人狼議事


240 なんかさ、全員が左を目指す村

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[それでも濃厚な負けの色に、素直に敗北を認めるのは悔しくて。
荒っぽい口付けの最中に導き出した妥協点は、あくまでシュウロの懇願を強請るもの。

抱く立場は譲っても、精神的な優位は譲らないと。]

 ほら。
 お願い…、してみてよ。

[男としての意地を込めた挑発は、シュウロの顔に蕩ける様な笑みを浮かべさせた。

それが、最大値まで引き下げた妥協点で得た戦利品だ。
女にも男にも、引く手数多そうな外見のシュウロが浮かべた、このだらしなく緩んだ笑みが。

これがせめて、自分だけのものであればという欲は脇にどけて。

試合には負けたが、勝負に勝ったのだから。
それでいいだろうと自分を納得させる。]


[欲しいと、ストレートで言わせた渇望の言葉。
解かれた指が王子様然とした外見に似合う動作でシュウロの口元へ運ばれ、噛み過ぎて紫色に変色した中指の背に触れる。

見た目のいい奴っていうのは、どうしてこういう気障ったらしい仕草まで絵になるんだと。

スクリーンに映しても遜色のない流れる様な仕草と。
伏せた瞼の下からゆっくりと現れ、自分を射抜く雄の視線に。
刺さる杭が心臓を貫いたのを知覚して、僅かに残っていた逆転への野望を完全に諦めた。

目的意識のはっきりしたこの部屋と同じ。
色気もムードも何もない。欲望に忠実で、シンプルな懇願。
それに全身の皮膚が泡立って、むき出しの欲望が想像と期待にふるりと震えてしまった。]

 全部とか、我が儘だなぁ…
 そーいうこと言うんなら、シュウロだってくれるんでしょ?
 シュウロの全部、俺に。

[シュウロの言う全部がどこからどこまでを示すのかを曖昧にしたまま。]


[背に回る腕に抵抗を示さず大人しくしていれば、抱きしめる力は背が反るほど強いくせに。
乱れた衣服を重ねあう腕の中は、存外居心地がよくて困る。]

 ………言っとくけど、今回だけだから。

[負けを認めて、抱かれてやるのは今回だけだ。
なおも引かない負けん気を発揮して、シュウロの背に腕を回す。]

 2人目が欲しいんだったら、諦めて自分で産んで。
 その時は俺が、シュウロのこと抱いてあげる。

[背に回していた手をそっと下へさげて、生地の奥にある、未開の地への入り口を指先で押す。
BL計画における最低ノルマは一組一人だったはずだ。
だからこれからの交わりで自分が孕み、一人目を生んでしまえば義務は無くなる。

それでももう一人、あるいはもう一度とシュウロが望めば。
その時は、抱かれるのは俺じゃなくシュウロの方だと。
抱きしめあったまま。
顔も見せずに言い放つそれは、それは負け惜しみとも取れる宣戦布告。*]


[右手だけで済ませるから体力が続かない、とは視線での指摘。
性交と自慰を同列に語る時点で懸念はあったが、
良くこれで他者の中に逐情叶ったものである。]

 ――――…、……今後もしなくて良い。

[だが、あの余裕が削り取られた敗北宣言が、
誰かの鼓膜を震わせた可能性は苦味を伴い、咄嗟に声が出た。
喉に絡まる味わいは大人の矜持で呑み込み直し、
数秒のラグは御愛嬌の範疇。嫉妬の味なんて随分と久しい。]

 ……認知しないまま、私のゴシップになりたくはないだろう。
 パパラッチに追われるよりは、余程マシな筈だ。

 クリムゾンの名だけは、残してやろう。

[母体を気遣うのは腕と体温ばかり。
言葉は常のように彼を揶揄り、イニシアチブを取りたがる。
腹に残した子種に慰められて、硬い床を確かな歩みで踏む。]



 社会的メスを入れる心算なら、私の事務所はクリーンだ。
 君が考えるような、百人切りなどしていない。

[言葉を選んだあとですぐさま後悔した。
回りくどい上に分り難いが確かな悋気の発露だと自覚が刺さる。
――― こんな子供相手に、である。

彼の過去に妬く己に、己を見張っておきたい彼。

言葉にすればホームコメディのそれだが、お互いに本気の内。
遺伝子の適合性と云うアドバンテージはあるが、
彼が突如突拍子もなく踏み出すのは嫌と云う程知っている。]


[流石に子を腹に抱いている間に不貞を働く男ではあるまいが、
その先など誰にも約束出来はしない。]

 ―――…兄弟を揃えるのも、悪く無いかもしれないな。

[独り言は多分な私情に塗れ、反論を聞く前に湯殿の扉を潜る。
大理石を惜しげもなく使った内装に、足元に敷かれたマット。
何処でも子作りを推奨する仕様に、
軽く頭を振ると互いのローブを剥いで湯煙に身を投じた。*]


[うっかりと黄泉の門を開いた結果、
聞こえてくるのは亡者染みた低音の呪詛。
どちらが抱かれた側かは見なくとも分かるというか、
想像と逆だったら当惑の末、現実を受け入れられなさそうで。

視線を外したまま、空を切る鮮やかさで掌を見せ、
悪意も害意も敵意もないことを示してやろう。
一方で雄の余裕を見せる遠戚は、
いつの間にこちらの名を知ったのだろう。]

 ……クリストファー・クリステル・クリストフ。

[口にした名は、約束された血族に羨望の色を滲ませる。
兄に勝てる弟はいないという格言が蔓延る通り、
Cに連なるDは別たれた今も、社会的にも圧倒的な差を生んだ。]


[隙間から滑り込んで来た寛容的な声に、
再び扉を数センチだけ開いて言い残すのは贅沢な欲求。]

 育児休暇と育児手当金も割増しで頼む。
 上司部下の好で弾んでくれるなら、
 うちのカフェを託児所風に改装してやっても良い。

[お高く留まりやがって、と恨み節を口にした父も、
無理に子孫繁栄をして何になる、と嘆いた祖父も。
いつだって、液晶画面や情報誌に載るCの遠戚に向ける目は
手から離れてしまった眩い物を見る色をしていた。

あの男が吾郎の上司だったというのは、因果律の捩じれに
リビングを歩きながら苦笑が零れてやまない。*]


[右手だけで済ませずに済むならば
それに越したことはないのかもしれないが
それをするには口を閉ざしていなければならないわけで。
その苦労を考えたら自己発散した方が余程楽だったというだけの話。]

 …言っておくが今後するつもりがあるという意味じゃないからな。

[それは抱かれるというシミュレーションを今回のことで
日常的に行うとでも思われたらかなわないという意味で、
相手の考えていることとはずれた回答だったかもしれない。

あのような痴態を晒すのは後にも先にもこの男の前だけだと思うのだが、
日常的に行ってきた脳内で経験を重ねるという精神修行も
今後する気には不思議とならなかった。

彼奴が言葉を発するまでの数秒のラグと声音に何かしら感じるものがあったが
空気の読めない思考故、訝しげに首を傾げるにとどめ。]


 世を忍んで生きる身だからな。
 そのような面倒ごとは御免だ。
 
 …別段生まれに拘りはない。

[オレ単体が特別な人間というだけで家名に誇りも拘りも特になく。
しかし好奇の目に晒されるのは御免であったが、
それより義務とはいえ男に子を産ませたという事実を
公にして彼奴の世間体的なものは問題ないのだろうか等
大人げのない大人相手に考えてやるオレはとても寛大だと思う。]

 どうだかな。
 まあ、貴様がどれほど爛れた生活をしていようがオレには関係ない話だが。

[そう言ったものの顔にはそうではないと出ていただろうが
相手が自分の少ないと見透かしている経験値にすら嫉妬を覚えているとは気づかず。
ましてこの先の己の行動にまで懸念を抱かれているとは思わない。

ただ、呟かれた独り言の単純な意味だけは理解すると
無意識に首に回した腕に力をかけた。]


[抱かせてやらねぇよ、と恥じらうように許諾した彼を、
散々抱き潰してしまったことに後悔がない訳ではない。

ディー、と紡がれた名は極上の甘さを鼓膜に届け。
ブラックコーヒー色の彼は、チャイよりも甘く舌に落ちる。
自分だけに用意された一杯にお代わりを何度も強請りながら、
注いだミルクで波紋を作り、加えた甘言で甘さを満たし。
毒されて赤く染まる器から雫が零れぬよう、丹念に愛撫して。

焦らすなんて、出来るはずもなかった。
壊さない様に性急に這い回る掌も、最後は彼の掌に落ち着く。
名を呼び過ぎて掠れそうな喉は、己の唾液で潤そう。
ずるいとむずがるなら、喉仏に口付けてあやそう。

抱き壊されたら、と瞳を明滅させて怖がる節が見えれば、
頬を掌で包み、優しく額を擦り合わせてやろう。
大丈夫。優秀なサーヴァントが、身を張ってくれるはずだ。*]*


[震える身体を包み込む両腕に力が籠る。
背を反らせながらも今度は逃げずに収まってくれるそれだけのことに、顔が緩んだまま戻りそうにない。]

 そう、僕は我が儘なんだ。
 だから、全部欲しい。身体も────心も。

[くれるんでしょ、と問い返す声に喉を震わせ。
短い黒髪の間に覗く、薄ら染まった耳朶へ口付ける。]

 勿論。
 理津が僕のものである限り、僕も全部は理津のものだ。

[欲に掠れた声で、誓いの続きを紡ぎながら。
応えるように背中に回される腕に僅かに腕を緩め、彼の顔を覗きこもうとして。

下がる指先に布地の上から誰にも触れさせたことのない場所を押し上げられ、動きを止めた。
告げられる宣戦布告。

つまり、それは。]



 ───……ねえ、理津。

 それって、もし2人目も欲しいって言ったら
 また僕としてくれるってことだよね。
 


[次への約束ということでいいのだろうか。
義務として、遺伝子の相性だけで引き合わされた。
名前以外全く知らない彼を己は気に入っているし、この施設を出ても離すつもりなんてまったく考えてもいないのだけど。

彼の口から、この先の関係が続く言葉が得られると思わずに。
実に都合のいい耳は、それだけで舞い上がる気分でまた一層頬が緩む。]


 ……前言撤回はなしだよ。


[己にとって重要な箇所だけ言質はとったとばかりに、意気揚々と。
反論する声があっても、唇で塞ぎ。
足に絡む布地を、乱暴に取り払ってしまおう。

その時抱くのは彼だという言い分も、勿論聞こえているけれど。
態とそこははぐらかし、口付けを繰り返しながら互いに身体に纏う乱れた衣服を性急に剥ぎ取り、肌を重ねた。]


【人】 親方 ダン

[此方を見上げる瞳に、重なるのは情交の最中。>>3
盛るなという方が無理だろう。

肩甲骨を伝う汗や、隆起した筋肉に懐く視線を剥ぎ取り、
詰る言葉すら、もう一度と懇願して聞こえるのだから重症だ。

キスひとつですら甘ったるい空間から抜け出た後。
寂しげな溜め息を吐き、艶かしく蠢く肢体も、
団地妻めいた思考に囚われているとも知らぬまま。>>4]

 悪い、早く戻ろうと思ったんだが……。
 自分のことは、分からないものだな。

[返答に浮かんだ疑問は、口付けで有耶無耶にしてしまおう。>>5
この歳で方向音痴を自覚しただなんて、羞恥で死ねる。

二人して寝台に沈む結果となり、体力の衰えに辟易したが、
頬に当たる柔らかな感触に、それすら吹き飛んでしまった。*]

(15) 鯖 2015/11/15(Sun) 21時頃

[彼の身体中余すところなどなく触れ、唇を這わせた場所へ痕をつけて。身体の境界線がわからなくなるほど、昂る熱を交らせながら。
楽しげに、彼の耳元で低く囁く。]

 次も、その次も。
 また抱かれたいって思わせてあげるよ。

[その胎へ子種を植え付けるのは己であることを、疑いもしない態度を崩さずに。

その裏で。
意地だけでなく彼が己を抱きたいと強く望むなら、次は拒みきれないかもしれない。そんな想いは今はまだ黙っておく。

惚れた方が負け。
それは31世紀の今も変わることのない、恋愛論。]*


【人】 親方 ダン

[─── どうにも、ネクターXを飲んだ後、疼きが治まらない。
寝台に突っ伏して体力を回復させようとする間も、
じりじりと燻る熱が項を焼くようで。

そう、双丘の奥が、妙に熱い。
他人に触れられたことのない場が熱いなど有り得ないことだが
時間が経つに連れ、焦燥は消えるどころか増す一方。

噛み散らした溜め息は歳の数を通り越し、
何でもない、と隣の癖っ毛を撫でて苦笑して。]

 そろそろ、風呂に行くか。
 バライラ因子があるから、腹を下すのはなさそうだが。

[ギシ、とベッドを軋ませて上体を起こし、
腰の鈍痛で動けない愛しい人を腕を伸ばして抱き上げる。

みしり。そんな乾いた音が腰骨から聞こえたのは、
気のせいであれば良いのだが。]

(20) 鯖 2015/11/15(Sun) 21時半頃

【人】 親方 ダン

[凌辱後と言わんばかりの格好を見せるのは、と
せめてタオルで包むようにして、体を隠してやる。

共同のバスルームでは見られてしまうが、
そこに至るまでに裸体を見せるのも気が進まなかろうと。
途中、近寄って来たモナリザに向ける視線は複雑で、
エスプレッソマシンはあるか、と問うだけに留めた。]

 ……先客は、いるみたいだな。

[着いたバスルームからは、水音と話し声が聞こえるが
ここでUターンする羞恥心はどこかに捨て置いている。

汚れた衣服はこちらにと書かれた籠に服を投げ入れ、
吾郎を横抱きにしたまま、ガラリと扉を開いた。*]

(21) 鯖 2015/11/15(Sun) 21時半頃

【人】 親方 ダン

 俺らのことはお構いなく!

[開口一番そう言い切り、いそいそと洗い場に吾郎を運ぶ。
湯加減を掌で確かめた後、膝の間に彼の体を挟む形で
背後から髪を洗い、続けて体に手を伸ばす。]

 声、潜めないと。聞かせたいなら構わないが。

[にゅるりと泡立てた掌を執拗に胸板に懐かせ、耳元に囁く。
背中も一緒に洗おうと、隙間から泡を流し込みぬるついた胸を
押し付け、硬くなってる、と突起を引っ張って意地悪く笑い。

鼠径部をゆる、ゆると撫でるのは、勿論わざと。
肝心な所に触らぬまま、はしたなくねだる声を期待して。

ずく、と後孔付近に心臓が跳ねる感覚に眉根を寄せていた。*]

(22) 鯖 2015/11/15(Sun) 21時半頃

[我が儘なんだと、自らを暴露して。
ベッドの上の主導権や身体だけでなく、心まで欲しがる強欲さ。
その男の正体が劉コンツェルンの若社長だと知れば、多少強引なその手腕にも納得がいっただろう。

そんな正体を隠し持つシュウロから、自分を対価にシュウロの全てを――身体だけでなく、心まで――得られるのなら、悪い取引ではないと笑っただろうか。

唇を奪い合っても、今はまだ、互いに名前しか知らない間柄ゆえ。
勿論と答える、慾に掠れたシュウロの声に、今はただ当然だと縋る手に力を込めて。]

 ――……ね?
       シュウロ。

[された事はやり返す主義と。
口付けられた耳朶をより桃色に近づけながら。
告げる宣戦布告と共に、慣らせば男でも咥え込める場所を指先で押し上げる。]


[交渉のための手段とはいえ、俺が産んだら自分で育てると啖呵を切ってしまった手前。
シュウロがどうしても、曽祖父にひ孫の顔を見せたいのなら自分で産む必要があるから、その時は手伝ってやろう…。
という理津の思考は微塵も伝わらず。

可愛げどころか、懐かない猫のように毛を逆立てた自分を。
この施設を出た後も手離すつもりがないシュウロの思惑を知らない理津は。
ただ、より一層だらしなく頬を緩めて機嫌をよくするシュウロに、よからぬ気配だけを感じ取る。]

 撤回も何も、抱くのは俺の方……っんぅ

[反論する言葉は重なるシュウロの唇に塞き止められ。
幾度言葉を繰り返そうとも、聞く気のない男は意気揚々と互いに待とう赤と青の衣服をはぎ取ってゆく。]


[空調が快適を維持するはずの部屋で、目が回りそうなほどの熱に苛まれながら。
一向に引く気配のない波に、ただひたすら上へ、上へと押し上げられてゆく。]

 その次もって…
 何人、生ませる気だよ…

[耳元で囁く楽しげな声に、くらりとした目眩を覚えて、片腕で目を覆う。

保有するバライラ因子の相性によって引き合わされた二人。
一回の性行で確実に受精し、子を孕むというのなら。
この男は、一体何度自分を孕ませる気だろうと。

ここへ来てようやく。
シュウロの言う次が施設を出た後を指すことに気づいて、ぐっと息を飲む。

喜んではいない。
決して…。
この先も、シュウロを独占できる可能性になど、けっして…。]



 ………へたくそだったら、すぐにでもひっくり返してやる…。

[産ませるのは自分だと、もはや疑いもしないシュウロの首へ縋る様に腕を回す。

最初の交わりがどうなったかは…。
最後までシュウロを拒まなかった理津が、その胎へ生まれて初めて受精可能な精を受け入れたという結果が物語る。*]


【人】 親方 ダン

[だっぱぁぁぁん!と何かが落ちて盛大に立った水音は、
深く考えたら負けだろうと考えないようにして。>>26
一瞬聞こえた悲鳴はキルロイのだったとか、聞かない振りだ。

どこでもマットプレイしてくださいと言わんばかりに
敷き詰められたマットは足裏と体に優しい。
すぐ脇にあったシャワーで汚れを洗い流そうと
適当な場所に吾郎を下ろすと、背中に殺気が刺さった。>>27

お楽しみ中のところ、実に申し訳ない気持ちで一杯だが、
俺だって汚れを洗い流して綺麗な吾郎を愛でたいのだ。
口にすれば、まだヤる気かよと怒られそうなので、言わない。]

 体冷やし過ぎると、子種が死ぬぞー。

[冷水を頭から被り、心頭滅却に励む遠戚へと投げるのは
他愛ない揶揄と言う名の、縁石≪超絶的鈍器≫。
認識もされないだろうと踏んでいた彼からの殺気に、
心なしか燥いでしまうのはこの身を流れる血筋のせいか。]

(29) 鯖 2015/11/15(Sun) 22時半頃

【人】 親方 ダン

 男の更年期障害か、CCC!
 良い医者を紹介するぞ、EDもついでに診てくれる!

[最初から勃起しなかったか、中折れしてしまったのだろう。
先程見た事後の光景的に有り得ない推測を立て、
ぐっと立てた親指に添えるのは慈愛に満ちた憐憫の眼差し。

お前の上司って面白いなぁと吾郎の髪をくしゃりと撫で、
冷静沈着の代名詞をかなぐり捨てて大声を張り上げた遠戚に
込み上げる笑いが止まらない。>>28*]

(30) 鯖 2015/11/15(Sun) 22時半頃

[遺伝子の相性というのは身体の相性までいいものらしい。

情事の名残で皺だらけになったシーツの上。
横たわりながら抱き寄せた腕の中で、荒い息を繰り返す彼の顔を覗きこみ。
汗で張り付いた髪を指先で避け、その眉間にあやすように唇を押し当てた。

睫毛が震えるその目元へ。上気して染まる頬へ。
そして赤く濡れたその唇へ。
緩やかな口付けを繰り返し、目を細める。]

 ……まだ抱き足りないって言ったら、怒るかい。

[大分収まったとはいえ、足を絡め。太腿へ擦りつける下肢はまだ完全に萎えてはいない。
縋るように首に絡まった腕を引き金に。
拒むことをやめた肢体を与える刺激に身悶えさせ、快楽に乱れる彼の媚態に溺れるまま、その胎へ注ぎ込んだ回数は途中から数えるのをやめた。

額を合わせた距離で見つめて、喉を震わせ。
下敷きになった腕で、抱き寄せた背中を撫ぜる。
そうして少しだけ身体を離せば、彼の下腹へと視線を落とした。]



 生まれてくるのは、男の子かな。女の子かな。
 僕と理津どっちに似るんだろう。
 楽しみだな。

[招集を受けた時は、祖父を喜ばせられればと思っていただけだったのが。
今はそこに息づいたばかりの彼の子供が、どうしようもなく愛おしい。
とはいえ、彼が産むことになった時のことを忘れたわけではない。

 ……ねえ。やっぱり、子供は君が育てるのかい?

[一度言ったた引かなさそうなのは、わかっている。
確認してから、うーん、と数秒唸って。]



 あのさ、一つ提案があるんだけど。
 理津が子供を引き取るっていうなら
 僕が、子供ごと理津をもらうってのは、どう?

 僕も仕事があるから子育て出来る時間は限られるけど
 幸い、お金だけはあるからね。
 ベビーシッターを雇えばいいし、
 それなら理津も学校に通えるよ。

[最終手段で弁護士を立てて親権争いなんてのはできればしたくない。
睦言にしては現実的で甘さが足りず、やっぱりムードの欠片もないのは諦めるとして。

今、己が本当に言いたいことはこれではない。]


[彼の空いた手を取り、指を絡めて。
顔の前まで引き上げれば、瞼を伏せ。
もう一度その指先に唇を落とした。]


 言っただろう。僕は理津の全部が欲しいんだ。
 これから先も含めて、全部。

 僕に、理津と。
 生まれてくる子の責任を取らせて欲しい。*

 


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