126 生贄と救済の果てに〜雨尽きぬ廃村・ノア〜
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―回想/廃村ノアにいた頃に―
うむ……前に言った通り>>0:142、私も馬車に乗ってここまで来たんだが。 途中で飛び出してきてしまってな。その後を知らない。
[「何かあった」の問いかけに>>0:177、直接の言葉で抱いた不安まで>>0:118を口にすることはしなかった。 「災難」の現場にいたイアンのことだ。察しはつくだろうと思い]
まぁ、一言礼を言っておこうかと思った次第だ。 まだそこまで遠く離れてはいないだろう。すぐ戻る。
[もちろん。それが理想の形であり、ヴェラ自身それを望んでいたのだが……]
(1) 2013/06/13(Thu) 00時頃
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―現在/緑の魔法使いと雨の森で―
[ソフィアがどのような『手当て』>>0:196もしくは対応をとってくれていたのかは、意識を失いつつあるヴェラには判別がつかなかった。 そもそも、自身の負傷がどれほど重度のものであったのか>>0:197も、把握はできない。
ただ、何かしらの助けを施してくれている、もしくは施そうとしてくれているだろうことは察しがつき。 不安の中でも、微かな救いを感じていた。 と、同時に湧き上がってくるのは、とある疑問。
助けを受けて感謝している自分は、あの時いったい何を頼もうとしていた>>0:202のだろうか?
冷たい雨を身に浴びながら、瞼をゆっくり下ろそうとする。 寝るなと言われたら頑張るが。
ともあれ、途中で道を違えたのか、どこか迂回をしているのか。はては耳がいかれていたのか。 村の方へと向かった>>0:196御者の魔物の足音は、この周囲からは聞こえてはこなかった]
(6) 2013/06/13(Thu) 00時半頃
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風来坊 ヴェラは、メモを貼った。
2013/06/13(Thu) 01時頃
ヴェラは、戦いの予感を抱く……には、少し遠すぎるかもしれない**
2013/06/13(Thu) 01時頃
あーあ、そんなんじゃやられちまうぜ?
[人の耳には遠くに聞こえても、魔性の道に足を踏み入れた男の耳にはかつて御者だった魔物の声がはきと聞こえていた。
村への魔物の接近は三人があちらに向かう前に感じ取っており、その上で休憩を取っていた。
―声から感じ取れたのは魔物の劣勢。
息をつきながら口にしたのは、人には聞こえぬ声。
呆れたようなその声には、村に向かう際に容赦なく屠った魔物に対するように、感情は籠められていなかった。
三人の魔法使いと対峙する魔物に、その声は届いたかどうか。
―聞こえたとしても、解する余裕はなかったかもしれないが。*]
風来坊 ヴェラは、メモを貼った。
2013/06/14(Fri) 00時頃
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―回想/森にて緑の魔法使いと出会う―
[いや。悪いが、私にも、分からん。
「大丈夫」と問いかける>>27魔法使いに、反応せぬまま、心で答えた。 轢かれた足は痺れたまま。打ちつけた背中の痛みに、呼吸もままならなくなっている。 致死に至る負傷かどうかは、ヴェラ自身にも分からない。 分からないまま、ただ、頼む>>0:202、と。 見知らぬ、されど群の仲間と思しき魔法使いへ。何を求めているのかも分からないまま。もし……で、あれば、頼む、と。
ヴェラよりも小柄な体が、己のことを担ぎあげる。 お前、女だな。今更ながらに、どうでもいいことに着目する。 発動する、ヴェラには馴染みのない魔法。 空間を超えた、と頭を過った時にはもう、体を幹に預けていた>>31。
「治す」の言葉。ありがたい。が。 しばし休めば治癒する類の怪我ではないと、その位の事はヴェラにも分かる。 だから、顔に手が添えられ、ヴェラなりに理解する。 なるほど。末期のナデナデか。「治す」の言葉は、せめて逝き際安らかにと……]
(60) 2013/06/14(Fri) 00時半頃
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[……? っ!!!
一瞬、久しく触れていなかった類の声質>>31を耳にしキョトンとなるも。 触れられた背より走る激痛に、うつろながらも眉をしかめる。 痛いではないか。何をする。狼だったら噛んでるぞ。
けれど、それも長いこと続く恨み節ではなくて……。
青い輝きがヴェラを包む>>32。 体の中に、魔力のこもった何かが滑りこんでくるのが分かる。 足に。背に。 固定する何かが軋みを防ぎ、痛みを和らげ、妨げてられていた呼吸を取り返す。
珍しいな。お前は癒し手か。 眼に映る微笑みに、すまぬな、と、こちらも笑みを浮かべようとするも、形になったかどうかは分からない。 そこで、安心し、心が脱力したせいだろう。 救い手がどこかへと飛び去って>>33、訪れた1人の時間>>6。
答えの出ない問いかけを放棄し、傷の癒えた、されど、精神的なものかもしれないが、疲労した肉体を休めようと、瞼を……]
(61) 2013/06/14(Fri) 00時半頃
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うむ。了解した。
[救い手の叫び>>34に、首肯した。両の目を、きっ、と見開き彼女を見返す]
お前も要請を受けた魔法使いだな。 私はヴェラだ。こんなんだが、強い。 礼を言う。……お前に救われたぞ。
[体はまだ動かず、遅まきにきたであろう魔法使いにも、起こった出来事は伝えねばならない。仮にヴェスパタインの通信>>4を耳にしていたとしても、その場に留まったのはそんな事由か。 事情を聞かれれば、拒むことはない。 表す感情は持ち合せているが、こんな口調とこんな調子のため。 おそらくは、ただ淡々と語る形になったはずだ。 自分を送り届けようとし魔に落ちた、弱く、されど勇猛だった、一人の男の物語>>0:187を。 『魔物との戦闘』が行われていたことは、少し後のことにはなる>>41が。 ……ヴェラがまきこんでしまったがゆえに犠牲になった者の顛末は、きっと彼女に刻まれている]
(62) 2013/06/14(Fri) 00時半頃
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ヴェラは、これよりしばしの時間、体力の回復を図る>>37ことだろう……
2013/06/14(Fri) 00時半頃
あーあ。
折角魔物になったのになぁ。
[コリーン達の一部となった御者の魂。
生贄にされた事が伝われば、少し残念そうな声を。
倒された上に、魔法使いの糧となるとは。
魔物となって間もない上、魔法使い三人を相手にしたのであれば仕方がないか。]
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―回想/体力の回復を待つなかで―
[馴染んだ毛皮を肩にかけ、しばしの間、瞼を閉ざしていた。 白狼の毛皮は首に巻いているのは、剣術で言えば鞘に収めた剣を腰に携えている状態。 異なる型に多少の不安はあったが、今は1人ではないために、体力の回復を優先した。
降り止まない雨の音の奥で、再び救い手の声がする>>37。 うむ。おかげで濡れ狼だ。『内側』>>0:99が濡れた以上、供物の消耗にも影響するな。
ソフィアは眠っていると勘違いしたかもしれないが、返答するほどのものではないと思い、声を出さなかっただけだ。 だから、そのまま語り続けられる言葉>>38>>39……。
目を閉じたまま、受け入れる。 ヴェラの上で、さらに上へと語られる言葉が、ヴェラの眉を締めさせる。 そして、巨木から、自分へと向けられた声に、ようやく目蓋を押し上げた]
(72) 2013/06/14(Fri) 01時頃
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いや、もう無理ではない。お前のおかげで、十分すぎるほど回復した。
[移動魔法の力は、もう先ほど体感している。 それゆえ「一緒に移動」>>40の申し出には、ありがたく甘えることとしたものの。 一つの懸念が頭に過る]
ありがたい……が、大丈夫か? 先ほどの回復といい、移動といい、私と会ってからだけでも、だいぶ使っているように思えたが。
[供物により、その消耗には差があることは理解している。 使用者が大丈夫だと言うのなら、問題ないが……]
まあ、いい。私は臭いと恩は忘れない。 礼だ。後で適当な獲物を生け捕りにして、お前にやろう。 遠慮なく『喰って』くれ。
(73) 2013/06/14(Fri) 01時頃
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[『生贄』に言及したところで、先ほどソフィアが周囲に語り掛けていた言葉が思い起こされた。 胸に過る、小さな疑念。ツェツィーリヤに問いかけた時と同じように、遠回しをせず問いかける]
村に着く前に、教えて欲しいことがある。
[ソフィアの右手と、レイピア(これは服の内側にあれば、何かしらの武器と認識しただろうが)に視線を送る。 武器には、供物のような魔力は備わっていないように感じる]
お前の右手は、これまでどれくらい『喰って』きた? その武器で……魔物を殺害したことはあるか?
[どんな返答しろ、それが質問の答えと呼べる範囲である限り、ヴェラは「そうか」としか答えなかっただろうが。 びしょ濡れた体で、首に毛皮を巻き直す。動ける今なら長居は無用だ。 ソフィアと共にノアへと向かえば、『対となる片手』>>0:156とも再会できることだろう>>42]
(75) 2013/06/14(Fri) 01時頃
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ヴェラは、飛びながら「それと、ワンちゃん>>25ではない。大人狼だ」
2013/06/14(Fri) 01時頃
ヴェラは、ノアについた時>>42には、けっこうキューンとなっていたそうだ。だから多分、すぐ休でたと思う。
2013/06/14(Fri) 01時半頃
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―村の入り口にて―
[十分すぎるほど回復した>>73。そこには、確かに嘘はない。 ただ、魔法を駆使した、人体の自然修復力を大幅に超えた変化が、作用していたせいだろう。 体が変化に戸惑い、健常な状態に馴染み切れていない。 正常に近いはずなのに、体の発する信号が、偽りに疲労と軋みをあげている。 あの御者のなれの果てを目にし、その顛末を悟って>>64も、すぐには反応ができなかった。 思わず、がくりと膝に手をついた時、聞こえてきた馴染みの声>>42]
うむ。大丈夫だ。お前も知っている通り、私は強い。 が。すまんが、手を貸してくれるとありがたい。 一言礼を言いに行くつもりが、残念な結果になってな。
[廃村を離れる際に、イアンが伝えてくれた声かけ>>20は叶わなかった、と暗に告げ。 促されるままに進んでいく。そのため、ソフィアが何をしていた>>65のかまでは分からなかったが、2人の会話>>44>>65に、一言挟んだ]
(86) 2013/06/14(Fri) 02時半頃
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癒し手だ。回復魔法を使う。
[体に残った違和感ゆえか多くは語れず、廃屋へ入る前に告げた。 ツェツィーリヤに聞こえる範囲の外だったのかもしれない>>84が。 焚き火の傍にいるのは、ツェツィーリヤか。 雨を凌げる上に、火のたかれた家屋の中は、たとえそれがボロ屋であろうと外よりはるかにましに思えた]
ふむ。お前たちは、ちゃんとぬくぬくしていたようだな。 ありがたい。私もぬくぬく……させて、くれ。
[イアンとツェツィーリヤにそう告げて、言われた通りに焚き火に当たる。 びしょびしょのローブは脱ぎ捨てて、上半身を肌着(いわゆるタンクトップの類だ)に毛皮の姿になる。 当然だが、胸はない。が、ヴェラは男であるから関係ないが、胸のない女もいるという事だけは、あえて注記しておこう。 布が少ない方が動きやすい。そう言ったのはコリーンだったか。 すでに本体が濡れてしまった以上、もはやローブは邪魔なだけだ。 差し出された布>>58の臭いをくんくん嗅いで、やがてはこきゅこきゅを身を拭きだした]
(87) 2013/06/14(Fri) 02時半頃
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―暖かい廃屋―
[お座りの姿勢で、炎に当たる。冷えた体が温まり、まどろみの種子が体内で芽吹く。 うとり、うとり、としているさなか。 イアンの問いかけ>>48がヴェラの鼓膜にそよいでくる]
これだけ大きな群れにいるのは、私も初めてだ。 だが、私があいつ(ヴェスパタイン)から聞いたのは、すでに話したことだけだ。
[ヴェスパタインを除き、これまで見てきた魔法使いの他にも、ヤニクがいることは通信>>0:@1で知っている。 うとり、うとりに耐えきれず、ヴェラは『伏せ』へと姿勢を変えた。 交されている声>>77の中に自分のことも混ざっていたが、うまくは反応できなかった。 そして、ツェツィーリヤの言葉>>81に、よく分からぬまま頷いた時には、ヴェラは狼に変化している。 扉が開く音に、一度耳をぴくりとさせて、まどろみへ。
次に目が覚めるのは、何事かを告げるリーダーの声>>80を耳にして、だっただろうか?**]
(88) 2013/06/14(Fri) 02時半頃
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ヴェラは、まだ把握しきれていない事態もあるけど、暖かいから尻尾ぱたぱた**。
2013/06/14(Fri) 02時半頃
風来坊 ヴェラは、メモを貼った。
2013/06/14(Fri) 02時半頃
へぇ…、どっから分かったんだろ。
上手くやってたつもりだったんだけどな。
[ヴェスパタインからの伝令。
―つまり、今回の対象は自分、という事になる。
多少派手に動いた記憶はあるけれど、それが見つかる切っ掛けになってしまったか。
敵対する意思はなかったのだが…、自分はまだ死ぬつもりはない。]
…ヴェスさんは厄介だよなぁ…。
[一人、何処かに潜伏する事を選んだ今回の隊長。
戸惑ったふりをしつつ、どうしようか、と思考を巡らせる。]
―ヴェスさん。
出来たら、あんたが今回の隊長じゃなければ良かったな。
[最悪、彼を手に掛けなければならないという結論に行きつく。
―それは、焚き火に当たるもう一人の片腕のヴェラもだけれど。]
/*
中身発言にて失礼致します。
赤ログは見えていらっしゃいますか?
出来ればそろそろヴェスさんをキリングしに行こうと思うのですが。
自分はこうしたいと言う要望などありましたら、意思表示して頂けると嬉しいです。
こちらとしては、23時くらいまでなら何とか…。
遅くなってしまい、申し訳ありません。
俺が縋るモノなんてもう何も無い。
[黒く染まった右手をじっと見つめる。
この手を優しい手だと握ってくれた人がいる。
只人でありながら俺を愛してくれた女性。
とても大切な女性だったのに。
顔ももう思い出せない。
助けたかった。
それなのに。
一撃で消えた命は救済も贄にも出来なかった]
『タスケタカッタ タスケラレナカッタ』
[嘆きが呼び寄せた『聖杯』
魔力を、命を喰らい続ければ。
いつか]
『タスケラレル?』
[誰を助けたいのか。
定かではない記憶の中。
それでも俺は求め続ける]
さっきから煩い。
[幌馬車の時も今もぶつぶつ聞こえる声に一言だけ]
死にたくないなら殺せ。
[俺はそうすると、意志表示にも見える冷徹な言葉を投げる]
/*
遅くなり申し訳ありません。
ヴェスパタインに付いてはお任せします。
こちらも今日中には表に出ますので。
[アヴァロンの情報網は伊達では無かったようだ。
こうやって二体の魔物を集められたのだから。
魔物に堕ちる事は恥ずべき事。
狩られるのは当然の事。
知ってはいるが。
受け入れるつもりなどない]
俺を止めてくれる奴はもういない。
[右腕の中にさえも]
…?
何、これ。
[聞こえてきたのは、自分のものとは違う男の声。
その声は…殺せと言った。]
…そうだな。殺さなきゃ。
[この村から逃げられないのならば、仲間に追われるくらいなら、いっそ一思いに。]
/*
すみません、もう少し待っておけば…!
了解致しました。
同じ穴の狢の声も判らねえのか。
[戸惑う声に呆れたように返す。
堕ちた時から誰かと群れるのは避けて来たのに。
まさか魔物側にもまだ誰かいたとは思わなかった、
と言うのが本音だ]
[雨の中、自分を追う者はいただろうか。
水飛沫が上がるのも気にせずに駆ける。
ヴェスパタインの居場所は聞いていない。
けれど魔物の嗅覚をもってすれば、‘標的’の居場所は特定出来るだろう。
―雨の中ゆえ、少し時間はかかるかもしれないが。**]
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―回想/暖かい廃屋で―
[これは、ヴェラがまどろみに落ちる時>>88のこと。 体を拭き終えた布を>>87鼻先へと当て、すんすんすんと、一途に臭い嗅いでいた。 髪に加えて手足も胴も拭いたため、自分の臭いがほとんどではあったけど。 不潔に思われるかもしれないが、馴染んだこの香気が落ち着く。 そんなヴェラを見守りながら、脱ぎ捨てたローブを絞ってくれるなど>>95、いったいどこの良くできた女房を貰ったのかと思われそうだが。 そんなイアンの優しさには、だいぶ前から自然と甘えきっている]
……ふごむ。
[「休みな」の言葉に、素直に「うむ」と返した。 体制を『伏せ』に変え、変わらず、すんすんと嗅いでいるうちに、寝ぼけて狼に変身する。 ただの狼だから、供物の力はほとんど消耗しない>>0:57し。 だから、伏せた姿勢のまま。ひと時の安らぎ。 すんすん、くぅー、っと。
そして…………]
(106) 2013/06/14(Fri) 19時半頃
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―ヴェスパタインからの知らせ―
[その通信>>80が届くと同時に、まどろみのヴェールがはがされた。 ゆっくりと薄眼を開けて、語られる内容>>59をかみ砕いていく。 驚くイアンの声>>91、いや、他にもその場にいた者の声を耳にしたかもしれないけれど。 狼は、彼のように驚くことはしなかった。
ただ、内容とともに、実感として受け入れる。 2つの意味で、私は信頼に足る存在ではなかったのだな、と。
1つは鼻に対する信頼。 しかたがない。実際人型魔物の臭いは、魔物としての力が放出されるまで、ヴェラには嗅ぎ取ることができない>>0:186。
もう1つは当然、魔物への嫌疑。 他の者と同様に、信頼に足らない自らの存在。
……まぁ、逆の立場なら、私もそうしただろうがな。 もっとも、もう少し早めに、伝えただろうと思いはする、が。
鼻先の布の臭いを思いっきり吸いこんでから、ぶーっ、と吐き出し、はためかせた]
(107) 2013/06/14(Fri) 19時半頃
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風来坊 ヴェラは、メモを貼った。
2013/06/14(Fri) 19時半頃
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―廃屋で、3人の帰還―
[コリーン>>85、ヤニク>>93、ホレーショー>>101が廃屋へと入ってくる。 コリーンには狼のまま頷きを返し、ホレーショーには対しては、ちょっと根に持っている>>0:78から、ツーン…… と、いうのは、さすがに大人げないかと思いなおし、魔法を解除し人間へと戻った]
御者の魔物に対しては、すまなかった。 あれは私のせいだ。この不始末は要請を終え次第、アヴァロンに報告し、咎めを受けるつもりだ。
[状況が一変していることを考え、多少意味は伝わらずとも、多くは語らない。 目にした状況>>64と、たとえ色は見えない状態だったとしてもコリーンの残された生臭さ>>45で、ことの顛末は察しが付く。 要請を終え次第……というのは当然、生きて終えたらの話だが]
ヴェラだ。さっきちょっとくたばりかけたが、強いぞ。
[存在は知れていたかもしれないが、ヤニクには、手短に名乗りを上げておいた ここは、どれも語るに値しないやりとりだったかもしれない]
(108) 2013/06/14(Fri) 19時半頃
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―廃屋、語られるやりとりの中で―
[焚火の傍でお座りをして、その場で行われる会話を耳にしていた。 ヤニクの負傷には気づいていたが、特に口出しはしなかった。 怪我がどの程度のものか分からなくなること>>60はあれ、その状態で何ができるかは、本人が一番わかっているだろうと思ってのこと。 イアンが問いかけ>>92、ヤニクが答え>>93。再び飛び交った>>96>>97後の呟き>>98を耳にし、常と変らぬ口調で差し込む]
あいつはただ、おいしいところを持っていこうとしているだけだ。 抜け目のないヤツめ。
[まったく、業突く張りだな、と、ことさら呆れたように呟いてやる。 本心かどうかはともかく、そうゆうことにしておいてやればいいだろう。
炎にかざされたむき出しの>>87右腕が、ちりちりと赤黒く照らされる。 それは、数多の魂によって変色されてはいるものの、どこかでホレーショーが見せた腕>>99と比べれば、より人間らしくはあっただろう]
(109) 2013/06/14(Fri) 20時頃
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ヴェラは、ホレーショーの腕>>99を、ヴェラが直接見たかどうかは、ともかくとして。
2013/06/14(Fri) 20時頃
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―廃屋から、2人が外へと―
[やがて、イアンが拳を握りしめて、外へと飛び出そうとする>>100。 まったく。甲斐甲斐しくも、強情だ。止めても無駄だと思っているから、直接引き留めることはしない]
冷静に話した後で、2発だけ殴っていいぞ。 勝手にしょいこんだ罰だ。左右一発ずつ決めてこい。
[ホレーショーの懸念>>104をよそに、間逆のベクトルで焚きつけた。 イアン続き、ホレーショー>>105も表へ向かう]
安心しろ。心配などせん。 ゆっくり外の空気とやらを、ハアハアして楽しんでこい。
[お座りのまま片足を上げ、しっしっ、とも見える形で、首を掻く。 ……なんだかんだで、まだちょっとだけ根に持っていた>>108のかもしれない]
(110) 2013/06/14(Fri) 20時頃
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―やがて、ヴェラも立ち上がる―
……何もない状況からは、随分と前進したな。
[それから、何かやりとりはあったか。 服も乾ききったころ、ヴェラもすくりと立ち上がった]
群れの内側に相手がいると知らんままでは、不覚を取られる可能性もあったが。 冷静に考えれば、知ってさえいれば、やるべきことは普段とそう変わらん。
[2本の足で立ち、人間らしい伸びを大きく1つ]
要は、『魔物を見つけたら食えばいい』。それだけだ。 私たちも魔法使いとはいえ、人間だからな。 『謎の魔物』とやらも、そのうち衝動に駆られて、食いついてきてくれるだろう。
[「返り討ちにしてやればいいだけのことだ」と、抵抗もなく、口にする。 ヴェラの立場から見てみれば、『食いついて』くるのはこの場にいる誰か、なのかもしれないのに]
(111) 2013/06/14(Fri) 20時半頃
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まぁ、疑わしき相手には先手を打つのも、ありではあるか。 私ならそうする。まだ誰かは、見当もつかんが。
[出入り口の方へと、すたすたと歩き出し]
餌の調達をしてきたい。供物が多少は、消耗しているようでな。 それに……要請対象以外でも、『魔物は必ず殺害する』、が、私たちの掟でもある。
[まぁ、例外はあったにはあった>>0:5が。 ともあれ、赤黒さを帯びた右手を軽く掲げた。 ローブは絞ってもらったといえ、湿り気が邪魔になるため残したまま]
あぁ。それと。 腕に覚えのない者は、信頼できる相手か、3人以上で行動することをお勧めしよう。 ……腕に覚えのない者、はな。
[おそらくは、今回の要請でもとびきり重度の負傷をしたくせに。 1人で出ていく姿を見せつけつつ、にこりとほほ笑んだ]
(112) 2013/06/14(Fri) 20時半頃
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お前、あいつを『喰った』だろ?
[外へと出る前に、コリーンに近づき、囁いた。 おそらくは止めを刺した魔法使い>>43であると、鉄の残り臭>>108から推測できた。 それならば、『生贄』>>53には当然かかわっているのだろうと]
改めて、手間をかけたな。 手間かけついでに、暇な時にでも右手を貸してくれるとありがたい。
[理由は、これから語ること、ただそれだけ。 だから、さして重要なことではない、叶わなければ、それで構わないことなのかもしれないけれど]
言いそびれてしまってな。 ……ダイミに、礼を伝えたい。
[自身にとっても、初めて御者の名を口にして、そのまま表へと外へと向かっていく。 入口のところでホレーショーと出くわしたかもしれないが、ちらりと一瞥するだけで、こちらから声をかけることはなかった。 こうしてやがては、廃屋を後にする、白い狼の姿が見られただろう**]
(113) 2013/06/14(Fri) 21時頃
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風来坊 ヴェラは、メモを貼った。
2013/06/14(Fri) 21時頃
癒す力…あの時それがあれば。
[ソフィアの能力を聞いて羨んだ。
その力を持ってしても叶わぬ願いなのに。
黒く染まった右手を見つめる。
喰らった中に癒しの力を持つ者はいなかった]
あの女を喰えば…叶うだろうか。
同じ穴の狢…。
[呆れたように返された言葉をおうむ返しに繰り返し、暫く沈黙する。
理解出来なかったわけではない。
魔物の声は時折自分の耳に届いていたから。
けれど、こんな風に意味を成す言葉を交わす事が出来たのは初めてだった。
自分も、まさかもう一人魔物が紛れていたとは思っていなかった為に。]
…じゃあ、あんたも追いかけられる側か。
ホレーショーさんで合ってる?
[この声はヴェラではない。
ヴェスパタインでも、ヤニクでもなければ。
残るのはまだ言葉をあまり交わしていないホレーショーだけ。]
―ソフィア?
癒す力を持ってるのは厄介だから、早めに潰しておいた方が良いと思うけど。
[耳に入ってきた言葉に何の気なしに割り込ませたのは、ヴェラの事で彼女に向けた感謝の感情を忘れたかのようなもの。
味方に回る分にはいいが、敵に回るのならば厄介だと。]
追い掛けられてる覚えは無い。
[聞こえる声に返すのは、他の魔法使いに掛けるものと同じ声色。
『聖杯』に導かれ魔物と化した連中は大体言葉は通じなかった。
確かにこうやって言葉を交わせるのは珍しい事だろうが]
間違っては無い。
[同じ狢でも、突き放す様に答えるのは近付けないため。
もう喪うものは無い筈だから。
わざわざ喪いそうなものを作る必要は無い]
― 回想・弟を糧にした日 ―
[2年前。
仲のよさそうな家族が何組も殺されるという猟奇事件があった。
それはどう見ても人の仕業ではなく、人型の魔物の仕業だという。
対処の為に、俺とヴェスパタインは派遣された。
初めて見たその時にはそれが弟だとは分からなかった。
分かりたくなかったのかもしれない。
弟が、魔物になってしまったなんて―…。]
[弟は、孤児院にいた時によく読んでやった童話の動物が融合したキメラの姿をしていた。
とうさん
かあさん
どこにいるの?
…どこにもいない。
僕の家族を返して!!
暴走して襲い掛かって来た‘魔物’をヴェスパタインと二人で対処した。
けれど戦っている内に分かった。
―これは俺の弟だと。
瀕死の状態となって人間に戻った弟を、ヴェスパタインは俺の糧にしろと言った。
普段から、率先して人型の魔物を生贄にしようとしない俺に譲ったのだと思う。
けれど。
生贄にするには、あまりに残酷な相手だった。]
[弟に向かって右手をかざす。
躊躇している俺に、ヴェスパタインが声を掛けてきた。
「―イアン。分かっているとは思うが、魔物の救済は重罪だぞ。」
びくり、と肩が揺れる。
頭をよぎった事を見透かされたような気がした。
「早くしろ。息絶えてしまう前に、お前の糧に。」
俺は目を固く閉じて、弟を生贄にした。
目を閉じる寸前、あいつは微かに笑っていた。
にいさん、と唇が動いた気が、した。
―その顔は、今も目に焼き付いて離れない。]
[頭では理解している。
魔物は死ななければ、絶える事のない渇きに襲われ続ける。
自分達に狩られる事が、彼にとっての‘救済’だったのだと。
それでも、弟を自分の糧にした事を正当化する事は出来なかった。
何故、弟を生贄にしなければならなかった。
何故、魔物だった人間を救済してはならない。
アヴァロンの掟を憎んだ。*]
― そして、魔性に ―
[アヴァロンの為に働く事に迷いを抱えたまま、一人で臨んだ任務に苦戦し。
普段は後れを取らない魔物に覆い被さられ。
無茶な戦い方をした所為で魔力の尽きた俺の前に‘それ’は現れた。
宙に浮かぶ白く輝く杯。
―頭に直接届く言葉。
『代償を捧げよ。さらば汝の望みを叶えてやろう。』
俺が望み、捧げたものは。]
[望んだものは、あんな不条理な掟をねじ伏せる事の出来る強い力。
捧げたものは、この身の成長。]
[気が付いた時には、狩る対象の魔物を自分の中に取り込んでいた。
生贄にするのとはまた違う、自分の身体と融合させるような感覚。
俺は、針のような毛と固い甲羅のような装甲を纏った魔物になっていた。*]
でも、今回の任務は俺達を殺す事なんだろ。
[それなら一緒ではないか、と告げる声は、廃屋で聞いたのと変わらぬ響きだっただろう。]
ふーん。そう。
何かあったら言ってよ。
取り敢えず俺、ヴェスさんのところに行ってくるんで。
[彼の事をまだよく知らない故、突き放した口調は彼の地なのだろうと。
返す言葉は仲間に対するものと変わらない。]
風来坊 ヴェラは、メモを貼った。
2013/06/14(Fri) 23時半頃
まったく…うるせえな。
[何処からか胸を締め付ける様な憎悪が届く。
堕ちた理由なんて聞く必要は無い。
聞いたところで何も出来ない事位よく判っている。
魔物が集う中、雨に掻き消されるほどの小さな声で呟いた]
何かあったら…さっさと逃げろ。
[俺もお前も仲間でないから。
互いに見捨てて生き延びろと。
憎悪に満ちた彼には届かないだろうからこそ呟いたのだ]
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―回想/廃屋にいた頃に―
死んだら死んだで咎めはされんな。 御免被りたいのに変わりはないが。
[ホレーショー付け足し>>115に加えて、痛い問いかけ>>116。 とはならず、「うむ」と認めて、経緯を語った。 恥じる気持ちなど、何もない。ヴェラにとって、あの言葉の意味は]
うむ。あいつ(ソフィア)の力は群の役に立つ。 貴重なもんだぞ。 そんな群の仲間に恵まれることも、運が良かったのも。 総じて、私が強い証だ。
[こんなやり取りの後、やがては外へ……]
(152) 2013/06/15(Sat) 00時頃
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―現在/村の入り口辺り―
[あの後、「今でも」のコリーンの寛容なる受諾>>114には、困ったように眉を潜めて断った。 魂に対して呼びかけるのは、人と話すのとは、また違う。 だって、恥ずかしいではないか。 『宿り主』に聞かれるのさえもちょっと微妙なのに、あんな大勢の前でなど。 結局次回に持ち越しとしたわけだが……果たしてその機会が訪れるのか、訪れた時どんな状況になっているのか。 それは、ヴェラの予測の範囲外だ。
こうして今、この場所にいる。 ヴェラは見なかったものの、ソフィアがシャリの一部を拾いあげた>>65、激闘の後の地に。 鼻先で残骸をあさり、自分の荷物>>0:118を見つけ出すと、近くの木陰で魔法を解いた]
(153) 2013/06/15(Sat) 00時頃
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たいしたものは入っていないが、せっかくダイミが運んでくれたものだ。 大切に……む?
[感じたのは、遠くから漂ってくる奇妙な臭気>>132。 使用する魔法のためか、狼に近いヴェラには分かる。 魔力。それも、ヴェラがかつて感じたことがない類の]
参った。雨のせいで出所が分からん。 分からん、が……。
[村の入り口へと視線を、いや、鼻を向ける。 感じる。これまで経験してきた中でも稀なほどの、押し寄せる獲物の臭い]
(154) 2013/06/15(Sat) 00時頃
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無理、だな。
[素早く首から白狼の毛皮をほどく。手にした荷物も共にくるみ、魔法発動中のみではあるが、肉体の内側へと収めこむ。 無理だな、と改めて思う。これだけ豊富な魔物は、無理だ。 鼠。音子。烏。蜘蛛。毒蛾。蟻。蜂etc etc……。
入口へと向かってくる量だけでも、食い止めるのは至難、か。 おまけに、森のあちらこちらから、村内に押し寄せてくる。
狼は、遠吠える。危険を察知し、呼びかける。 それは、ツェツィーリヤがいれば不要なもの>>135ではあったかもしれないが。 警戒しろ。警戒しろ。
『この場所以外から入り込んでくる魔物を食い止める』のは、無理だ。 廃屋に残ったもの達が、どう対応するのかは分からないが。 白狼は単騎、魔物の群れへと飛び込んでいった]
(155) 2013/06/15(Sat) 00時頃
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