308 【R18】忙しい人のためのゾンビ村【RP村】
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……怖くても大丈夫、ねえ。
[パソコンのキーボードを叩きながら、 男は自嘲の笑みを浮かべた。
時間だけは、吐いて捨てるほどあるのだ。
手近な段ボールから 気まぐれにサングラスをひとつ取り出す。 眼鏡を外し、サングラスを掛けた]
(127) 2020/10/22(Thu) 23時頃
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[男は、強度の近視だった。
眼鏡を外した途端に世界はぼやけ、 何も視認できなくなる。 サングラスを掛ければ、 世界を覆い尽くす黒い靄が掛かった。
ビルの外の喧騒も、なにも。 もう男の目に入ることはない]
(128) 2020/10/22(Thu) 23時頃
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[今は、何も見たくなかった。
寝て起きたら、 世界は元に戻っているかもしれない。
体力を温存するために、 男は段ボールをひとつ潰して その上に横になった]
(129) 2020/10/22(Thu) 23時頃
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[男は今まで、絶対的な強者だった。
世界は彼に味方をしていたし 法律さえ、彼を縛ることはできなかった。
――それが、どうだ? いま男は弱者へ転落しようとしている]
(130) 2020/10/22(Thu) 23時頃
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[ヴゥン、ヴヴゥン。
聞こえる音が空調のものなのか、 はたまた暴徒たちの呻きなのか。 もはや男には区別がつかなかった。
静かに目を閉じて、男は眠りを待った]**
(131) 2020/10/22(Thu) 23時頃
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お、いいんじゃね?
[スパイス振って、もう少し炒めて。 水といっしょにコンソメとローリエ。 ぐつぐつ煮込んでいるうちに、米を炊く。
あとは林檎と蜂蜜が溶け込んだルゥと、各種隠し味を入れて、ひとまずは出来上がり!]
(132) 2020/10/22(Thu) 23時半頃
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卐黒帝會卐
────────────────
アンケート回答サンクス!
他も捨て難かったけど、ビーフで!
(このへんに、大盛りのカレーの画像)
(あとコーラ)
────────────────
卐黒帝會卐
────────────────
つーかヤベェことなってんな
オレ住んでるあたりは、まだ大丈夫そうだけど
────────────────
[色々と返信しようかとも思ったが、パニックに直面している人がいる中、気の利いた言葉が浮かばなかった**]
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――夜の訪れ――
[「どうした?」という問いかけに返ってきたのは、 人の笑い声ではなく、獣の唸り声だった。>>107]
「あ゛あぁあ゛ぁああ゛ぁああああああああ゛」
[意味不明の唸り声が進の口から洩れる。 濁った眼球が俺を捉えるのが見えた。 さっきまでオレンジジュースを飲んでいた口腔から、 腐りきったようなにおいの吐息が漏れている。]
ひっ……ひいいい……?!
[俺は思わず悲鳴をあげて立ち上がる。 がっと俺の肩を掴もうとする手を振り払い、 必死で滑り台まで駆け上がった。
全力で追いかけてくる「進だったもの」から 走って逃げる、逃げる。]
(133) 2020/10/22(Thu) 23時半頃
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進! きこえてんだろ! ううううそなんだろ!冗談って言えよぉ! 悪ふざけなんだろ。なあ、おい! 鬼ごっこは、っ、昔から苦手だって、知ってるくせに!
[叫んで、逃げて、 咄嗟に転がっていた金属バットを拾い上げた。 だけどそれで何ができるってわけでもない。 時々追い付かれそうになるから、 牽制のようにバットを振るう。
冷たい宵の風が肺を軋ませる。 痛い苦しい怖い辛い。 そういう感情を吸い込んでは吐き出して、 暮れだした公園から道路へと駆けだしていく、途中。]
(134) 2020/10/22(Thu) 23時半頃
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[喉がカラカラに乾いていくのが自分でもわかる。
黙っていたのはほんの数秒のはずだが、 数分にも数十分にも感じられた。 ごくりと鍔を飲み込んで、]
……悪ぃ、 今日は急に息子たちが、 こっちに来ることになって。 今から迎えに行かなきゃなんねーんだ。
[嘘と、真実を織り交ぜて。 口元が震えそうになるのをどうにか止めて、 努めて平静な声音で伝えた。]
『そうか、そりゃ朝から悪かったな。 健司くんにもよろしく伝えといてくれよ!じゃあな。』
[こちらを少しも疑うことなく、あっさりと電話は切れた。]
(135) 2020/10/22(Thu) 23時半頃
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「……秋、君? 進君?」
[呼び声が聞こえて、俺は思わずそちらを振り向いた。
公園に続く細い道の中。 泣きそうな目を見開き震える 早乙女沙良の姿が、そこにあった。
「進だったもの」の濁った眼が沙良へと向く。
中々捕まらない獲物よりも 飢えを満たせそうなものを見つけたと言わんばかりに 涎を垂らした唇が震えるのが見えて、
――あ、だめだ、と思った直後に、 俺は駆け出していた。]
(136) 2020/10/22(Thu) 23時半頃
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やめろぉ、進――――っ!!
[叫び声をあげて、 沙良に距離をつめる怪物にバットを振り上げる。
響き渡る甲高い悲鳴。 骨がひしゃげる嫌な音。 手を襲う、歪な衝撃。
幼い頃夢見た英雄に想いを馳せる。 ――――こんな、もの、だったっけ。]
(137) 2020/10/22(Thu) 23時半頃
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[荒い呼吸が脳を揺さぶった。 気が付けばあたりはもうすっかり青ざめていた。 忘我から戻った俺は 嫌な汗にまみれたバットを取り落とす。
目の前には、口から血を吐いた男が倒れている。 俺の大事な幼馴染が、死体のように転がっている。]
す、す…………進? 進。進。
[か細い声に返事はない。 永遠にも感じられるような一呼吸の間をおいて、 引きつるような沙良の悲鳴が響き渡る。
沙良は怪物を見るような目をして怯えていた。 誰を見てる?
……………………沙良は、俺を、見てる。]
(138) 2020/10/22(Thu) 23時半頃
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「ひ、……ひ。ひ、
ひとごろし―――――――――っ!」
[言葉が咄嗟に出なかった。 後になってやってきた怒りも焦燥も悲しみも うまく沙良に伝えることなんかできなくて]
ちがう。ちがう。俺は……俺は、 …………違う!!
[半ば悲鳴をあげるみたいにして、 その場から尻尾を巻いて逃げ去ったんだ。]
(139) 2020/10/22(Thu) 23時半頃
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[暗くなったスマホの画面を見ながら、 途端に罪悪感にさいなまれる。
俺の考えすぎなんじゃないか? 本当に、ただボケちまったばあさんが 暴れてるだけなんじゃないか? むしろ、もし本当に八重ばあさんが―― ゾンビ、なんてものになっちまったんだとしたら、 ヌマさんたちを助けにいくべきだったのかもしれない。
あとからあとから湧き出てくるそんな思いを 振り払うようにかぶりを振って、 山下君と田辺君に今日は休みにするから、 こなくて大丈夫だと電話をかけた。**]
(140) 2020/10/22(Thu) 23時半頃
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[ロール・プレイング・ゲームのように 世の中に正しい選択肢ってもんがあるなら きっと、ずっと楽だったんだろうに。
だからこそ、悔いのない選択なんてもんが、 一番意味をもつんだろうけどさ。
…………どうすればよかったんだろうな。
進。 お前なら、模擬試験の答えをすらすら言えたように 正しい答えもわかったんだろうか。]**
(141) 2020/10/22(Thu) 23時半頃
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[居間のソファーに座って、SNSを開く。 >>#2様々な投稿に混ざって流れてきたニュースは 昨日見た、嘘みたいなゾンビ騒ぎの話が、 現実だってことを伝えていた。
母さんが噛まれたって言うのは大丈夫なんだろうか。 ゲームなんかで知ってるゾンビの特徴は 噛まれたりしたら感染するってことだけど……]
メッセージは……あの後は、来てないか。
[新着メッセージは兄貴から30分前に来ていた 「少し近くを見てくる」というやつだけ。 父親や母親からは何も届いていなくて。
『父さん。母さんも。 無事なんだよね。何か、連絡くれよ。』
何を打とうか、やっぱり何も送らないでいようか。 散々迷った結果、それだけを打って送信。]
(142) 2020/10/22(Thu) 23時半頃
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[初日のカレーは、まだ味が馴染んでいなかったが、なかなか美味しかった。 多分3日は食べられる。]
……サダやっぱいねぇ。
[カレー食べつつスマホをシュッシュ。 サダミツだけやはり反応がない。 自分含め数名は、個人でLINEを送ったのだが……まだ、既読がついていない。 そういえばアイツ、何日か前、池袋に遊び行くって行ってたよな……**]
(143) 2020/10/22(Thu) 23時半頃
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[怖い。こわい。コワイ。
私はだれ?
私は、瑚宮瑠璃。
私は
わたしは]
(144) 2020/10/22(Thu) 23時半頃
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@_SneezeΣ:3X 謎の猫X
マル得情報
やっちまったことと
現実から目をそらせるサングラスなら
買わんでもねーけど
[ぼやきのように返信をして、
そのまま布団の中にもぐりこんだ。
今日は何も考えたくない**]
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おとうさん おか さん
[ねえ、わたしは**]
(145) 2020/10/22(Thu) 23時半頃
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ミドリ @fate824
ヘイタロウさん、ありがとうございます。
世の中が大変な時に場違いだとは思いますが、
僕の絵が兄や皆の癒しになればいいな、と。
……母は手を噛まれたらしくて。
昨日以来、連絡がつかないのが心配です。
(写真は閲覧注意です。)
[じわりと血が滲むほど強く噛まれた、
歯型がついた手の写真が添付されている。
センシティブな画像扱いにしておいたから、
苦手な人がうっかり見てしまうことはないはず。]
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[僕の母を心配してくれていた人へ 返事をかえしている間に見えてしまったのは、 昨日、見事な大豆畑の写真を投稿していた人の、 >>*39意味不明な、謎の投稿。
そして、>>*47同じく謎の、意味を成さない投稿。
つい……「こみるり」さんの投稿を、遡ってしまう。 この人の投稿に不穏な影が見え始めたのは昨日からで 住んでいる県は違えど、首都圏には変わりないことに。 ―――ぞっと、寒気が体を走った。]
(146) 2020/10/23(Fri) 00時頃
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["噛まれたらこうなってしまうのか"
こみるりさんがこの後無事でいてくれるかどうかは
母親が大丈夫だと信じられるかどうかにも、関わってくる。
僕はきっと、無意識に、そう思っていた。]
ミドリ @fate824
こみるりさん。大丈夫ですか。
近くの病院に行きましょう。
僕の母親も噛まれた後、逃げて、頑張ってるんです。
だから……諦めないでください。
[祈るように。
勢いのままに打ち込んで、投稿する。]
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[―――そこで、忙しなくドアが開く音がして、 すぐに鍵がかかり、此方に足早にかけてくる音がした。
息を切らしながら僕の横に座る兄を見て、 僕は兄貴のことを上から下まで見ては、 また泣きそうになりつつ兄貴の腕を掴んで、袖を捲る。 服も捲って、腹やら首やらをぺたぺた触った。
兄貴は最初は何が何だかと言った感じで 目を白黒させていたけれど、 段々くすぐったくなってきたみたいで、笑い始める。]
(147) 2020/10/23(Fri) 00時頃
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「えーくん、なにすんだよぉ。」
だって……外行ってたんだろ。 噛まれてたりしたら、手当しなきゃって…… 知ってんだろ。今、ニュースでも、ゾンビ……
[兄貴が笑うから、僕は膨れてそっぽを向いた。 そんな僕を見て兄貴はごめんごめんと言いつつ 服を整えて、外の様子を話してくれる。
さっきまで笑ってたはずなのに。 話し始めた兄貴の表情は真剣なもので、 僕はもう、文句も冗談も言えずに、 じっと、黙って聞いていた。]
(148) 2020/10/23(Fri) 00時頃
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