73 ─深夜、薔薇の木の下で。
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……いいんスか。忘れちゃって。
[モリスは少し躊躇を見せると]
オレも忘れたいこと、あるし。
先輩がいいなら、『手伝いますよ』。忘れたいなら。
[セレストが放った自己責任という言葉が重くのしかかる。
それで、きっと、いい。
自分には負い目があるのだから。サイラスには綺麗なままでいてほしい。友達のまま、そのままで過ごせれば。
金で自分を売った、汚い自分にはきっと相応しくないのだから。]
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[この腕で弟を抱きしめるのはいつぶりだろうか。 その熱が、香りが、薔薇の香が混じって。 肺に浸透する。]
…………好き、だよ。 お前が好きだ。
[ぼそぼそと、聞こえても聞こえなくても良い音量で溢れた物を言葉にする。]
(430) 2011/12/24(Sat) 23時半頃
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むにゃ……。
[未だ夢現。2人の会話は聴いているけれど、脳みそには届いていないようで。]
……どこまで行けばいーんすか?
さすがに場所は選んだほうがいいと思うんスけど。
[モリスは少し困った様子でエリアスに告げる]
…防音室。あそこなら、聞こえない。
[逢引も、それ以上のことも]
……わかりました。
今、たまたまカギが開いてたんで、中にいます。
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[受け取り方によっては、兄弟として。肉親としての言葉にもなるけれど。 込める意味は……それ以上のもの。
動く気配に顔を上げて抱き直そうと腕を緩める。 見下ろした金の合間に見上げる瞳。]
……、――!
[青と、灰が交わって。 吸い寄せられるように、そのまま顔を寄せる。]
(445) 2011/12/24(Sat) 23時半頃
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キミが…モリス…?
[余りに悲しみすぎてうつろになった眼は
彼を見る。
戸惑うことなくその胸元にほほをよせて]
約束。忘れさせ、て……
オレがモリスですけど、ね。
[来るなりエリアスが胸元に飛び込んでくるのを見れば、その髪を優しく撫でて。]
別に、いいですよ。オレで良ければ。
一緒に、暖まりましょうか。
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[青が見えなくなっても、動作はとまらない。 すっかり冷えていた唇へ触れる。 熱を移すように、思いを伝えるように。
もう雪の寒さも感じなくなってきた。 それぐらい体が熱くて、甘美な熱が回りきっていた。
何度も啄ばむ、まるで初々しい恋人同士のように。]
(452) 2011/12/25(Sun) 00時頃
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つーか、何してもらいたいっスか?
バイトですから、ご要望とあらば、何でもするっスけど。
[エリアスの耳元でこっそりと囁く。]
…抱いてくれる?
[その声は、エリアスのものではなくて、
薔薇の精のものだとは気付かれまい。
元々枯れそうだった薔薇の木、求めるものは人の精気なのだ、と]
……わかりました。
[モリスは甘いにおいに惑わされたのか、エリアス本人であるかどうかはわからずに。
エリアスの壊れそうな体をぎゅっと抱き寄せる。]
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[他の誰ともこんなにした事は無かったのに、それは不思議と飽きることなく何度でもしたくて。 そっと深く繋がりたくて、舌で唇を舐めた。
愛しくて、壊したくなくて、壊したくて。 涙が溢れた。]
(466) 2011/12/25(Sun) 00時半頃
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