94 眠る村
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――もし、エイトが。
ラディスラヴァかブローリンを危険と想うなら
今夜の判断は任せるよ。
[座り込む宿主に、くつり、笑って]
ほっといても壊れちゃいそうだね。
―――そろそろ飽きてきたなぁ。
[と、思案げな――*笑み声*]
泳がせておいてもいいけどさァ
それとも、意外なとことか いってみる?
えぇと、そう、シメオンとか ね。
[それならゼロが喰った方がクラリスの受ける衝撃は強かろうと]
ふふ、
[飽きてきたというゼロの聲に嗤う]
[けれどその"タイミング"はいつも任せているから口は出さない]
まァ、そぉだね。
ボクは慎重派だからさ、不安要素は確実に…潰すよ。
おいしくデザートを食べるためにねェ。
[ゼロには先程いった2人のどちらかを襲うということと、
―― ハナを今は、襲わないと解る言葉を 伝える]
…――シメオン、かぁ。
フィリップの反応を見るには良いかもしれないけど、
[危険だと、エイトが言うならそれはきっと当たっている。]
いや、
―――どっちかにしちゃおう。
[二人の関係、今の状況。
それならば]
だったら……
――ラディスラヴァの亡骸をみたブローリンを見たいね。
僕なら、ね?
[もちろん冷静な判断、ではなく。
いつものように、楽しいことが優先だから、エイトの決断にゆだねるのだ*けれど*]
ボクは"ラディ"を殺す、ローズの叫びが聞きたいよ
[ふふ、と嗤う声は冷徹で残酷ないろを含む]
――― あぁ…ハナはどう 動いてくれるのかなァ
[ひとつ楽しみのように囁いてから]
[冷静に考える間は短く]
[碧の眸を通じてみやるは目の前の香草臭い男]
こいつの方がァ、 くさいンだよね。
[けれど][人狼をみつける力が本当にあると]
[ゼロもエイトも、その情報を得てはいない]
[先祖の加護の力を、慎重に考えていても、まだ甘くみている故]
まァ、
やっぱり女の子にしよォか。
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[眠る男は夢を見る。
(にいさん) (にいさん…)
在りし日少年は心の中で彼をそう呼び続けた。
(…にいさん) (にいさん)
思い描きたかった現実と。 思い知らされたもうひとつの事実に。 行き場無く心掻き乱され、ひび割れる足元。 呼ばわるかたちで、繋ぎとめる糸を見出すように。
厭うに足る。
憎むに足る。
その理由を、幼い双眸は探し続けた]
(205) 2012/06/16(Sat) 22時頃
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[ ケヴィン。 呼ぶ声が聞こえる。 夢だから、声の主はわからない。 ただ、呼ばれたと感じる。 視界は朧。深い霧にまかれ、影は小男とおんなのかたちを移ろう。
だれだ。
夢の中で男の声は酷く篭る。
"…わたし本当は、しってるの"
「 」
おんなのくちびるのうごきを よみとろうとめを こらせば
意識は現実へと乖離した]
(206) 2012/06/16(Sat) 22時頃
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―― 外 ――
――――…。
[見開く目を指す陽射しに眩暈を起こす。 湿った体がひどく寒い。 背だけが別の生き物のように熱を持ち脈打つ]
…どう、なっているんだ
[呻きに答える声も姿も傍になく。 ただ、触れた刺青だけが新たな答を与える。 軋むからだを起こした男は、数歩よろめき走り出す。
日は既に、夕暮れにさしかかろうとしていた]
(209) 2012/06/16(Sat) 22時頃
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[だれもいない村を。 いっそ恐ろしいほど昨日と代わり映えのない静かな村を。 懸命に人の姿を探しながら男が辿り着くのは宿]
[ドアノブを握り締め開けた扉。
ハナも、クリスもそこに居て。 フィリップがティモシーへと声を荒げていた]
なぜ だ。
[不可解と書かれた表情のまま、 居る者と居ない者を探し視線が移ろう]
(210) 2012/06/16(Sat) 22時頃
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[真っ先に自分の元へと駆け寄る恋人の途切れた言葉と瞳]
――――…
[恋人の顔を凝視して、ハナを見た。 信じ難いものを見るように。 喜べばいいのか、我が目を疑えばいいのか。 いっそう寄った眉根を押さえつけ解す]
(216) 2012/06/16(Sat) 22時半頃
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なにが、どうなっているんだ。
[ティモシーが何故かフィリップへ死を告げる。 恋人の手を握り締める力は強く。 眼差しは彼女を見ずに、異母兄へとまっすぐに向けたまま]
(217) 2012/06/16(Sat) 22時半頃
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[ 死んだ時 ――― 解ったら、そう言うシメオンの言葉]
[慎重なエイトは、また、何か違和感を抱く]
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[いつだ。と、恋人に問うて朝だと返るならば。 烈火の如く瞳滾らせ老人を睨む]
(225) 2012/06/16(Sat) 23時頃
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俺は、
[ラディスの問いへ歯噛み、老人から視線を引き剥がす]
俺には、見分けがつかない。
[このまま握っていれば、握りつぶしてしまいそうで。 恋人の手も、空いた手がゆっくりと引き剥がす。 ゆっくりと歩を進めるのは異母兄の方へ]
叶うならば、 自分と関わりの薄いものであればと、願ってしまう。
[かたる言葉は、震えることを許さぬように強く]
(226) 2012/06/16(Sat) 23時頃
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――――クリス。
(228) 2012/06/16(Sat) 23時頃
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[ハナの告発の時のよう、 瞬きもせず異母兄を見詰めその手を取る。 折った片膝、椅子に座る兄を見上げる視線はかつての高さ]
(230) 2012/06/16(Sat) 23時頃
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[時間が無い。じりじりと焦げるような痛みが背へと知らす]
――――。
[男の頭は項垂れる。軋む歯の隙間から震えるような吐息が漏れた]
[時間が無い。 固く目を瞑る男の背に恋人の声が届いても面を上げず]
(234) 2012/06/16(Sat) 23時頃
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あれらは、 ゆっくりと、時間をかけて品定めをしていた。
[とつと、俯くまま語り出す声]
こうなるとは、思いもせず、頂にある者の余裕を持って。 品定めをしていた。
俺が、そうならば。
こんな人相の悪い男など選びはしない。 もっと単純で残忍な、愉しみ方を選ぶ。
(237) 2012/06/16(Sat) 23時頃
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だから、
違うのだろう。――クリス。
[異母兄への問いに、弟の答えは問いのかたちにならず]
(241) 2012/06/16(Sat) 23時頃
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[ 恋人の言葉に、くつり、エイトは嗤う]
さぁて、誰を呪ってみようかな。
[寄生していても加護は使えるのかを試すように]
[エイトがラディスラヴァを――
無言のうちに返す肯定。]
そろそろ、かな――
…なんとなく。
[笑みのない声は、それでも好奇をかくさない]
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酷い、理由だ。
[くつくつと笑う兄を見上げ、弟は笑いもせずに]
ひどい、りゆうだ。
[繰り返す]
(247) 2012/06/16(Sat) 23時半頃
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クラリッサに、
えらんでもらうよ――――
[もう、決めたみたいだからね、と笑う。]
僕らじゃない限り、 人の死を願うんだ。
……――――矛盾だらけのお姫様は
どんな言い訳をするんだろうね。
ケヴィンは、クリストファーの答えに、嗚呼と歪む顔は、兄を見詰めたまま
2012/06/16(Sat) 23時半頃
―――ゼロ、
あの 青年が死んだらァ、クラリスは…本当に壊れちゃうかな。
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…だから、
[照れ隠しのように視線を逸らす兄をなおも見詰めたまま]
(251) 2012/06/16(Sat) 23時半頃
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俺は―― 限りなく人と見ながら、あなたを殺す。
(252) 2012/06/16(Sat) 23時半頃
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どうか
許さないで欲しい… ――許さないでくれ。
誰かが死ぬよりもマシだと、願われ死ぬことを許さない。
(254) 2012/06/16(Sat) 23時半頃
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