204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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ニ、コラ……君が、僕 の唯一…… 僕を 助け、てくれる……僕の、 太陽
ぼくの かみ、さま
[乱れる呼吸に、声を出すことすらままならない。 痛みに身体がびくびくと跳ね、その度に腹からも眼窩からも赤い蜜が溢れて落ちていく。
言葉を遺すことの残酷さも知らず、ディーンは必死に声を上げた。もらった幸福を少しでも返す為に。
残る一つの目が、涙で滲みぼやける視界に、ニコラを映す。 先の欠けた指が震えながら、ニコラの下唇をなぞる。 ディーンの口角は幸せそうに、笑う形に持ち上がったまま。]
もっと、 僕 を
[食べて欲しい。甘やかして欲しい。憐れんで欲しい。 ――愛して欲しい。]
(469) 2014/11/19(Wed) 01時半頃
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[下についたときにはきっとすべてが終わった後。
ただ、血に染まったフィリップを見て、呼びかける]
フィリップ――
[助けは、間に合わなかっただろうか**]
[結局 誰も来なかった
シメオンを食べる間 誰も]
ーーーーーーーー…………っ
[声を押し殺すように 心が泣いた]
………………ラルフ
[血ぬれのまま 呟く その心は 静かだった]
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う、れし
[>>476ニコラが綺麗だと褒めてくれた。 >>477ニコラが名前を呼んでくれる。 ニコラに与えられる全てが幸せの形をしているように、ディーンには思えた。 他のものを全て捨てて、他のものから目を逸らし続けて]
ニコ、ラ だけが、僕の
[>>477蕩けた思考の隙間を、失った血肉と内臓の隙間を埋めるように、ニコラの言葉が染み込んでくる。 ニコラの言うことが本当のことで、他は全部どうでも良い事だ。 ディーンは片方の目を必死に開いて、ニコラが肉を食むのを見つめ続ける。 汚いものも、醜いものも、彼に食われてしまえば、全て美しいものになる。腹の中を曝しても、全てを暴かれても、彼ならばきっと「綺麗」と言って笑ってくれる。]
(489) 2014/11/19(Wed) 02時頃
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――…………、
[ふと。 柔らかな朝の日差しの色と、薄曇りの色を眺める合間に、 一瞬だけ眩しい昼の太陽の光が過ぎった。 しかしディーンはもう、それが何であるかを認識しない。 与えられるものは全てニコラに与えてしまった。 そうして出来た空洞を埋めるのは、ニコラの言葉だ。
重い瞼を動かして瞬きをする。視界の自由が利かない。 声も出せなくなってしまった。 もっと、ずっと見ていたいのに。 もっと、何度でも伝えたい言葉があるのに。
もどかしく唇を動かし、息を吐きながら、震える手を伸ばす。 柔らかな髪に触れて、真っ赤に染まった唇に触れて――]
(491) 2014/11/19(Wed) 02時頃
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[ずっと、一緒。
囁く音はもう、ニコラには届かない。**]
(492) 2014/11/19(Wed) 02時頃
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(………良かったね。)
[と。耳の良いトレイルは、耳を塞いでいたから。
唇は音を形取る。**]
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