298 終わらない僕らの夏休み!
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[この夏に『忘れモン』があるのは確かだ。 そこに間違いはない。 ついでに言うとこの先の将来も決まっていない。
ただ、『9月1日が終わってほしくない』なんて、微塵も思ってないわけで。 戻れるンなら『あの試合のあの瞬間』に戻りたいわけで。]
(86) 2019/09/09(Mon) 01時頃
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[颯成のほっぺはおそらくあたたかかった。
9月1日のあたしにはわかったみたいだ。
あたしは自販機にお金をいれている。
冷えたお水を買った。]
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…………出来上がりっと。
[だから案外簡単に書けた。 『オレは9月1日が終わり、9月2日が来ることを望んでいる』と。]
(87) 2019/09/09(Mon) 01時半頃
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[そして、そこに一文言加えるか悩む。]
(88) 2019/09/09(Mon) 01時半頃
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[もし、誰かとつながっていたくて、この『ループ』を続けているんだとしたら――――]
(89) 2019/09/09(Mon) 01時半頃
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[ごぼごぼ水音が混ざる声は、それ単品ではかなり聞きづらいけど、外のレイ姉と声が重なるから、まだ聞き取れる。
外のレイ姉が口を閉じたら、たぶんまた聞こえる音だけ拾いながら想像するばかりになるだろう。]
ん、うん、大丈夫だけど。
[大丈夫だけど、自販機にある冷えた飲み物は魅力的だった。
暑いし、ちょっと頭がぼんやりするのもすっきりしそうだ。
熱中症、なんていうほどのものじゃないけど、熱いし喉は乾いてた。]
[9月1日のあたしの手は家ではよく冷えていたけれど炎天下に出せいで、だんだんまわりの温度に馴染もうとしている。
家では冷房がフル稼働していて、ほんとうは死んだあたしの身体を冷やすのに必死な8月が、9月1日にまで残りっぱなしていた。
あたしはお水を差しだした。]
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[せめて奪われるのはオレの『明日』であってほしいな、と思っている。 他のヤツらの明日が奪われるくらいなら、*いっそ*]
(90) 2019/09/09(Mon) 01時半頃
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[レイ姉の手が、つめたい、と思う。
頬が熱いから、とかではなくて、もっと冷えきった温度。
気持ちよくって、ほう、と息を吐いた。]
ありがと。
[つめたい水を買ってもらって受け取る。
さすがに水のほうが、指よりつめたい。
ペットボトルに頬当てて軽く冷やして、それから蓋を開けて中身を飲んだ。
冷えたものが喉を降りていく感覚がある。
思ったより、身体は熱かったのかも。]
[水で冷やして、中身を飲んで、一時的には身体の熱は落ち着いた。
空き地の方へゆっくり歩けば、そのうちに頬の赤みも引いてくる。
また一度、二度、レイ姉の方を見て。
生唾を飲む代わり、もう一口水を飲んで、息を吐く。]
……ねえ、レイ姉。
みんな忘れちゃったら、2日が来るの?
[聞きたかった質問を、順番を入れ替えて聞いてみた*]
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[声をかけて合流して、そのままレイ姉とふたり空き地にたどり着く。 暑いと訴えて途中で買った水のペットボトルを片手にぶらぶらさせながら。 水を飲んだせいか、頬の赤さは引いている。]
岸の姉ちゃん。 早いね。
[そこにはすでにもう、一番乗りの同盟員が待機していた>>83**]
(91) 2019/09/09(Mon) 02時頃
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[颯成が水をのんでいる間、立ち止まっていた。
9月の日差しに、道行くひとたちが照らされている。
買い物に行く人。お祭りに行く人。バス停へ行く人。
いろんなひとたちが9月1日という今日の予定を繰り返すのに忙しく、いま、ここで立ち止まってるのはあたしたちだけだった。
あたしは颯成の質問を首を横にふる。
9月1日のあたしは疑問を聞き取らない。
お祭で「あの人は死んでいるんだ」と話した時のように。
あたしはたぶん、わらっていたのだと思う。
友達と話す時に宍井澪というあたしは、笑うこともあったから。
みんなが忘れても、9月1日はこない。
あたしはそれを、どうしてかしっていた。]
[みんなが忘れても、9月2日はこない。
みんなが忘れても、あたしの『願い』には関係がない。
みんなが忘れることは、あたしの『願い』を叶えない。
だから、みんなが忘れても、あたしがあたしの願いを叶えるまで9月1日は終わらない。
或いは、あたしの願いが『叶わなかった』ということになるまでは。]
[何か聞くならば、目蓋がとけるまで焼かれ続けたあの人のほうが、向いていたんだろう。正気(というものがどういうものか、どれほどもあたしには分かっていないのだろうけど)のままのあの人のほうが、きっと。ずっと。
……そういえば「死が二人を分かつまで」を乗り越える絆みたいなドラマチックな物語を羨ましがられたことを、あたしは理解ができなかった。いまもできていない。
あたしたち二人が「うらやましい」といわれたものこと。
こうして4回目が済んでみれば、あの人は手にいれたとも言えなくないじゃない?
()()
繰り返してきたことを忘れてしまったあの男の子は、この繰り返しに馴染んでいって、イトコをどうにかしてしまったと聞いたとしても、死と生の垣根を越えて、忘れたくないような女の子とのステキな夜に、死をあじわったみたい。
溶けた金属みたいにわらってたあの人は、ステキな物語を手にいれた。
今日は、あの人の焦げたにおいを感じなかった。]
[あたしという存在のなかには、望んだ答えや聞き取りやすい言葉なんて、果たしてあるのかどうかもわからない。
あたしという存在は、もう誰かとわかりあい、分かち合い、これからを目指すものじゃない。だって死んでいる。
死んだ時点であたしの「生きる」とか「これから」とか「いつかまた」とか「来年」とか「あした」とか、すこし先の未来を行動するために作られてきた価値観は、幽霊のあたしにはちょっと大きすぎる情報だった。
だからきっと、颯成は、とても上手に聞いたんだ。]
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― 空き地 ―
[颯成と合流して商店街を歩いてきた。 途中で自販機で水をかった。 一番乗りしていたのは千早ちゃんだった。(>>83)]
おはよ、千早ちゃん。
[あたしは結構さみしがりのところや、こわがりなところがあるのだろう。もうひとりと合流できるだけで、すこしほっとしている自分を感じる。 みんなを待つ間の雑談がてら、個別メッセージで交わした話を持ち出した。]
まだ出口先輩の忘れ物の話、聞けてないんだよね。 来たら聞こうとおもって。
[合流して質問してみたら、もしかしたら教えてくれれば聞けるのかもしれないけど。いまはまだ、あたしは出口先輩の夏と繰り返しに纏わる話をしらない。(>>86)]
(92) 2019/09/09(Mon) 04時頃
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………
[あたしは愛海先輩や千早ちゃんに言われていた『他にやりたいことがある人がいれば』を思い付く。 試すのはこわい、と思っていて、まだチャットには書いていない。 文字にした端からびびって消しちゃってダメだった。]
昨日、プールで千早ちゃんさ。 『結末知ってる人が勝手に変えてもいいのか迷った』 って話してくれたじゃない?
[秋山先輩の『溺れる』という結末を、勝手に結果を知ってるものが変更してもいいのか迷っていたということについての話だ。(>>20)]
考えてみたんだけど。今日も。
あ……き山先輩さ。 今日もあたし、川に近づけないようにしたいのね。
(93) 2019/09/09(Mon) 04時半頃
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[だから、あたしは秋山先輩を多分誘ってみるべきなのだ。 あたしはどうにも、日付け毎に言い訳を探してしまう臆病者で……]
千早ちゃんて、 どんな風に勇気出してる?
[これでも、昨日泳ぎを教えたことや、この奇妙な繰り返しのなかでかけてもらった言葉が積み重なって出た言葉だった。
今日もまた、9月1日がループしていることを忘れている人がいて、あたしは会長がいなくなって、ああ、ひどい事を思ったなとさえ思った。もう『巡ってきた今日を楽しむ』資格は持っていないのかもしれなくて。
まぁ、結果楽しそうな澪先輩になれるのかはわからない。 もし興味がなかったら、あっさり断られるのだろうし。(>>0:6)
あたしは千早ちゃんと正反対で、どうにもぐずぐず逃げ腰で、気丈にいられるわけもなく、取返しのつかない大失敗がこわくてこわくてしかたない。そういうこれまでだったから、あたしはずっと憧れていた千早ちゃんの勇気の出し方を聞くことにした。**]
(94) 2019/09/09(Mon) 04時半頃
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──空き地──
澪先輩おはようございます。 大須賀もね。おはよ。
[ ひらひらと手を振りながら答える。 BBQするなら何が必要かなって、 ぼうっと考えていたところだった。
出会い頭に切り出された話>>92に、 千早はうーんと曖昧に笑って相槌を打つ。]
関係あるかはわかんないですけどね。 もしかしたら、全員の夏への未練的な、 そういうのを解決してったら、 いつかループも終わるのかなって……
(95) 2019/09/09(Mon) 09時半頃
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……思ったんですけど、 そもそも自分の未練も思い浮かばないんじゃあ。
[ どうしようもないんですよね。ってこと。
けれど、澪先輩にそれらしきものがある>>93なら。 千早は合点がいったように、にいっと笑い、
……とはいえ、勇気の出し方。なんて、 意識をしたこともなかったので、少し悩み。
それでも、たぶんこういうこと。 って答えを見つけて、口を開く。]
(96) 2019/09/09(Mon) 09時半頃
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今日声をかければ、明日声をかけるより、 1日多く一緒に過ごせるわけじゃないですか。
それってなんていうか、 絶対今すぐ突撃しちゃうのが、 1番お得じゃないですか?
[ 断られたらって?
その想定が事前にできるんなら、 多分千早は、告白なんかしなかっただろうし。]
”溺れるのが心配”なら、 目の届くとこにいてもらうのが、 絶対1番安心ですしね。でしょ?
(97) 2019/09/09(Mon) 09時半頃
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[ あははって千早は笑った。
運命を捻じ曲げるとか、そういうこと、 考えるのはいったんよそうと決めて。]
それじゃあ、本格的にBBQの準備します? 商店街で、大体のモノは揃うと思いますけど……
網? とか、炭? とか、 食材以外のとこが難関な気がしますね。 大須賀、食べたいものは?
[ 3年生たちの合流を待ちながら、 商店街にあるお店を思い浮かべ始めた。*]
(98) 2019/09/09(Mon) 09時半頃
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師範棋士 千早は、メモを貼った。
2019/09/09(Mon) 09時半頃
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― 自室 ―
[出かける準備と、願い事をしたためる準備をしてからスマートフォンを確認する。 共有事項に対して反応があったのは、澪ちゃんだけだった。 無理もない、あんな内容をワッと一気に見せられたのだから噛み砕くにも時間がかかるだろう。 私も知らない状態だったら……質問責めしているかもしれない]
(99) 2019/09/09(Mon) 11時半頃
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[まずは、会堂くんに託されたメッセージへの反応(>>70)に返信。
『会堂くんからのメッセージは伝聞の伝聞ですので私の推測になりますが 現に繰り返しの記憶が失われている人いますし、その事を示していると言っていいと思います。 ただ、【「記憶」と引き換え】にではなく【「明日」と引き換えに】となっているのが気になります。 もしかしたら、ただ繰り返しの記憶を失うだけではないのかもしれません。 そして、今日で終わらすことができなければ、おそらくはまたこの中の誰かの「明日」が引き換えとされるのでしょう』
会堂くんから送られてきた時間はおそらく、ヒナコさんと会っていたころのモノだろう。 だから、その内容は私から見れば疑うべくもなく。 ただ、引き換えにされる「明日」の意味を確認する術はもうない]
(100) 2019/09/09(Mon) 11時半頃
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[続く、ヒナコさんの事故に対する言及には、
『大きな事故なら、ニュースになっていたかもしれませんね』
と、だけ。 もしかしたら、そのことに関する記録や記憶は繰り返しの中では削除されているのかもしれない。 ただ、確認するのは受験に関係ありそうな時事のニュースだけで、友人と噂話もしない生活を送っていた私にはそうでなくとも知るべくも無かった事だろう]
(101) 2019/09/09(Mon) 11時半頃
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[お願いに関しては特に異論なく受け入れられたようだ。 藁にもすがりたいような状況だからだろう。 もしかしたら、何らかの反応がみられるかもと思ったが]
(102) 2019/09/09(Mon) 11時半頃
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[硯の上、水滴を薄く延ばすように墨で円を描く。 ヤギの柔らかな毛を使用した筆にたっぷりと墨を染み込ませ、滴る分を硯のふちでそぎ落とす。 半切に向き合い、数度深呼吸。 真っ白な紙面に、書くべき文字をイメージする。 字体は行書体で。 【9月1日が終わり、9月2日が訪れますように】 勢いを切らさず、一息で書ききる。 うん、中々達筆ではないだろうか。 後は、片づけをしつつ乾くのを待って集合場所へと向かおう。 ……ドライヤーで乾かすか。 そんなことをしているから、集合場所にたどり着くのはメンバーの中でも最後の方となる]
(103) 2019/09/09(Mon) 11時半頃
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― 空き地 ―
おはようございます。
[そんな挨拶と共に集合場所、商店街横の空き地にたどり着く。 小脇に保冷剤を詰めたクーラーボックスを*抱えながら*]
(104) 2019/09/09(Mon) 11時半頃
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師範棋士 千早は、メモを貼った。
2019/09/09(Mon) 12時頃
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― 空き地 ―
全員の夏の未練的な……?
[9月1日の真っ青な空の下、千早ちゃんは少し困ったように曖昧に笑っていた。
多分、千早ちゃんは出口先輩との会話の内容を教えてくれていて、これは『この9月1日が誰かの未練のせいで続いているかもしれない』なんてもしもの話。
もしもにしか、なりようがない。 誰も『この理由で続けているんだ』とは教えてくれないのだから、わかりようがないんだもん。
もしかしたら『誰かとつながっていたくてループをさせている』のかもしれないし、『この夏に忘れ物がある』のかもしれない。誰もそれに答えない。]
(105) 2019/09/09(Mon) 15時半頃
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