人狼議事


208 【突発誰歓】ーClan de Sangー【R18薔薇】

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:



 続きはいつ?
 
[ 俺がこの気持ちを覚えてるうちに、道行き彼に囁き。*]


 どうか、あっしの隣に居ておくれ……

[口から出たのはそんな願いだった。]


 その時にお前さんが隣に居てくれたら、
 あっしはもっと"好い"気分になるのだけれど……?


 
 
   忘れて、ええよ。

        ───『愛しとる。』
 
    


[初めてか、もう何度目になるのかさえ、自分でもわからない言の葉。
 他の吸血鬼にも囁いただろうか。
 それとも、彼にしか囁いていないのか。

 忘れてもいいという呪いの言葉を、魔法使いは落としていく。]


 ………

[忘れていい、そう前置いて告げられた愛してるの言葉。
ならば自分もと同様に言葉を重ねればいいだろうに、それができないのは何の躊躇いからか。

その言葉を、口にする事に慣れていない、だけではないのだろう。
遮るように、その唇ごと、伸ばした掌で覆った。]


 おやすみ。

[頬を触れる挨拶の口付けは、まるで『さよなら』のように感じた。

 忘れていいと謂った。
 だから、それでも構わない。

 ──そう思っているなら、バンダナを巻いたりなんてしなかったろう。

 額へ口付けてから、男は部屋をあとにした*]


[来た時よりも皺の寄った気がする地に落ちた紙。
拾い上げる前に此方がその華奢な体を”拾い上げてしまう。”

少し挑発めいてしまったか、と暫し口を閉ざす参休を伺う。
時々みる食事だってさほど大食いとは言えない自分よりも量は大幅に削られたメニューだからその腕の中の身体は壊れてしまうんじゃないかと危惧してしまう。

自分が促すまま寝台へと膝を付く彼に笑みを浮かべ、]

 嗚呼、是非、ね?イイことは知りたいかな。
 ……ン、

[耳元へ寄る指先を敏感に感じながらふる、と震える。
空気の振動を普通より少しだけ、敏感な耳朶は僅かな刺激を受け取り、そういえば食堂でもこうして触れたか、と僅かに熱の篭る息を漏らしながら思った。]
 


 ……おやすみ、

[かろうじて、言葉になったのはただそれだけ。
遠のく気配にも、戸の開閉音にも気付かずに、眠りに落ちる。

腕に巻いたバンダナの事すらも、ゆっくりと眠りの中へと沈んで。*]


[目を伏せる。
 今『は』鮮明に思い出せる。
 声も匂いも味も、表情も。
 巻いた包帯も、剥がしたガーゼも、拭いた体も。

 おやすみの、言葉も。]


 ───いつ、忘れる?


[『昔』を忘れてしまった時のように。]



 ああ、存分に喰らわせてやろう。
 ――残すなよ。

 


─ヴェールの向こう側─

   「クアトロ、できたかい?」

 ああ、出来たよ。

   「こいつはいい出来だ!」

 そうかい、そりゃよかった。

[淡々とした声と、無駄にトーンの高い声が会話をしている。
 ブツ切れになる映像は頭痛のせいでノイズがかかった。]


[大きなカンバスに向かう、何かを描く筆。
 完成品が並ぶ部屋。
 塵のように転がる硬貨の山。
 乱れたシーツの上に組敷いた、誰か。]


    「忘れないで、クアトロ。
     キミは、ボクを─────」


[嬌声が聞こえて、重なる。
 消えた記憶の誰かと、昨夜のヒューと。]


[弓形の唇が、好いことを知りたいと囁く
 ああ、それなら望むのは先程の――]

……ケイイチ

触れて、くれ

[耳朶を擽る指先はそのままに一度目を伏せ、後ろ手で帯を解いた。そのまま長着を押さえる腰紐も解いてしまえば、弾みで緩んだ長襦袢の襟元から鎖骨が覗く。指先を少々寄せただけで震えを見せる程意識が耳へ、音へと傾けられているのなら、きっと吐息が浅くなっているのも気付かれているのだろう。
 ……触れられるのは好かった。温もりが胸の奥を掠めていく気がして]

[黒髪へ指を絡めるようにして右耳に掌を押しつけてやれば、己の内を巡る血流の速さまでも捉えられてしまうのだろうか]


─昨晩・回想─

 そう、信じたいね…

[口付けは初めてだという丁助の言葉。
自分たちの言葉なんて本当に
どれも真実でどれも嘘で。

食事の合間に囁かれた言葉

続きはいつ?と訪ねた答えは]

 ふふ、また邪魔が入るんじゃない?
 いいよ、付き合う



 どうせすることもないなら
 手を動かすだけでも違うだろ

 誰かれ構わず食いたいなんて
 冗談をまとわせ言ずに済む

[相変わらず笑ったままそう告げ
彼と自分はどこか似ている気がした

 冗談の様に、本気の言葉を
   本気の様に嘘の言葉を囁く]

 俺もその手はよく使うよ

 絵を見て何を考えていたか
 本当のことを言いたくなったらまた話を

[つまるところ自分は退屈で、誤魔化されたことが不満なだけ。クアトロの見送る視線に振り返ることはせず部屋を後に*]


[途切れて返される言葉。
にぃ、と笑みを浮かべ、ヘッドフォンを近くに置く。]

承知しましたよ、っと。

[息が乱れる様子を感じながら解かれる帯にふと見入るように抱えた手は止まる。襟元が崩れ、現する鎖骨にこく、と喉仏を動かした。
与えられる擽るような耳朶の感覚に欲が込み上げる。

とくり

己か、参休の鼓動か。どちらともつかない音を聞いて帯が解かれるのを待ち、その体を寝台へと横たえた。]

その袂、あまりはだけさせない方がいいね。
とても色っぽくなるから。

[襟に手を伸ばし、撫でるようにその飾りに手を掠め、細い身体に触れる。
自分は下位であるのに下に見る様子は心底不思議な感覚だった。]


 ……───。

[何もすることがないなら。
 宙に手を浮かせて、何度か握っては広げてみる。
 もちろん何が描けるわけでもない。

 見透かすのは得意でも、見透かされるのは得意じゃない。
 誰にも等しく、立場の弁えない口調で
 何も考えていないように思えてその実。
 誰にも等しく、距離を保って
 何を考えているのかわからない【4】の瞳。

 短い会話の中に感じた類似。
 浅い息を吐いた。]


 ───傍、こん?

[下位の男に命令の力などない。
 けれどもこれは『懇願』ではない。

 渦巻く渇きを満たしたいが為。]

 わしと暇潰し、……しょーや。

[一滴落とす、罠。]


──嫌よ。
貴方と暇潰しをすることに、何の意味があるのかしら?

[己が他者と交わろうとするのは己が目的の為だけ。
それ以上もそれ以下もない中で、彼の為に何かしようと思える何かがあるわけもなく。
声音は蔑む色を濃くして、口元は薄く歪めたまま。

もしかしたら、過去に何かあったかも知れないが、それも今の己には関係のないこと。*]**


 暇潰しに意味なんかなかろ。
 『オニーサマは幾分冷たくあられますこと。』

[髭面の糸目が、目の前の端正な男の口調を真似て揶揄する。
 蔑む色には唇に弧を浮かべて、笑って見せる。
 こんな風に揶揄するのは初めてか、過去にもあったのかもしれない。
 思い出そうともしない『今』、そんなことはどうでもいいことなのはお互い様か。]


[袖机へ置かれるヘッドフォンを横目で追う。そのまま聴覚に重きを置くケイイチが音源を脇へやった意味へふと思いを巡らせてしまい――ひゅ、と喉が鳴った。
 “意識を全てこちらへ振り向ける為ではないか”だなんて思考が過ぎってしまったなら、自ら言いつけた事であろうとも少々動揺するというものだ]

……ケイイチ。

[背を寝台に預けて低く囁く。耳元に当てていた手は下方へと滑らせて、時折上下する喉仏に親指の腹を当てた]

色香であれば……
其方の方が、ッ……余程。

[掌が此方の身体を滑る度に釣られて動く鎖骨であるとか、あるいはゆっくりと囁いてみせる口元であるとか、光源を負って濃く落ちた陰が個々の動作を際立たせていく。それらを眺める目元は随分と熱に浮かされ、ケイイチに向けて囁く声は時折喘鳴を間に挟んだ]


[肌を探られる度、身体の芯が熱を持っていく。指先などもうきっとケイイチのものより温度を上げているだろう。
 縋るようにケイイチの襟元を掴み、もう一方の掌で腹の辺りに触れた]

……いいの、か

[“こちらばかりに与えていて”とまでは口にしなかった――長々と喋る余裕はもうあまりない。だからケイイチを引き寄せて、同じ温度を湛えた場所がないかと探りを入れる]


 昨晩薬を飲んでいないね?


 なにを。
 ちゃんと飲むって、持っていったじゃろ?

[息をするように嘘を吐く。
 まさかそんなこと有りはしないだろうとでも謂いたげに。]

 しっかり飲んだよ。

[肩を竦めて、隠すのは微かに上がった息。
 『吸血鬼』に隠しきれるとはあまり思ってはいないが。]


 そう……

[クアトロの嘘に吸血鬼は糸のように目を細め、]


 "今晩は必ず薬を飲め。"

[次の瞬間に見開いた双眸は紅く紅く血の色に染まっていた。]


[低く囁かれた声にふと静止の意かと考えを過る。まさか動揺しているとは知らず。だが喉元を猫のようになでられれば甘えるように笑う。]

さー?それはどうだろうね?

[さぁ?そう言われるなら、と上を脱ぎ、細いとはいい難い身体を露にする。
時折摘んだりくるりと輪を撫でたりする強い刺激に変えながら色を帯びる喘ぎにずっ、と中心な血が溜まる。]

でもね、凄くかわいいよ。

[クス、と男女の交わり最中のような甘い言葉を紡ぎながら暫し立場逆転を楽しむ事にする。]


[自分が温度を持ったのか、また彼の体温が低いのか。肌に触れる指先はヒンヤリとしていて心地いい。身体に触れる行為は何処か暖めているようで。

グイッと突如身体を引き寄せられればいいのか、と。]

うん?――――下位が上位を食べていいのかって?
いいよね、高い声が聞こえるんだし。

[先は予想できたけど敢えて誤魔化してみる。参休があまり上下を区別すると思わないが。コテり、と首を傾げて少しばかり煽ってみる。
ついでに反論を口にされる前に近くなった顔に唇を寄せ、口を吸う。

受け止められればそのキスは舌を交え、深い深いものに。]



 今度の誘いは、
  邪魔のないところで
 


[ふと思い出す
 赤い子犬。彼は自分の命令を守ったのだろうか。]

 朝は確認ができなかった
 
[次は見届けてやりたい。
 上書きされるまでそのままなのか。

  それとも時間で効力を失うのか。**]


 ────はい。

[くっくと喉の奥が揺れる。
 薬を飲まなかったことは、簡単にばれていたらしいということよりも
 余程あの『薬』が大事なものなのだろうという印象を抱く。
 実に、飲みたくなくなってくるものだ。
 抗いきれぬ命令に、口は嫌でもYESを吐くが。]


そうね、貴方には意味のないことかも知れない。
それでもアタシとって暇潰しは、アタシの未来のためのステップだわ。

[己の口調を真似されたのが癪なわけではない。
己の在り方を揶揄されたように感じて、未だ年若い彼に何が判るものかと、そう憤りを覚え──もっとも、己さえその根幹を忘れ掛けてしまっているだろうが──語気を強めて凛と言い返す。]


[こそり、耳元に唇を寄せて囁く。]

 ……なんもなかったわけと違うぞ?

[飲まないことで得られただろうことを。
 無という有を囁き落とす。]


 長く生きたら忘れっぽくなるんかのぉ。
 そういうのを『御執心』っちゅーんじゃで。

 羊飼いサン?

[唇の端を吊り上げて笑う**]


[クアトロの言葉に吸血鬼は何を言われたのか分からないといった風のきょとんとした表情になった。]

 迷子になった子羊が例え君でも私は同じようにするよ?

[釣りあがった彼の唇の孤が描く意味を吸血鬼は知らない。]



 我慢してたのに…

[下唇を指で押し開き、舌先をしのばせ、彼のそれを追う。頬も体もあつい彼の体温。

湯気で視界が隠れればいい
水音も湯の音で紛れるだろうか

彼の身を引き寄せ、濡れた体が触れる距離]


 
 
 ───俺のことは二度と助けるな。
 
 


[口から滑り出たのは訛りのない言葉。
 写真に映っていたのと変わらない冷めた無表情。
 見覚えがあるのは、主だけであろう。
 男自身さえ忘れてしまったはずの、昔の自分。]

 ん?
 や、あ、すまん。
 お前さんが気色の悪いこと謂うけぇよ、ふはは。

[頭が痛い、靄がまた少し薄くなる。
 薬を飲まなかったのと引き換えに。
 誤魔化すようにいつもの通りに笑って見せて、厨房へ向かう主の背を叩いた。]


 そう、"どこで"教えて貰ったんだか……。


 ……一回薬を抜いただけであれか。

[鈴を鳴らす吸血鬼は先ほどのクアトロの様子を思い出しぽつり。]

 やはりまだ血が弱いのだな。



 命令してみる?

[目の前で死んで見せろといえばいい。
 だが、それは叶わないのだろうか

最上位の命令は「生きろ」というものかもしれない ]


[其の扇子の先で自分より高い位置にある彼の顎をくいと傾けさせる。]

 余り奥手が過ぎるとあっしも気が変わっちまうよ?
 そうだね……期限は今日の日付が変わるまででどうだい。

[何の期限なのか、どう気が変わるのかは敢えて口に出さず。]



 俺がこの気持ちを覚えている間に
 それともあなたの気持ちが変わる前に?

 たやすく変わるものなの?

[少しだけ目線を伏せて]

 わかった、部屋に行く

[彼の図書室の後。そう約束を交わして*]


[心変わりと言っても、単にお前さんがあんまりにも可愛らしいものだから、矢っ張りあっしが組み敷く方が良いかなんて思っただけさ。*]



 命令?
 お前の生死に関与する気はない。
 生きるも死ぬも勝手にするがよかろう。

[突っ掛るような物言いに、改めてその顔を見返せば、
消えるに惜しい、と思える貌ではあったが*]



 まあ、そうだね
 顔見知り程度のやつの生き死になんて
 あなたが気にかけることではないのだろう

 ただの甘えだよ    

[どうせ、誰も自分のことなんて忘れてしまうだろうに。残るのは、ああして誰かが落とした写真のような記録だけ。*]


[外の世界で。]


[そうだ、丁助の御伽噺には続き……
というか蛇足が有ったのだった。
何故今までそんな事を忘れていたのだろう。

そもそも何故自分を浦島に喩えて語るようになったのか、切っ掛けは其処に有ったというのに。]


[いつから、たまに食事を取っておいてくれるように頼むようになったのか定かではない。
 人から与えられる食事は嫌いなはずだ。
 定時に振る舞われる餌も、誰かと食卓を囲むことも。

 愛してると囁くことも。

 誰かを抱くことも。]


 丁助は、毎日が夢の中に居るようで、
 何れ程日が経ったのか、数えてもみなかった。

[主様から自分の部屋へと向かう間、独り思い出した御伽噺の続きを呟く。]

 或る日、ふと丁助は、故郷の村で釣りをしている
 自分の姿を思い出した。年取った義母の姿が浮かんだ。

 丁助は、急に村に帰りたくなった。
 そう思うと、如何にも我慢が出来ない……。

[手許の扇子に視線を落とし、其処から先は口に出す事も躊躇われた。]


 薬飲め、謂われてしもたわい。
 じゃけ今日『は』、飲まないかんじゃろねぇ。

[くっくと喉を鳴らす。
 従順でない、群れない羊の一匹は
 抗えぬ命令にだけは従うつもりでいる。

 仰せつかったのは、『今晩』である。
 『毎晩』とは謂われていない。]


 血が欲しくなったのか?
 なら…ッ下位のものにでももら…
 嗚呼、君の下誰もいない、のか。
 血が欲しくなるって…ぅあっ
 どんな、感じなんだ。面白い?

[揺れに負けじと質問を繰り返し。
悪戯とその成果の確認。
揺れで弾んだ声は好奇心に弾むものにも捉えられる]


[彼の指先の傷口を口元に寄せ、彼の目を見ながら、それを口に含み、目を伏せ。

舌で傷口を舐めとり、その血の味を知る。
蜂蜜と混じり合った錆の味。]

 甘い…

 でもそれだけだな
 血なんて俺は欲しくない

 それは、薬のせいかな?

[口元を離し、回答はあまり期待してない問いをいう]


 お前さんも今晩抜いてみればわかるん違う?
 なんやろな、オススメはせんぞ。

[思い出すのは揺れながらも問い質してくる白雪と
 それに返した男の声。]

 吸われる覚悟でもありゃ
 風呂にでも入ってくりゃいーんじゃないかのぉ?

[揶揄交じる、誘い。]


[その手に導かれるように、ジェレミーの唇へと伸ばされていく指先。
傷負った箇所を、舐められていく感触。

粟立つ背筋に、眉が寄る。
知らず止めていた息を吐き出せば、それはやけに震えていた。
譫言のように呟く、声すらも。]

 ……渇く、んだ、
 のどが、

 ……どうしようもなく、……渇いて、それで、

[血を欲したから、渇いたのか。]

 ……っ、ぅ、……

[渇いたから、血を欲したのか。]


[目を伏せる。]


 今晩まで待てるの?
 そんな衝動軽いもんなんだ…ふぅん

[呼気の浅い様子は見て取れる。
だが、『晩』と時間を指定するのは余程性急に求めるものとは思えない。
命令の内容も彼の心中も知らないから、単純にそう解釈を]


ボクはもう薬をサボることはしないよ。
"出来なくなった"が正しい。

  ―――ボクの血を吸いたいなら素直に言えば?

 やらないけどね。夜まで苦しんでおけば。



 お行儀が悪いかな

[手土産なんて、ただの形式。
  彼の唇に口元を寄せ。]


 敬う? 誰をだ?

[無表情という顔に灯る、唇を上げた笑顔。
 それは『有』という『無』。]

 たかだか先に居るだけの身の何を敬えば?

[喉奥が鳴る音は変わらないのに。]


[ちゅくと水音を立て、舐めとられる彼の指先。
寄せられる眉根、震える吐息。まるで愛撫に耐える様。

それが嫌悪からくるものかもしれなくても。]

 なんて顏してるんだよ
 嫌なら嫌といえばいいのに

 喉が渇く?血が欲しくて?

 そうか、俺にはわからない…
 ご褒美を決めろと言っただろ

 決めたらいい

[自分のほしいものを。渇くのなら癒せるそれを。]


 ふふ。それこそまさかさ。
 「待て」をし過ぎ。

[彼の唇を受け入れ。
無意識に掴んだ手が彼のしゃつに皺を作る。
瞑った目の睫毛がその長さを静かに主張した。

浴場での続きのように、やがて部屋に水音が響く。]


 襲いは、せんよ。
 血が欲しかろうが、肉が欲しかろうが。

 ───約束、したけぇ。

[まだ覚えている。
 忘れていない。

 恐怖を示していた、あの『赤』と

 それだけは絶対に、忘れない。]



 待てを強いたのはあなたでしょ
 昨日だって薬は飲んだ?と俺は尋ねたのに

 今朝だって
 
 最初から、ここに呼べばよかったんだよ

[丁助の赤い髪に触れた指を下に下ろし、頬に触れ。寄せた口元は受け入れられ、口づけを深くする。]

 甘い?
 蜂蜜の味するでしょ…



[再び口付けし、彼の衣服の襟元に片手を添え、押し開こうとするが帯が邪魔をする。

帯を解いてと促しながら、角度を変えながら深い口づけ。 上を向かせる体制が辛いかと、ベッドへ手を引く。彼の部屋には小さな小物があちこちに。押し倒した風圧でそれらは。]

 っ、はぁ…、 これ何?
 
[唇を離して、彼を見おろし、自身のシャツの合わせに手をかけ前をくつろげると、帯は緩んだ頃か。

彼の衣服を横に開いて彼の肌をあらわにする。
ちょうど昨晩の続きの様に。

昼の光が窓から差し込み、昨日とは違い
はっきりと彼の裸が見える。]


 んっ、甘い……甘い物は好物だよ。
 何を摘み食いしてきたんだい?

[柔らかな微笑みを浮かべて無邪気に尋ね。
頬に触れる彼の手に自らの手を重ねる。]

 御免よ、お前さんが人目を気にするような類の人とは思わなかったから。

[本当は、簡単に手に入れたら簡単に忘れて仕舞いそうな気がしたから。
でも今は忘れたくて彼に縋ってるから勝手なものだ。

重ねた彼の手を掴み、頬より下に誘導させて。
白い喉、鎖骨を通り過ぎ襟の間の素肌へと潜り込ませる。]

 あっしを熱くさせておくれ……?

[遊女もかくやといった嫣然とした視線を送った。]


 んっ、

[上を向きながら帯を解くのが些か辛いと思っている所に、丁度べっどへと押し倒される。]

 此れって何れの事だい?

[見せ付けるようにしゅるりと帯を解き。
孤を描く唇は息を徐々に微かなものから興奮を露わにしたものに変じさせつつある。]

 日の光の元で見るあっしの肢体はどうだい…?

[彼の視線に悦びを滲ませ尋ねる。*]


 ────仰せの、ままに。

[背に落とされるのは抗えぬ『命令』。
 苛立ちの声と、触れるなという言葉。

 掠れるような声音で呟いた*]


 
 
  どうせ誰も、来やせん。
 
 
[たまに来るケイイチも、すれ違ったのは昨日だったか。
 他に図書室に来るとすれば、命を下した本人か。
 傷だらけの灰被り。
 昨日包帯を巻き変えたばかりだ、来るはずもない。

 そこまで心裡に思ってから、苦笑が漏れた。

 いま、どれだけ触れたいと思ったのか──と。]


[かつて、羨み求めて焦がれていた。
そんな何かがあった気がする。

そしてそれは、決して自分には与えられないのだという、諦めのような想いもまた同様に。]

 ……欲しい、もの……

[眉を寄せ、苦く呟く。

遠い遠いあの日、あれだけ欲していた何か。
どうして忘れているのだろう、どうして思い出せないのだろう。]

[諦めて、忘れ去ってしまったのか。]


[それとも、等の昔に、 ――――――――――]



 ないしょ

[つまみ食いは何かと問われて。彼が嫉妬してくれるなら、応えても良いが、あまりそんな気もしなくて、吐息交じりにそう返し。]

 見世物じゃないって言ったのは
 あなたでしょ

 乱れた姿を他に見せないでと言ったのもあなた
 俺も見せたくない…

[彼の真意はわからず、だが少しだけ彼に焦燥を感じる。これまでの恥じらう様子と真逆の、婀娜っぽい仕草。]

 なにかあった?


[部屋のあちこちにある紙でできた小物を指して問うたが、彼には伝わらなかった様だ。だが、どうでもいい。ただ興奮で乱れる呼吸をごまかすだけの言葉。]

 その問いは自信があるってことかな
 素敵だよ

[答えながら首筋に口づけを落とし、鎖骨、胸元をたどり。再び昨日の様な手順で。違うのは、伸ばした下肢、不可解だった下着の紐解き方を知ったこと]

 回り道も一つだけやくにたった

[くすくすと笑いながら、彼が脱衣所でしたことを自分も繰り返す。既に少しはそこは興奮の兆しを見せてくれていただろうか。それとも。

胸の尖りに舌を這わせ唾液で濡らし、左手はそれに添え、ゆるりと上下に扱く]


[其れにしても嫌に手慣れてるじゃないか。

自分の事だ。
あっしは何時からこんなにいやらしい笑みを浮かべて男を受け入れるようになったんだい?

分かってる。
「男を」受け入れるようになったのではなく、「彼を」受け入れるようになったのだ。

彼とのこうした逢瀬の時を何度も何度も重ねてその度に忘れて来たんだろうね。
其れでも身体が覚えているからこんなにも期待に震えているのだ。]

 な、何にも無いよ。
 お前さんに溺れたいだけ……。

[忘れたい事が有るから溺れたいのと。
愛しいから溺れたいのと何方も本当。]


 っ、そりゃあ自信もあるさ。

[お前さんに素敵だと言って貰える自信がね。

彼が身体に接吻を落として行くのを目で追い。
こんなにも丁寧にあっしの身体を愛でてくれるんだもの。自惚れもするさ。]

 んっ、あっ

[露わになった下肢への刺激に身体が跳ねる。
此れが自分の物かと疑う程高く甘い声が出た。
両手がぐしゃりとシーツに皺を作る。*]


─作業場─

(こんな風に、カーテンなんて揺れていなかった。
 窓はひとつもない、代わりに換気扇が回る音。
 あるのは堆く“積まれた”資料。
 朝なのか夜なのかもわからない閉ざされた部屋。
 充満する、油絵の具のキツい匂い。

 綺麗なはずもないシーツ。
 組敷くのは男の体。
 混ざる、雄の臭い。

 俺は男を抱いている。)



    「クアトロ、言って?」

 嗚呼。

    「いつもみたいに、さあ。」

 “愛してる”よ。

    「フフッ、そうだよ、そう。」
 


 
 
    「クアトロ、忘れないで。

     キミは、ボクを


     ────“愛してる” んだ。」
 
 


[ケイイチが上着を脱ぐ気配を見せれば掌を引いた。熱の籠もった息を吐きながら、露わになった上体を眺める]

何人か……その色香で
眩ませていそうな、ものだが

[自分よりも確りと肉のついた身体は、男性特有の色香を十分に備えているように見えた。その喉から笑みと共に“かわいい”等と声を落とされた日には容易に手玉にも取れるだろう――こちらの胸が揺らぐ程ともなれば]

……はは、
参休は……そう思った、試しがない

[そう評された経験は幾度かあったようにも思うが、参休“自身を”愛らしいと思った事はない。例え同じ顔であろうとも、やはり他者と自らの壁というのはそれなりにあるものだ。
 色づいた頬は珍しくはっきりと苦笑を浮かべ――けれど心底嫌がる素振りは見せず、穏やかにケイイチの頬を撫でた]


[参休の指先は火照り浮かされているというのに、触れたケイイチの素肌からは今なお熱を移される。高い声、という文句に一度瞬きをした]

上下、など

[この身に落ちる囁き、触れていく指先、与えられる熱の総てが好ましい以上些細な事だろう、と微笑する。首を傾げてみせるケイイチはきっとそんな事承知しているのだろうが]

……っ、ふ……

[言葉を継ぐより先に接吻が落とされ、ケイイチの下唇を柔く食んで応える。頭蓋をかき抱き舌を絡めるときは態と少々水音を立ててやった]

[一方では襦袢がはだけるのも構わず緩く膝を立て、下肢に割り入るようにして中心を探っていく。腿で熱いものを感じたならば、次の息継ぎにはくすりと笑みが乗ることだろう]


 
 
 
     ────Cinderella.
 
 
 


[ サラリとした金。

 霞んでほとんど見えない何かが内で揺れる。
 彼を見るとそれはほぼ毎度のこと。


彼が何をしたわけでもないけど。

何かが引っかかって瞳がそこに吸い寄せられる。

 何か自分は―――   


彼の意識がないうちに、一度だけ其れを掬って

 掌から零す]*



 口ごもった 隠し事?

[ふふ、と笑って、 自分に溺れたいと言いう彼の言葉]

 俺でいいの? 溺れてくれる?

[彼の誘う態度、誰に教えられたものだろう
そんな嫉妬。

自分は、過去、男相手に足を開く男娼たちを馬鹿にして報復を受けた。なのにいまこうして、何も厭わず男相手に手を出す。

また、過去の自分のしたことだろうか
目を伏せ、下に組み敷く彼に集中したくて、頭を落とす。]



 その、自信は正しい

[うっとり笑って見せて、
熱の籠った眼差しで、彼の体を眺め
かつて彼に暇つぶしと誘われた時の様に
女を扱う様に丁寧にその体に口づけを落とす

滑らかな肌に薄い腹

自分の辿る触れでぴくりと反る体

下肢への直接的な触れに彼は甲高い声をあげ、それに自分も興奮を得る。

熱をもちかたみを帯びたそれが、にちゃにちゃと音を立てはじめ、手をかすかに濡らしはじめる。]

 …滑らせるものない?
 
 


さぁ?外の記憶は無いからね。
色気なんてあるのやら。

[とくり。
心臓の音を聞きながら晒される視線を受け、肩を竦める。
吐息を感じて、ーー自分の言葉で左右される言動、というのは心地よい。
記憶の糸が繋がっていないというのはその人との繋がりも希薄になるようで幾分寂しいように感じるが吸血鬼、の宿命だろうか。
だから、単純に嬉しい。

謙遜の言葉には深く入らず、頬を撫でる手に無意識に頬を擦り寄せた。]

上下?
嗚呼、でも愉しいーー。

ッふ、ぅ。

[軽く喰われ、絡め捉えられる舌から甘く溶けるような味を覚えた。
じゅっ、と立てられる音に今何をしているか、鮮明に感じる気がして息を漏らし、口を離す。]


[はた、と開く襟元に目を細めれば何時の間に、緩やかに与えられる下肢への刺激に呻きを漏らす。
水音と和服から覗く素肌。声。口ずけ。
それらに反応した竿は立ち上がりかけていてピク、と肩が跳ねる。
下を脱いでしまえば落とされる笑みに熱を持つ目を細める。]

はぁ…っ、ん。
液、ある?

[熱を持った体を覚ましたくて潤滑油はあるかと言葉少なげに問う。
あれば手に乗せ、無ければ唾液で濡らして既にはだけ切った後孔へと指を這わせ、埋める。]


 む……。

[「隠し事?」と問われ馬鹿正直なあっしの口は正に馬鹿正直に黙り込む。]

 思い出したく無いから、溺れさせて…。
 お前さん「が」いいのだから。

[眉を切なく顰めて強請る。
今は自分を組み敷く愛しい人の事だけ考えていたい。

嗚呼、視線に晒されて身体が色付くよう。
女のように扱ったりして。
今だけはお前さんにとって"最高のオンナ"の身体をしていると思い上がってみようか。]


 あぁ……んっ、滑らす?
 香油の入った瓶なら何処かに……

[さて何処に有ったか知ら。
好い刺激に溶け出した頭では思い出すのに集中するのは難しい。
恐らく"こういうこと"以外には使ってない筈だから、べっどの近くに有る筈だけれど。

ただ聞こえる微かな水音にもう自分は濡れ始めてしまったのかと自覚する。*]



[それでも与えられるものなら何でも
 自分が持っているものなら 

  彼の口ぶりから血液なのかとストレートな思考
   なら、自分の望みにも遠くはない

 だけど、彼が真実望むものは、違うものだろうか、
   わからないまま*]



 かわいいな
 思い出したくないこと?

 思い出せることがあるのは幸いでしょ

[む、と口を噤む彼に笑かけ。彼を見おろし、口づけを降らすのは、仲睦まじい恋人同士の様かもしれない。

昼の光で明るい部屋なのに、ベッドの上は乱れて。冷たい寝具に沈む彼の白い体に赤い跡を落としていく。色の対比が綺麗だと思った。

和装から腕は引き抜かれておらず、
やはり中途に残った衣服が彼を扇情的に見せる
それとも、自分の目が、彼をそう捉えるのか]

 教えて、何を思い出したのか


[香油の場所を聞いて、そこに手を伸ばし。わずかな時間でも惜しく感じる]

 あった

[膝立ちでそれを手に垂らし、
濡れてない方の手で彼の膝裏をかかえ足を押し広げ。

香油の滴る指で再び下肢を弄る。
少しでも痛みなど与えたくない。

つぷと、そこは指を飲み込んでいく]


[昔々あるところに、家族を養う為と奉公に出た子供がいた。
元より働き者だった子供は、奉公先でもよく働いた。

けれど、奉公先も決して裕福ではない。
日頃の日照りに井戸は枯れかけ、気性の荒い主は使用人にきつく当たる日々。

そうしてある日、ほんの小さな失敗をした子供は、きつく咎められた後追い出されてしまう。
行く先のない子供は、せめて元いた家に帰ろうと歩き出すも、途中で力尽きてしまう。
最後に、家に帰りたかったと涙を流しながら。

そうして、その子供の涙が泉となり、今もその地を潤しているという。]


 忘れたいと言ってるのに教えてなんて、馬鹿。

[でも、愛しい彼になら話してもいいかと温もりに絆される。どうせ忘れて仕舞うのだし。]

 別に大した事じゃあないよ。
 あっしがただ好い事だけを
 求めるようになった切っ掛けの話。

[どうして囚われの籠の鳥で在る事を受け入れるようになったのかの話。]

 でも、今するような話じゃないね…っ

[こんな、着物を僅か腕に掛けるばかりの素っ裸で後は足袋しか纏ってないような格好で長話はしたくない。]


 あっ……流石に此れは少し…

[足を広げられ下肢が丸見えの状態になれば羞恥に震える。
彼の指を飲み込み始めた其処に、ほうと息を吐いて力を抜くように意識する。
思いの外異物感は少ない。矢張りある程度は慣れてるのだと確信する。]

 ね、もっと奥まで……

[屹度その先に待ち受けてる物は好い筈と期待して上目遣いに。**]



 …………。

[まるでこの者の話のようだ。
大人しく主人の謂うことを聞く働き者の子供]


(……自覚は、あるのか)

[ふとケイイチの言葉が気になった――てっきりまだ多少は思い出せるものだと思っていたから。
 そこから転がり落ちた先に待つのは裂かれた腕、血染めの部屋、口の中でべたつきを残す鉄錆、主の掌――あまり良くないものだった、気がする。ああいう事にならなければいいのだが、と、熱に浮かされた頭のまま心配を少し]

[抱いた懸念は、口にするより先に結局水音で押し流されてしまったのだけれど]


[頭をもたげ始めた竿が姿を見せるのを茫と見つめながら、液とは何の事か、と思案して]

……ああ。

[代用品として、枕元に置いたままになっているハンドクリームの缶を示した。己も少々手に取ってみるものの馴染みはないから恐らくは誰かがくれたものだ]

[中へ入りこむ指を追い出さない様努めて息を長く吐きながら、ケイイチの竿に手を伸ばす。滑りを良くした指先で扱き上げていくが、ケイイチの指先が中であちこちを掠めていく度身体が跳ねるままに何度か掌を離してしまったから、互いの準備が整うまで少々時間を要したことだろう]

……っ、あ……あつ、い

[竿が身体の内へと割り入ってきたなら、指先で触れるよりも直接熱が感じられるものだから、直截な感想と共にもう一度ケイイチの頬へ掌を差し伸べた]



 今度は俺の夢の話をしよう。

[『今度』と謂うのは此処では約束の意味を持たない**]



 書き換えるなら書き換えろよ。
 『今晩も薬は飲まなくていい』って。

[支配される身でありながら、身分など弁えない。
 頭から血を垂らしたまま、くっくと喉の奥を鳴らす。
 笑う癖に、そこに表情などありはしない。
 まだ薄い血は、薬を飲まなければ飲まないほど
 きっと誰より早く過去の記憶を取り戻す。

 そして、誰より早く────]


 夢の、話?

[今度と告げられたその言葉に、そっと首を傾げて。]

 ……それは、……今度じゃないと、駄目、……ですか?
 今では、……拙い?
 
[問いを、返す。

何故、そんな風に彼の話を強請ったか。
真意は、自分にすらもわからない。**]


 ───だからもう『俺』を、助けるな。

(もう二度と。
 あの時、助けてほしくなんてなかった。
 あの時、助けてくれなんて望まなかった。)



(あの時、『俺』は死んだ筈だったんだ。)



[吐き捨てて、主に背を向ける。]



 俺が退屈が嫌いなのは知ってるでしょ
 じゃあ、楽しみにとっておく

 好いことだけ?
 ふふ、 俺もそうだよ

[着物をそのままにしているのは、ベッドを汚さないため。足だけにひっかかる白い足袋がどこか可愛らしい。だが、気にしている様なので、それは引き抜いてやることにする。

下肢に手を伸ばし、足を押し広げようとしたら、羞恥で足を閉じようとする。そのしぐさにかすかに笑うが、それを許さず。]


[尻のすぼみに指を差し入れ、香油の助けを借りて指を割り込ませる。肉を割る感触と体内の温度が指に伝わる。]

 奥? ん、まってね…

[素直なお願いに、目を細めて笑い、ゆるゆると指を前後に動かして中を探り。 抵抗が減れば指を増やす。彼が声を上げる場所を探して。

異物感や痛みは少ない様で安心するが]

 慣れてる?
 
[嫉妬のようなことを言ってみせて。]

 …、ん、 大丈夫かな?…

[彼の反応を見ながら問い。彼が耐える様にシーツを掴むその手を引いて自分の下肢へと導く。下履きの合わせを寛げ]

 触って、

[ただの手順の様なもの、すでに彼の痴態で己のものは、欲を示している。**]


[ここにいる人間が外とは普通ではないらしい。
と、主が言っていた。吸血したいとは思ったことがないけれど。薬のお陰なのだろうと。

惚けた頭で考え事は辛い。手に取ったクリームで中に指を入れ、かき混ぜる。下肢の刺激に時折声を漏らしつつ本数を増やす。
内壁を擽り、強く押せば下にある体が反応してその度に刺激があったり、なかったり。]

んっ、入れ、る?

[一応ものの確認。今までの反応で分かりきってはいるが下位と自覚しているから、頷きが返されたのなら後孔にあてがい、腰を進めて浅く突きつつ入る。]

……あ、なか、っ……。

[率直な感想に頭の悪そうな答えしか返せず後で苦笑い。
元々そういう風に使わないそこはひどく狭くて絡みつくよう。]


 吸血鬼が人間を育てるなんて無理なのだろうか……

[本の表紙に滲んだ紅を撫ぜる。]

 だから……やはり思い込ませなくてはならないんだ。
 皆が私と同じ存在であると。

[血の色を写し込んだ吸血鬼の瞳は酷く寂しそうであった。]


[頬に伸ばされる手に微笑んで厳しかった表情は些か緩む
段々緩急をつけながら、先程体が跳ねた箇所を意識して突く。
跳ねる儚く壊れてしまいそうな体躯がどうも心配事なってしまうけどつい実行に移すことを忘れ、]

んっ、

[潤滑油が接合部体が卑猥な音を立て、昂りが増す。
彼がイッてしまったのなら締りで眉根を寄せながら中から自身を抜いて白濁を吐き出した。]

はぁっ……参休。

[疲れの残る体でその体を抱きしめた。]


 ん……

[目を閉じて裡を探る指の感触に集中する。]

 慣れてなんか無いよ……あっ、そこ。

[彼の問いに答えた所で指が好いと思う場所に触れ、息の混ざった嬌声で甘く善がった。

少なくとも"頭の内では"お前さんとするのは初めてなんだから、慣れて無いという事にしておくれ。
男と交わるのを愉しむようになったのは故郷でだったか、クランに来てからだったか、其れともお前さんと出会ってからだったか。
兎も角お前さんとの関係に慣れる事なんて無いよ。
何時だって初めての想い人を目の前にしたかのように胸が高鳴る。]


 ん……っ?

[下腹部から全身へと這い上る快感に身を委ねていれば、いつの間にか自分の手は彼の下肢へと導かれていた。]

 あっ

[彼の其処が昂っているのを目と手とで確認すればまるでうぶな生娘のように赤面した。
自らの物より大きい其れをこれから……と想像すると息が荒くなる。少しばかりの恐怖と大きな期待で。*]


[夢。
だから、四方を距離も不確かな白に囲まれた空間で。
中央には飴色が艶やかな存在感を示す。
白と黒の鍵盤楽器は現在のピアノとは異なるもの]

 弾いている、男がいる。

[奏する指は逞しく長い。
どのような恰好であったかはその時々様変わり、また靄がかり、定かでない。
ただ、今より年若い見目で幾分細身なその男は、己によく似ている。
手首は枷で繋がれ、思うように演奏できる風ではない。
それでも男の顔に浮かぶ表情は今よりずっと豊かに見える。

傍らに居るのは誰か。揺れる長い髪は女だろうか]


[気づけば楽器の周りの景色は森。
木々に木漏れ日、小川流れる水音に小鳥の囀り、気紛れに色添える花々。
絵画のような牧歌的な風景]

『ここにいることは秘密』

[咎人である己と一緒にいてはならない、そう謂い聞かされているのだ。
時折の、束の間の邂逅。

黒衣の老婆が唆す言葉で陽が翳る。
『殺して永遠にするのだ』魔女の囁き。
謂われるまでもなく、その衝動は男の裡にあった]

 その感触を、よく覚えている。

[絞めた手のひらと潰れた悲鳴と己を見る眸と]


[慣れてないの言葉にふと笑い。]

 いい返事だね
 本当はそんなことどうでもいい

 あなたに苦痛がないのが一番だもの

[言いながら、見つけた、甘い声の上がる場所。そこへの刺激で彼の反応は顕著で。ゆるく扱いただけの前のものがだらだらと先走りのものをこぼし、香油に混じりあう。

丁寧に指で慣らしたそこから、いやらしい水音が響く。 いよいよ、自分のほうが危うい。

早く、そこへ埋めたい。自身の熱を]



 かわいい…

[彼の手を導いて、下肢へと触れさせたら、彼はびくりと驚き赤面する。

その初心な反応に、目を細め、熱のこもる目元でうっとり笑う。恥ずかしげに彼は手を引こうとするが、それを逃さず掴んだまま、自身のものに添えさせゆるく上下に扱く、]

 っ … 
  入れるよ

[吐息混じりでそう言い、
宣言したのは彼の反応を見たい為。

うつむき、濡れた指を彼の生え際で拭う。両の膝裏を抱え、足を掲げさせると、腰を引き、濡れたそこへ自身をあてがう]


[ぴたりと吸い付く様な錯覚、ふやけた肉を割り、腰を進め。かりの部分が埋まればあとは抵抗はすくなく、肉壁の刺激で吐息が漏れる。そうして、暖かなそこに全て呑まれ。]

 っん・・・はいった

[ふふ、と笑って、彼の目を見て。]

 だいじょうぶ?

[問わずとも、苦痛はなさそうに見えたが労わる言葉を。]


[主の声で止まる腕。

 触れる事は叶わない。

  蜃気楼を抜けた先

   掴むことは許されない]**


 くつっ、ふ、あっ

[だから丁重に扱わなくとも良いと言ったじゃないか。
確かそんなような事を訴えようとした筈だが、見つけられた好い所を立て続けに責められてただ淫靡な囀りを齎す小鳥となる。

とろりと身体が溶け出しそうな心地。

彼は態々あっしの手を引いて下肢を上下させるものだから、その雄の部分の温度が直に手に伝わる。]

 やらしい人。

[彼の宣言にはくすりと余裕ぶって唇で上弦の月を描いてみせる。赤い空に浮かぶ月に説得力なんてありゃしないだろうけれどね。

菊の花は指を引き抜かれてからというもの口を開けたり閉じたりを繰り返していて、彼の鈴口が押し付けられれば悦びを伝える。]


 嗚呼……あっしの奥まで来ておくれ、好い人。

[いっその事愛しい人と言っちまおうか。
言っちまったらどうなるのだろう。
其れでもあっしは此の人の事を忘れちまうんだろうか。
此の人もあっしの事を……?]

 ああんっ、

[自らの裡を満たしていく肉が寸の間好い所を擦り、思考を断つ。
すっかりオンナの悲鳴を漏らすようになった己の喉に、また羞恥の気持ちが這い上ってくる。

彼の言葉によって彼の其の大きさをあっという間に呑み込んでしまったのだと知って、本当によく馴染むものだと驚く。
自分の知らない間に実に淫乱な事を覚え込んできた己の肉体に束の間恐怖を抱く。

でもそれよりも、]


 大丈夫だから、早く……

[自ら腰を揺らして彼を誘う。
恐怖や驚愕よりも、渇望が勝るのだ。

渇望は鈴の音が何時鳴ったのかすら忘れさせる。*]


[語られる話の、何割を脳裏に描けたか。
ピアノは知っている。音色も知っている。
けれど触れたことはない。
奏者が、その鍵盤をたたきながら、どんな表情をするのかもわからない。

けれど、眼前の彼に似ているというのならば。
そこを起点に、乏しい材料から想像を重ねていく。
その言葉で、穏やかに描かれていた景色。
それが急変したのは、黒衣の姿が登場してからか。
覚えていると、確かに口にしたその声に、こくりと生唾を飲み込む。]

 ……殺し、た、の?

[比喩をなに一つ含まない言葉で、真っ直ぐに問うて。
何故、とは聞けなかった。]


[彼は「やらしい人」と笑うが、頬は染まり、声は端的で。濡れたそこに、自身をあてがった時、その体はびくりと震えた。]

 好い人?
  それは、どういう意味?

[はあ、と吐息とともに、肉を押し分けながら問うが、ただの反芻みたいなもの。熱にうかされ、頭をさげる自分の視線は熱を帯び。

掲げた足、組み敷いた体。結合部を指で撫で、うっそりと笑う。彼の前のものも主張を強くして触れたらそれだけで達してしまいそうだ。]


 好い声…

[女の様な声を上げる彼に、そう言って。
大丈夫だからと、自分を求める言葉。

身を倒し彼の唇へ口元を寄せ。
深まる結合と、腹に触れる彼の屹立。]



 て、まわして

[彼の腕を着物から引き抜き、自分の方に回す様に促ししがみつかせ。ゆっくりと前後に腰をゆらし、ぎゅっとその力が強まり声が上がりだしたなら、速度を速め。

彼が指で良いと言った場所を探りながらも、自身の熱を追うことに執心して。]



 っ、 は、ぁ 
   もうすこし…


 [あと少し、もう少しで、達することができる。
   そう浮かされた様に、彼の体をゆすって

 思い出した様に彼の、ものに手で触れ愛撫を施す。
   中と前への刺激は、彼にどの様な反応を齎すのか]




 [りんりんりんと鈴の音は遠く
    薬を飲まなければと、不思議な焦燥

           ──吐息と共に彼の中で果て*]
 


─部屋の中─

  薬、のまないと…

[彼の体に覆いかぶさり、荒い息をつき、そう呟く。この部屋に、それがあることを知らない。]



 覚えていない。
 だが、恐らく。

[覚えているのは指に絡む金の髪。
それと、死の淵にあって己を嗤っているような顔。
おとなしく話を聞く様子見せた後の問いは、思いのほか直截なもので。
髪触れる指先の動きが止まる。
その目を覗くよう見返したが、己を見る目に変わりあっただろうか]


 好い人は……好い人だよ。

[ただそう繰り返すのみ。
愛しいなんて口に出す勇気は結局無い、忘れられるのが怖くて。
屹度此れまでもそうして言って来なかったのだろう。
言った事など一度も無いと信じたい。

汗と性との臭いが部屋に満ちていく。
彼の視線が自分の物の辺りに注がれればこの体勢になった事を少しばかり悔いる。
だって彼の物に比べれば些か自分のは……

次が有るなら、そして忘れなければ、後ろからを所望する事にしよう。

彼の言葉に従い抱擁するように彼の身体に手を回す。]


 ね、脚も回すから……

[脚も彼の身体に絡みつかせて接合を深めようと脚から手を離すように頼む。
望みが叶えられ全身で彼に密着したのなら、穿たれた楔が運動を開始し、]

 あぁっ、あっ、あ…っ!

[莫迦みたいに鳴いた。]

 い、好いっ、ぃ、そこっ…!

[彼のが好い所を刺激する度にどろりどろりと頭の内が溶け出していくようで、声を抑える事も出来ない。
彼に回した手と、肉壁とがぎゅうと彼を締め付ける。]


 もっと、もっと、ね、もっと…ッ

[声が涸れるかと思う程感じる侭に嬌声をあげていれば、前に手が伸びてくる。
内部を穿つ刺激だけで善がり狂っていた身体は、自らの雄の部分を愛でられ堪らず弾けた。]

 ああッ……くっ…


[白い。
白い液が二人の身体の間に零れてその下のシーツ迄汚している。
白い液が満ちているのは自らの身体の内も同じこと。]

 薬なら、貰って来てあるよ……

[息を整えながら彼に教える。]

 終わったんならさっさと抜かないかい。

[冷静になると先程の痴態が恥ずかしくてぶっきらぼうに言った。*]


[瞬く。]

 ……殺して、永遠、……

[呟きながら、息を、吐く。
合わせられる瞳越し、揺らぐ遠くを見る。

“友人”の濁っていく瞳が、自分を捉える。
裂けた傷跡から血液の流れる出る速度が、次第に緩んでいく。

喉が、渇いていた。
どうしようもなく、喉が渇いていたのだ。
だから、躊躇いなく、自分は、]

 ……っ、……すみま、せん、

[首を数度横に振れば、視線はその瞳へと戻るか。
跳ねた心臓を落ち着けるように深く呼吸を繰り返した。]


[死にたくないと、懇願しながら。
殺したと、暗に断定しているその身体から離れようとは、しなかった。

それは、その殺意が自らに向いていないと薄ら、感じたからか。
少なくとも、背に触れる指に、恐怖は感じていない。

布の一枚も身につけず、眼前に背中を晒せたのは、簡単に人を信じる性質が故。

内の想いを、知らないが故。]


 …、

[誰かの気持ちが欲しくて、愛を囁いて
 だけど得られたことはこれまであったのか

  どうせ忘れるのなら騙して
    嘘でも良いから

 そしたら満たされるのに
   今だけでも]


[肉を打つ音と、卑猥な水音が部屋に満ち、上がるお互いの吐息と、彼の嬌声。

ぎゅっと、しがみつく体を快楽を追って揺さぶる。自分を締め付けてくる下の刺激は目がくらむ様で。

もっと、と求める声は
己のもう少しで行けるのにという
心中にも重なって]

 …っあ、

[はたりと、腹に溢れる熱い液体。それが自分にも触れ。彼が達した瞬間、奥も狭まり]

 っ、は、ぁ はぁ…

[瞬間、中に己も精を吐き出す
そして疲労で彼に崩れ落ち

荒い息を整え。 ]



 つれないな…

[呼吸が整い、吐精の余韻も半ばに、終わったなら抜けという彼に、少し寂しげにそう言い。

ずるりとそれを引き抜く。
その刺激で彼の体がびくりと跳ね。]

 結局、シーツまで汚れちゃったか

[彼の着物を下に敷いたままの行為だったが、
伝わり漏れたものがシーツまで汚していた

身を清めるものを探すが、彼の下着が目に入ったので、勝手にそれで自身と、彼の下肢を拭い。  

額にうっすらと汗がにじむ。]


 
 あんたの服どろどろ

[くすりと笑って。]

 もう一度風呂にもいかないと
 薬? 用意周到だね…

 あなたの、俺への執着と
 思っていいの?

[目を細めて笑い。*]


[何を謝るのかと訝しみ、
それが彼の裡に向かってのものだと理解する。

己に戻る眸は、先程より不安定に揺れ、
男の胸にも波が立つ]


[開かせた唇に唇を重ねる。
朗読を聞くだけの暇つぶしであった筈だ。
――が。
咥内を舌で探っても血の味はしない]

 ふむ……俺がお前の主人となろうか?

[口許の唾液拭い問う。
遣り取りの後でも肌寄せ離れようとしない、
従順なこの者は、誰彼気にせず懐くのかもしれないが、
気にすることではなかった]

 やはり汚してしまうことになりそうだ。

[己の部屋とは別のシーツに目を遣る*]


 つれないって何だい、恋人同士みたいに
 愛の囁きでも期待してたのかい。
 誰がそんな怖気の走る事をするものか。

[彼があんまりにも寂しそうな顔をするものだからずきんと胸が痛んで、気が付いたら憎まれ口を叩いて仕舞っていた。
嗚呼あゝ、少しは素直になる積りだったのにあっしの口の愚かな事。

見るとどうやら激しく交わってる間に着物の一部が捲れ上がっていたようで、その下のしぃつを汚してしまっている。

笑う彼を見てまた憎まれ口一つ。]

 お前さんの部屋ですれば良かった。

[また彼はのほほんとした笑顔を見せて今度は「執着」なんて言って来るものだから、あっしはきっと眉を釣り上げ彼を睨み付けた。]

 そんな野暮な言い方をしないでおくれよ!

 あっしはお前さんと
 最後までちゃんとしたくて……


 その、だから執着というより……

[俯いて口ごもる。
ああ勢いに任せて口を滑らして仕舞ったものだ。
この後に続く言葉なんて、好きだからとか恋しいからとか愛しいからとかそんな物しか無いじゃないか。]

 やっぱり、執着で合ってる……。


 ッ、 ……ん、ゥ、

[重ねる唇に、瞼は丸く見開かれる。
遠慮も何もなしに差し込まれた舌に、咄嗟に応える事ができず。
ただ、悪戯に呼吸を奪われるのみとなるか。

唇が離れれば、荒く息を吐き出す。
問いかけに、その顔を見上げる瞳は微かに潤む。
瞬き、少しだけ唇を吊り上げて。]

 ……冗談でも、止めて、ください

 ……、こんな、……襤褸で、傷だらけの野良犬を、
 今更拾うなんて、……馬鹿げている

[否定してきた“犬”という言葉を、自ら使って自嘲する。
是でも、否でもない言葉を紡ぐ。]


[是と答えたのならばどうなっていただろう。
殺しはしない、脅えることはない。
その言葉を信じたとしよう。
自分はそれで安堵できるかもしれないが、この狭いクランの中、彼に何の利があるというのだろうか。

それでも否としなかったのは、戯れでも安らぎが欲しかったからか。

シーツへと向いた視線を赤色は追い、瞼を軽く伏せて。]

 ……洗うのは俺の仕事だから。
 貴方が気にする事ではない、……です。

[再びその顔へと視線を戻せば、僅かに首を傾げた。]



 俺はずっと期待してるよ?

[愛の囁きを期待しているのかという言葉に目を細めてそう応え。 ]

 俺の部屋? ふふ
 その時はバスタオルでも持参してきてよ

[下に敷くからと、色気の無いことを言って。だけど次を約束する様な言葉は胸にこそばい。]

 だって、愛ではないんでしょ
 なら、執着でもいいよ

[野暮だと言う彼の頬に口づけ。*]


 ず、ずっと?
 そんな言葉に絆されたりなんかしないよ…っ!

[もう充分過ぎる程に絆されているのだから、嘘にはならない筈だ。
その証拠にほら、頬に口付けてくる彼に今更顔が赤くなる。
それより過激な事を今さっきしたばかりじゃないかね。*]


[星など掴めるはずもない。
 わかっているから手を伸ばす。
 薬が効いて来たのだろう、頭痛は緩やかに弱まり始める。
 なんだったのだろう、あの映像は。
 『あの映像』とは、なんだっただろう。

 そう。
 絵描きが誰かに殺される夢。
 いや、絵描きが誰かを殺す、───夢?]


[呼吸を奪われくぐもった嗚咽が洩れる。
潤んだ眸に眦の下がるのは、己の加虐をそそる何かがあるのだろう]

 犬なのか、違うのか。
 気にするな、俺は物好きなんだ。

[今では包帯姿ではなくなった男の自嘲に、
笑み浮かべ答える。
シーツを追う眸の、仕事という言葉に頷いて]

 そうか。
 では遠慮しないことにしよう。

[これまでも遠慮などしていなかった癖に、宣う]


[赤毛の背を片腕で抱いたまま、シーツの上に仰向けになる。
己の上に乗せた男の顔を両手で挟み、]

 襤褸という程ではない。

[相変わらず慰めには足りぬ言葉。
その後、先ほどより柔らかな口付けをする。
口付けたまま、ガウンの下の脚を相手の脚に絡め、
下肢を押し付けた*]


 ……なら、どうすればいい、
 首輪でもつけて、……貴方の側で伏せていればいい?

 貴方は、……俺に何を、求めている……?

[扱いは良くなかったとはいえ、かつては任せられる仕事が常にあった。
けれど今は、自分から探さねば仕事の得られぬ身。
物好きな主の元についたことなど、無い。
だからこそ、ただ、真っ直ぐに問う。

遠慮をしないという言葉に、小さく頷く。
優しくされるのは嬉しいけれど、それと同時に戸惑いも覚えてしまう。
いっそ道具のように扱ってくれる方が、何も考えずに済むのだろう。

そんな風に自分を扱う者は、この施設にいやしないのだが。]


[抱かれた身体がぐるりと廻る。
仰向けたその身体に、俯せるように。
腕を突き、軽く上体を持ち上げれば、両の頬に触れる掌。

緩慢に瞼を瞬かせた後、静かに唇を受け入れる。]

 …… は、ァ ……ッ

[押し付けられるのに応じるように、微かに腰を揺らす。
上体があまり密着しては、そのガウンを汚してしまうのではないか。

緩みかけた腕の力、半端に上体を起こしたままの姿勢となる。]



 ……ふ……ッ。

[ 無遠慮に突っ込んだ指が丹念に舐め取られ、息を漏らす。

謂われるまま奉仕し、相手に添おうとするのは、
この者の過去が作り上げたものなのかと。
己とは違う種を見るような思い]


[息を、止めた。
 部屋の中からは誰かの気配と、微かに漏れ聞こえる
 覚えのある、───嬌声。]

 ……、……───

[何秒だったか、数分だったか。
 永遠にも等しい刹那。
 音にならぬように息を吐き出して。

 ふと、唇に弧を浮かべた。]


[支えろという声に、頷く。
急に外気に触れた足が、温もりを求めてその足に擦り寄るだろう。
それよりも先に、触れた指先に体は跳ねたのだが。]

 ぁ、 ……ぁッ、は、
 ……っ、…… こう、で、……いい、……?

[促されるままに上体を起こし、腰を下ろせば肌に擦り付けられた熱を感じる。
それを意識すればするほどに、呼吸は浅く、荒いものへと変わっていく。

止まぬ愛撫の指先に、傾ぎかける体。
体重をかけないよう。
言われた言葉を守るべく、背を丸めてシーツへと腕を突けば、自然その顔を見下ろすようになるだろう。
腕の傷から滲んだ血液が、汗と混ざって白いシーツへと一滴、落ちた。]

 ……は、……ッ、 ―――

[扉の外、微かに何かの気配を察すも、惚けた頭ではその正体へは行き当たらない。
伏しがちの瞳に此方を覗きこむ顔を映せば、羞恥に顔に血が昇る。
それでも欲に忠実な身体は、更に快楽をと腰を揺らしていた。]


[歪んだ唇を、自分自身で見ることはできない。
 ピンとはった三日月。

 忘れていいと謂ったのは、男自身だ。
 きっと、忘れてしまったのだろう。
 昨夜、返された言葉があったか。]

 …………、…。

[拳を握りしめたのか。
 唇の端を噛んだのか。
 わかりはしないが、何かが、痛い。]


 ───ヒュー。

[扉に触れようと手を伸ばしたが、それも出来ぬまま。
 中に声をかけた。
 震えるなと、発する音にだけ気が摩れるほど意識を傾けて。]

 終わって、包帯
 巻き直すんじゃったら
 風呂おいで。

[なんでもないように。
 何事もなかったように。
 告げて、離れる。]


[擦り寄ろうとする脚が、己の手指の動きで身体ごと跳ねる]
 
 それでよい。よく見える。

[起こされた上体の傷だらけの裸身に目を遣り、
目に留まった尖りの片方に空いた腕で触れる。
下腹部に合わさるよう落とされた腰の体温を感じながら、
押し付けるよう、こり、と撫で摩り]

 可愛らしいな。

[己の言いつけを守ろうと身体支える様子に、
思わず洩れる。
もう片方の、揉みしだいていた手は茎に伸び、
上下へ緩く動かす。
己を認めた羞恥の顔の、思いもよらぬ色香]



 ……――――。

[言葉にならない満足気な息を吐く。
動かす手から親指の先を先端に押し当て、指の腹でなぞる。
朱の刷けた顔と淫靡な腰の動きに、己の中心も硬く持ち上がり、
揺れる尻に触れた*]


[その視線が、自らの肌を眺めている。
見下ろす姿勢、その瞳の動きに気付けば、突いた手はくしゃりとシーツを握り締める。

よく見えると称す声。ならば隠してはならないのだろう。
心臓の音が、耳に煩い。]

 ぁア、っ、 ……待っ、……や、
 ……っ、 ん、

[跳ね上がる声を、飲み込んで。
擦る掌の動きに合わせ、体を揺らす。]


[扉の向こうの気配が、はっきりと実像を描いたのはその声がかけられた時。]

 ……くあ、……とろ、……?ッ、あ、 ぁ、ッ

[名を呼ぶと同時、勃ち上がる熱が臀部へと触れれば、一際大きく体を跳ねさせた。
終わったら。風呂へ。
表面上の意味は聞き取れても、処理が追いつかない頭では、その声音に篭められた想いを察することができずにいる。

終わったら。風呂へ。包帯を巻きに。

片手を離し、腰を上げ。
勃ち上がる茎に触れればそっと自らの孔へと宛てがう。
解しもしていない其処は、その熱を受け入れられる状態とは言い難い。]

 っ、これ、……
 ……いれて、 いい、か?

[息継ぎの間、問いかける。
問いかけの答えを得られるまでの間、せめてと自らの指で後孔を解そうと試みるだろう。]


[齎す痛みがどれくらいになるのか、想像はできるが行動を止めはしない。
こんなに張り詰めた状態で、自分ばかりが快楽を得ていて良い筈がない。

結局、常通りの思考の上に成り立つ、自己犠牲の考えから来る行動なのだろう。
そしてそれを指摘されれば、自分はきっと否定できない。]

 ……ッ、ふ、 ……ぅ、 

[潤む瞼の縁、涙の雫は留まり、落ちずにいる。**]


[今でも律儀にこちらの意志を問う言葉に、少々焦点の外れた瞳が困った様に笑む]

好きに、していい……

……っ、うあ

[ああでも、あまり身を離すのは駄目だ――紐が引かれて痛いから。
 遙か昔の習慣がふと蘇り、頬へと伸ばした手を首筋に滑らせ上体を寄せた。分け入られている場所からは随分と粘度の高い水音が響いて脳髄の芯を痺れさせていく]


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