32 ABSOLUTELY CHRONO LIMIT―絶対時空極限―
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僕が諦めているだって? ふ、可笑しな事を言うね。
このどうしようも無い世界で我慢しようとしている 君達の方がよっぽど諦めているように僕は思うよ。 悲しみが、苦しみがあるのはしょうがない。 そうやって諦めて君達は絶望《明日》を生きていくんだろう?
[理解できないな、と肩を竦める。]
僕は救われたいなんて思わない。 僕が望むのは大切な人達の幸せだ。 例え永遠に忌まれようと、構わない。
だから、残念だけど―――――交渉、決裂だ。
[青年は世界の守護者を見、滄翠を静かに伏せた。]
(77) 2010/09/23(Thu) 01時頃
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”変えられる”。 では、何故僕の運命は変わらない。 世界は何故、創世と崩壊を繰り返す。
壊した後に待っているのは”無”だ。 僕は”Адам《最初の人間》”として玩具を新しく作るんだよ。 [青年は溜息をひとつ吐いて、ゆっくりと王座から立ち上がる。]
さて。 そんなに悠長にしていていいのかな。 崩壊の刻《シヴァの瞳》は僕のように気長ではないよ。
[頭上の赤黒い大きな円。 その中心には裂け目が生じ、そこから大きな瞳がちらりと覗いている。 絶望の色を宿した瞳を楽しげな笑みで見上げていたが。]
『―――救えるよ――…。』
[耳に届いた声に、青年は苛立ちを微かに示した。]
(80) 2010/09/23(Thu) 01時半頃
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――――ああ、そう。 自分が救われてきたから、今度は他人《僕》を救おうと言う訳だ。 それを何て言うか知ってるかい? 偽善《おせっかい》って言うんだよ。
このまま話し合っても平行線だね。
[放たれ、青年を飲むべく蠢く激流。>>82 青年は両腕を前方に交差させて絶対領域を支え、攻撃を制する。]
さあ、世界をかけて、力比べをしようか。 崩壊《僕》が勝つか、継続《君達》が勝つか。
結果は二つに一つだよ。
[広げた腕を左右に薙げば、激流はパァン!と煌く飛沫となって掻き消えた。]
(84) 2010/09/23(Thu) 02時頃
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今度は僕の番だね。 と言っても、遊んであげるのは僕じゃないけど。 ―――顕現せよ ”Грозный《雷帝》”
[キュイイイイン、滄翠が紅い焔に包まれて身から湧き上がるように金の大獅子が姿を現す。]
(86) 2010/09/23(Thu) 02時頃
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ガルルルルルルルオォオオオオン!!!!!!!
[大きな咆哮を上げ、身体から金獅子が離れると瞳は滄翠に戻る。 太古に恐れられた金獅子も、今や忠実なる僕《しもべ》となり、外敵から主を護る為に動く。 紅の稲妻が大気にパリパリと響いた。]
”行 け” ―――давай
[静かに命令を下す。 金獅子はその翼で空を翔け、命令に忠実に主に敵意を向ける者に紅雷を放つ。]
(87) 2010/09/23(Thu) 02時頃
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僕は”変える”努力なんてしなかった。してこなかった。 自らの運命に嘆いて、いつも諦めてきた。 だから今、”変える”為の努力をしているんじゃないか。
[少女の霊に青年は苦笑する。]
大切な人は、皆居なくなってしまったよ。 今は僕の中に留まるのみ。 大切な人というのは増やそうとして増えるものなの? 僕にはわからないな。
[視線は声のした方から逸れて、銀猫《ターゲット》へと向けられる。]
(93) 2010/09/23(Thu) 02時頃
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グガッ!!!!―――ゥルルルルル…
[紅髪の女に叩き込まれた拳。 金獅子はよろけたものの、体勢を立て直し低く唸った。 そして翼を広げ、その背に雷気を集める。]
《 雷 帝 の 怒 り 》 ―――ウゥウガァアアアアアアッ!!
[十分に雷気が集まれば、そこをタンクとして無数の雷撃を紅髪の女達へ雨のように降らせる。 再度攻撃が向けられたなら爪で切り裂くように、尾を鞭のように撓らせて応戦するだろう。 主を護り、敵を滅するよう躾られた獣。]
イイコだね、そのまま少し頑張っていて。 僕は”最期の準備”をするとしよう。
[すっと上げられる指先は、一点を刺して。 手首の刻印が浮き上がり、くるくると廻った。]
(103) 2010/09/23(Thu) 02時半頃
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靴磨き トニーは、メモを貼った。
2010/09/23(Thu) 02時半頃
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―――…っ、さすがに少し堪えるな。
[呪を刻もうとして、微かに感じた眩暈。 金獅子の受けるダメージは己のダメージにもなり、喪失言語《ロスト・ワード》を操るのはそれなりに消耗する。 全なる器の加護を受けているとは言え、不純物《テッド》の混じった神の器。 その力は無尽蔵ではない。]
でも僕は、諦める訳にはいかない。 終わらせて貰うよ、世界《勝負》を。
[耳障りな唄に顔を顰めながら、堪えるように唱える。 青年に向かう攻撃は絶対領域が阻み、金獅子の援護が邪魔をさせまいと飛んでくるだろう。 しかし先ほどより弱った絶対領域。 押し切ろうと思えばそれは貫けるかもしれないが、青年が術式を止める事は無い。]
(105) 2010/09/23(Thu) 02時半頃
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世界に破滅《夜》は訪れた。
我らは進む確かな道を。
未来《朝》はすぐ其処に。
今こそ覚醒めの時。
(106) 2010/09/23(Thu) 02時半頃
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”―――― три знамение《赦された未来》”
(107) 2010/09/23(Thu) 02時半頃
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[描かれる、逆正三角形。 銀猫の心臓に描かれた、円、正三角形と合わさり、喪失言語《ロスト・ワード》で出来た魔方陣となった。 完成した崩壊の呪。 世界の留め金が、外れ逝く。]
(108) 2010/09/23(Thu) 02時半頃
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ふ…ふふ、……はははは! 終わるよ、世界が…。 [青年は哂う。 しかしその顔には汗が滲んで、先ほどまでの余裕は見られない。]
く―――…、っ ゴボッ
[咳き込み、血を吐く。 急くように上空を見上げる。 未だ開ききっていない崩壊の刻《シヴァの瞳》。]
……まだ開かないのか、シヴァ!
[青年は肩で息をしながら苛立ち混じりに零した。]
(112) 2010/09/23(Thu) 03時頃
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―――が、は…ッ!!!
[金獅子の額に踵落としが決まると同時、鈍い痛みに青年は身を抱いた。 咳き込む感覚は短くなり、白き古の衣に赤が染みていく。]
っ、…ふ……
惜しいな、ゴールは目前だと言うのに。
[崩壊の刻《シヴァの瞳》に向かう者達を見て、呟く。 止められる崩壊、死に逝く瞳。 全身のく喪失言語《ロスト・ワード》がざわめく。 最早この身体に抗うだけの力は残っていない。 気を抜けば四散してしまいそうな痛みに耐えながら、かろうじて保っている状態。]
(120) 2010/09/23(Thu) 04時頃
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ごめん、みーちぇ、カリュちゃん、みんな―――…テッド。 ゴホッ、こふっ…!
新しい世界を創るにはちょっと、力が足りないみたいだ…。 でも…、僕は…君達の幸せを祈る。
だから、君達がもう苦しまないように、世界を此処で滅ぼす。 新しい世界は創れなくとも、君達を呪縛から解き放とう。 終わりなき輪廻《絶望》に死を。 君達を苦しめた世界に罰を。
罰を、罰を、罰を、罰を、罰を、罰を!!!!!!!!!!!
(121) 2010/09/23(Thu) 04時頃
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[呪いの様に吐いて、全身の喪失言語《ロスト・ワード》を解放する。 キィイイイイイと青年の身体が光り輝く。 倒れた金獅子も光の粒子となり、青年の光に融合する。]
崩壊の刻《シヴァの瞳》がひとつだと思ったら大間違いだよ。
[青年は光を纏ったまま、両腕を広げた。 解放された喪失言語《ロスト・ワード》が宙に浮かび広がり、くるくると青年の廻りを廻った。]
(122) 2010/09/23(Thu) 04時頃
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ふふ… 僕の、勝ちだ。
” ご き げ ん よ う ” ――――До свидания
(123) 2010/09/23(Thu) 04時頃
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[ゆらり、青年の身体が揺らいで堕ちる。 堕ちる先は雫が注がれ、光《闇》を産む凶塔。]
(124) 2010/09/23(Thu) 04時頃
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[ カッ ]
(125) 2010/09/23(Thu) 04時頃
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[ ギギギギギ ガギギ ガガガ !!! ]
(126) 2010/09/23(Thu) 04時頃
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[自らを生贄に、青年は滅びの力を喚ぶ。
塔は痛みに泣き叫びながらその姿を変えていく。 幾重にも赤黒い螺旋を描いた禍々しい塔へ。
そしてその中心。
銀猫の聖痕に刻まれた魔方陣を写し取らんとする滄翠の巨大な瞳がぎょろりと見開いた。]
(127) 2010/09/23(Thu) 04時頃
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[崩壊のCOUNT DOWNは止まらない。 瞳は血のような紅い涙を流しながら哂う。 世界の崩壊を願って。 ただひたすらに破滅《幸せ》を祈る。
この世に”罰”として生を受けた青年《少年》。 少年が選んだのは継続ではなく破滅。 世界に絶望し、憎んだ末の結果。
しかしこの青年《少年》にも救いはあった。 哀しいかな、彼がそれを手にする事は無かったけれど。 それは今も青年《少年》の中に在り続ける。]
(128) 2010/09/23(Thu) 04時頃
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[きらり、微かに光る塔の一点。 その輝きは―――――希望《クロノス・リミテッド》。]
To be continued...? *
(129) 2010/09/23(Thu) 04時頃
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靴磨き トニーは、メモを貼った。
2010/09/23(Thu) 04時頃
靴磨き トニーは、メモを貼った。
2010/09/23(Thu) 04時頃
靴磨き トニーは、メモを貼った。
2010/09/23(Thu) 11時半頃
靴磨き トニーは、メモを貼った。
2010/09/23(Thu) 19時頃
靴磨き トニーは、メモを貼った。
2010/09/23(Thu) 21時頃
靴磨き トニーは、メモを貼った。
2010/09/23(Thu) 22時頃
靴磨き トニーは、メモを貼った。
2010/09/23(Thu) 23時頃
― 黄昏の白昼夢 ―
[誰も居なくなってしまった赤い世界。
青年はただ一人、そこに佇む。]
僕は、間違ってなんかいない。
僕は、可哀想なんかじゃない。
僕は、救ってなんてほしくない。
僕は、僕は……、僕はただ
ただ――― 幸せを願うだけ。
この世界が終わっても。
この世界が続いても。
どうか、君達が幸せでありますように。
ふ、…ふふ。
僕はなんだったんだろうね。
神にもなれず、人にもなれず。
嗚呼、そうか―――
これが、知恵《意志》を得た僕に下った罰か。
そう、とても…哀しい。
[青年は、ひとりぼっちの世界で膝を抱えるように蹲った。*]
靴磨き トニーは、メモを貼った。
2010/09/24(Fri) 00時半頃
靴磨き トニーは、メモを貼った。
2010/09/24(Fri) 01時頃
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