3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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[息遣いは荒い]
[帽子の向こうの目は血走っているか。]
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
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マーゴ!
[舌打ちを一つ]
馬鹿な子です。 一人になって、どうするというのか。 オスカー・ファイルヒェン、追いますよ。
[追おうとして、ひときわ大きな音が、頭に響く]
……! 彼女を、追ってください。 私も、後から行きます
(562) 2010/02/28(Sun) 00時頃
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[狼狽したのは、こちらの様子も兼ねて。]
―― ……ッ。
[ 何 を。 ]
[ いまさら。 ]
[ これから ―― を ―― するのに。 ]
……おい!
[ 鬼は、
捕まえる ものだ
けれど、 その、悲鳴は。]
……耐えられないなら、言って下さい、って。
さっきもいったじゃないですか。
[その声は甘くまどろむようなものではなくて]
――こわいんですね。
ならいいです、何かが変わったら、私のせいにしてくだされば。
僕は …… ――
[みつけて。
帰して貰えるなんて。
おくって。
帰して貰えるなんて。]
消されたくない。
[帰りたい。
そんな、望みは抱かない。]
化学教師 スティーブンは、演劇部 オスカーの背を見る事無く、その場に屈みこんだ
2010/02/28(Sun) 00時頃
鬼はつかまえる……
こわい………
消されたくない……
[どれも、本当で…]
はは はは はは
……僕はそれだけさ。
[呟きのように言って。
苦しんでいる相手に意識を向ける。]
あんたは 違うんだな。
……――。
[帰れない。
帰りたくない。
帰りたくないから、此処にいたのに。
何処へ、行けばいい。]
……わからない
[消されたくない。
それは、本当なの、だろう、けれど。]
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[頭痛。吐き気。頭の中に響く死者の声。 悲鳴のような、呻くような。何かを引き摺っているような音。
頭の中に直接響くそれは、外界の音を遮断する。 セシルがいることには気づかず、波が収まるのを待つ]
……はぁはぁ。
[小さく吐く息は少しばかり荒い]
(574) 2010/02/28(Sun) 00時頃
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[足を進めようとして、微かに戻ってきた音に、そちらを向いた]
……セシル・シェリー…?
[霞んだ視界。色と、声で判断する]
これは、みっともないところを見られましたね。 ……ただの、頭痛です。
[無駄かもしれないと思いながら、なんでもない風を装った]
(579) 2010/02/28(Sun) 00時頃
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[感じる3つの揺らぎに、闇の中まどろんでいる。
希望も絶望もどちらも持ってはいなかった]
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―南棟3階―
近づいても、大丈夫なのですか。 その、シャツは。
[先ほどとは違う、少し大きめのもの。先ほどよりも衝動が収まったようなセシルの姿。――恐らくは]
そうですね。ですが、大人というものは子どもにみっともないところは見せたくないものですよ。 私は教師で、貴方は生徒なのですから、なおさらです。
[まだ鳴り響く音。声。先ほどよりはだいぶ静かになっていた。セシルの声も、普段の半分ほどの大きさで聞こえている]
ええ、知っています。一人にさせてくれと。自分も気に入られたようだから、何をしてしまうかわからない、そんなことを言っていました。 オスカー・ファイルヒェンに後を追うようには頼みましたが。
(592) 2010/02/28(Sun) 00時半頃
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拝借ですか。 ……後で、叱っておかなければなりませんね。 彼は、喫煙者ですから。
[恐らく、拝借されたのは彼だろうと思い当たる]
……それほど。 衝動を抑え切れませんか。 いつまでも収まらなければ、ではいつまで? 血を吸われても、死ぬわけではない。一人にして、何かあったらどうするのですか。
[苛立ちが、募る。 自分の声の調子に気づくと、抑えてセシルを見た]
すみません。 それで。セシルはどうしてこちらに昇ってきたのですか。
(608) 2010/02/28(Sun) 01時頃
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……衝動を抑えるなと、言ってるのではありません。 それを抑えられないから、他人を拒否する。 私はそれが歯がゆいだけです。
[言って、目を伏せた。耳鳴りは、今は殆ど止んでいる。 ただ、いつ襲ってくるかもしれない恐怖が、少しだけ、芽生えた]
(621) 2010/02/28(Sun) 01時頃
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そんなことは、言ってないでしょう。 何故、そう思うのです。
[死ねと、その言葉に目を見開いた]
馬鹿なことを。
[セシルのほうへ向けて、足を詰める]
死にたがっているのは、誰ですか。 この状況で、誰かを傷つけたくないから一人になる。 誰かを傷つけてしまうから。
傷つけられれば、痛いでしょう。傷つけられる方がそれを理解していれば、それはただの痛みでしかない。 本当に傷ついてるのは、貴方ではないのですか。 一人になれば、何か変わるのですか。 ……変わらない。傷つく人の数も。
(626) 2010/02/28(Sun) 01時頃
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[刺激しすぎた、と後悔しても遅い。離れようとするセシルの方へ詰める]
そんなもの、わからなくていい。 わかるはずがないんです。 そうでしょう、誰も、こんな状況になれた人などいないのですから。
それをわかるために、一人ではなく誰かと一緒にいるのです。
[駆ける。今度は捕まえられるだろうかと手を伸ばした]
(631) 2010/02/28(Sun) 01時頃
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何故、治らないと決めるのです。 何故、治らなければ死ぬしかないと、言うのです。 何故、どこにもいけないと決めてしまうのです。
貴方はまだここにいきている。 貴方が死ぬまで、貴方は生きていてもいいのです。 自分から死に急ぐ必要は、ありません。
化け物? それは、誰のことですか。 貴方は、セシル・シェリーでしょう。 他の、誰でもない。
(635) 2010/02/28(Sun) 01時半頃
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[不意に聴こえた謝罪の声。
先程から 似ていると 感じていた。殆ど毎日聞いていたあの声音 に。
肯定したいような否定したいような気持ちは綯交ぜにして閉じ込める。]
…… どうしたのさ ?
[静かに、尋ねた。]
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[掴んだ手は、今度は離さない]
襲いたいなら、襲いなさい。 死ぬほどの怪我でも負いますか。 それだけ苦しんでいるのに。
[声が小さくなるのを、最後まで逃さず聞いて]
セシルだし、はないでしょう。 貴方は、化け物には見えない。 化け物は、心までそうなったらはじめて化け物というのです。 貴方は襲うことを恐れている。 それは、化け物でない証拠です。 衝動が強まって襲ってしまっても、貴方の理性は、貴方のものでしょう。 ……それに貴方を化け物だというなら、バーナバスも、マーゴも、化け物になってしまいますね。
[苦笑を浮かべた]
(646) 2010/02/28(Sun) 01時半頃
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[――黙していた、気配が。]
――ばけもの …
[ただひとこと、己に刺すように、
小さく、呟いた。]
[低い声。
やはり謝罪が聴こえて。訝しげな意識を向ける。
続いた言葉に思い出すのは赤毛の少女。]
は。
……何、流行ってんの。そのフレーズ。
[この声も、もう一つの声も。聞き覚えがあるような、だが確証はない。]
そう罵って欲しいなら、そう呼ぶよ。
[自虐的だ、誰も、彼も――。]
ああ、俺は、化け物だ。
罵って?
ああ、そうかもな。
でも、そうじゃない。
[誰かの血を 飲んだのか。
誰かを 犠牲に して 生きるのが
化け物
なら。]
……どうせ、僕も同じだ。
罵ってほしいんじゃない。
でも、罵ってもらえば、やめられるかもしれない。
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