147 書架の鳥籠
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さて、…シメオン君。
君が追いつめられて悪足掻きしたように
わたしもひとつ、…そうしてみようと思うよ。
[負けられないのだよ、と。
何度か口にした言葉。
背が重い。生が重い。
だからこそ、――― ]
[もう、 シメオンの声は 返ってこない。]
[ 聞こえない。 ]
間違った事は、“言っていない”がな。
[嘘をつくのが、苦手な探偵はそんな弱音を呟く。]
守護者がまだ、…いたとはな。
[けれどそれがホリーと解れば、
声はやや低く、重い。
魔女がいかに、無邪気で残酷な生き者か。
痛いほど身体で感じていく。]
…、私は―――
どこまで人を騙し続ければ
どこまで彼らを人形にし続ければ
…いいのだろうな。
[返事はもう返らない。
ただの、独り言だ。]
[息苦しさを覚える錯覚。
それでも、まだ、魔女が叶えてくれた願いに縋ろうとしている。]
[幸せを、奇跡で手に入れようとした代償は、重い。
重く、圧し掛かる。]
…負けるわけには、いかないのだよ。
[悪足掻きをすると決めた。
決めたからには、それを曲げないのが筋というものだ。]
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[オズワルドへの苦い笑みの後、 ふいに押し付けられるあまったるい飲み物に]
ぶ、 まず、
[眉間に皺を寄せ、盛大に抗議の目。 先に仕掛けておいて何をとも思うが、交わすまなざしに苦みはなく。]
(84) 2013/10/08(Tue) 23時頃
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[己の位置からは、書見台が見えたから、 オズワルドのたどる指先を見るとはなしに。
手が止まる――塗りつぶされた、配役。 淡い色の瞳は、今度はじぃ、とオズワルドの顔を見る。 しばし留めた後、ふ、と視線を逸らす。]
守護が、表に出ちゃったら……
[ホリーの名乗りに、慌てた様子で。 一番の危険が、ホリーに及んでしまう。
出てしまったものはもう、仕方が無いのだけれど。 そのまま、口を噤んで議論に耳を傾ける。]
(85) 2013/10/08(Tue) 23時頃
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そういえば、”狂人"は、 ――本当に不在なのかな。
[考え込むような、顔。 大事なことを見落としてはいないか――、考えて。]
(86) 2013/10/08(Tue) 23時頃
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ピッパは、ルーカスと声がかぶった。ジロ、と相手の顔をみる。
2013/10/08(Tue) 23時頃
漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2013/10/08(Tue) 23時半頃
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[目の前に――それはつまり。]
自分が狂人、ってこと?
[オズワルドを注視して、 すんなりとは飲み込まず。]
(93) 2013/10/08(Tue) 23時半頃
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…私の嘘は、どうだったかな。
シメオン君。
[声は返らない。
ひとりにさせないと言った言葉。
それもまた、現状では、嘘に聞こえて。]
“次”もまた、私の番―――だったな。
[次も、あるのならその次も、
…魔女の願いを叶え続けるのは。]
サイモン君。
君が配ったキャストは快く思われていないようだ。
故に、私はね…
そんな彼らに私のことを、亡霊だと、言われたくないのだよ。
私は――探偵なのだから。
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[オズワルドの返答、 ラルフの口上に物思い、目を伏せる。
このタイミングで、表に狂人が出てくる意味。]
――私は、
[数の勝負。]
オズワルドを、 亡霊と、見る。
(105) 2013/10/09(Wed) 00時頃
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…ふ。
どうやら、私の悪足掻きも
無駄だったようだな。
[相変わらず抑揚のない声色。
けれど悔しさの滲まない声。]
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それに、オズワルドさんが本当に狂人、なら。 ボリスとラルフを見定め誤ったら
誰も、魔女ぶん殴れなくなるかもしれないしね。
[一手延びる――ということは。 己か、友か、ホリーの犠牲を意味するのだけれど。 競り負けて、滅ぼされることはない。誰かは、帰れる。
シメオンを、ゲルトを見たとき。 魔女を赦さないと、決めた。 自分じゃなくてもいい――終わらせなければならない。]
(111) 2013/10/09(Wed) 00時頃
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――ひとつ、気になってることもあるんだけどね。
レティーシャを…… あの日、レティーシャを"あんな顔で"探していたのは、
どうしてなんだろうって。
(116) 2013/10/09(Wed) 00時半頃
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ピッパは、ホリーに話の続きを促した。
2013/10/09(Wed) 00時半頃
ピッパは、こぼすつぶやきは小さいもの。視線はオズワルドを捉えたまま。
2013/10/09(Wed) 00時半頃
[私は願った。]
『死んだ妻と子と一緒に、また 暮らしたい』
[―― 魔女に、そう願ったはずだ。]
…、…っっ あ
[これが わたしの願いの かたちだと、――?]
…、そういうことか。
そういうことだったのか、魔女よ。
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……あなたは。 何と、戦っていたの。
[負けるわけにはいかなかったと、語る男への問い。
いかなかった――語尾に物思う故か、窺うように。]
(126) 2013/10/09(Wed) 01時頃
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……、
[己の命を狙う、"すべて"。 帰る言葉に目を見開く間もあったろう。]
あなたは。 もう、"負けている"んじゃ、ないの?
[今の、この議論ではない。 過去形で語られる勝負に裡の裏は窺いしれねども。]
(130) 2013/10/09(Wed) 01時頃
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オズワルドさん。
あなたの配役は、本当に狂人ですか?
[命狙う全てと言うなら。 彼の正体が何であれ、告白自体が物語るものは。]
(131) 2013/10/09(Wed) 01時頃
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[口許緩むに瞬き、エアーポーズに目を見張る。 誇らしげに、狂人ではないと、語る声。]
……ならば、オズワルドさんは。
[何故だろう]
……――亡霊、ですか。
[胸が苦しくなるのは。]
(137) 2013/10/09(Wed) 01時半頃
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……オズワルド、さんは
[あのとき、レティーシャを探していた時の、 あの顔が忘れられない。
過去形で語られる勝負。 命を狙う全てのものとの戦い。
紡ぎかけた言葉は、けれど飲み込まれてしまう。 言ってはいけない、気がしたから。]
……、魔女に、言いたいことはありますか。
[代わりおかれる言葉。 望み叶えたもう一人の亡霊は、はたして幸せだったのか。]
(143) 2013/10/09(Wed) 01時半頃
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