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薬屋 サイラス! 今日がお前の命日だ!
【人】 記者 イアン―ユリシーズの客室前― (2) 2010/06/21(Mon) 23時頃 |
[血を与えるのは女にとって初めてのこと。
兄と同じように、と。
兄の行為を思い出しながら牙を突きたてた。
サイラスの身に纏わる薬の気配を感じながら
女は血の甘さに酔う]
【人】 記者 イアン……ベネット! (8) 2010/06/21(Mon) 23時半頃 |
く……ッ
[それは、めくるめく一瞬だった。
淫らに表情を人前で緩めるなど、以前のその男には考えられぬことで……。
襲い掛かるのは、羞恥と人でなくなったという絶望。だけど、それよりも、痺れた脳髄は、]
渇いた……。
[そう、すぐに求め始めるのは、赤い、血液……。]
――…ふ。
[目の前の男の聲に思わず笑みが漏れる]
うまくいったのは良いのだけれど
ちょっと効き過ぎてしまっているかしら。
[白薔薇へと紅い双眸が向かうのを認め
困ったように首を傾いだ]
[何年ぶりだろう、
聲が増えた]
目覚めた……か
[離れた場所の同胞に、
満足そうな声音を向ける]
【人】 記者 イアンは、俺を探して? (23) 2010/06/21(Mon) 23時半頃 |
ぐぅ……
[頭に声が響くことにも慣れておらず、
また頭を振る。
そして、それが城主の声だとわかると、肩で息をしながらも、思案をし…やがて…]
――……渇く……
[搾り出すはやはり本能の呟き。]
く……くく
[加減もせずに力を注いだのだろう。
吸血の本能に襲われているらしい薬屋の聲
城主は事も無げに言ってみせる]
渇くなら、満たせばいい。
血が
欲しいのだろう?
[一時ならワインで誤魔化す事も出来るだろうが
其れを教える心算は、己には無い]
この城に招いた人間はまだ幾らも居る。
其処の従者は、お前の従者でもあるのだ
好きに使うが良い。
――………。
[ツキン、と。
また胸が痛む。
柳眉を寄せてふるりと小さく首を振るった]
――……従者、
ああ、従者ならば、
良い?
[吸血本能に理性を失っている今、
制止がなければ、手は白薔薇を摘み取ろうと動き始める。]
――お兄様が良いと仰られるなら
私はただ、其れを受け入れるのみ。
[女は俯き小さく聲を響かせた]
サイラス。
[人であるときの名を呼び、男を止める]
……血の吸い方は、知っているか?
間違えるな
あれは、未だ殺してはならん。
[かかる城主の声には、微かに反応する。]
殺しては……いけ ない
[ぼんやりと虚ろにそれは理解しただろう。]
そう、殺すな。
……アレの血を吸っても構わぬが
殺してはならぬ。
[幾度となく我等に血を捧げてきた
白薔薇ならば構わないと城主は告げ
けれど、殺すまでは吸うなと念を押した]
――…私のローズ
お前が嫌だと言うならば
私は其れを止める事もする。
お前の望みは、何処にある?
――…お兄様。
[城主の聲に頼りない聲が返される]
私、は………
[望みを問われ心の軋む音。
聲無く頭を振りうずくまる]
私のローズ……お前は何も我慢する必要は無い。
お前の望むままに
あれはお前が作った眷族だろう?
[彼女の心の内を知ってか知らずか。
心もとない聲へ、城主は優しく語り掛ける。
まるでひとの兄妹を錯覚させるような]
[血を飲み込めば、渇きは満たされるだろう。
代わりに戻ってくるのは、
人としての理性。
眸の色は、青色に戻って……]
我慢、なんて………
[滲む聲は兄の言葉を否定出来なかった。
けれど如何して良いのか分からずに
ただ途方にくれてしまう]
お兄様……
私は此処に居ても良いのでしょうか。
[優しい兄の聲に縋るように甘く頼りない囁き。
女は居場所を無くしてしまうのが怖かった]
私のローズ
お前が此処以外に何処へ行くのだ?
[可笑しな事を言う
そんな風に笑い]
……お前は、わたしのもの。
そうだろう?
――…嗚呼。
そうね……、私は此処以外の場所を知らない。
お兄様の傍以外では生きられない。
[ゆるく目を伏せる。
言い聞かせるように繰り返される言葉]
私はお兄様のもの。
そうよね……、お兄様。
[聲には未だ覇気がなく頼りなさばかりが目立つ]
そうだ、
お前は私のもの。
そして
新たに生み出した眷属は、おまえのもの。
[力関係を改めて教え込むような淀みない聲
熱を帯びているのは、食事の後ならば致し方ないもの]
憂いを帯びた貌も美しいが
……お前にそのような揺らぎを与えるものは
相応の罰が必要だ。
どうしたい、私のローズ
お前の望みを言ってみろ。
【人】 記者 イアン――お前達……! (92) 2010/06/22(Tue) 01時頃 |
私はお兄様のもの。
[僅かに頷く気配が伝う]
新たな眷属は――…私の………。
[その言葉は最後まで続かずにふるふると首を振るう]
いいえ、全てはお兄様のもの。
私はお兄様が喜んで下さればそれで……
[殊勝な言葉を口にして儚い笑みを湛えた]
お前は、わたしのもの。
お前の物は、わたしのもの。
[くすくすと、吐息交じりの笑み。
虚しさが混じるのに気付かれても、答えはしない]
私の悦びか、そうだな
――…其処の人間だったものに、客人を襲わせてみたい。
共に閉じ込められたはずの人間が
同じ立場の人間を襲う――…
良い見世物だと、思わないか?
愛しいお兄様。
[そう紡ぐことでしか心を支えられない
兄の聲に宿る感情に気づきはしても
感化され虚しさを共有してしまうのみ]
それは愉しい余興となりましょう。
お兄様のお望みのままに――…
【人】 記者 イアン――え? (111) 2010/06/22(Tue) 01時半頃 |
――…サイラス。
[男は何処まで見ているのか。
タイミングを見計らったかのように名を呼ぶ]
聞こえてはいるだろう?
私の聲が。
従者で遊ぶのは、程ほどにしておくことだ。
お前にはしてもらいたい事があるのでな。
満ち足りてしまっては、困る。
私のローズ。
……新たな同胞は気に入らなかったのか?
[血を分け与えた後の
彼女の心の揺らぎ
幾らか案じる風な響きを持った聲をかける]
ならば、次はお前が選ぶと良い。
お前の気に入った人間を
眷属に――
――……
[城主の声に反応する。]
はい
[眸の色は青色だが、
どこか気が抜けた感じになっている。が…]
満ち足りてはいません。
むしろ……
[しかし、その複雑な心境が表現できない。]
お兄様――…だって……
私に目もくれずあの子に手を出したのよ。
失礼だとは思わない?
[兄と自分だけが啼かせて良いはずだった存在を取られ
更には女としての矜持さえ傷付けられて
好ましいと思える心境にはない。
言い訳染みた言葉をぽつぽつと紡ぐ。
優しく愛でてくれる兄ならその様な事はなかっただろう。
心酔する兄に対してだからこそそれを言葉に出来た]
――…次?
[兄の提案に女の表情から翳りが薄くなり
僅かに嬉しそうな気配だけが意識を通して伝う]
ふ……
[城主には其の瞳の変化も、”視えている”。
薄く笑い]
メアリー・トレメイン
覚えていよう?
後は、お前が毒華にしてしまった
あの葬列の娘
二人には是非、新たな姿を見せてやる事だ。
[襲え、とは言わず
彼女たちに其の姿を見せろと告げるだけ]
――………わかりました。
[そう、城主の言葉に逆らえない自分に、気づいている。]
メアリートルメリン、マーゴットキャンベル
両名を……。
[眼を閉じる。]
――…嗚呼。
[人の優しさに触れて閉ざしていた魔性の目が
意に添わぬ光景を映し女は悩ましげな音を紡いだ]
嗚呼……確かに、其の通りだ。
血を与えすぎたか?
欲に忠実に向かった先が白薔薇とは――…
[漸く紡ぎだした、恐らくは彼女の本心を聞き
城主は同意を向ける]
それでは、薬屋への仕置きは私が。
お前にはもう一度機会をやろう。
分け与える血の量は、違えぬようにな。
【人】 記者 イアン―食事の間― (132) 2010/06/22(Tue) 02時頃 |
そう、其の2人の娘に変わり果てた姿を晒すが良い。
[
ただし
どれほど渇き、疼こうとも
其の二人の血は吸わせぬ。
私のローズを、軽んじた罰だ。
[反動が何処へ飛び火するか、其れもまた見物。
内心で思いながら、新たな同族に告げた]
[繰り返される事実に拗ねるような気配。
けれど目の前に甘えられる相手などいない。
小さく唸り唇を尖らせた]
――…血を与えすぎたなら私の不手際。
けれど私がお兄様に与えられた量よりも
うんと少なかったのに……
[新たな眷属から牙が向けられようと
兄も自分も害されはしない。
内に宿る力の違いは感じ取っている]
ありがとう、お兄様。
今度は間違いが起こらぬように致します。
[閉じた眸、だが、城主の声は響く。
それには、まだ青色の眼だったせいか頷いた。]
――……わかりました。
彼女らにそれであることを見せ、
されど、手出しはしません。
[それがどれほどの苦しみか、今は考えず、
深い眠りに入る。]
吸血の欲は、思ったよりも強いもの。
与えすぎては其れまでの全てが消え去ってしまう。
心せよ。
[
幾度も与え続ける事でより
闇の住人へと変わってゆくはずだった。
それでも、人のこころ、感情と言うものは
中々消え去るものではないようだが]
――…あの詩人は、しかし 惜しかったな
[喰らった後で、そう呟く]
どうせなら、無理矢理に血を与えてやればよかったか。
抗われてつい我を忘れた――…私もまだ、青い
【人】 記者 イアン何度か―― (141) 2010/06/22(Tue) 02時半頃 |
――…良い子だ。
[
思わず笑みが毀れる。
其の先にある彼女たちの、彼自身の
苦しみを思って]
[静々と兄に了承の意を告げる。
自分の時は如何だったのだろう。
一瞬過る疑問に眉を顰めた。
知らない。
分からないままでいい。
思い出してはいけない。
何処かで声がする。
けれどもう一人の自分が思い出してと叫んでいる]
――…残念、でしたね。
[詩人に想い馳せる兄に対してそう呟くのは
兄が詩人に少なからず興味を抱いて居ることを知っていたから]
嗚呼……本当に、残念だ。
生まれ変わる時の、絶望の産声が聞きたかった。
[心底惜しいと呟く。
彼女の心のうちで叫ぶ声までは、聞こえない]
だが
まだ人間は幾らも居る。
……次の余興を考えるのもまた、愉しいものだ。
絶望の産声………
[単純な思考の女には兄の高尚な趣向はよく分からず]
全てが全て絶望するのかしら。
[ぽつ、と零されるのはこれから眷属に迎えようと
思う者に対しての思案。
自分もまた絶望したのだろうかという不安。
そんなことはない、と否定の言葉を欲し問う]
この享楽の宴はお兄様のためのもの。
お兄様が愉しめることを私は望みます。
【人】 記者 イアン消えるのと同じですよ。 (152) 2010/06/22(Tue) 02時半頃 |
【人】 記者 イアン自分の心が、醜くないと――? (158) 2010/06/22(Tue) 03時頃 |
――……、……。
[兄の深い孤独を想えばツキンと胸が痛む。
埋まらぬ孤独に想いを馳せ女は緩く目蓋を閉じた]
……あの詩人は、頑なに快楽を拒んでいたからな。
[全てが全てかと
そうではないだろうと否定の言葉を送る。
ただ、其れまでに幾らかの間があった]
私は充分、愉しんでいる。
お前も――…お前は……愉しめているか?
[虚無が襲う。
食あたりかと笑い飛ばすには、少し重い]
――…そう。
[兄の返事に思わず安堵が漏れた。
彼の置いた間に気づく余裕さえなく]
………、……。
[問い掛けに短くはない間が生じる]
愉しみたいのに……
お兄様から離れていると虚しさばかり……
[魔性となった自分を受け入れてくれるのはこの兄だけ。
そんな思いから呟かれた聲は微かな音色]
可愛いことを言う。
この狭い城のなか、離れている距離が寂しいか。
[柔かな声音で囁く]
――…私を求めるなら、名を呼ぶが良い。
何時でも傍に向かおう**
――…お兄様の姿が見えないと寂しいわ。
気配を感じてはいても触れられないのが寂しい。
[女が求めるのは確かな存在。
夢や幻で満たされる事は無く。
続く囁きに灯るのは喜び]
お兄様……。
[感謝の気持ちをのせ小さく囁いた]
[決して自分はいい人間ではない。
それでも、薬師を選んだ理由を考えた。
そう、それは、今は眩しくてみれない。
純粋な心。
だけど、それは、魔の血によって塗り潰されていく。
いや、とっくになかったのかもしれない。
毒を処方する薬師になった瞬間に。]
――…嗚呼、聞こえている
愛しい 私のローズ
[
霧の包む城の中ならば城主の耳に届く。
娘の慟哭を後ろに
霧が留まるのは白薔薇の香に包まれた広間]
あの蒼天は、確かに
手にして留めておきたいものだが
元は人であるからか
執着の強いことだ
[呟く二人へ向けた声音は、微かな嘲笑を含む。
姿は今だ表さぬまま、気配を暫く残していた*]
【人】 記者 イアン[どこか虚ろな気分だった。 (204) 2010/06/22(Tue) 09時頃 |
愛しいお兄様……。
[城主の聲に返すのは何時もと同じ言葉。
蒼空と紡がれれば思考は其方に向かう]
留めておきたい。けれど彼は逃げなかった。
[これからも逃げずにいてくれるだろうかという期待と
離れていってしまうかもしれないという不安が交錯する]
………これが、執着?
[全ては執着ゆえのことだろうか。
兄が言うならそうなのかもしれない。
女から反論の聲はあがらなかった]
[不意に滲む気配に女の睫毛が微かに震えた]
[新たな眷属の立てた音
す、と細まる眸は僅かに愉しげな色を湛え]
――…サイラス。
お兄様の命をしかと成し遂げて
お兄様が喜んで下さるように――…
[囀る聲には常と同じ甘い響き]
[迷いを許さないといったローズマリーの声が
嬉しげに響く。]
――……はい
[小さく答える。]
そう、其れは執着。
[
彼女の心情は真に理解出来るものでなく]
愛しいだろう
傍に置きたいのだろう
お前達の望むままに――愉しむといい
――さあ
本性を隠す必要は無い
曝け出し、欲望のままに踊れ。
嗚呼
けれど、サイラス
お前は暫くひとを喰らうな。
あれの血を、蒼天を一時でも味わったのだからな
[新たに迎え入れた眷属の小さな返事]
――…そう。
いいこね、サイラス。
[愉悦の滲む聲には
くすくすと愉しげな音が混じった]
[心酔する城主の言葉に異論を唱えることはない。
生ずる感情の名さえ女には思い出せていないのだから]
愛しい……
[兄の言葉を繰り返せばまたツキンと痛みがはしる]
――…嗚呼。
[切ない吐息を聲にのせ女は心を揺らす]
[渇きに、また苦しそうな息遣いになった。]
――……ッ
[しかし、城主の、食らうな、の命に唇は震える。
そして、震えてなお、小さく小さく、やはり、はい、と返事をした。]
【人】 記者 イアン―食事の間→廊下― (253) 2010/06/22(Tue) 17時頃 |
[一人、部屋に残り、息をつく。]
[渇きを癒したくて、水差しから水を注いで飲み干すけれど]
[もちろん、そんな渇きではないのだから、効果はない。]
【人】 記者 イアン―廊下― (289) 2010/06/22(Tue) 20時半頃 |
【人】 記者 イアン―廊下― (293) 2010/06/22(Tue) 21時頃 |
【人】 記者 イアン―廊下― (298) 2010/06/22(Tue) 21時頃 |
【人】 記者 イアン―廊下― (322) 2010/06/22(Tue) 22時頃 |
どうした、サイラス……?
[城主は薄く哂う]
力が足りぬと言うのなら
我が身に流れる純血を――ひとたび分けてやらなくも無いが。
[お前は暫くひとを喰らうな。
その禁忌が、頭の中で繰り返されている。]
――…お兄様はお優しい。
[遠く囀る聲に他意はなく
ただ女の思った儘が紡がれている]
――…喰らってしまいなさい。
咽喉が渇いて仕方ないのでしょう?
血が、欲しいのでしょう?
お兄様に刃向かう者には死を――…
当然の事でしょう……?
[新たな眷属となった男に甘く囁き誘う]
[聴こえてくるローズマリーの声に、ぼんやり
ああ、いいのか、と思う。思った。]
[ヘクターの目的を聞き、
ローズマリーの囁きを受け、城主もまた許可を下す]
……其の男を、喰らえ。
二度と其の槍持てぬように
――…問題ありませんよね、お兄様?
[緩く首を傾げ問う仕草。
女はこの城主のために在り
女はこの城主のために動くのが当然と思っている。
兄の聲に微かな安堵を過らせ]
手が足りぬ時は私もお使い下さい。
私は、お兄様のために在るのですから……。
嗚呼、問題無い。
……愛しいローズ
狼藉者を相手にさせたくは無いが……
滅多に見れぬ見世物かもしれぬ。
……来るか?
血を、
与えてはならぬ…。
【人】 記者 イアン―廊下― (355) 2010/06/22(Tue) 22時半頃 |
――…良かった。
滅多に見れぬ見世物……?
それは、愉しそうね。
お兄様が呼んで下さるのなら
私は何処にでも参りましょう。
おいで、私のローズ。
……白薔薇が少し、心散らされている。
[心を持たぬ城主には
彼を静める術が無い。
音も無く傍らに現れたローズマリーへ
城主は僅かに眉を寄せた微笑みを向けた]
――…そう。
困ったものね……。
お兄様と私以外に、心乱されるなんて……
[サイラスを見ていた翡翠が城主へと向けられる。
見上げた眸には城主の貌だけが映り込んだ]
【人】 記者 イアンあ……そうか、知ってるのか。 (383) 2010/06/22(Tue) 23時頃 |
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