73 ─深夜、薔薇の木の下で。
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…誰か……。
どうしたらいいの。
どうしたら、忘れられるんだろう。
[それはエリアスの呟き。
薔薇の精のそれではなくて。
悲しさだけが漂う気配]
えっ、エリアス先輩……?
[突然の呟きにモリスは動きが、止まる。]
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うん、お菓子食べたりしてなー
[オスカーのまっすぐな黒髪を撫でようと手をのばす。目の前の会話には、努めて表情を変えないようにして。モリスは、サイラスの友達だ。食堂で見かけた仲良さそうな二人を思い出す]
ん、大丈夫か?
[同じ会話がオスカーの胸にも何か落としたのだろうかと窺うように]
(413) 2011/12/24(Sat) 23時頃
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…忘れたいだけなんだ。
ただ、辛い、だけ……
[シーツを握る手に力が入る。
ぽたぽたと涙だけが零れて。
答えの声に、違和感すら感じずに]
…もう、いやだ…。
[夢から目覚めさてた声は、2つ。
1つはベネットのもので、もうひとつはエリアスのもの。]
うん?どーしたのー……
[寝ぼけた声が、モリスの後を追うように問う。]
ん〜?どうしたんだろうね、この子。
[答えを返すのは薔薇の精]
随分混乱してるみたいだけど?
君達なんか言ったの?
……っ。
[聞こえてくる嗚咽。
エリアスは何を忘れたくて、泣いているのだろう。
近くにエリアスの同室のセレストがいるだけに、複雑な悲鳴が洩れる。]
…キミ、誰かしらないけど。
バイトで、とか、言っていなかった?
[モリスが薔薇の精としていたやりとりはおぼろげだったけれど、夢の中できいたのだろうと。
この少年は一体いつこの声の異様さに気付くのだろう]
バイトなら…誰とでも、できる?
忘れさせて、くれる…?
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ん、そか。
[交わされる会話。結局モリス自身の考えはどうだったのだろうと思っても、聞くことはせず。オスカーの頭を撫でていればセレストに急かされて]
じゃあ、俺は上着とってこなきゃ。
[ありがとう、とセレストに一礼してオスカーはどうするだろう?と視線を向けた。彼が残るのならば手を離して、そのまま医務室を出ようと]
(426) 2011/12/24(Sat) 23時頃
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カルヴィンは、モリスの謝罪には首を振るだけだった。
2011/12/24(Sat) 23時頃
……いいんスか。忘れちゃって。
[モリスは少し躊躇を見せると]
オレも忘れたいこと、あるし。
先輩がいいなら、『手伝いますよ』。忘れたいなら。
[セレストが放った自己責任という言葉が重くのしかかる。
それで、きっと、いい。
自分には負い目があるのだから。サイラスには綺麗なままでいてほしい。友達のまま、そのままで過ごせれば。
金で自分を売った、汚い自分にはきっと相応しくないのだから。]
むにゃ……。
[未だ夢現。2人の会話は聴いているけれど、脳みそには届いていないようで。]
……どこまで行けばいーんすか?
さすがに場所は選んだほうがいいと思うんスけど。
[モリスは少し困った様子でエリアスに告げる]
…防音室。あそこなら、聞こえない。
[逢引も、それ以上のことも]
……わかりました。
今、たまたまカギが開いてたんで、中にいます。
キミが…モリス…?
[余りに悲しみすぎてうつろになった眼は
彼を見る。
戸惑うことなくその胸元にほほをよせて]
約束。忘れさせ、て……
オレがモリスですけど、ね。
[来るなりエリアスが胸元に飛び込んでくるのを見れば、その髪を優しく撫でて。]
別に、いいですよ。オレで良ければ。
一緒に、暖まりましょうか。
|
ん、またなー
[医務室を出てオスカーとも別れ、少年も自室へと戻った。空っぽな部屋にシャワーを浴びたばかりだというのに震えガ走り、柔らかなカーディガンを着込んで髪に櫛を通せばそのまま、飛び出すように部屋をあとにした]
(454) 2011/12/25(Sun) 00時頃
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つーか、何してもらいたいっスか?
バイトですから、ご要望とあらば、何でもするっスけど。
[エリアスの耳元でこっそりと囁く。]
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サイラス、どこ行ったのかな…
[談話室をそうっと覗いてロバートがまだ眠っているならばまた退出して。先ほど(いつかは…もうわからないが)まで吹雪いていたとは思えない空を見上げた。 誰もいない廊下。いつもこうやって、空を見上げている]
あ れ
[茂みの奥、薔薇の木があるだろう辺りに見慣れた金色を見た気が、した]
薔薇に惹かれてるのかな
[唇を一度噛んで、窓をそっと開けた。濃厚な香りが流れ出す]
(462) 2011/12/25(Sun) 00時半頃
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…抱いてくれる?
[その声は、エリアスのものではなくて、
薔薇の精のものだとは気付かれまい。
元々枯れそうだった薔薇の木、求めるものは人の精気なのだ、と]
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