人狼議事


21 潮騒人狼伝説

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――洗面台――


[急かすような言葉には何も言わず。
 持っていたペティナイフで、躊躇なく腕を切る。
 真紅が肌からこぼれる様を見る前に、ぐいと手を引かれた。
 危うくバランスを崩しそうになり、もう片方の手で流しを掴み、中腰の形になる]

 ……まるで犬だね、

[呆れたように言うも、体勢はこちらの方が下。
 視線にはやや恨めしいものが混じる*]


ン……ん…

[お預けが解除された犬のように一心不乱に紅を口に。
血が止まっても、犬歯を立てて、新しい傷を腕につける]

……。犬デ、イイヨ。

[狼はイヌ科のイキモノ。別に間違っちゃいない。

最初は腕の血だけで我慢していたのに、アルコールにも似たそれに耐えられなくなってきて。
多分、腕だけでは足りずに、サイモンを引き寄せて首筋まで傷をつけようとして赤を強請るのだろう。

ひどく避けた口元に、サイモンの体は小さすぎたとも思えたけども**]


[洗面台に向かう途中だった。
あんなちっぽけな小娘にあぁも言われると流石に腹が立つ。

カッテなイキモノだ。ニンゲンは、と]


 …………っ、

[予想以上にがっつかれるも、漏れそうになる呻きを何とか堪える。
 周囲にひとけがないことは確認していたから、これはただの意地。
 痛みと、気配から伝わる興奮がない交ぜになる感覚に、目眩を覚えた]

 ……ちょ、

[さらに引き寄せられた。大きく裂けた口が視界を一瞬で埋め、首筋を狙う。ついでに顎まで噛み砕きそうな勢いに見えた。
 流しを掴んだ手を離し、首を逸らすも。
 ぶち、と顎門が肉をかすめて血がこぼれた。堪えきれない声が漏れる。咄嗟に膝蹴りを繰るも、当たったかどうか。]

 ……犬なんて言ったら、犬に失礼だった。
 掃除、しといてよ。

[ようやく彼が満足すれば、ぜ、と大きく息を吐く。床にこぼれた血痕を指差した。
 わずかに欠けた首筋を押さえて、心底恨めしげに睨むと、絆創膏を探しに自室へと戻った]


 ウルサイナア イヌガ

  ……イッソ 喰ッチマウカ

[ああ、それは名案だ。

 その時、あのケダモノはどんな顔をするだろう。
 悲しみ?怒り?それとも無反応?
 試してみれば、わかること。

 ククッ……と愉悦の笑いが漏れた]


 ……犬、
 僕が、

[心底嫌そうな気配を飛ばす]

 ……ああ、でも。
 もう、喰べることに関しては、抵抗はないんだ。
 それはよかった、


[バーナバスと話す間に思うこと
バカバカしくて、内心舌打ちをする]

…ヤッパ、コイツ喰うかナァ。
イアンよりウゼェ。

[サイモンに膝蹴りを食らった場所を密かに摩る。
中途半端に舐めた赤で逆に空腹が増す。

流石に床に零れた血を舐めるほどのザマはしないが、
二日酔いの様なムカムカと気怠さで
バーナバスを見る目は赤と緑に濁る]


おう、アマ。

テメーがシンデモ知ったコターない。
が、お互い「みえる」ヤツは邪魔ダロ?

[サイモンの呟きが聴こえたからではないけれど]

イアンかあの色ボケを殺レバもちったぁ楽しくなんゼ?



 アイツの忠犬ダロ オマエ

 ヨカッタ?
 ……イミフメイ ダナ

 エサをクウのに テイコウはナイ ダロ


 コーチが邪魔なのは同意するけど。
 ……部長が君の夢を見ないかの方が、心配になってきたよ。
 今日見た可能性だって、残ってるし。

 僕は無理だけど。君やミッシェルなら、部長から直接話、聞けないかな。
 ついでに信用も稼ぐといい。

[そこまで言って、先刻のボリスやバーナバスの態度を思い出し、面倒そうな気配が漏れる]

 ……皆、口が固くなってきたな。
 情報収集と弁解の余地がないのは困るんだけど。
 どうしようかな、



 オマエをタノシマセル シュミは ナイヨ

 モトハトイエバ オマエがアノオンナをクッタ カラ

 トットトコロサレレバイイノニ

[最後に、吐き捨てた**]


 ……は、
 ……忠犬、ね、
 人狼になった癖して、目は悪いんだ、

[嘲りの伴った声で吐き捨てる]

 ケダモノになった君のことは、嫌いじゃないけど。
 そういう物言いは大嫌いだ、



 ふん ヒトに興味ないクセニ
 感情ダケハイッパシに モッテルノ?

 ……ワラワセル
 カイヌシのシツケの タマモノか

 それとも アイツとタイトウのツモリか

 ドチラデモ カマワナイガ

[付き合ってられない、とばかりに、それきり会話は打ち切った**]


 だって。
 君はひとじゃないだろう、

[鼻で笑う。
 人狼とひとが対等だとは、到底思っていない。
 あちらからは非常食程度の認識でも別にいい。
 ただ、こちらの感情を決めつけられるのが気に障っただけ。]

 僕に忠義なんてあったら、ベネットは僕を近くに置かないだろ、


[狼は非常に耳聡い。

ボリスとリンダの会話が聞こえない訳が、ない]



……

お前、視らレタな?

[一言、呟く]

殺す?殺されル?

[酔いはまだ、醒めない*]


[まだだらしなく眠っていた頃。
サイモンの気配を感じてひくりと瞼が引き攣る。

彼がなにか呟くなら聞こえるかどうかは声の大きさだけの問題

どちらにしろ、感情も浮かべないだるそうな薄目だけをむけただろうが]


 ……ミッシェル、
 どうするの、

[そっと呟いたのは、先程囁きに乗った断片的な言葉について。
 ミッシェルが嫌いではないのは本当だし、人狼が人間に殺されるのは、あまり見たくない。
 それでも、優先順位というものはあったが。
 返答は何となく予想出来たから、何も返らなくてもそのまま引いただろう]


 ……。

[問う声に、小さく頭を振った。
 口元を上げ、黙したままに何も語らない*]


 ……君は、この方がいいんだろ、

[密かに目を閉じるベネットに視線を向け、彼だけに囁きをこぼす。
 別に忠誠は誓っていないが。
 ――優先順位というものは、ある。]


…どうでもイイヨ。

[優先順位。それはナンにでもあるもので。
自分の優先順位は、知られる必要は全くない]


 ……狂人、

 ……本当に、ひとは。
 ひとの尺度でしかものを語らないんだね。
 自分が理解出来ないものは、全部「狂気」扱いだ。

[心底呆れた気配を囁きにまき散らす]

 狂人なんて肩書き、勝手につけないでよ。
 僕は、ただの、

[その先は、心の中でだけ告げた]


俺はゲームの役職を話してるダケだヨ。

俺にトッテはお前はとても人間らしいとオモウんだけどナァ。本当ニ、人はカッテだよナ。

[呟く声は小さい。同じく吐き捨てるような声]

サテ…イアンを喰うかコーチを喰ウカ。
イアン喰ったラ、お前危なくナルナァ?


 ……僕が、人間くさい、
 そう、

[不服そうに疑問を返す。
 イアンを喰えば、と言われると]

 別にいいよ。

[即答した]

 僕は、君が「視られ」ることの方が心配。
 ……もう少し。
 イアンがここまで降りてくるか、君が彼の部屋に行って聞いてくるかを待ってみたいところだね、

 ……「女の子の夢しか見ない」ってのに、そんなに自信があるなら。
 よりめんどくさいコーチの方が、いいと思うよ。


…アァ、悪かったナ。撤回する。

[彼が怒る理由はなんとなくわかる気がした。したけども、
言葉にはできず]

……サァてネ。
イアンが女の夢ウンヌンなんてどうでもイイんだけどサ。

[それ以上は口をつぐむ。どうせ、あのオンナの方が先に死ぬんだ]

イッソ、さ。あの女の腹搔っ捌けばイインダ。
胃袋から溶けたガストンの肉があふれてクルサ。
コーチがいなくても、あの女が犯人だとすぐワカル。


 ……珍しいね。
 君が素直に謝るなんて。

[心底不思議そうな声を出す。
 腹を、と言われると少し嫌悪を気配に乗せた。
 ひとが人狼を殺すのは、やはり苦手で]

 ……そういう証拠も掴もうとしないまま。
 誰かを殺めるひとの方がよっぽど「狂い人」だよ、ね。


サァ…。

[なんだかんだと、「人」狼なんだと感じる。
バーナバスを喰ってもイアンを喰っても
あの幼馴染は危ない橋を渡ることになる。

なんとなく、胸が悪い。
彼も「殺されてたまるか」と言っていたのだから]


[ぐるる、と喉がなった。

あのウザい女が死ぬ。そう思えば…とてもとても楽しそうに喉が鳴る

まぁ流石にこの姿で女子風呂に行く訳にいかないけれども]


 ……イアン、来なかったね。
 もしかして、ずっと部屋に籠もってるの、

[この事件が起きてから、まともに彼と話した記憶はない。
 面倒そうな声を囁きに投げる]

 ……それなら。
 より面倒そうな方を、平らげた方がよさそうかな。

[思い浮かべるのは、バーナバスの姿]


…オレ、お前にもイキロッテ、言ってイイカナ?

[それは、始末する人間を伝える為のコトバ。
イアンを喰えば予想できるだろう結末は
どうやら気に召さなかった様子で*]


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