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[そして、目の前でうろたえる同僚を見て、いっそこの手で…
そう思ってしまうのである。
今は書類の改竄だけだろう。しかし、もし自分が実行役をすることになっても、躊躇いは…ない。]
ー 昨夜 −
いや、ダーラ。
あんたは、いや覚悟を決めた女がこの世で一番強いって
親父も言ってたぜ。
[同じ軍人でもある父の言葉。
息子も息子なら父も奇異な軍人であった。
人を殺した数より殺さずに攻め落とした数を誇る。
息子が軍に志願した時は喜びでは無く哀しみで頬を濡らした]
「ホレーショー、この時勢で軍に入ると言う事は、
誰かの命を奪う事だ。
誰かの希望を、願いを、想いを踏み躙る事だ。
どれだけ罪深い事か、拭う事の出来ない罪を背負う事になる。
その罪を真正面から受け止め、逃げない覚悟が無いなら止めろ」
[そう言って酒を寄越した父に、へらっと笑って盃を返した]
「でも俺が出れば、他の誰かは行かなくて済むだろ?」
[そう軽く返した言葉に父は馬鹿だと一言だけ告げた]
親父も強かったけど、その親父が強いって言ったんだから
女は強いよ。
[父の声が耳に蘇り、へらっと笑いながらもう一度口にした]
ま、力仕事が必要なら言ってくれ。
あ、そういやセレスト、通信機、あれ役場のか?
それともお前のか?
俺も一応仕事柄通信機持ってて拾ったんだが。
周波数がちょっとずれててはっきり聞こえなかったんだ。
後でちゃんと合わせさせてくれ。
[何となくセレストの声ではあるとは思ったので、
通信機について確認を取ると、
ダーラとの連絡方法も了解する]
OK、ラブレターと一緒に届けるわ。
[そう言って笑う顔はいつもの顔]
―昨夜―
[通信機について聞かれる
父が技師でね。これは、父が残してくれたもの。
今日は、ダーラさんに渡したくて、もうひとつ持ってきたの。
[もう一つの通信機を取り出す。]
でも、いつ壊れるか分からないし、手紙のやりとりもありだと思う。
[渡すタイミングが見つからなかったので、酔ったフリして二人になるタイミングをはかった。
ダーラが断らなければそれを渡し、周波数を合わせた。
それは軍隊も使わない周波数]
―昨夜―
手紙…
私も、何かあったら、…間違えてはいけないことは、手紙にしていいからしら?
[通信機は聞き間違いも多いためである]
− 宿舎 −
[宿舎に戻ると早速不幸のメッセージの件
なんで兵隊呼ばねえんだろうな。
[ぼそっと呟いた言葉に誰も答える者はいなかった。
部屋でセレストから預かった通信機を手にして回線を開く]
赤紙……村人に出ろだとよ。
[機械を通じても少し疲れた様な声は聞き取れただろうか]
[通信機の声は聞こえてきた。
サイモンさん…辛いわよね…赤紙がきて…
[呟くように状況を知らることしかできなかった]
サイモン……。
[通信機から届いた囁き
サンクス。
[死にたくないっ!と叫んだ敵兵を思い出す。
お母さん、と泣きながら逝った部下の声が離れない。
返してやりたかった。
愛する者、大切な者の傍に残してやりたかった。
戦場で積もった慟哭が心を揺する。
絞り出す様に漸く通信機に一言だけ呟いた]
―昨夜―
ええ、手紙で残っていた方が……
残せないものは、この機械で。
……大丈夫だと思うわ。
[使い慣れない通信機なる機械をそっと撫でた]
わからなかったら、うん、二人を呼ぶことにするわ。
【人】 郵便屋 ウェーズリー[ちりりん、と音を鳴らしたのはすれ違う軍人に向かい。 (150) 2012/03/25(Sun) 00時半頃 |
【人】 郵便屋 ウェーズリー[広場の辺りに来ると、とある少女に出会った。 (151) 2012/03/25(Sun) 00時半頃 |
【人】 郵便屋 ウェーズリー
(152) 2012/03/25(Sun) 00時半頃 |
【人】 郵便屋 ウェーズリーー自宅ー (155) 2012/03/25(Sun) 00時半頃 |
前線に消える前に彼らをこの地に残して遣る事……。
[しかし、ダーラのほうがより大切な存在であることは、
紛れも無い真実なのだが
それは、…その真意は、村人には悟られてはいけないと思っていた。]
今夜教会の裏のモミの木の下に俺はいる。
[それだけを彼に伝えた。
来なければ明日彼を戦士として見送る。
来たのなら……この村で……]
[1人になって通信機の回線を開き、サイモンとのやり取りを話す]
……サイモンが望むなら…俺はあいつを眠らせてやりたい。
部外者の俺じゃダメだってならともかく、どうかな。
[許されない行為だと判っていても衝き動かされたのだ。
調子の良いいつもの声では無く
少し泣き出しそうな弱々しい声で、共犯者達に問うた**]
[回線を開いたままの通信機から届くのは途切れ途切れの声]
…なぁ…サイモン…特攻だってよ。
あいつだけじゃなく…この村に届く赤紙の先。
皆…もう…生きて帰れないんだとよ…。
なんで俺達じゃねえんだろうな。
同じ死ぬなら……この村で死ぬ方が…幸せかな。
[サイモンを励ます言葉も慰めの言葉も判らない。
ただ彼が望むものが一番幸せの様な気がした。
答えを求めているのか、いないのか。
自答するように声は暫く続いていた**]
[軍にいるホレーショーとつながっているおかげで情報は早く得ることができる]
…特攻…戦地ではもっと前からあったみたいね。
父からの手紙にあったわ。
[そうした情報は通信士として招集された父から、いち早く伝えてくれていた。暗号を使って。
しかし、それを口外することはとてもできない。
父からの手紙は即焼却して証拠を隠していた。
表向き軍需工場への出向ということで招集された女性も特攻で散っていることも…。]
【人】 郵便屋 ウェーズリー―路地― (229) 2012/03/25(Sun) 20時頃 |
[母に手をかけた自分に泣く資格なんてないはずなのに、
それすら許してもらっているような…不思議な気持ちで]
[自分は、とても幸せ者だ。心配してくれる姉が二人もいる。
…でも、だからこそ、……二人に不幸になってもらいたくない。
特に、赤紙での出征は……認めたく…ない。]
[ヨーランダを欺いていることに、良心の呵責がないといえば嘘になる。
生きている限り、自分はあちらこちらで欺き続けて生きてゆくのだろう。
それも、自業自得なのかもしれない]
[母親の墓前で、ヨーランダとミッシェルを見遣る]
……もし、………
[口にだすのは躊躇われた。
『この村で、愛する人の隣で眠ることができるならば…
その道を選びますか』
という問い]
ほんとうに、男女も年齢も関係なく召集されるのなら。
される前に、……この手で。
この村に、皆で残るのよ。
[小さい呟きは二人には届かない大きさ]
どうせ汚れるなら、…いや、私が汚れることで皆が少しでも、幸せになれば、安堵できれば…
…この手で……
[母を殺めえたこの手は、決して清められることはない。
ならばいっそ、皆を…と、思ってしまうのだ。
そんなつぶやきは、誰の耳にも届かないだろうが]
[通信機を開く、ホレーショーの言葉は聞こえていたが
簡単に答えられる状況でなかった]
…本人が望むなら、叶えてあげて欲しい。
[
それに、全く嘘偽りは…ない。]
ほんとうに、それがほんとうなら。
アタシはもう、誰も失いたくないわ。
母さんと同じように、もう誰も。
残されたくないのよ……!
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