人狼議事


19 生まれてきてくれてありがとう

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

どうしたい?

[齎されたシンプルなひと言。直截なそれにこくりと顎を動かし、当然のごとく言い放った]

そんなものはシンプルだ。
彼女に何か――そう、贈り物をしたい。
この手で作った何かを身につけて欲しい。
そしてそれを大切にして欲しい。心を、繋ぎたい――

ああそうだ。
ただそれだけの話だ。

――ふん。

[自明であるとばかりに頷き再度上下にミッシェルを見て]

たまには役に立つじゃないか。
兄貴も奇矯なことをしていると思っていたが。

[見直した、などという素直な言葉は伝えることもなく]

(1) 2010/07/03(Sat) 01時半頃

[森に近い、村外れの粗末な小屋の中。月光を浴びながら、一人の女が糸を紡ぐ。

時に、銀色の光が注ぎ込む窓辺から――。


森から村へと続く小途を、慈しむように眺めながら]


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

ならば職人である本人の教えを請うべきか?
いや、コイツのものなど知れている。
まずは己で歩くべき。
近道など必要はない――こうしてはいられない

[誤解を招きそうな発言を呟きながら、足早にその場を立ち去ろうとする**]

(2) 2010/07/03(Sat) 01時半頃

 あの人の生まれた村を静かに見守ってきたわ。
 あの人の愛した村を、私も愛してきたわ。


 でも――。

 もし、村が悲しみのうちに滅びるようなら――。
 どうすれば、いいと思う?

[誰ともなく問いかけて]


ランタン職人 ヴェスパタインは、メモを貼った。

2010/07/03(Sat) 01時半頃





[そんな事は起きないで――


   そう、願いながらも。]


.


愛する人の死を告げられるのは、辛い、わ。

自分の命が天に召す神様の御手により、刈られるよりも辛いこと、よ。
魂が千切られるような、痛みと悲しみに晒される、の。



埋めきれない空白を、疵を、魂に深く残すの。
それを埋めることなんてできるものでは無いわ。


 あの人が愛したこの村が悲しみにくれるのなら――。
 あの人の愛したこの村の人々が、身近な人を、村の人を失い。

 魂に喪失という残酷な疵を受けるのなら。

 私の手でできる事を――。

 し て、あげる――。

[例え、自らの手を赤く染めたとしても――

丸い銀の円盤を、静かに眺めながら心の奥で思って。]


 初めて目を覚ましたときにあったのは、
 幸せそうな笑顔と自分の泣き声でした。


 子どもの頭を撫ぜる親はどうしてあんなにも幸せそうなんでしょう。


 もうこれ以上は無い、と思える平凡。
 当たり前のことが当たり前にある奇跡。

 理解したらもう失っているもの。


 病気になった、と聞きました。
 詳しいことは分かりません。
 誰が病気になったのでしょうか。
 パパとママじゃありませんように。
 せめて私でありますように。


 パパもママも隠れて出てきません。
 必死に探し回るかくれんぼ。
 外は雨が降っていました。
 雨はいつも通りに音を奏でていました。


 パパとママは死んだらしい。
 嘘だ。


 何度も呼びました。
 パパ。
 ママ。
 隠れてないで出てきてよ。
 私は自分を偽って、平気な笑顔を作っていました。


 その日初めて、私は本当に、
 パパとママの為に泣きました。
 自分を騙すのをやめた途端、涙が溢れて止まりませんでした。


 パパとママはびょういんで
 なんにちも、苦しんだ末に逝ったのだそうです。
 そんなの聞きたくなかった。


 墓前に立つと涙が溢れます。
 どうして苦しんで逝ってしまったんだろう。
 どうして楽に逝けなかったんだろう。
 何を責めたらいいかわからない。


 パパとママがいない毎日が目まぐるしく過ぎていきます。
 私はいつしかパパとママがいないことが当たり前になりました。
 私は私だ。


 いつしか、私は、この記憶を封じて生きてきました。
 だけど今、鮮明に思い出せます。
 ソフィア、と呼んで呉れた優しい声。
 パパとママを蝕んだ病気。
 最後に頭を撫でて貰った刻。


 すべてはしあわせで
 すべてはふしあわせな
 おもいでです。


 わたしに できることは
 くるしまずに いかせてあげること。


 こんなときなのに、不謹慎だけど
 どうか、わらってください。**


 ねえ、あなたは何を望む?

 あなたの大切な人が――。
 死から逃れる事のできない、その日に遭遇したら。
 共に行く事を望む、かしら?

 それとも、その人を看取って――。
 短くとも、その死を悼んであげたい?

[共に生きる選択は、病の蔓延を告げられたこの村では、ほぼ難しいけれど。

自らに出来る、ことを。死の馨を纏わせた女は、そっとソフィアに告げて――**]




 これは私の進化の過程の一頁です。

 


 生まれてから、23年。
 私は初めて自分の足で立っている感覚に気づきました。


 ねぇパパ、ねぇママ。
 私は恋をしたんだよ。


 一人で息をするのがつらいから、
 あの人と一緒に呼吸をしたいと思う。


 手が生えました。
 人に触れたいと思う手です。

 すっと伸ばすと、あの人に触れられそうだった。
 なのに何故だろう。

 この手はあの人を包みたいのに、
 傷つけるナイフに変わってしまうんです。


 触れれば触れるほどに傷を付けて、
 あの人を殺してしまいそうだ。

 じゃあナイフを放つその前に
 あの人を殺してしまおうか。
 それがあの人の心を傷つけずに済む方法じゃない?


 そんなの厭だ。


 一層、二人息絶えて。
 何もかもを失ってしまうべきなのでしょうか。

 だけど、私は進化する。
 私はまだ、進んでいく。

 あの人を失っても、私は未だ終わらない。


 
 だから 私は生きたい。



 そう、あなたは生きたい、のね。

[その言葉を聞けば、それ以上は今は語る事無く。
静かに、彼女の進化を、歩む道を見守る事を決めた。]


 だけれど、

 もしも、


 "その時" が 在るならば

 私など切り捨てて下さい。


 それも、私の、願いです――――


 ”その時”

 あなたがどの道を選択するにしても。
 あなたが何を望むにしても――…。

 私が、その時に生きていられたら――…。


 あなたの希望に添うように、するわ。


ランタン職人 ヴェスパタインは、メモを貼った。

2010/07/03(Sat) 20時半頃


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

――馬鹿な。

[工房へ戻る途中、自警団員に呼び止められる。普段なら煙に巻く処だが、尋常ではない様子に興味を惹かれ]

――なぜ。
なぜ僕らが死ななければならない!?
街に行けば助かるかも、だって!?
冗談じゃ 冗談じゃない!
村の連中で街に出たことがある人間など数えるほどしかいないだろう?
僕らはここで生き、ここで死んできたんだよ!
嘘だと言えよ。
僕らは敬虔に生きてきた。
教えの通り、慎ましやかに――。
このような悲劇に巻き込まれる謂れはないはずだ!!

[自警団員の胸ぐらを掴み、吐き捨てた。けれど、自警団員のほうも男に釣られ激昂し、知るかそんなこと、などと戸惑い、行き場のない怒りを顕にした。じわりと男の中で理解が広がっていく]

しかも――リンダが死んだだって?
病でか。
あんなに元気そうだったじゃないか。

(234) 2010/07/03(Sat) 21時頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[リンダと深い関係にない男には、必死で病のことを隠すつもりだったリンダのことなど知らず]

なぜだ――なぜ。
なぜこんなことが起こる!?
悪魔の呪いにでも魅入られたっていうのか、この村が――

[膝を落とし、震えながら呟く。不意に、はたと顔を上げて]

――ピッパだ。
あの女のせいじゃないのか!?
あの呪いを受けた女を始末しなかったから、こんなことになってるんじゃないのか!?
あいつは悪魔に呪いを受けたんだ。
殺してしまおうって声だってあったじゃないか!!
そう、今からだって遅くは――

[そんな言葉が口をついた。口元を抑える。
――ピッパと親交がないわけでもない。ピッパの両親のことを知らぬわけではない。呪われた、などと言う罪の重さを、『眠り姫』などという詩的な揶揄で曖昧にしたその本人が、致命的な言葉を口にしていた。
視線を感じて振り向く。想い人が、こちらを――]

(235) 2010/07/03(Sat) 21時頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[突き動かされるように、自警団員を突き放した。
辺りがざわめく。予想以上に人目を引いていたらしい。

――ピッパとリンダは親しかったし。
――まさか。

そんな言葉が聞こえてくるようだ。
そんなつもりはなかった。それでは済まされない気配に、男は表情を歪め、足早にその場をあとにした]

――くそっ。

[想い人の姿を見て、初めて声を掛けなかった。
掛けることが出来なかった。
ただその表情が
男の瞼に灼きついた]

(237) 2010/07/03(Sat) 21時頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[村を出る者はどれほどいるのだろう。男には想像がつかなかった。
孤立した小さな村社会。希望を持って街に出るのはほんの一部で。決して助かるかもわからない。どれほどの人が村を捨てることが出来るだろう。街に出たところでどうやって暮らそうというのか。

村長は幾人かを主導して治療法を探しに行くという。
彼についていけばもしかすると街でも巧くやれるかも知れない。藁に縋りつく村人もいるだろう。ひょっとすれば助かるかも知れない。

しかし――この案に乗ることが出来ない者がいる。

突如眠りに落ちる、などという原因不明の病状持ち。この事態の原因かも知れない彼女を連れていこうだなんて奇特な人間はいるのだろうか。

もしかしたら彼女も街へ逃げたかったのかも知れなかった。けれど――。
皆で助け合いながら行くのと少人数で行くのでは生存率が変わってくるはずだ]

――僕は。

[そんなことを思ってもみなかった、などというつもりはなかった。口をついた、ということは奥底に疑惑があったからだ。
それでも。
想い人の表情が忘れられなかった]

(238) 2010/07/03(Sat) 21時半頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[彼女は、どうするのだろうか。

村で静かに?
それとも、生きる可能性に賭ける?

どちらの方が彼女らしいのか。言われれば自明のような気がする。けれど――この村を出て行く姿は、あまり愉快とは言えないものだった。
いつかの光景と、重なるから]

――兄貴。
なんだ、こんなところで。
馬車に乗るんだったら準備しないと間に合わないぞ。

[気だるげに髪を掻き上げて、浅く息を吐いた]

(240) 2010/07/03(Sat) 22時頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

何――? 何も。
いつものように馬鹿をした。
それだけの話さ。

[つまらなそうに吐き捨てる。村を出て行った兄。たまに戻ってくる彼の姿は、どんどんと小さくなるように感じていた。それでも、一時は輝きを増していたというのに]

そうか。
街への案内くらいは引き受けるのかと思っていたが。

[兄の返事に予想していたとでも言うように、淡白な返事を返す]

僕――僕か。
僕の腕なら街でも通用するだろうか?
街には商工会のギルドというものがあるという。
そうそう簡単に職人を増やしたり出来ないだろう。
しかしいっそ雇われて、丁稚から始め、やがて独立することも出来るだろうか。

――今更?

(242) 2010/07/03(Sat) 22時頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

あの日兄貴を見送ることしか出来なかったのにな。
それに、どれほどの年月がかかるかもわからない。

[自嘲するように喉を鳴らす。常よりも薄暗い空気を纏わせて]

あの子を連れて街へ行く。
夢のような話だ。
そう出来たらどんなにいいだろう。
素晴らしいことだろう。

なぁどう思う兄貴。
あの頃も今も。僕は何も変わっちゃいない。

今だから言うよ。
兄貴が義姉さんを連れて家に帰ってきたとき、僕はやっぱりって思ったんだ。
そんなに上手いこといくはずがなかった、ってね。

笑えるだろ。

[深く、息を吐いて、兄を見下ろす。奇妙な遠近感。いつも不自然な違和感を感じて仕方がない。身体ばかりが大きくなって]

(243) 2010/07/03(Sat) 22時頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

愛しのあの子は今まで僕に振り向いてくれたことはなかった。
あの子を連れて街へ?

―― 夢物語としか思えない。

[常日頃夢のような語り口をしていた男とは思えぬほどの、暗い口ぶりだった]

(244) 2010/07/03(Sat) 22時頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

…………。

[兄の言葉に黙と押し黙る。その言葉を吟味しているようで――そこに現れたミッシェルに眉を顰める。
双方向の愛。
思わせぶりな言葉に片眉を上げ]

兄貴は。
なんでこんなところにいるんだ。

[それは村に帰ってきたことか、それとも、今村を出ていかないことか。
どちらをも指しているのか。そんな言い回し]

願えば、叶うのか?
動けば、叶うのか?

[ミッシェルを視界から外し、まっすぐに兄を見た]

(255) 2010/07/03(Sat) 23時頃

ランタン職人 ヴェスパタインは、メモを貼った。

2010/07/03(Sat) 23時頃


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[ミッシェルに顔を向ける兄の姿それに何かを察したか男は呟いた]

外でオルガンを弾くよりも、か。ふん。

[ふたりを見て、あっさりと鼻で笑う]

分かった。好きにしろよ。
願わなきゃ。動かなきゃ?
分かり切っているさ。そうとも。
いい。乗ってやる。

[調子を戻したか、いつものように不遜な態度で言葉を吐き捨てて]

兄貴も愚図ってると――死ぬぞ。

[訳がわからない、そんな顔をしているミッシェルに言い捨て、男は踵を返す]

ただ、腐ったんじゃなくて、よかった。

[そんな呟きが、聞こえたかどうか]

(259) 2010/07/03(Sat) 23時半頃

ヴェス。
愚図ってても、死んじゃうんだろうけど。



私には、何もできないよ。
セシ兄は、私のこと、見てないもん。


私は、ヴェスみたいに。

まっすぐに気持ちを伝えることなんて、出来ない。


どうすればいいか、わかんないもん。


だから 諦めるのか?

だったら 厚意に あぐらでもかいてればいいさ。
言葉じゃなくても 出来ることくらいあるんじゃないのか?

モラトリアムは 長くないぜ


─…っ

[心で呟いたことに、返事が返ってくるとは思わなかったから驚いたものの。
何故、と思わなかった自分もいて。]


…諦めたく、ない。

私のこと、見てなくても、子供扱いでも。
セシ兄に、笑ってて欲しい。

…ありがとね、ヴェス。

ヴェスも。諦めないんだね。


さて――

[聞こえるということ、伝わるということ。一呼吸の間にどうでも良くなって]

どうだかな。
願っても動いても叶わないことは あるからな。
要は 自己満足出来るかどうか それだけだ。

だから――礼を言われる筋合いはない。

[いつものようにざくりと切り捨てて]

まぁ――脈はなくもないんじゃないか?

[皮肉るように言って話を打ち切った]


うん、それでも。
ありがとう、ヴェス。

脈?
─…ないよ、絶対。

セシ兄があのひとのこと、忘れるわけないじゃない。

[もう話す気はないだろうヴェスに、それでも礼を言って。
儚い笑みをたたえたまま、彼の言葉を否定した。]


ランタン職人 ヴェスパタインは、メモを貼った。

2010/07/04(Sun) 01時頃



 私は何を誤っているのだろう。
 


 好きなのに、こんなにも大切なのに
 私の言葉はナイフになってしまうんです。

 器用な恋愛なんて出来なくて。
 いつもいつも、付き合った人を捨ててきた罰なのでしょうか。


 甘い誘惑でもなく、
 快楽でもなく、

 もっともっと純粋なものが私には分からない。


 腫れ物に触るように接するなんて誠意が無い。

 私は正直です。何処までも正直です。

 そう、私が正直になればなるほど、嫌われてしまう。



 もう、一層―――死んでしまいたい。
 


 そんな、絶望感に、苛まれています。

 だけど、私にとってピッパという人はとても大切で。

 大嫌いな私が死んでも泣いてなんて呉れないかもしれないけれど

 それでも…――


 もしも、万が一
 
 ピッパさんが私を亡くしたことで悲しむこと

 その可能性がある、限りは

 私は、未だ、死ねない。



 私は……

 私は、

 何を、誤っているんだろう。
 


 パパ、ママ。
 はじめての恋で、めげそうです。

 だけれどパパとママが病に苦しみながらも
 最期まで必死に生き抜いたことを忘れない。

 私も苦しみながら、もがきながら、
 大切な人の幸せを――**


[何処からか響く声が、砕け壊れた魂に響く。]

 あなたは、立派よ?
 逃げなかったんですもの――。

 真っ直ぐに向かったんでしょ。

 思うところを、気持ちを伝えるため、に。


 私は逃げた、卑怯にも、自分の気持ちを隠して逃げたの。
 好きだったの、愛していたのに。



 怖かった、から。


 逃げた結果――。





 生まれたのは、別れ。

 あの頃に戻って、自分を変えたいと。

 何度後悔の涙を流したかしれない、わ。



 そして、私の死は直ぐ其処まで迫っている。
 私の心は壊れたまま――




 10年以上も
 深い深い疵を負った心の底で。

 ――時を止めたまま眠っている。


 でも、あなたは――。
 勇気をもって、想いを告げたの。

 
 最期まで生き抜くために――。

 最期の時を後悔しない、ために。


 それは――…。
 とても、大切なこと。



 あなたが、生きた証、よ。


 あなたの想いが届いて、――…。
 少しでも、あなたのために。

 大切な人が心を動かしてくれる事を。

 私も祈る、わ。






 あなたは私の鏡のような存在だから――…。


.



 あは、
 あははは、
 あははははは!!
 
 ―――、っ

 あははははははははははははははは!!!
 


[サイモンがあげた狂気の哂い声――。

でも、女の耳には、
それとは別の、狂ったような女の哂い声も届いた気がして――]

 ――…。

[周囲を見渡しても、女の姿は見えない。

何処か痛々しく感じる女の哂い声が、ただ耳に残った――**]


 鏡…―――

[ぽつ、と呟く。
 彼女の言葉に対しての、感想が、喉元で引っ掛かる]

 貴女は、

 つらかった、でしょう。

 ぶつけようの無い、想いを抱えるのは

 とても残酷だわ――


 ある妊婦が、隣の魔女の家のラプンツェルという果実を
 食べたくて仕方なくて、
 夫は「ラプンツェルを食べさせなければ死んでしまう」と
 魔女に乞いました。


 魔女は生まれてくる子と引き換えに、
 ラプンツェルを好きなだけ食べて良い、と言いました。
 そして生まれてきた子は、魔女に浚われてしまいました。


 子はラプンツェルと名付けられ、
 外に出られないように、塔の上で育てられました。
 魔女はラプンツェルの長い髪を伝って、塔に登り
 それが魔女とラプンツェルの会う唯一の方法でした。


 ある青年が、ラプンツェルの髪を伝い、塔に登りました。
 二人は一目見て、互いに惹かれ合い、何度も逢瀬を重ねました。
 口付け、身体に触れ、深みを知る。
 背徳的な逢瀬。


 ラプンツェルが子どもを孕んだと、知り、
 魔女は怒り狂って、ラプンツェルを塔から追い出し
 遠く遠くへとやりました。


 青年はラプンツェルの行方が分からず、
 絶望して塔から身を投げ
 失明してしまいました。


 それから暫しの時が経ち、
 ラプンツェルは、双子の男女と一緒に暮らしていました。


 青年は、ラプンツェルと再会し、
 ラプンツェルの流した涙によって、
 青年の目は奇跡的に再び光を取り戻しました。


 そうして二人は、しあわせに、なりました。
 めでたし、めでたし。



 ……とってつけたようなハッピーエンドね。
 世界はそんな風に幸せに巡る筈が無いのに。

 ラプンツェルが子を孕んで
 青年が失明して
 かなしいかなしいおしまいにすればいいのに。


 貴女も、そう。

 姿を消して、
 互いの居場所も分からずに、
 絶望して、
 後悔して、

 ……世界の全てがハッピーエンドになるわけがないのだわ。





 そうと分かっていても
 無慈悲な世界に生きても、
 それでも、

 幸せを願うのが、人なのでしょうね。
 此の物語を幸せに終わらせた、著者のように――。


[残響が掠める哄笑には、唯]

 ―――…。

[瞳に陰りを落とし、その眸を細めるだけ]


ランタン職人 ヴェスパタインは、メモを貼った。

2010/07/05(Mon) 00時半頃


 幸せな、終りは――
 望んでも手に入れられないわ。
 
 それを望んでも、得られるのはほんの一握りの人だけ。
 多くの人にとっては、それは儚い願い。

 いいえ、一握りの人にとっても、他の人からみれば幸せなだけで――。

 本当は幸せではないのかもしれない、わね。


 でも、縋ってしまう。


 最期だから、特に――。

 幸せな終りを……。


 幸せなんてものは
 憧れる為に在るのかしら。

[ぱちり、と、瞬きをした]

 縋ってしまう、か。
 そうね。

 ……そう。

 なんだかんだ、言っても、
 それを望んでしまうのね――


情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


トップページに戻る


← ↓ ■ □

フィルタ

注目:ヴェスパタイン 解除する

犠牲者 (6人)

ヴェスパタイン
1回 (3d) 注目

種別

通常
内緒
仲間
死者
裏方
背景

一括

全示
全断
反転

ツール

クリップボード

ピックアップ

>>【】
(0.101 CPUs)
SWBBS V2.00 Beta 8 あず/asbntby
あっぱれ、うっかりアイコン by 小由流
人狼議事キャラセット by りりんら
管理 sol・laななころび