197 獣ノ國
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錠さん、犬なんて飼い始めたんですか?
[押入れから覗く尻尾をちらりと見てはお茶を飲み干した。]
(188) 2014/10/08(Wed) 01時頃
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□獣につゐて
20xx年10月3日 xx:xx
マイケル
話に追いつけてない、過去ログ戻ってくる
追放?って思ったら行方不明か。そっちも噂?
ジョンソンエンドジョンソン
しかも割と話すヒトっていう
ジョンとも知り合いとかなら笑う流石にないな
獣人の子だっけ、良い方に向けばいいけど
マジで?俺も愛しの上級生と会えて舞い上がってたわ、
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五年か、君の顔にも見慣れて来る筈だ。 来たばかりの頃は、もっと髪が赤かったがね。
[>>186荒んでいた時期を本人の口から聞く機会は無かったが、 時間の経過と共に、彼は接客に熟れて来た気もする。 店主の明かした彼の素性も、ほんの少しだけ小耳に挟んだが 無駄に吹聴はせず、いまに至る。 過去が後悔に染まったものであろうとなかろうと、 今は色取り取りの風物と共に生きているのだから
寝物語と己の語る小咄への解釈が 青年に何かを結びつけているのかは解らないが、 話に耳を傾けている時のトレイルは穏やかに見えた。]
人間の縁とは奇妙なものだね。 同じ釜の飯や一杯のかけそばを食えば腹も頒かつというが、 同じ銘柄を吸えば、信を預けて良いと思えるなんて。
(189) 2014/10/08(Wed) 01時半頃
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[男が吹聴を好まないのと同じように、 青年もまた無駄に痛みを広げないのでは そう感じる処が或る。
喩え接客に慣れて来たとしても、 厳しくも甘い店主の下で働いて来たからこそ、 今の彼は好青年として「生きて」いるのだろう、と。]
あぁ、或るな。 身近なところに棲んでいるものらしいぞ。
[掲示板にもそんな句が綴られていた気もするけれど。 青年の視線がある一点を捉えていることに、 もはや取り繕う事はせず、出ておいで、と軽く声をかけて。]
(190) 2014/10/08(Wed) 01時半頃
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□獣につゐて
20xx年10月3日 xx:xx
マイケル
匿サン
匿さん忙しそうだって話してたし大丈夫
こっちこそいきなりでごめんね
午後か、折角だしちらっと見に行きたいけど無理そうかな、何か進展あったらココでも教えてもらえたら。
匿さんもまだ獣人見た事ないんだ。
生きてる?
柿食えばサン
獣人と同居生活ってことか、凄いな
他に居るのかな、見たってヒトは聞くけど。**
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うん、つい昨日からな。 此れもシークレットにしてくれよ?
[>>188人差し指を立てて唇の前に押し当てる。 ゆらゆらと紫煙が灰皿から上り、視界を濁らせ歪めた。
よくは解らないと告げられた手前、 青年のヘーゼル色の瞳を横目で見遣り]
ところで、――
(191) 2014/10/08(Wed) 01時半頃
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君はこれまでに、半獣を見たことがあるかい。
[与太話の途中で色合いを変えるのは、 早朝の肌寒さも消え失せ、雨を忘れた陽光が包む時刻。]
先程メールに書いた送り狼にも由来があるんだよ。
これは人に憑いて回る獣とも護り神とも呼べる存在で、 獣の通るテリトリー区域を歩む者を護衛するのだと。 他の狼が獲物と解して飛びつかないように 自分の匂いを寄せているのだとか。
ただし、転んだり振り返ると食い殺されてしまう。
[一般的な送り狼にも共通しそうな最後の句を告げて、笑い。]
君からも獣の匂いがするのだけど、 君の耳は普通の耳だな。
[半分カマをかけて告げ、転ばぬようにと助言する。**]
(192) 2014/10/08(Wed) 01時半頃
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抜荷 錠は、メモを貼った。
2014/10/08(Wed) 01時半頃
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― 回想 シメオンくん宅 ―
[自分の所為か、傾いた彼の体>>169を学生はぼんやり感じていました。すん、と一度鼻を鳴らせば途端に拡がるのは彼の香と、雨の匂い。慣れない其れと、慣れた其れ。相反する二つの香に思考回路が鈍り真面な線が機能しなくなり行きます。学生はまるで微温湯に浸る心地を持ちながら、彼の疑問符に一つ頷いたのだったか。*]
――シメオンく、
[まるで彼が余裕を保て無くなって居る事など知らずに、背に回された手が離れたのなら、離れ行く体温に寂寥を。少しでも温かみを求めるその姿その瞳は強欲とでも揶揄われたのでしょうか。 そうして頬に寄せられた手には、少しだけ首を傾げました。擽ったがるように小首を傾げ、鴉色の髪を揺らし。 彼の日々常浮かべていた薄笑など思い付かない程に柔に並べられ、学生へ手向けられた言の葉>>170には。自分の瞳を丸くし、嘆息の息を吐きました。]
(193) 2014/10/08(Wed) 01時半頃
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……す、…………き。…だよ。
[負けじと返した言葉は、然し尻凄みしてしまったけれど。背凭れへと体を、重を預けながら、ぎこちなくも伝えられた事に満足感を。触れられていることには緊張感を抱くのでした。 意識すればする程、彼を突き飛ばしてでも逃げたくなる衝動を抑え、耳朶を、首筋を移り、擦る其れには咽喉を引き攣らせ、悲鳴にも似たものを蚊の鳴くような声で上げることだって。 学生を肯定してくれた様な言葉>>170を今一度、もう一度とエゴイスティックに身を委ねながら彼の視線を見詰めると、降って来たのは御伽噺の其れとは程遠い、口付け。探るような彼の舌に背筋に情欲を走らせながら、学生は彼のシャツにまた一つ皺を作り、そうして口付けにこたえるのでした。]
、ん……ッは…ぁ
[囂しいとさえ思える心音は、耳音に深く残り響き。腰元へ落つる彼の手には空いた片手を重ねることもしたけれど、止めることはせずに。誘うように自分のシャツを押し上げたのなら、彼の手を中へ滑り込ませることもしたでしょう。尤も、厭がる素振りが見られれば手を重ねるだけに止めることだって。]
(194) 2014/10/08(Wed) 01時半頃
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――ねえ、もう。調子に乗っちゃうからね。
[口付けを一旦離す事をすれば、学生は近しい距離で囁きました。家に飼われる約束をしたメールの件名に綴った言葉は、深く脳裏に刻まれています。学生は彼に言葉を捧げると、その首筋へと今度は自ら唇を落とすのでした。横筋を下へ下へとなぞり、襟を割っては付け根に吸い付き。鎖骨まで見えることがあったのなら、甘く噛んだ後に舐り。ひとつの味も味見忘れないようにと、淑やかに舌を這わせました。 漏れる吐息は規律正しいものでは無く、熱を帯びたそれ。 間も無くシャツを掴んでいたその手は、距離をより近付けるようにと彼の腰へと回されました。**]
(195) 2014/10/08(Wed) 01時半頃
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[着替えたところで、仕事に向かうことにした。
鼬の姿で居られればもっと早く行けるのだがな。
そんな事を思いつつ早足で歩いていく。
やがて目的地の屋敷に着けば門の前に立つ下男に事情を話すのだった。 便利屋であると。 通して貰い、説明を受け、この屋敷の主の姿が見えないようであれば、早速取り掛かるのだった。]
(196) 2014/10/08(Wed) 02時半頃
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"出ておいて"
[声に誘われて>>190姿を見せたのは先日、店に来た人だっただろうか。押入れから覗かせていた尻尾に耳は"獣人"と呼ばれる人種に近しい姿。彼女の全身を眺めては驚きの声もあげずに]
先日はご来店ありがとうございます。 まさかここで会えるとは思いませんでした。 ご注文の向日葵はあなたので?
[くすりと笑みを零して、ゆらりと揺れる紫煙の越しに「もちろんです」と頷いた。それは姿が暴かれた獣人の行く末を掲示板で知っていたから。]
(197) 2014/10/08(Wed) 02時半頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2014/10/08(Wed) 02時半頃
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[次いで語られる物語>>192に耳を傾け、最後の言葉に苦笑い。]
錠さんの話は何を聞いても面白い。 こんな俺でもわかりやすくて、すぐに頭に入ってきます。
…残念ながら俺はただの人です。 御伽噺を渡り歩くただの人。 主人公は獣人である君。 錠さんはその獣人と結ばれる登場人物。 そして"今日も"一つの御伽噺に出くわしているのはこの俺です。
[その言葉はまるで別の獣人に会ったとでも言わんばかりで。]
(198) 2014/10/08(Wed) 02時半頃
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[主に放っておかれた煙草はただ燃えるだけ。 長く伸びた灰はこちらが手を加えることなく、ぽたりと落ちては紫煙の柱もか細くなった。]
さてと、俺はそろそろ失礼しますね。 錠さんの話は面白かったですよ。 また来月に伺いますので。
[煙草の火種を消しては居間を後にして玄関へ。 靴を履いて振り返れば半獣の話を思い出す様に口を開き]
もし半獣に出会ったら―… 食い殺されないように頑張ります。
[獣人に半獣。 最近のこの國は面白いことばかりが起きて、不思議と楽しんでいる自分がいることに気づかされる。挨拶もそこそこに玄関の扉に手を掛けると「お幸せに」と冷やかしの言葉を投げかけ姿を消した。
携帯には友人からのメール>>159を告げる画面が持ち主をずっと呼んでいる**]
(199) 2014/10/08(Wed) 02時半頃
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―――――――――――――― 差出人:トレイル 宛先:ヤニク ―――――――――――――― Re:Re:Reおはよう寝坊助さん 20xx年 10月3日 ――――――――――――――
よくわかったな。 お前の言う通りだ。 あの時は悪かったな。空気を読んでくれて助かった。
お前はそんなに甘い物を食べていたのか? アップルパイか。わかった。何処かで見つけて買っておく。
追伸:お前が俺を誘い込むのなら。
――――――――――――――
(200) 2014/10/08(Wed) 03時頃
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[客人の家を出た所で携帯を片手に友人のからメールを返信。
これだけ頻度よく友人とやり取りをすることも今まではなくて、送られてきた追伸文の意味を考えては、打たれた文字は何度も消されて最終的にたどり着いた短い文章を送ることになった。
そして無責任に投げ出した文章を放置したままの掲示板へと画面を切り替え、やりとりを読んでいく。]
(201) 2014/10/08(Wed) 03時頃
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□獣につゐて
20xx年10月3日 xx:xx
匿さん
?
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[それは、あの日と少し似ていた。手を差し出し、それが取られる瞬間>>1:11に。 止まったその手>>165、微かに感じ取れる鹿角への視線。その辺りは想定通りだと、唇の先から細い息だけが漏れる。]
(――あまり驚かないんだね。…皆そうだったけど)
[第一声>>166への感想は、その程度。と胸の中で、他人事のように締めくくる。込み上げる熱は収まりも、溢れもせず。なみなみと注がれたコップのようだった。
…訪れてしまう想定通りの沈黙に、地を、布が擦る音が乗る。 呼びたい名は、喉奥で止まっていた。口にした拍子に、立ち去られないか、他の物が零れてしまわないか、ありきたりの心配ばかりが脳裏を駆けて。囁く。]
(ほら、――逃げる? 追いかけも、襲いもしないよ)
[それは、どちらへ向けた言葉だったか。 知らず知らず重なろうとしていた、静かに零れる互いの息の音が、喉の締まる高い音と圧に混ざって、不規則な音へと戻る。*]
(202) 2014/10/08(Wed) 03時頃
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□獣につゐて
20xx年10月3日 xx:xx
匿さん
理解した。
はポケットの中で勝手に送信されてしまったものらしい。
色々と俺に返信ありがとう。
獣人については全く見なかったわけでないです。
少なくとも二人の獣人に会いました。
人とはなんら変わらない良い人たちでしたよ。
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[ある書き込みで手が止まる。 それは自分の書き込みにレスを返した一人の相手。
先程届いた友人からのメールと返事を返した人物の内容を見比べ、手馴れた手付きでその相手のみに返信を返して、掲示板を見るようになった日からの書き込みを追っていった**]
(203) 2014/10/08(Wed) 03時頃
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□獣につゐて
20xx年10月3日 xx:xx
匿さん
そして俺はどうも会わなきゃいけない人がいるらしい。
>お花畑の匿名さん
炭酸の入った蒲萄ジュースの手土産にアップルパイで待っている。
お前のタイミングで良い。
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――っ、 ………、
[撫でるような声>>167だと思ったのは、そう――。 咄嗟に飲んだ息が、唇に僅かな音を生み、早鐘を鳴らして回る。目が回りそうな熱の中、首だけをどうにか横に振り、堪えた。
鼓動が耳に焼き付く中、警戒の薄そうな歩みは、ただ呆然と見守るしかなかった。 やがて、止まっていた気配が腕へ伸びれば、数拍遅れて、固まり切った指はキャスケットを地に捨て落とし。相手の手首を、震えと共に掴み取った。
手首は掴んだまま、その場に崩れるようにしゃがみ込むと。漸く、その表情をゆるゆるとした鈍い仕草で仰ぎ見た。 その上を掠れた声が過ぎ、暗灰色が日常めいた言葉と共に、鳶色へと落ちれば。深く息を吸って――滲んだ鳶色が伏せられる。]
…… ……シメオン、が …こわい
[足元に落ちたキャスケットに、灰色が滲む。 ――今の方が、逃げるよりもかっこ悪い気すらした。]
…――これでも こんなでも、俺を友達だと、呼ぶの。
[手首を掴む指は、振り払おうと思えば振り払える強さまで落ちて。引き攣り震える声が、成り損ないの軽い声色で問いかけた。]
(204) 2014/10/08(Wed) 03時頃
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[ 擡げた視界に映る僅かな動揺>>204 には、ただ緩い姿勢は変えずに歩み寄る。声に出さず首が振られるのには、小さくそう、とだけ頷いた。“じゃあ何でそんな顔してるの?”とは心中の疑問に留めたまま。顳かみ付近から伸びる黒角と、鳶色を交互に見やりながら。]
…ッ、……?
[ ――キャスケットが地面に音を立て、落ちる。
その間に伸ばした腕を掴まれるのには、寸暇呆気に取られながら。 取ったその手が震えていれば、咎める事も振り払う仕草も見せずただ従った。怯え切ったようなそれに、暗灰色は静かに、微かに――緩んでは。
――まるで獣に出会ったヒトみたいだな、と心中で喩えては、逆の立場になったような錯覚に陥る。 獣から見ればヒトは、皆同じ様に見えるんだろうかと揺れる思考のままに巡らせつつ。
……しゃがみ込むのには腕は取られたまま、友人を見下ろしていた。絡む鳶色は微かに揺らいでいたのだったか。 問いには応えず、ただ伏せられるそれを追う様に、自らもその場に腰を下ろす。*]
(205) 2014/10/08(Wed) 07時半頃
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……怖い。 俺が? ――どうして?
[ こわい、と。まるで幼い子供が告げるようなそれ>>204には、柔く斜にした視線を落とした。 交わした鳶色の奥と、合わせた掌を思い返すように脳裏に過らせつつ――問いかける口調はただ軽薄に。力なく握られた腕は、抵抗無いままにだらしなく垂れ下がったまま。やがて耳にした軽い声色には、黒い鹿角の生え際をただ一度見据える。 硬く伸びた、人のものではないそれ。人とは違うオズ。――獣の。]
……呼ぶよ。 ねえオズ。――オズの目から、俺は何に見えるの?
[ ――掌は取られず、それでも逃げる事もなく。 落ちたキャスケットを空いた手で拾い上げ、砂埃を払いながら。その鳶色を掴もうと、顔を傾けては尋ねかけた。]
(206) 2014/10/08(Wed) 07時半頃
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シメオンは、トレイルに話の続きを促した。
2014/10/08(Wed) 07時半頃
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――回想・自宅――
[ 背から手を離せば名を呼びかけられ、僅かに惜しむような瞳とかち合い、 ――低く咽喉が鳴る。誘われるように頬に触れ、その耳元へと息の篭る声を流し込んだ。鴉色が自らの頬に触れかかれば、じり、と背筋に熱が走る。]
――、…俺もだよ。
[ 途切れかかって、それでもこちらに応える言葉>>194には暗灰色を細めて。 その声を更に求めるようにして、背凭れへと押し付ける力を強くする。 耳朶から首元へと擦るようなそれに微かな声が上がれば、抑えが効かなくなる感覚に口角を歪めた。 ……やがて絡んだ視線に尚それが煽られれば、探る舌を深く咥内へ這わせる。相手のそれが絡むのに柔く応えつつ、途中漏れる息には、自身の芯へと熱が昇るのを感じながら。*]
…ッ、は、……
[ 耳奥で鳴るのが相手の、または己の拍動なのかも分からないまま。 重なった手がシャツをたくし上げ、誘導するのに任せ、その中へと手を滑り込ませる。
――腰から上へ辿り撫ぜながら、付いていた膝をその両足の奥へと割り込ませた。スカートが自然ずり上がれば、露わになった大腿へ布地を擦り付ける。]
(207) 2014/10/08(Wed) 07時半頃
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――責任取るから、乗っていいよ。
[ 先輩がナルシストになっても、と口頭に乗せれば、首元へと>>195息が近づく。 まるで食事じみたその行為には、上がりかける声を抑えた。――鎖骨に歯を立てられるのにはびくりと体を震わせて、眇めた視線を熱い息ともに相手へ落とす。]
…ッ…、先輩…―
[ 腰に回る手を感じながら、体ごと割り入り相手の膝裏へと手を掛けた。緩くそれを持ち上げながら、ソファへ横になるよう促す。 従ったのならそのまま再度シャツの中へ手を這わせて。もう片手の甲を何度か内股に滑らせ、その奥へと触れかかりつつ。 先ほどへ返す様に首元へ顔を近付け、白いそこに何度か吸い付いて跡を残しながら、弱い皮膚へ歯を立てる。]
――脱いで、
[ 顔を寄せたまま、熱に上擦った声色でシャツを示し告げては、また緩く口付けた。**]
(208) 2014/10/08(Wed) 07時半頃
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[押し付けられた紙袋>>119を見詰めて、これを本当に受け取って良いものかと暫しの逡巡を。けれど結局諦めた様にため息を吐いて、テーブルの上に置いた。……貰えるものは貰っておこう。 席に座る獣の青年を見送って、好物だと言いながら>>120珈琲を受け取る様には安堵の息を吐いただろう。もしかしたら、"彼"と趣向が似てるのかしら、なんて。ぼんやり考えながら。ジャニスにしたら、珈琲が好きだなんて理解出来ない事だったけれど]
いいえ、まだ……。 あら、アナタも?気の多い天使さんだこと。
[遠慮無くミルクティーを口にしながら、端末を操作する。その唇は苦笑めいて吊り上がっていただろう。同じ相手からの着信が、何だか奇妙な友情の様なものを感じさせて]
――アタシは、もう、演技はしないから。 少なくとも、此処では。
……だから、アナタのベルにはもうなれない。
[珈琲を飲み干す姿>>122を、無感情な瞳で見詰める。 続く口上>>123には、眉を寄せたまま皮肉げに口端を上げた。 崩されていくチョコレートケーキ。楽しげな口調。けれどどうにも、それに乗る気にはなれない]
(209) 2014/10/08(Wed) 09時頃
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[やがて空っぽになった皿と、立ち上がる彼とには、そっと目を伏せて。去る背中>>124に追い縋る様に、言葉を贈る]
ジャニスじゃないわ、ヨハンよ。 ヤニク、アタシ……アナタと友達になりたかった。
[もう、きっと。会う事は叶わないのだろうけれど。 こうやって贈った言葉も、届いているかは分らないけれど]
ええ、また会いましょう。 アナタにも、天使のご加護があらんことを。*
(210) 2014/10/08(Wed) 09時頃
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[物置に続く襖戸をを自ら開けないのなら、 この手を伸ばし、横に引いて促そう。
こんな狭い場所に閉じこもっていれば 身体も痛くなってしまったのではないか。
トレイルが声をかけるのを小耳に挟む。>>197 そうしている間に花瓶に飾られた向日葵が 下男の手により運ばれて来た。]
うん、そう見えているよ。
動物に纏わる小咄を、楽しそうに聞いている君が 獣人に害を与えるようなことをしないというのも。
[スザンナが気にしていただろう事は恐らく其処だろう。 彼女が獣人だった、なんて言い回しで吹聴する事は まず無いと踏んだ上で構えていなければ 流石に居間へ通さずに客間にでも茶を運ばせている。]
(211) 2014/10/08(Wed) 09時半頃
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既に半獣と会っているのだね。 君の人生を彩る御伽噺に出会えるように、 祈っておくとしよう。 ――ああしかし、書き込む時は慌てないようにな。
[“匿さん”と呼ばれたのが恐らくは彼ではないかと、 今まで交わしたメールの文章の癖と 書き込みの記述を照らし合わせ、想像を至らせ。
くつりと笑い、一吸いしてから灰皿に紙巻を押し付けた。
腰を上げる青年に合わせ、割った着流しの裾を正し、 居間を出て、廊下を共に向かう。>>199]
長いこと道草を食わせて悪かったね。 是非そうしてくれ。 茶飲み友達が骨になってしまうのは、なんとも侘しいものだから
[告げられた冷やかしには苦笑を浮かべ、 お勤めご苦労、と短い勞いと共に青年を見送った。*]
(212) 2014/10/08(Wed) 09時半頃
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