47 Gambit on board
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――……。
[真正面から、焔が湖水に映り込む。
上がる口角は、話をしている最中とは全く別人のような顔。
鳥肌が立つ。
それは、恐怖や戦きでは無く寧ろ歓喜に近い。
軍に属し、戦線に立ってきた血が滾る感触。
湖水がすうと細められる。
じ、と。睨むような視線は、模擬と言うには鋭く。
ひやり、と辺りの空気が僅かに冷えた。]
[手紙の内容。
ミューズ湖で、小競り合いの発生した事。
多少敵は多かったが、南の国からではなく近隣の海賊の類いで、既に沈静化した事。
……けれどその際、兵が一人、死亡した事。
公の手立てを使った連絡。
それを管轄する者は、どこまで把握するものだろう。
目に耳に、する機会はあったかも知れない。]
バーンフィールド師団長。
もし、良ければ。
もう少し派手に模擬戦をしてみませんか。
ある意味、悪巧みとも言えますが。
国の。民の。部下の。
何より、自分の為に。
興味があれば、部屋にでも訪ねて来て下さい。
[返事は急ぎません、と。通信兵の去った後、再度振り返り、言い残した。]
[正面、射る薄灰を常の鳶色が受ける。]
[そこに、己がよく目にする恐怖も、慄きも
見られないのも、名ばかりではないと、わかる。]
[グレイシアの頬を伝う血液を凍らす冷気は
イアンにも届いており、
鍛錬し続け温まった身体に心地よいぐらい、だった。]
…………私は、模擬戦は……
[グレイシアが口にした言葉。
行わない、行う。ではなく
好悪だけを表そうと。短い言葉を落とす。
それに……]
………………
[何か、直感的に、警戒が走る言葉、だった。
大義名分になり得る要素がまぶされた言葉。
少なくても、先ほど、イアンに素直に答えさせた
その言葉とは違う気配を感じて。
その直感で感じたものを、
隠すべきか、隠さぬべきか瞬時考え
薄く、眉を寄せることで表した。
それ以上は、何か表出することはなく。
グレイシアの去りゆく背を鳶色はじっと見つめた。]
では、実戦の方が?
[寄せられた眉に、抑揚無く問う。
返事があろうとなかろうと、そのまま立ち去るだけであったろう。
模擬戦を、好まないと。言葉では聞いていたけれど、敢えてその言葉を使った。
警戒も、当然。
並べた言葉は本心であれ、詳細をごっそり省いておれば大義名分にしか聞こえなのだろう。
乗るか反るかもわからぬ相手。
今は、ただ気に留め置ければ良い、程度の声掛けの積りだった。]
[背に注がれる視線。気付けども、振り返る事は無かった。*]
[借りた手袋を手に取ったとき
持ち主のことを思い出す。
昨夜、最後にかけられた言葉には
警戒もあり、それに…………
…………ともかく、表情を変えることなく
薄灰を鳶色で見据えるに留まって。]
[何を、考えているのか、いないのか。
腹芸が得意とはとてもいえないイアンは
手袋の持ち主に関して嘆息しか出なかった*]
[ラミケシュの部屋で、ディーンとの会話を思い出しつつ、選定のことを考える。
どうやら2師団について、憂うことがあるようだ。
いずれにしろ、彼もまた、力が、この国の支えとあることはわかっているようにも思えた。
やはり、今、諸国に新帝として構えをさせられるのは、ローレンスではなくレドフォードではないだろうか、とあらためて。そして、今度あえば訊いてみるのもいい、と思っている。]
[だが、表面的には、やはり、4番も宣言していたが、ローレンスを推すものは多いであろう。
このまま、会議がだらりだらりと進むならば、そのまま、きっとサイモンが推すように進んでいくに違いない。]
――……サイモンか。
[表決をとるならば彼。報告もやはり彼がするであろう。
両殿下の支持が拮抗した場合も、サイモンがいれば、きっとそのままローレンスに流れることは間違いないように思えた。]
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― 自室にて ―
[はた、と目を覚ましたとき、太陽はどのあたりにあっただろう。 頭の芯にぼんやりしたものが残っているのを感じ、 案外とすぐ起きたのかもしれないなと思った]
二人ともさすがだな、はは、つええわ。
[数刻前まで一緒に飲んでいた二人の女性師団長に たじたじだったのを思い出して苦笑する]
ああいう凛とした強さはそうそうお目にかかれるもんじゃねえ。 下手にオンナ扱いしたらかえって失礼なのかもしれないな。
[腕をぐっと伸ばして起き上がる。 着替えもせずに寝てしまったのかと頭をかいた]
(383) 2011/03/22(Tue) 23時頃
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― 宮廷:中庭 ―
[シャワーを浴びてから着替えをする。 上着のボタンを止める指に首から下げたシルバーのドッグタグが 引っかかって、それを上着の下に押し込める。
長剣を携えて兵舎横の訓練場を覗くが先客がいた。 仕方ないと宮廷の方へ向かい、中庭へ]
………。
[剣を構えて目を閉じて呼吸を整える。 周囲の空気が張り詰めたところで目を開き、剣を振るう。
実戦とは違うゆったりした動きは剣舞。 しかしその型は帝国で広まっているものとは違う、今は亡き国のものだった]
(398) 2011/03/23(Wed) 00時頃
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……ヴェスパタイン皇子に、仕えたい。
[瞑想するような姿勢で、思案する。
会議でも述べた、本心。
直接聞いた、取るべき道の具体性。
何より、戦場を共にした際の雄々しさ。
国を護りたいと、それも嘘ではない。
けれど。
強く率いて行こうと言うものに惹かれるのは、軍人の血か。]
現状、ランドルフ皇子が優勢か。
会議で説得をするのも良いけれど。
[…武力で、意思を通す。対戦により周辺諸国を抑えようとする姿勢をなぞるように。
和平を望むのであれば。
例えば、南の大国がそう言う姿勢に出たとして、跳ね除けられなければ、ならないのだろう。]
[模擬戦と、イアンに告げた気持ちは真実自身の思っている所でもあった。
自分如き、留められなければ和平への道を行くのは難しいだろう。
ある種、試すような。
傲慢にも思える心持ち。]
[意思を、通すには。
ランドルフ皇子を強く推す者が、邪魔だろうか。
その結論は、奇しくも第11師団長と似ているだろう事、気づく事は無い。]
[具体的な動きに関しては、どうすれば良いのか、暫し深く思案する。直ぐに動くのかどうか。それはまだ決めかねている心の内に、少し苛立ちながら。]
[考えている、サイモンをとりあえずは黙らせなければならないと。
そこから、話はまた始まる。
思考は、5番のものと似ていること、もちろん、まだ知ってはいないが、同じ思考ならばサイモンを抑える行為、その時が偶然に重なるかもしれない。
その場にもし、3番もいたならば、その意向も知ることができるか。]
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[自分の周囲には軍靴が土を踏み閉める音と、空気を切る音だけ。 徐々に動きは早くなり、舞が、武へと変わる。 瞬間に纏っていた空気が放射状に放たれるかのように流れる]
……ん? 何ぼけっとしてるんだ??
[手を止めぬままにやと笑って回廊の方>>403へ声を向ける。 しばらく前から気配は察していたが、立ち去るかと思って流していたのだった]
(410) 2011/03/23(Wed) 00時頃
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ふと、首許に触れる。
ナユタの言葉で思いついたそれは、
こ ち ら 側 の送受信 だ け を 一 方 的 に 切る装置。
[ラミケシュのヴェス皇子を推す考えには、すぐに同意を示したくなるも、あえて、表情、発言には出さずにいる。]
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[返って来た若い声>>413に意外そうに眉を上げた。 しかしすぐには言葉を返さない。 前方に踏み込んで薙ぎ払うように振ったところで動きを止めたところで]
お前が生まれた頃にはもう存在しない国だぞ。 ずいぶん物知りだな。
[剣先を地面について首をならす。 張り詰めていた空気は何事もなかったかのように平常に戻っているか]
久しぶりだな。 いつだったか…オレの後始末に巻き込んじまったときはすまなかった。
[そこでやっとテオドールの方へ視線を向け、小さく頭を下げた。 戦場で無意識に能力を発動させてしまい、多くの命を奪ってしまった… その後に埋葬を頼んで迷惑をかけた覚えがあった]
(420) 2011/03/23(Wed) 00時半頃
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……やっぱり"向いていない"。
[やはり無意識で零した通信。
それは、キリシマの作った新たな装置によって遮断されたのだろうか。]
― おそらくは会議がはじまる数時間前 ―
[そして、サイモンの自室前に影が一つ、たつだろう。
いや、それは、隠れたもう一つ、そして、それを見るもう一つもあったかもしれない。
いずれにせよ、サイモンが会議を進めるならば、ローレンスに決まる。それを阻止しようと動いたものだっただろう。]
[最初に立った人物は誰だったか。3番か5番か11番か。
おそらく15番はまだ動かなかっただろう。]
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