64 色取月の神隠し
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芙蓉たちはたまこさんとこ行ってんだっけ?
そっちは任せた。
[短く告げた。]
今、着いたよ。
確かに、由緒ありげな簪だ。
[短い囁きに、こちらも短く返す]
めがねよりは、色気があると思うけどねえ?
[男は皆面食いだ、と言っていた鵺へ、からかう調子]
ま、流れ次第さ。
……確かに、おたまは磨けば光る瑠璃の石とも言えるかな。
里でお志乃辺りに磨かせりゃあ、佳い女になるやも知れないなぁ。
[揶揄う色を含んだ芙蓉の声音に、しゃあしゃあと応える]
あーあ、あんたにゃ敵わないよ。
[手慣れた応答に、大げさなため息をつく]
でもまあ、それも悪くはないか。
志乃に、沙耶に、たまこが着飾ったら、さぞ華やかだろう。
朝顔に夕顔も、可愛らしくてさ。
それじゃあ、村の男どもが、みいんな隠世の里に来たがっちまうねえ。
己なら其の花篭の中に、さらに芙蓉を一輪添えて
飽かずに眺めるがねェ。
……まぁ確かに、何れ里には、人の子が此処が浄土かと見紛うほどに、綺麗どころが揃うことになるなぁ。
**
あっはは、あたしも物の数には入ってたかい。
安心したよう。
――でもね、あたしのこれは……、
[今は菊屋の前で、人の形をしている己の姿]
むかあしむかし、狐を助けた薬売りを真似てるのさ。
落胤 明之進は、メモを貼った。
2011/09/17(Sat) 22時頃
……なるほどねぇ。
[姿や生業の真似事をする程
芙蓉はその恩人とやらを慕っているのだろう]
で、その恩人とやらは、今はどうしてるんだい。
姿を借りるのは良いが、ばったり出くわしでもしたら不味かろう?
現世で出くわす心配は、ありゃしないさ。
[薬売りの姿をした狐は、小さく笑う]
あたしの仲間の狐が、目えつけちまってねえ。
魅入られちまった人の子は、隠世の里の奥の奥。
とうに、あやかしになっちまったよ。
|
[ふよふよ、元の姿に戻ってその辺りを漂う。 お祭りだから、この姿でうろついていても案外気がつかれないものである。
……油断しているとまた追いかけられたりするのだろうが。]
(ひといっぱいだ)
[昨日増えた毛玉と二匹。 手のひら大の毛玉とそれより小さな毛玉。器用人ごみを縫って漂う。]
(31) 2011/09/17(Sat) 22時頃
|
ふぅん。……そうなのかい。
[男なら、例え情交を交わした相手であれ
人の子の末路など気にも留めない。
けれど芙蓉はどうだろうか。
あやかしと化した恩人の運命を、如何様に見ているのだろう]
己なら、獲物を横から掻っ攫うような舐めた真似をした奴は
赦しちゃおかないがねェ。
[心に浮かんだ問いは口にせぬまま、勇ましい言葉を吐いた]
|
[ふよふよと、人込みから離れてみて迷い込んだのは……]
(せんせいのおうちだ)
[するりと扉の隙間を通り抜ける。毛玉はこういうときべんりだ。 廊下の隅っこをコロコロ転がり、散歩してみる。 人の姿で来た時よりずっと広い。]
(38) 2011/09/17(Sat) 23時頃
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[ある部屋の扉をふにゅんとくぐると]
(あ、いっぺーただ おーい)
[友人(と、思っている)の姿が見えた。 しかし毛玉の声は声にならない。]
(……きこえない かな、やっぱり)
(45) 2011/09/17(Sat) 23時半頃
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(あ、気がついた>>65)
[毛玉はその場で跳ねた。 小さい毛玉も真似するように跳ねる。
名前が聞こえる>>68とコロコロと円を描くように転がった。 3回まわった。]
(69) 2011/09/18(Sun) 00時半頃
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さあて……たまこのことは、どうしたもんかねえ?
辰次は、うまくやれてるかねえ。
あきのしんは、どこへ行ってるんだろ?
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[一平太に呼ばれる>>75とくるくる回っていた毛玉は止まって]
(いっぺーたー)
[ふよんと浮いた。]
(77) 2011/09/18(Sun) 01時頃
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(しゅうごうー)
[浮いたちょっと大きめの毛玉はその場で回りだす。 くるくる、くるくる。]
[それに誘われるように、
窓の隙間から 扉の下から 本棚の隙間から 床の小さな穴から
真っ白な、小さな毛玉がたくさん現れた。]
(78) 2011/09/18(Sun) 01時頃
|
「「「「「たつー ふえふいてー たつー」」」」」
[小さな毛玉達が辰次を呼ぶ]
「きれいって」
「きれいだよー」 「うつくしー」
「わーい」「やったよー」
「えへへー」
「よーし」
「やっちゃうぞー」
「やったれー」
落胤 明之進は、メモを貼った。
2011/09/18(Sun) 01時半頃
「たつー」
「たつたつ」「たっつじー」
「たつじー」「たっつん」「たっちゃんー」
「たつのじ」「たつ」
「ねー」「ふえー」「ふえー」
[小さな毛玉達は辰次に催促している。]
―秋月邸で毛玉が大量発生していた頃―
!?
[ざわざわと一気に増えた囁きに、龍笛はびびった。]
ちょ、ちょ、ちょっと待てよ、
慌てるな…!
[日向に会う前か、別れたあとか。
とにかく、小さな声に歩きながら笛を吹いた。]
「ふえふえ」
「ぴーひょろ」「きこえたねー」
「あつまれー」
「どこー」
「こっちだよー」
「あつまれー」
「ふむなー」「やだー」
「おなかすいたー」「ばかー」
「おしろいー」
「あつまれー」
「「「「「「「「あつまったー」」」」」」」」
[あだ名、たくさんついたなぁ…と内心思っていたとか何とか。]
[毛玉たちの元気がでるような、軽快な曲調を選ぶ。]
|
[人の耳に聞こえるのは微かな笛の音。 そして集った小さな毛玉達は一平太の周りを囲む。]
(83) 2011/09/18(Sun) 01時半頃
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[力を持つ笛の音は、小さな毛玉に
ちいさなあやかし、力ないあやかし達に力をあたえる。]
ちりもつもれば やまとなる
けだまもつもれば すごいあやかし
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(いっしょにいこうよ あそぼ いっぺいた)
[すこし大きな毛玉は一平太の顔の前でふわふわゆれる] [と、思うとたまこの前に行ってゆれて]
(たまこはおるすばん けだまのすごいとこみてって でも そうだな ちょっと忘れてもらおう ほんのすこし)
(84) 2011/09/18(Sun) 01時半頃
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[一平太のまわりを囲っていた小さな毛玉達が、ほんのりと光る。 すると、一平太の足元がぐにゃりと歪んだ。]
行こう、一平太。 あちらはとても愉しいよ。
僕は、君と一緒に遊びたいんだ。
[小さな毛玉の作り出した境目から、あちらの世界の空気が流れると、 大きな毛玉は一平太の頭に直接語りかける。
それはいつもよりも流暢な喋り方。]
(89) 2011/09/18(Sun) 02時頃
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そう、連れていくよ
[小さな毛玉の輪が少し大きくなった。 その中に、一平太の隣へ少し大きな毛玉が飛びこむと、 人の姿へと変化した。]
あちらの見物もよいものだよ。 僕も最初はそうだった。
さ、いこう。何も怖くはないから。 帰れないわけではないしね。
[必ず帰れるわけではないけどね。 そう思い浮かべながら、誘いの言葉を一平太にかけた。]
(92) 2011/09/18(Sun) 02時半頃
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たまこ。 僕は悪戯好きなあやかしだから、一平太を連れていくよ。 神隠し、って言うのかな。
神隠しが起きる瞬間、しっかりと見ていて。
……けど、神隠しの瞬間は 人は見ていても、覚えていられないのが残念だね。
(93) 2011/09/18(Sun) 02時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2011/09/18(Sun) 02時半頃
そろそろ僕はあちらに帰るよ、たつ。
こちらにいると、力が抑えられて苦しいしね。
どうも頭に靄がかかって、思考が鈍る。
[あちらとこちらの境目の近くでいるためか、
抑える力が弱いらしく、流暢に話す。]
おしろい おみやげ よろしくね
[力を押さえられているときのたどたどしい話し方を真似て辰次に語りかけた。]
|
僕ね、友達ができて嬉しかったんだ。 いなくならないで、一平太。 さよみたいに、いなくならないで。
[掠れた声で懇願する。]
いなくなっちゃいやだから、僕は君を連れていく よ
(98) 2011/09/18(Sun) 03時頃
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ぽやぽやしてるの、なかなか面白かったけどな。
おう。白粉はもう買ってあるから、帰りを楽しみに待ってろ。
[そう長くは待たせないだろう、と明之進に笑って]
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[一平太の肯定の意志を受け取る。]
ありがとう、一平太。
さあ……
[そこに立つ者を喰らうように足元が一層歪んだ。]
[しばらくして、部屋に残されたのはたまこと、そして鈴。 毛玉は一つも残っていない**]
(102) 2011/09/18(Sun) 03時頃
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ぽやぽやしてるときは、たつが良く可愛がってくれるから嫌いじゃないよ。
じゃ、またね、たつ。
[あちらに行く間際に言葉を残して行った。]
落胤 明之進は、メモを貼った。
2011/09/18(Sun) 03時頃
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