人狼議事


17 吸血鬼の城

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視点:


薬屋 サイラス! 今日がお前の命日だ!


記者 イアンは、メモを貼った。

2010/06/21(Mon) 23時頃


【人】 記者 イアン

―ユリシーズの客室前―


[ぎり。歯を噛む音がする。
どんどんと勢いよく扉を叩く。やはり返事はない]

……畜生ッ!

[どうして、こんな――
誰か知る人はいないか。誰か。焦りと苛立ちと自身への怒りが、ともすれば混乱を招きそうで]

どこに居るんだ、詩人さん!

[無意味な叫びを、廊下の薄闇に響かせる]

(2) 2010/06/21(Mon) 23時頃

[血を与えるのは女にとって初めてのこと。
兄と同じように、と。
兄の行為を思い出しながら牙を突きたてた。


サイラスの身に纏わる薬の気配を感じながら
女は血の甘さに酔う]


【人】 記者 イアン

……ベネット!
この人の知り合いの人が、どこに居るか分からないんだ。ほら、城主に皆が集められた時――覚えているだろう?城主に詰め寄られていた人だ。詩人の……

[そうですよね、とリンダの方を一度振り向く]

知らないか?

[縋るように問いかける]

(8) 2010/06/21(Mon) 23時半頃

 く……ッ

[それは、めくるめく一瞬だった。
 淫らに表情を人前で緩めるなど、以前のその男には考えられぬことで……。

 襲い掛かるのは、羞恥と人でなくなったという絶望。だけど、それよりも、痺れた脳髄は、]



              渇いた……。


[そう、すぐに求め始めるのは、赤い、血液……。]


――…ふ。


[目の前の男の聲に思わず笑みが漏れる]


うまくいったのは良いのだけれど
ちょっと効き過ぎてしまっているかしら。


[白薔薇へと紅い双眸が向かうのを認め
困ったように首を傾いだ]


[何年ぶりだろう、
聲が増えた]

 
 目覚めた……か


[離れた場所の同胞に、
満足そうな声音を向ける]


【人】 記者 イアン

は、俺を探して?

[用向きが気になったが、――それは後で良いだろう。
食事の間。結局立ち入らなかった所だ]

……そうか。わかった。ありがとう。食事の間か……
――行ってみますか?

[どうする、とリンダに問いかける]

(23) 2010/06/21(Mon) 23時半頃

 ぐぅ……

[頭に声が響くことにも慣れておらず、
 また頭を振る。

 そして、それが城主の声だとわかると、肩で息をしながらも、思案をし…やがて…]

 ――……渇く……

[搾り出すはやはり本能の呟き。]


【人】 記者 イアン

―廊下―

[新しく現れた人影。>>20
騒ぎが大きくなっている事を自覚するが、詩人の安否の方が気になった]

行ってみましょう。
――ありがとう、ベネット。すまない、ちょっと確かめてくるだけだから!

[そして、振り返らず走る。向かうは食事の間]

― →食事の間 付近―

(32) 2010/06/22(Tue) 00時頃

 く……くく


[加減もせずに力を注いだのだろう。
吸血の本能に襲われているらしい薬屋の聲
城主は事も無げに言ってみせる]


 渇くなら、満たせばいい。
 血が
 欲しいのだろう?


[一時ならワインで誤魔化す事も出来るだろうが
其れを教える心算は、己には無い]


 この城に招いた人間はまだ幾らも居る。
 其処の従者は、お前の従者でもあるのだ
 好きに使うが良い。


――………。


[ツキン、と。
また胸が痛む。


柳眉を寄せてふるりと小さく首を振るった]


 ――……従者、


             ああ、従者ならば、


 良い?


[吸血本能に理性を失っている今、
 制止がなければ、手は白薔薇を摘み取ろうと動き始める。]


――お兄様が良いと仰られるなら
私はただ、其れを受け入れるのみ。


[女は俯き小さく聲を響かせた]


 サイラス。


[人であるときの名を呼び、男を止める]


 ……血の吸い方は、知っているか?
 間違えるな
 あれは、未だ殺してはならん。


[かかる城主の声には、微かに反応する。]

 殺しては……いけ  ない

[ぼんやりと虚ろにそれは理解しただろう。]


【人】 記者 イアン

―食事の間前―

[どれだけの足音がついてきたのか。それを確認する前に、青年の視界は一つの人影を捕える。>>44]

あれは、サイモンの部屋で……

[理不尽な死を、自身に突きつけた男。
振り返った先には誰が居るのだろう。視線の先に、知らず声を上げる]

――おい……

(49) 2010/06/22(Tue) 00時半頃

 そう、殺すな。
 ……アレの血を吸っても構わぬが
 殺してはならぬ。


[幾度となく我等に血を捧げてきた
白薔薇ならば構わないと城主は告げ
けれど、殺すまでは吸うなと念を押した]


 ――…私のローズ
 お前が嫌だと言うならば
 私は其れを止める事もする。

 お前の望みは、何処にある?


記者 イアンは、メモを貼った。

2010/06/22(Tue) 00時半頃


――…お兄様。


[城主の聲に頼りない聲が返される]


私、は………


[望みを問われ心の軋む音。
聲無く頭を振りうずくまる]


【人】 記者 イアン

―食事の間 前―

……詩人さんを探しているんだ。
御存知、ないかな。

[見えるはダガーの柄。こちらは丸腰だ。
何でもない事のように、目礼する従者に声をかける。

集団暴走。

その言葉をかけた男の方を、ちらと向いた。>>52]

(58) 2010/06/22(Tue) 00時半頃

 私のローズ……お前は何も我慢する必要は無い。
 お前の望むままに
 あれはお前が作った眷族だろう?


[彼女の心の内を知ってか知らずか。
心もとない聲へ、城主は優しく語り掛ける。
まるでひとの兄妹を錯覚させるような]


[血を飲み込めば、渇きは満たされるだろう。




           代わりに戻ってくるのは、
           人としての理性。


 眸の色は、青色に戻って……]


我慢、なんて………


[滲む聲は兄の言葉を否定出来なかった。
けれど如何して良いのか分からずに
ただ途方にくれてしまう]


お兄様……
私は此処に居ても良いのでしょうか。


[優しい兄の聲に縋るように甘く頼りない囁き。
女は居場所を無くしてしまうのが怖かった]


【人】 記者 イアン

―食事の間 前―

前にも見た事がある……?

[男の言い様>>62に、眉が自然に潜められる。
見える刺青と言い、何だか――]

お断り?
話が出来ない?
まさか、また――

[薄い視線が向けられる。言葉が向けられる。
従者の向こうに何があるのか、――嫌な予感しか、今はしない]

(74) 2010/06/22(Tue) 01時頃

 私のローズ
 お前が此処以外に何処へ行くのだ?


[可笑しな事を言う
そんな風に笑い]


 ……お前は、わたしのもの。
 そうだろう?


――…嗚呼。
そうね……、私は此処以外の場所を知らない。
お兄様の傍以外では生きられない。


[ゆるく目を伏せる。
言い聞かせるように繰り返される言葉]


私はお兄様のもの。
そうよね……、お兄様。


[聲には未だ覇気がなく頼りなさばかりが目立つ]


 そうだ、
 お前は私のもの。
 そして
 新たに生み出した眷属は、おまえのもの。


[力関係を改めて教え込むような淀みない聲
熱を帯びているのは、食事の後ならば致し方ないもの]


 憂いを帯びた貌も美しいが
 ……お前にそのような揺らぎを与えるものは
 相応の罰が必要だ。

 どうしたい、私のローズ
 お前の望みを言ってみろ。


【人】 記者 イアン

――お前達……!

[目の前の従者もまた、化け物なのか。
人なのか。もしも人ならば――何故、こんな。

抑えきれない血の匂い。リンダはどうしているだろう]

……どうやっても、通しはしないと……

[自分には武器はない。ダガーの柄が、視界の端にちらつく。
結局、何もできないのだ。理不尽に怒るだけで、何も]

――残念だよ。取材に来たのに、肝心な所は全く見せてもらえないんだから。

[混乱した頭では、そう吐き捨てることしかできず]

(92) 2010/06/22(Tue) 01時頃

私はお兄様のもの。


[僅かに頷く気配が伝う]


新たな眷属は――…私の………。


[その言葉は最後まで続かずにふるふると首を振るう]


いいえ、全てはお兄様のもの。
私はお兄様が喜んで下さればそれで……


[殊勝な言葉を口にして儚い笑みを湛えた]


 お前は、わたしのもの。
 お前の物は、わたしのもの。
 

[くすくすと、吐息交じりの笑み。
虚しさが混じるのに気付かれても、答えはしない]


 私の悦びか、そうだな
 ――…其処の人間だったものに、客人を襲わせてみたい。
 
 共に閉じ込められたはずの人間が
 同じ立場の人間を襲う――…

 
 良い見世物だと、思わないか?


愛しいお兄様。


[そう紡ぐことでしか心を支えられない
兄の聲に宿る感情に気づきはしても
感化され虚しさを共有してしまうのみ]


それは愉しい余興となりましょう。
お兄様のお望みのままに――…


【人】 記者 イアン

――え?

[中に入る事は許されたらしい。
少々の驚きと共に、従者を見返した]

別に城主様に危害を加えようなんて思ってないよ。
俺は丸腰だ。刃の一本も持ってない。

[両手を上にして、告げる。
一度ベネットの方を振り返って、それから中へと踏み出した。
血の匂いの先には、おそらく――]

(111) 2010/06/22(Tue) 01時半頃

 ――…サイラス。


[男は何処まで見ているのか。
タイミングを見計らったかのように名を呼ぶ]


 聞こえてはいるだろう?
 私の聲が。

 従者で遊ぶのは、程ほどにしておくことだ。
 お前にはしてもらいたい事があるのでな。

 満ち足りてしまっては、困る。


 私のローズ。
 ……新たな同胞は気に入らなかったのか?


[血を分け与えた後の
彼女の心の揺らぎ
幾らか案じる風な響きを持った聲をかける]


 ならば、次はお前が選ぶと良い。
 お前の気に入った人間を
 眷属に――


記者 イアンは、執事見習い ロビンには、未だ警戒心を抱き続けている。

2010/06/22(Tue) 01時半頃


 ――……

[城主の声に反応する。]

 はい

[眸の色は青色だが、
 どこか気が抜けた感じになっている。が…]

 満ち足りてはいません。
 むしろ……

[しかし、その複雑な心境が表現できない。]


【人】 記者 イアン

>>109

[血の匂い。
テーブルの上に、人影と骸の影。

――ああ、間に合わなかった]

……お尋ねして、宜しいでしょうか。
どうしてこのような事を、なさるのですかと。

[発した声は意外にも平坦に。
蠢く影の向こうの城主に、距離を詰めながら問いかける]

(119) 2010/06/22(Tue) 02時頃

お兄様――…だって……
私に目もくれずあの子に手を出したのよ。
失礼だとは思わない?


[兄と自分だけが啼かせて良いはずだった存在を取られ
更には女としての矜持さえ傷付けられて
好ましいと思える心境にはない。
言い訳染みた言葉をぽつぽつと紡ぐ。


優しく愛でてくれる兄ならその様な事はなかっただろう。
心酔する兄に対してだからこそそれを言葉に出来た]


――…次?


[兄の提案に女の表情から翳りが薄くなり
僅かに嬉しそうな気配だけが意識を通して伝う]


 ふ……


[城主には其の瞳の変化も、”視えている”。
薄く笑い]

 
 メアリー・トレメイン
 覚えていよう?
 後は、お前が毒華にしてしまった
 あの葬列の娘

 二人には是非、新たな姿を見せてやる事だ。


[襲え、とは言わず
彼女たちに其の姿を見せろと告げるだけ]


 ――………わかりました。

[そう、城主の言葉に逆らえない自分に、気づいている。]

 メアリートルメリン、マーゴットキャンベル
 両名を……。

[眼を閉じる。]


――…嗚呼。


[人の優しさに触れて閉ざしていた魔性の目が
意に添わぬ光景を映し女は悩ましげな音を紡いだ]


 嗚呼……確かに、其の通りだ。
 血を与えすぎたか?
 欲に忠実に向かった先が白薔薇とは――…


[漸く紡ぎだした、恐らくは彼女の本心を聞き
城主は同意を向ける]


 それでは、薬屋への仕置きは私が。
 お前にはもう一度機会をやろう。

 分け与える血の量は、違えぬようにな。


【人】 記者 イアン

―食事の間―

[暖炉へと引きずられていく記者の骸。
胸の中で十字を切る。サイモンの胸に薔薇を手向けた、柔らかな声の従者は居ないのだ]

食事をなさるだけなら、分かります。
しかし、それなら今までやってこられたように、一人ずつ浚って喰らえば良い事でしょう。
わざわざ――『宴』と称して、多くの人間を一度に閉じ込める意味が分からないのです。

どうして、こんな事を?

(132) 2010/06/22(Tue) 02時頃

 そう、其の2人の娘に変わり果てた姿を晒すが良い。


[サイラスへ、冷たい声音が降り注ぐ]


 ただし
 どれほど渇き、疼こうとも
 其の二人の血は吸わせぬ。

 私のローズを、軽んじた罰だ。


[反動が何処へ飛び火するか、其れもまた見物。
内心で思いながら、新たな同族に告げた]


[繰り返される事実に拗ねるような気配。
けれど目の前に甘えられる相手などいない。
小さく唸り唇を尖らせた]

――…血を与えすぎたなら私の不手際。
けれど私がお兄様に与えられた量よりも
うんと少なかったのに……

[新たな眷属から牙が向けられようと
兄も自分も害されはしない。
内に宿る力の違いは感じ取っている]

ありがとう、お兄様。
今度は間違いが起こらぬように致します。




[閉じた眸、だが、城主の声は響く。
 それには、まだ青色の眼だったせいか頷いた。]

 ――……わかりました。
 彼女らにそれであることを見せ、
 されど、手出しはしません。

[それがどれほどの苦しみか、今は考えず、
 深い眠りに入る。]


記者 イアンは、メモを貼った。

2010/06/22(Tue) 02時頃


 吸血の欲は、思ったよりも強いもの。
 与えすぎては其れまでの全てが消え去ってしまう。
 心せよ。


[ローズマリーへ向ける城主の言葉には、彼女が記憶をなくした理由がある
幾度も与え続ける事でより
闇の住人へと変わってゆくはずだった。
それでも、人のこころ、感情と言うものは
中々消え去るものではないようだが]


 ――…あの詩人は、しかし 惜しかったな


[喰らった後で、そう呟く]


 どうせなら、無理矢理に血を与えてやればよかったか。
 抗われてつい我を忘れた――…私もまだ、青い


【人】 記者 イアン

何度か――

[言葉に詰まる。
大量失踪の原因は――そういうことだったのか。ということは、つまり。
己の後からついてきて、呻いたベネットを心配そうに見やった]

こうやって、一人ずつ『消して』行くのですか。
そして、俺達が恐怖すればいいと。絶望すればいいと。

[ともすれば惹きこまれそうになる。いや、もう惹きこまれている?
ひらり招く手の動きに、足がふらり、踏み出された]

(141) 2010/06/22(Tue) 02時半頃

 ――…良い子だ。


[城主に従う彼の言葉
思わず笑みが毀れる。

其の先にある彼女たちの、彼自身の
苦しみを思って]


[静々と兄に了承の意を告げる。
自分の時は如何だったのだろう。
一瞬過る疑問に眉を顰めた。

知らない。
分からないままでいい。
思い出してはいけない。

何処かで声がする。

けれどもう一人の自分が思い出してと叫んでいる]

――…残念、でしたね。

[詩人に想い馳せる兄に対してそう呟くのは
兄が詩人に少なからず興味を抱いて居ることを知っていたから]


 嗚呼……本当に、残念だ。
 生まれ変わる時の、絶望の産声が聞きたかった。


[心底惜しいと呟く。
彼女の心のうちで叫ぶ声までは、聞こえない]

 
 だが
 まだ人間は幾らも居る。

 ……次の余興を考えるのもまた、愉しいものだ。


絶望の産声………


[単純な思考の女には兄の高尚な趣向はよく分からず]


全てが全て絶望するのかしら。


[ぽつ、と零されるのはこれから眷属に迎えようと
思う者に対しての思案。
自分もまた絶望したのだろうかという不安。
そんなことはない、と否定の言葉を欲し問う]


この享楽の宴はお兄様のためのもの。
お兄様が愉しめることを私は望みます。


【人】 記者 イアン

消えるのと同じですよ。
城の外では、彼等は失踪者として扱われるんです。葬られる事すら無く。

[縋らなければならない現実。
忘れてはならない現実。言い聞かせる。自分に]

――力を授け、新たに?
この上、俺達を化け物にしよう、と――……

[何故か言い淀んだ。
化け物。だが、彼等は捕食者だった。自分たちに対しての、絶対的な強者]

あなたは、深い闇の底で何を見ているというのです。
何を見る事を望むんです――

[絞り出すように、縋るように。理解が出来ない。外の世界とは、あまりにも違いすぎる。ミッシェルも、こうやって呑まれていったのか。こうやって――
白い手が、とてもはっきりと映って。
気がついたら、そちらに手を伸ばしていた]

(152) 2010/06/22(Tue) 02時半頃

【人】 記者 イアン

自分の心が、醜くないと――?

[銀糸。赤い瞳。引かれる腕。
全てが遠い。血の匂い。骸。

ベネットの無事を祈りつつ、意識はただ呆然と――**]

(158) 2010/06/22(Tue) 03時頃

記者 イアンは、メモを貼った。

2010/06/22(Tue) 03時頃


――……、……。


[兄の深い孤独を想えばツキンと胸が痛む。
埋まらぬ孤独に想いを馳せ女は緩く目蓋を閉じた]


 ……あの詩人は、頑なに快楽を拒んでいたからな。


[全てが全てかと言うのには
そうではないだろうと否定の言葉を送る。
ただ、其れまでに幾らかの間があった]


 私は充分、愉しんでいる。
 お前も――…お前は……愉しめているか?


[虚無が襲う。
食あたりかと笑い飛ばすには、少し重い]


――…そう。


[兄の返事に思わず安堵が漏れた。
彼の置いた間に気づく余裕さえなく]


………、……。


[問い掛けに短くはない間が生じる]


愉しみたいのに……
お兄様から離れていると虚しさばかり……


[魔性となった自分を受け入れてくれるのはこの兄だけ。
そんな思いから呟かれた聲は微かな音色]


 可愛いことを言う。
 この狭い城のなか、離れている距離が寂しいか。


[柔かな声音で囁く]


 ――…私を求めるなら、名を呼ぶが良い。
 何時でも傍に向かおう**


――…お兄様の姿が見えないと寂しいわ。
気配を感じてはいても触れられないのが寂しい。


[女が求めるのは確かな存在。
夢や幻で満たされる事は無く。
続く囁きに灯るのは喜び]


お兄様……。


[感謝の気持ちをのせ小さく囁いた]


[決して自分はいい人間ではない。
 それでも、薬師を選んだ理由を考えた。




           そう、それは、今は眩しくてみれない。
           純粋な心。


 だけど、それは、魔の血によって塗り潰されていく。



 いや、とっくになかったのかもしれない。
 毒を処方する薬師になった瞬間に。]


 ――…嗚呼、聞こえている
 愛しい 私のローズ


[小さな囁きも、全て
霧の包む城の中ならば城主の耳に届く。
娘の慟哭を後ろに
霧が留まるのは白薔薇の香に包まれた広間]

 
 あの蒼天は、確かに
 手にして留めておきたいものだが
 元は人であるからか
 執着の強いことだ


[呟く二人へ向けた声音は、微かな嘲笑を含む。
姿は今だ表さぬまま、気配を暫く残していた*]


【人】 記者 イアン

[どこか虚ろな気分だった。
腕を掴みながら、己の孤独を語る城主。先程までの自分ならば、怒りも湧いたろうに]

帳面――
気付いていらしたのですか。

[書庫を検分されたのか。呆然と、呟き城主を見送る。
部屋に入るリンダの悲鳴。立ち竦むベネット。
自身もまた、虚ろなままそこに立つのみ――**]

(204) 2010/06/22(Tue) 09時頃

愛しいお兄様……。


[城主の聲に返すのは何時もと同じ言葉。
蒼空と紡がれれば思考は其方に向かう]


留めておきたい。けれど彼は逃げなかった。


[これからも逃げずにいてくれるだろうかという期待と
離れていってしまうかもしれないという不安が交錯する]


………これが、執着?


[全ては執着ゆえのことだろうか。
兄が言うならそうなのかもしれない。
女から反論の聲はあがらなかった]


 
 
 
[不意に滲む気配に女の睫毛が微かに震えた]
 
 
 


[新たな眷属の立てた音が鼓膜を震わす。
す、と細まる眸は僅かに愉しげな色を湛え]


――…サイラス。
お兄様の命をしかと成し遂げて

お兄様が喜んで下さるように――…


[囀る聲には常と同じ甘い響き]


[迷いを許さないといったローズマリーの声が






                   嬉しげに響く。]






              ――……はい


[小さく答える。]


 そう、其れは執着。


[想いの無い吸血鬼には
彼女の心情は真に理解出来るものでなく]


 愛しいだろう
 傍に置きたいのだろう


 お前達の望むままに――愉しむといい


 ――さあ
 本性を隠す必要は無い
 曝け出し、欲望のままに踊れ。
 
 
 嗚呼
 けれど、サイラス
 お前は暫くひとを喰らうな。

 あれの血を、蒼天を一時でも味わったのだからな


[新たに迎え入れた眷属の小さな返事]


――…そう。
いいこね、サイラス。


[愉悦の滲む聲には
くすくすと愉しげな音が混じった]


[心酔する城主の言葉に異論を唱えることはない。
生ずる感情の名さえ女には思い出せていないのだから]


愛しい……


[兄の言葉を繰り返せばまたツキンと痛みがはしる]


――…嗚呼。


[切ない吐息を聲にのせ女は心を揺らす]


[渇きに、また苦しそうな息遣いになった。]



             ――……ッ


[しかし、城主の、食らうな、の命に唇は震える。
 そして、震えてなお、小さく小さく、やはり、はい、と返事をした。]


【人】 記者 イアン

―食事の間→廊下―

[どれだけそこに立ちつくしていた事だろう。
やがで顔を上げると、のろのろと歩き出す]

……ごめん。
ちょっと一人にさせてくれないか。

[少し前に、『一人で居ては危ない』と声をかけたその口で、一人になりたいと言う。
自虐的な笑みしか浮かばない。


廊下の窓。いつまでも変わらぬ黄昏の光の中に映るのは、情けない青年の顔。
あまりにも無力で。そして、言葉だけはいつも傲慢で。

なんだか、とてつもなく嫌になり、屑折れるように窓に背を預けた]

(253) 2010/06/22(Tue) 17時頃

記者 イアンは、花売り メアリーは無事だろうかと、ふと思った。**

2010/06/22(Tue) 17時頃


[一人、部屋に残り、息をつく。]



[渇きを癒したくて、水差しから水を注いで飲み干すけれど]



[もちろん、そんな渇きではないのだから、効果はない。]


記者 イアンは、メモを貼った。

2010/06/22(Tue) 20時半頃


記者 イアンは、執事見習い ロビンに話の続きを促した。

2010/06/22(Tue) 20時半頃


【人】 記者 イアン

―廊下―

……は……っ

[ともすれば、笑いとも嗚咽ともつかないものがこぼれてきてしまいそうで。
くすねた名簿の事も、ばれていた。
そして城主は、霧となって消え去った。

――どうやって逃れれば良い?
何もかもが常識を超えている。外の世界と今青年の在る世界は全く別物なのだと、思い知らされてしまう。そしてこの世界に置いて、自分は無力だ]

(289) 2010/06/22(Tue) 20時半頃

【人】 記者 イアン

―廊下―

……悩み事?

[顔をゆっくりと上げて、現れた人影を見やる。
柔らかな声の方の従者だった]

今更、話すような悩みでも無いですよ。
……悩んですらいないのかもしれない。

[ぽつり呻く]

あなたは、人間ですか?

[ぼんやりとした問いが、廊下の薄闇に溶けた]

(293) 2010/06/22(Tue) 21時頃

【人】 記者 イアン

―廊下―

……それは、そうですけど。

[諭すような声音。
目を瞬かせて、従者の方を見やった]

どうしてあなたが、それを……?

[窓から身を起こして問いなおした時には、彼の姿は薄闇の向こうに消えているか。
小さな混乱と小さな疑問が沸き起こり、虚ろな思考が僅かながら揺らいだ気がした]

そりゃ、嫌いだけどさ……
食べずに立ち去れないから困ってるんじゃないか。

[やれやれ、首を振り。
従者の去った方とは反対の方角に足を向ける。

結局自分にできる事と言ったら、何かを記すことぐらいなのだろう。何か――己の目で見た『何か』を]

(298) 2010/06/22(Tue) 21時頃

【人】 記者 イアン

―廊下―

[何かが響いた気がしたが、青年の居る場所まで騒ぎは届かなかった。
黄昏の薄闇が支配する廊下を歩く。窓の外は――霧か]

この城が、せめて……せめて、俺の居た街と同じ大地の上に建っていてくれれば……

[それは祈り。
仮定でも推理でも予想でも無く、ただの祈り]

(322) 2010/06/22(Tue) 22時頃

 どうした、サイラス……?


[城主は薄く哂う]


 力が足りぬと言うのなら
 我が身に流れる純血を――ひとたび分けてやらなくも無いが。


[お前は暫くひとを喰らうな。




その禁忌が、頭の中で繰り返されている。]


――…お兄様はお優しい。


[遠く囀る聲に他意はなく
ただ女の思った儘が紡がれている]


――…喰らってしまいなさい。
咽喉が渇いて仕方ないのでしょう?
血が、欲しいのでしょう?


お兄様に刃向かう者には死を――…


当然の事でしょう……?


[新たな眷属となった男に甘く囁き誘う]


[聴こえてくるローズマリーの声に、ぼんやり




         ああ、いいのか、と思う。思った。]


[ヘクターの目的を聞き、
ローズマリーの囁きを受け、城主もまた許可を下す]


 ……其の男を、喰らえ。
 二度と其の槍持てぬように


――…問題ありませんよね、お兄様?


[緩く首を傾げ問う仕草。
女はこの城主のために在り
女はこの城主のために動くのが当然と思っている。
兄の聲に微かな安堵を過らせ]


手が足りぬ時は私もお使い下さい。
私は、お兄様のために在るのですから……。


 嗚呼、問題無い。

 ……愛しいローズ
 狼藉者を相手にさせたくは無いが……


 滅多に見れぬ見世物かもしれぬ。
 ……来るか?


 血を、



            与えてはならぬ…。


【人】 記者 イアン

―廊下―

……ドナルド?

[久しく聞いていなかった声に振り返る]

ああ。俺は……俺は、無事だよ。
ドナルドこそ、何もなかったか?

[そのうち、何か起こってしまうのだろうけれど。
どこか諦めを含んだ声音で、彼の無事を問うた]

(355) 2010/06/22(Tue) 22時半頃

――…良かった。


滅多に見れぬ見世物……?
それは、愉しそうね。


お兄様が呼んで下さるのなら
私は何処にでも参りましょう。


 おいで、私のローズ。
 ……白薔薇が少し、心散らされている。


[心を持たぬ城主には
彼を静める術が無い。
音も無く傍らに現れたローズマリーへ
城主は僅かに眉を寄せた微笑みを向けた]


――…そう。
困ったものね……。


お兄様と私以外に、心乱されるなんて……


[サイラスを見ていた翡翠が城主へと向けられる。
見上げた眸には城主の貌だけが映り込んだ]


【人】 記者 イアン

あ……そうか、知ってるのか。

[結構な騒ぎになったから、どこかで見られていたのかもしれない。何があったのかと問われ――こくり頷いて、ぽつりぽつり語る]

……吸血鬼に、遭ったよ。
俺は――多分、城主達がが『吸血鬼』じゃなくて、『殺人鬼』であるように祈ってたんだろうな。殺人鬼なら、まだ人間だ。俺達が知っている常識を超えた事は出来ないし……

[霧のように掻き消えた城主の姿を思い出す。
そして、どうしようもないくらいに惹きつけられてしまった事も]

分かってるさ。ミッシェルはもう死んでるって事くらい。
犠牲者の名簿みたいなもんを見つけたんだが、そん中にしっかり名前が入ってたよ。

でも、死体は永遠に出てこないんだろうな。骨の一欠けらすら。

[ひょっとしたら、一番に絶望してしまったのは『そこ』だったのかもしれない。
影によって犠牲者の遺体がどこかに持ち去られてしまった、あの光景――]

(383) 2010/06/22(Tue) 23時頃

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