情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 8日目 9日目 エピローグ 終了 / 最新
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
[ある日、久しく会えなかった家族の悲鳴を聞いた。
いつの間にか、耳は遠く微かな音まで捉えるように、
脚は一息で飛ぶように速くなっていた。
気付かぬ内に、男児の遊びを遠くで見ているだけの
のろまな子供は姿を消している。]
――真、弓ちゃん。真弓ちゃん……?
[扉を叩く。ドアノブを掴んだが鍵が開くかどうか。
微かに漏れ伝う紅の香が、寒気を際立てていた。]
[給仕が入った時のまま、
錠の降ろされてない扉は簡単に開く]
――……、明く ん ?
[血の洗礼を浴びて立ち尽くす。
ゆっくりと戸口を向いた双眸は緋色――、
不吉な月の色に変じてた。
そこにあるのが“家族”だと認識すれば、
大丈夫、と笑って見せようとして、表情は強張った。
そしてそのまま血の海の中に屑折れる]
[くずおれる真弓に駆け寄る。
毛足の長い絨毯がびしゃりと音を立てた。
全身真っ赤の体を支えようと手を伸ばして、
どうしたら良いのか、と戸口を振り返った]
……真弓ちゃん……っ
……明くん、
わたし、だめだった……、
[明乃進に支えられ、
問いかけるような眼差しで見上げた。
――どうすればよかったのか。
戸口からはほどなく側仕えの者が訪れるだろう。
こんなことは主にとっては計算済みであろう、
すなわち餓えの反動はより強い衝動となること。
雛はその身を持って、ひとつ、学んだのだ]
[緋色の双眸は艶やかな翳りを含んで、泣いて見えた。
自分が与えられる血に後ろめたさを覚えながら
けれど、甘んじている間も、一人で耐えたのだろう。]
……僕は、真弓ちゃん、にも、生きてほしい。
だから、ねえ。
つらかったら、頼って――いいよ。
家族なんだよ……?
![]() | 【人】 死ね死ね団 サミュエル>>364 (369) 2014/02/09(Sun) 17時半頃 |
![]() | 【人】 死ね死ね団 サミュエル
(371) 2014/02/09(Sun) 17時半頃 |
明く、ん、
――……ごめん、ね……ごめん、
[震える口唇が、謝罪を紡ぐ。
何に謝っているのか、きっと自身もわかっていなかった。
たとえば彼の服を血で汚してしまった、
この時認識してたのはそのくらいだったけど。
でも、その言葉の本当の意味は、まだ 届いていた。
“家族”という言葉に、
双眸が滲むように揺らぐ。
それはいちばん大切なこと。
――血の穢れを落とすように、と、
側仕えが、引き剥がすようにその身を連れて行く。
明乃進から離されるのに、いや、と首を振っていた]
[豪奢な浴室、流れる湯を穢す赤。
まだなだらかな曲線にそって伝い落ちる。
もちあげた指、尖ったつま先、磨かれた氷のような爪。
鏡を見れば、別人の顔がある。
血の洗礼を浴びて、少女は変わる。
拒んでいた全てを受け入れるようになった。
学ぶことはもともと嫌いではなかった。
けれど知識、立ち居振る舞い、教養作法も
好悪など関係なく、ただひたすらに吸収するだけのものに過ぎなかった。]
[そして――、
憂いと憎悪と寂しさと恋しさと、
複雑な感情は割れた色硝子のように複雑な色を為し、
成長する少女に繊細な陰影をもたらす。
その緋色の瞳なくとも、
人外の者とわかるような冷たい美しさとして*]
[なのに今、真弓の手はひどく冷たい気がする。
謝罪に首を振り、手の甲をさすっていると、
彼女を連れて行こうと、後から人がやってきた]
だめ。
[それを制する自分の声も、どこか冷たい気がした。]
……大丈夫、真弓ちゃん。
いなくなったり、しないよ――大丈夫。
だから、行って、おいで。
[しかし、家族に傾ける時には変わらず温かく。
安心させようと、一度手を握って、湯に向かわせた]
![]() | 【人】 死ね死ね団 サミュエル[距離を引いて、九節鞭は頭上で回しながら、しゃがみ込む] (382) 2014/02/09(Sun) 18時頃 |
![]() |
[給仕から血を差し出されることがなくなり、
周囲に『動く血』が放たれるようになってから、
一時、少年はぴたりと食事をやめた。
狩りやすいと見なされ初めに与えられた子供達を、
決して襲おうとはしなかったのだ。
耐えて、耐えかねて、初めて意志で手に掛けたのは、
いつだったか家族の陰口を叩いていた大人の男だ。
卑怯にも足音を殺して後ろから襲った。
初めて命を選んだその日、意外と呆気なくて
誰にも何も言えなかった]
[故に、己の周囲に大人が配されるのは早かった。
体が変わった分、箍になるのは心の方で、
敵意を向けて来る者の方が襲いやすかった。
――故に、己にとって『人間』は、
己と家族に敵意を向けて来る者なのだと、
少しずつ、少しずつ――
染み込んで、そして上達は早かった。]
[やがて黒百合から本格的な訓練を受けるようになる。
披露された怯える人間達に、眉を顰める少年は
畏れ多くも、儀式を施した主に口を挟んだ]
……それは、――いやです、
自分の罰、は、自分で…………っ!
[言うが遅いか、問答無用で刺し貫かれる少女に、
今度こそ言葉を失った。
強くかぶりを振る。
嫌なら真面目にやることだと、真紅が笑っていた。]
それなら、――お願いが、ありま、す。
うまく、できたら…………外に出させてください。
[願いが興をそそったか不興を買ったか。
いずれにしろ、手を変え品を変えて賜る洗礼を
死にもの狂いで受け入れる以外に道はない。
敷かれた道を斃れるまでゆくしかないのなら、
それはただ、家族のためにゆきたい、とだけ]
[されど、柊。
心の臓を服従に巣食われながら、
鬼を刺す木は雪深く、息をひそめている**]
![]() | 【人】 死ね死ね団 サミュエル>>337 (387) 2014/02/09(Sun) 18時半頃 |
![]() | 【人】 死ね死ね団 サミュエル ――…… (388) 2014/02/09(Sun) 18時半頃 |
![]() | 【人】 死ね死ね団 サミュエル>>346 (398) 2014/02/09(Sun) 19時頃 |
― それから ―
[金髪と黒髪によって僕らは新しい世界に迎え入れられたけど、
新しい世界の全てが僕らを歓迎したわけじゃなかった。
なんでこの人たちは怖い目で僕を見てくるの?]
……っ
[彼らは街の子達のように僕をからかう真似はしない。そっちの方がわかりやすいのに。
でも、彼らの中には僕が訊いたら答えてくれた人もいた。
僕らは“始祖様のお気に入り”だって。“選ばれた”んだって]
そんなの、どうでもいいじゃん……。
[僕はそう言った途端余計怖い顔で睨まれた。だから部屋に逃げ帰って泣いた]
[僕はただひとつのことを僕自身に化していた。
――決して誰かに助けを求めてはならない。
肌触りのいいベッドの中で泣くことはあっても、ここにいない誰かに助けてって言うのだけは我慢した。
ここに連れられてきゅうけつきになったにーさんやねーさんにも弱さは見せられなくって、
そういうのをずっと抱えたまま、僕は時を刻んでいった]
![]() | 【人】 死ね死ね団 サミュエル― 養成所の庭 ― (399) 2014/02/09(Sun) 19時半頃 |
[
瞳の色が、綺麗なその色に。それが間近に、あって。
内心に押さえ込んでいた恐ろしさと絶望感で、かみ締めた唇は深く切れた]
…ありえないなんて……
[ありえないのだと言葉を続けようとして立てられた牙
その後、祝杯をあげるまでのことはよく覚えていない。
ただ、その瞬間発狂したように叫んだことはしっかり覚えている。
目の前にある杯を映す目は赤い。血を見て、喉がなったことに酷い嫌悪感と…]
![]() | 【人】 死ね死ね団 サミュエル>>400 (402) 2014/02/09(Sun) 20時頃 |
![]() |
[その後、血を口にする過程は他の家族とそう変わらなかった。
拒絶して、もがき苦しんで、そして口にした赤は生臭い鉄の味。
そしてそこからこみ上げてくるものに吐いてはまた求めて、極限状態になった時、ついに「家畜」に手を出した。
端から見れば、まるで獣が人に襲い掛かったようにも見えたらしい。
その初めて牙を立てた家畜は…どことなく、「誰か」に似ていた]
[それから悟る。あぁ、もう「戻れない」のだと。
紅い血溜まりに映る自分は双子の弟そっくりだった
自分が離してしまった小さな手。その時の弟の顔が今でも責めてくるようで。
おいて逃げて、再会した時のサミィの顔。]
……。あぁ、ごめん……。ごめん、ね……。
[そこからぱきりと張り詰めていた自分の何かが壊れてしまった。
自分を苛んでいた彼はもういないのかもしれない。
自分は殺されない。なら、せめて果たせない約束であっても守らなければいけないのだと]
![]() | 【人】 死ね死ね団 サミュエル>>405 (406) 2014/02/09(Sun) 20時頃 |
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 8日目 9日目 エピローグ 終了 / 最新
sol・la
ななころび
下記の場所以外では、人狼議事内キャラチップ
の利用を許諾しておりません。ご了承ください。
議事総合トップ
人狼議事lobby
人狼議事morphe
人狼議事cafe
人狼議事perjury
人狼議事xebec
人狼議事crazy
人狼議事ciel
SoyBean
Sangria
@hello_giji
@7korobi