対、なかったんよ……。
[だから――]
(10) migya 2019/07/19(Fri) 21時半頃
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――……その、な。 町から、調べる人が来たとき……ゆうちゃんの名前、出さんでほしいんや。
代わりに、朝が原因やって、いうていい。 朝は、ずっとゆうちゃんに守られてた……、 もう、ゆうちゃんの身代わりなるくらいしか、恩返しでけへんのや。
大丈夫――双子なんやし、似たようなもんや。 それに実際、朝は……ゆうちゃんを手助けしようと、してたしな。
[だから、と]
悪かったんは、ゆうちゃんやなくて、朝や。 ぜんぶぜんぶ、ゆうちゃんにやってもろてた、朝なんや。
納得できへんなら、朝のこと、好きにしたってええ……頼んます。
[残った二人に、頭を下げた*]
(11) migya 2019/07/19(Fri) 21時半頃
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[透明な紫陽花が、西日を受けて空気に溶けていく。
けれど、“此方側”には確かに存在していた。
花手毬を両手で掬い上げるようにして、口づけをひとつ。
それはまるで、むずがる幼子をあやす為の、ような。]
……そんで。
“わたし”は、満足したんやろか?
[私は敢えて、振り返らずに問うた。
割れた大岩の上。
最初からずっと、“わたし”はそこに居た。]
[わたし、おねぇちゃんやから。
それは、酷く重たく、甘美な呪いの言葉だった。]
わたし、おねぇちゃんやから。
[わたしは、そう言って、微笑う。
綺麗な綺麗な顔をして。
振り返らずとも分かる表情に、チリチリと胸の奥が焦げ付いた。
そういって、何度でも、我慢する。
おねぇちゃんとは、そういうものだ。
可愛い妹の為、何もかもを、飲み込んだ、わたし。
けれど、私は知っている。
本当は。
わたしだって。]
頑張ったなぁ。“わたし”。
[やから、もうえぇんやよ、って。
私は振り返る。
わたしは、私だった。
私はいつだって…泣いていた。
ほろほろとこぼれ落ちる雫は、きらきらと夕日を浴びて、消えていく。
知っとったよ。わたし。
おねぇちゃんて、呼ばれることが誇りで、嬉しくて、でも。
たまには、褒めて欲しかった。
認めて欲しかった。
私には、あさちゃんがいた。
あさちゃんから、返される想いがあった。
でも、わたしは。わたしの妹は。]
なぁ、おねぇちゃん。
私がおるよ。
[岩の上に腰かけた、緋色の花嫁。
その、指先の硬い手を、取り上げる。
そっと撫でれば、怯えたように、震えた。]
無理やり、終わらせちゃって、ごめんな。
[でも、“私たち”、おねぇちゃんやから。
そぅと囁くと、花嫁は、“本当に”微笑った。
見えない紫陽花が、揺れる。]
[例えば、誤って毒の葉を食おうとした時。
例えば、火の粉が木屑へ燃え移ろうとする時。
例えば、ひとりぼっちの寂しさが沁みる夜に。
私はあなたに寄り添い、護るでしょう。
そう、約束したから。
そんな私の目を通して、わたしもまた、村を見守るでしょう。
わたしは、あの岩の上から動けないけれど、きっと愛する者たちを、護るでしょう。
私たち、おねぇちゃんやから。
きゃらきゃらと、子供たちの笑い声が、木霊する。
紫陽花の“此方側”で、幼子たちが集って鬼ごっこをしていた。
彼らが大人になることはない。
彼らは、永遠に、私たちの可愛い妹、弟のままである。]
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――まあ……たぶんな。 飴司の兄さんのいうとおりになるんやろけども。
[定吉の考え(>>14)を聞いて。
――微か、頷いて。そののち]
でも――……記憶は、残るやろ。 せや、兄さんたちの、記憶やな。
[いったん、息を、吐いて]
(15) migya 2019/07/20(Sat) 00時頃
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……、言い切れる?
いや、いまはそうかもや。 でも、何十年か年取って、そんあとで。 村で昔、こんなことあって――……、なんてぽろっとして。
――そんななったら、たまらんわ。 ゆうちゃんに、朝は幸せになるて、約束したんよ。
[だから、と]
今日のことは――ぜんぶ、神隠しとして忘れてほしいわ。
――でなければ、なんや……。 何がどうなっても――朝を、養って守ってくれるか、やね。
[やらかした者の身内が"身内"なら、晒し者にはすまいし...]
(16) migya 2019/07/20(Sat) 00時頃
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――ま、冗談や、冗談……。 でも、今回のこと、忘れてほしいんは、確かや。
[肩を竦めて、二人を見遣り]
朝の眼が黒いうちに――いや、耳が聞こえとるうちにな。 呪いとかなんとかでゆうちゃんの名前が出たらな、したら。
――覚悟しといてな。
[ぽそっと、漏らした*]
(17) migya 2019/07/20(Sat) 00時頃
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[――差し出された手>>26を、前に。 ほんの少しだけ、胸がちくりと痛んだ。
こんなことにならなければ。 たぶん、他の誰かが握っていただろう手。
だけど、いまの私は、ひとりでは生きられないから。 不幸と無力を武器にしてでも、手を伸べてもらう必要があったから。
この手を握っても、後悔は、きっと、しない。 でも、己の卑劣を忘れることも、きっと、ないだろう]
――色々、覚えるわ。 ゆうちゃんみたいには、いかんやろうけど。
[ほんの僅かな間のあとで。きゅっと、手を握った*]
(27) migya 2019/07/20(Sat) 19時半頃
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山降りたあと、探して回る体力、残ってはるの?
[そう、混ぜっ返して>>31]
冗談ともかく、探すにしても、日ぃ暮れてもうたらね……。
[どうかなあと、呟いて]
……色々か、ううん。
まずは、お米の炊き方やろか? ごはん食べれへんと、なんも始まらへんしね。
[意識して、笑みながら]
(33) migya 2019/07/20(Sat) 23時頃
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ん……どしたん?
[二人の様子>>31,>>312に、小首を傾げ]
――知った誰か?
[聞いて、瞑目する]
――……ゆうちゃんがな、消える前の、最後にな。 "いつだって、傍におるから"――って、言うてたんよ。
だから、きっと、それはゆうちゃんや。 ゆうちゃんが、見守ってくれとるんよ……。
[僅かに潤んだ声色で呟いて、繋いだ手に、力を籠めた。
――事実を知っていたら、そんな、火に油を注ぐことはしなかったろうけれど*]
(34) migya 2019/07/20(Sat) 23時半頃
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