120 薔薇のプシュケー
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苦手じゃないけど……何言ってるか時々判んない。
[それに…と、サミュエルと会う前に話した会話を思い出し、 ぞくりと背中が冷える。
残った薔薇は二輪。 二人で卒業したければ、二つ奪えばいいと言っていたあの瞳が少し怖い]
またピアスつけるの? でも傷が治るまではだめだよ。……ちゃんとくっつくといいけど。
[一緒にという言葉に頷き、隣に並ぶ。 こうして歩くのは初めてじゃないのに。 不思議と照れくさくて、嬉しかった]
(175) 2013/04/23(Tue) 09時半頃
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まぁ寮長だし。なんか超越してるんだよ、色々と。 わかんなくても今までコマってなかったなら別にいいんじゃね?
[当たり前のように手を繋ぎながら廊下を歩く]
ピアスだめ?折角ヴェス作ってくれるっていってたし。 もう耳切ったりしないよ。大丈夫大丈夫。
いこ。さっさと聞いてすっきりしたい。
(176) 2013/04/23(Tue) 10時頃
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― 自室 ―
[スケッチブックを手に佇んでいる。
ぱらりと開いたページに描いてあるのは同室者の姿。 ――困ったような顔だったり、手元を真剣に見つめている姿だったり。
けれど、泣き顔と笑顔だけは描かれていない]
……
[卒業しなければ朽ちてしまうとルーカスはいっていた。 奪われるのではなく、卒業できそうなトレイルの姿をみて安心したのは事実。
もとより怠惰であれば、それ以上動く理由はどこにもなくて。 スケッチブックを閉じて、椅子に座った]
(177) 2013/04/23(Tue) 10時頃
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言ってることが判らなかったら、 それはそれで困るような……でも、まいっか。
[スッキリしたいとの言葉には同感だったから、 手をつないだまま、ヴェスの部屋へと向かう]
……この耳じゃつけられないでしょ? せめて治ってから、お揃いのをつけようよ。
[その時はサミュエルがボクに開けてね、なんて話しながら、 たどり着いたヴェスとトレイルの部屋。
ごんごんと、ノックというより殴るような音を響かせて]
ヴェスー、いるー?
[中へ、声をかける]
(178) 2013/04/23(Tue) 10時頃
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― 自室 ―
[扉から聞こえた声にゆるりと瞬き]
ミルフィ? どうした?
[開いている、と声をかけながら首をかしげる。
談話室で姿は見なかったが、そのときはあまり気にせず。
入ってきたのがミルフィだけじゃなくサミュエルもだと知って薄紫を瞬かせ。 サミュエルの姿にわずかに眉を寄せた]
(179) 2013/04/23(Tue) 10時頃
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[帰ってきた返事に、ヴェスいるみたいだね、と隣のサミュエルにここ声で話す。 扉を開けて中には入れば、同室のトレイルはいないようで。 それもよくある事ではあったので特に気にせず室内へと入った]
えと……ヴェスに聞きたいことがあって。 サミュエルがヴェスがプシュケーについて調べてるって、言ってたから。
[何かわかった?と椅子に座る薄紫の瞳へ話しかける。 サミュエルへ眉を寄せるのには、 どう説明したものかと困ったように髪を手に取りくるりといじりながらサミュエルを見つめて眉尻を下げた]
(180) 2013/04/23(Tue) 10時頃
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寮長のわざでしょ、あれ。 お揃い?ヴェス作ってくれるかな。 でも俺ミルフィの耳に穴あけたくないなぁ。 血出るよ?
[そんなこんなでヴェスの部屋。 ノックの強さに元気だなぁと思うけれど、 ヴェスの表情には少し苦笑をもらした。 耳を見られたのはすぐわかったから]
お邪魔するね。ごめん。 トレイルいないよね?
[確信めいたように確認してから彼の部屋に ミルフィがヴェスに問うことを聞いている]
(181) 2013/04/23(Tue) 10時半頃
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技なの?
[きょとり、サミュエルを見上げて]
血ぐらい出てもいいよ。 でもサミュエルがいやなら、やめとこうかな。
[道すがら話すのはそんなこと。 サミュエルが開けてくれるなら、 少しくらい痛くても血が出ても平気なのにと胸の内で唇を尖らせていた]
(182) 2013/04/23(Tue) 10時半頃
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― 自室 ―
[二人つれだってやってきたことに緩く瞬き]
……ああ、まあ……ある程度は。
[サミュエルには、いない、と頷き返し。 それから訊われるままに、談話室で聞いたことをこたえる]
――卒業しなければ、朽ちていくだけらしい。 プシュケーを持つ相手と卒業すれば相手の事は忘れないらしいが。
[淡々と、静かな低い声が紡ぐ]
(183) 2013/04/23(Tue) 10時半頃
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[「わざと」と「技」言い間違えてたのは気づいてない。 でもって調べてるっていってたの、ホリーなんだけどな、と ツッコミいれそうになってやめといた
ヴェスに向かって少し眠そうに、だけど真面目ぶった顔で]
えっとね…トレイル、プシュケーもってただろ? それでトレイルから何か聞いてないかと思って。 …少し気になることもないわけじゃないし、 卒業ってそもどういうものかもわかんないし。
ほんとはトレイルに直聞きできたらいいんだけど少し会い難くて。
(184) 2013/04/23(Tue) 10時半頃
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朽ちていく……?
[言葉の意味が分からずに、傾ぐ首。 笑顔のままきょとんとするのは、シュールだったかもしれない]
どういうこと……? 意味わかんない。卒業しないと、朽ちていくって……え?
(185) 2013/04/23(Tue) 10時半頃
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……「朽ちる」?
なに、それ。
[よくない意味であることは反射的に分かる。 枯れること。枯れ落ちること 冬の草花、茶色くなった花]
…死ぬってこと?
(186) 2013/04/23(Tue) 10時半頃
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[トレイルも何も知らなかったというように、サミュエルには首を振って。 不思議そうなミルフィと、それにかぶさるようなサミュエルの問いにわずかに苦笑した。
談話室でこんな風にルーカスに見えていたのだろうかと。 まだ知らなかった様子の二人をみて思う]
……そういうことだろうな。 このままではいられないそうだ。
――プシュケーを手にしたものだけが、この卵の殻から抜け出せる。
ルーカスはそう云っていた。
[談話室で見聞きしたことを答え―― けれど、ホリーがした最後の質問を聞いていないから、プシュケーを奪うだけではダメだとは知らなかった]
(187) 2013/04/23(Tue) 10時半頃
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[死ぬ、と。 直接的な言葉が耳に飛び込んできて。
ますます混乱しそうになる。
死ぬ。誰が? 卒業しなければ、朽ちて、そして……?]
うそ……。
[ともすれば悲鳴を上げてしまいそうになる口元を抑えた]
(188) 2013/04/23(Tue) 10時半頃
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…そも、俺達の数とプシュケーの数が全然あってないんだから、 最初からそういうものなんだろうね。 朽ちるって、痛いのかな。それとも苦しいのかな。
…トレイルは、卒業できそうだった? 幸せそうならよかったんだけど。
(189) 2013/04/23(Tue) 11時頃
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[泣きそうな顔でサミュエルを見る。 それからヴェスと、そうしてまたサミュエルへもどる視線。
きゅうっと隣にいる彼のシャツを握る手はカタカタと震え、 不安が指に絡む]
…………い、やだ。 サミュエルが死んじゃうの、やだよ……。
[卒業しないことを選んだのは、彼と一緒にいれるからで。 その彼が死ぬなんてこと、全く考えていなかったから。 だから目の前にそれを突きつけられて、双眸から涙の雫がこぼれ落ちる]
(190) 2013/04/23(Tue) 11時頃
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[ミルフィの様子に薄紫をかるく伏せる。 嘘だと否定してやる事もなく。
小さく吐息を零し。 サミュエルの言葉にゆるりと瞬いて]
ああ……トレイルなら、幸せになれるだろう。 ――シーシャが一緒のようだしな。
[シーシャを呼んだトレイルと、 迷うことなくトレイルへと近づいたシーシャを思い返して薄く笑みを浮かべ。
いやだ、とミルフィが泣き出すのには、ただサミュエルを見つめた。 この二人も、そうなのかと。 そう思いながら]
(191) 2013/04/23(Tue) 11時頃
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そも、愛するだけだったらここから出て行く必要ないからね。 だってずっと変わらない中で一緒にいれるんだから。 そういうことなら、納得。
[震えてシャツを握ってくるミルフィの手をやんわり握って、 大丈夫だよ、と伝える声音は優しい]
俺だってミルフィ二審でほしくないよ。 つーか、ここに居る人皆死んでほしいなんて思わないし。
パティからプシュケー奪ったって、あと一人だけだね、卒業できるの。
(192) 2013/04/23(Tue) 11時頃
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[伏せられたヴェスの瞳が、不安もおそれもすべて肯定してたから。 涙は頬を伝い、冷たい床へはらはらと落ちていく。
先程まであんなにも幸せだったのに。 今はこんなにも辛い。
こんなにも簡単に取り上げられる幸せなら、 知らないほうがよかったと膝から崩れ落ちる]
……さみゅえる。
[見上げる彼の顔はどんな表情をしていただろうか。 涙でうまく前が見えない]
(193) 2013/04/23(Tue) 11時頃
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[プシュケーを持つトレイルが、シーシャとでていく。 残るプシュケーはあと一つしかなくて。 だから一緒に卒業することは、できない]
ボクと一緒に、死んで……くれる?
[声が優しい。 手を握ってくれるぬくもりが、愛しい。
知ってしまった幸せはもう離すことができないから。 エゴだと知りつつ、震える声が乞う]
(194) 2013/04/23(Tue) 11時頃
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[ミルフィをなだめるように肩を抱き寄せる。 同時にヴェスの視線に苦笑して小さく頷いた]
…うん。プシュケーもっていたら、一緒に卒業できたんだけどね。
シーシャ、卒業できるんだ。よかった。 多分、もう顔はあわせらんないけど。 もし二人に会ったら、元気でって伝えておいてよ。
俺、もうミルフィの隣から離れないから。終わりがわかったら、尚更。
(195) 2013/04/23(Tue) 11時頃
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サミュエルは、ミルフィへの返事の代わりに握った手に力を込めた
2013/04/23(Tue) 11時頃
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[涙がシャツを濡らしてしまうことも忘れて、 抱き寄せてくれる肩にしがみついた。 ヴェスの前ということも、忘れて。子供のようにぎゅっと、強く]
………うれしい。
[そばから離れない。 そう言ってくれるのが嬉しくて、胸が痛い。
彼のことを思うなら、卒業させてあげるべきなのに。 それを選ぶ勇気はなくて。 だから、浮かべるのはくしゃくしゃの泣き笑いの顔]
(196) 2013/04/23(Tue) 11時頃
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ミルフィは、サミュエルの指に自分のそれを絡ませる。もう離さないでと願うように。
2013/04/23(Tue) 11時頃
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あとは…パティがどうするかだね。 俺は別に彼女がどうしてもあんまり興味ないんだけど。
ヴェスは?卒業したい? パティから奪うっていうなら手伝うよ? 教えてくれたお礼に。
彼女の肩にプシュケー見つけた。 パティもシーシャを気にしてたみたいだから、 多分まだ誰かを決めたわけじゃなさそうだし。
[ヴェスには至極普通の目を向ける。 目のやり場に困らせていたら申し訳ないのだけど。 ミルフィを支える手は離せなくて]
(197) 2013/04/23(Tue) 11時頃
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[サミュエルとミルフィのやりとりを見つめて。 その悲しいやりとりに眸を閉じる。
サミュエルが頼むことにわずかにゆるく瞬き]
そうか――
のこり少ないのなら、それもありだろう。 会えたら、伝えておこう。
[泣くミルフィと、宥めるサミュエルにゆっくりとうなずいた。 彼らが短くとも幸せであればいいと願うけれど。 自ら動こうとしない少年はただ見つめていた]
(198) 2013/04/23(Tue) 11時半頃
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[サミュエルの提案に、苦笑を浮かべて首をふった]
いや、いい。 奪ってまで卒業する意味を感じないからな。
[パティが誰を選ぶのかしらないまま。 卒業したいものがすればいいと、呟く]
(199) 2013/04/23(Tue) 11時半頃
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[漸く止まる涙。 昨日からずっと泣いてばかりだなぁと、自分に苦笑しながら]
……もう大丈夫。 ヴェスは変なところ見せて、ごめん。
[と赤い瞳で、ふにゃりと笑う]
パティ……。 誰を選ぶの、かな。
[彼女がプシュケーだったのは初耳で、少し驚いたけれど。 改めて奪うとサミュエルが口にすれば、二人の顔を見回して]
ボクは手伝うことはできない、けれど。 ヴェスには死んで欲しくないな。
[ぽつりと漏らす本音]
(200) 2013/04/23(Tue) 11時半頃
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ミルフィは、ヴェスパタインの言葉に、そっか…と小さく頷いた。
2013/04/23(Tue) 11時半頃
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そう、…ごめんね、ヴェスにピアス作ってもらっていたのに。 それつける前に終わっちまった。 どういうのか見たかったなぁ。 プシュケーももう少し空気読んでほしいよね。
[あまりに急に突きつけられた終わりに未だに実感がわかない。 けれど、傍に彼女がいればいい。 寧ろ終わりを大事な人と迎えられるならそれはとても贅沢じゃないのか]
…ありがと、色々教えてくれて。 ミルフィ、他に聞きたいこと、ある?
(201) 2013/04/23(Tue) 11時半頃
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[ふるり、首を振る。 なにを聞きたいのかすらよく解らない。
ただ判るのは、やっぱり自分はサミュエルが好きで、 隣にあるこのぬくもりが一番大切だってこと]
もしみんな朽ちてしまうのなら、さ。 その前にみんなで、何か出来たらいいよね。
……一緒にご飯食べるとかでもいいし。 みんな誰も、一人で逝かなくてもいいように。
(202) 2013/04/23(Tue) 11時半頃
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[謝るサミュエルに首をふる]
しかたない。 こんなことになるなんて誰も思わなかったんだから。
[ミルフィにしんで欲しくないといわれてわずかに苦笑した]
俺が一人で卒業しても、生きていくことができるかどうか。
[誰かと一緒だったら違うかもしれないが。 そんな夢想をすることなく。 気にしなくていいと笑む]
(203) 2013/04/23(Tue) 11時半頃
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そうだね。皆したいことができればいいね。
最初から死ぬって分かってたら皆もっと必死にプシュケー見つけるなりしてたのかね。 今更だけど。
そろそろ失礼する?ヴェスもしたいことあるだろうし。
ねぇヴェス、もしよかったら、後でデザインだけでも見せてよ。 ヴェスのデッサン、好きだったんだ。
(204) 2013/04/23(Tue) 12時頃
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