162 絶望と後悔と懺悔と
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……うん。
きっと、美味しかったんじゃないかな……
[少なくとも、涼平は喜んでいたように思う。]
吸血鬼が人間と一緒に居ちゃいけないの?
家族と一緒に暮らすのがそんなに悪いこと?
生きて、もう一度会いたいと思う事すら歪なの?
僕たちは……僕は、
後悔?どうだろう…。
もう、自分で決めたことに後悔はしたくないけどね。
お前とサミィが死んだら多分凄く後悔する。
[だから死なないでほしいとは伝わってほしいものだ。
きつく縛られた包帯に思わず声が出た]
って、痛ぇ……いたい、真弓。
[昔周と殴り合いして、こんな風にお小言貰って包帯巻かれたこともあったな、とふと思い出した]
─真弓が退出した後─
「しょうがないこと」
(それは都合の良い言い訳だ)
「おまーが好きだった」
(あぁ、俺もお前が大好きだよ)
[置き去りにされた折鶴、手にして見つめる。
友人が興味を示す真弓にすら、一度は嫉妬したくらいだった。
サミィが蹴り上げた腹のあざは持ち前の回復力で既に治っていたが血だけが止まらない。
真弓が部屋を辞してから暫くたった頃、
久しぶりに泣いた。声を殺して。
あの頃に戻りたい。
いつ?いつでもいい。後悔しないで済む頃に。
潰れそうな心中は始祖が始める遊戯への前菜程度にはなっただろうか*]
− 回想・出陣前 −
[ホリーが戯れから戻って来た際、血の匂いを嗅ぎ取れば
珍しいと彼女を視線だけを向ける。
だがこの場に来たと言う事は参戦すると言う意志。
彼女は傷を上回る働きを見せてくれるのだろうと
何も言わなかった]
マユミ。
褒美はまだ良いのか?
[視線はホリーからマユミに。
褒美の内容からすればまだ手に入れていないのは明白だが。
のんびりとしている様にも機を狙っている様にも見え、
まだ手に入れようとする意志があるかを確認するだけの問い]
お前への褒美が、お前の役に立つ事を祈っておこう。
[いつか祈りと言うものを知っているかと尋ねられた時の事を
思い出して『祈り』と言う言葉を口にする。
祈りとは願望を飾り立てたもの。
それ以上に違いがあるとは思いもしないからこそ。
出陣の前に、ふと訊いた*]
マユミ、お前が今祈るのは何だ?
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[―――やられた。 零にーさんが周にーさんを人質にしてる図は塗り替えられた。
あいにく僕にはそっちの方を見ている余裕はなかったし、背中に目がついてるわけでもない。 でも、耳はいともたやすく全方位の音を拾う。
敵にも聞こえてるよね。周にーさんが名乗りをあげた声は。>>175 だから、さっきより、見るからに士気の上がった顔をしてて]
………、っ!
[僕が振り下ろした脇差は敵にかすりもせず、敵が死角から獲物を振り下ろしてくる……予感。 すぐに半回転してマインゴーシュで受け止め――弾く。
ついつい舌打ちするしかない]
(248) 2014/02/15(Sat) 21時半頃
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[このまま雑魚同然の相手と小競り合いしてたら全然、目指すところに近付けない。 だけど敵はひっきりなしに向かってくる。きっとこの位置関係のせいだね。
僕と、その近くに固まってる吸血鬼をたおせば、“始祖様”を討たんとする周にーさんの助力ができるって思ってるに違いないんだ]
……、そんなにやる気なら、 先に君らのこと連れてってあげる…。
[僕は地面を蹴って左右の武器で斬りかかる。 後ろの方を振り返る素振りは見せず]
(250) 2014/02/15(Sat) 21時半頃
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零にーさん、
何を、……望んでるの。
[届かないとしてもささやかな問いを投げることしかできず]
− 回想 −
[血の匂いをさせる吸血鬼はもう1人いた。眷属の理依。
唯一抗える言葉を駆使する吸血鬼。
全てを拒否している様で、全てを大切に想っているのだろう。
数え鬼の時から変わっていないと思っているその気質は、
彼が反抗的な言葉を吐けば吐く程、
その裏を思えて笑いが漏れた。
止まらぬ血は、理依の心が流す血でもあろう。
押し込めた嗚咽は耳に届かずとも。
その心が吐く血反吐は、血の絆からか、
訳も無く父の胸を躍らせていた]
理依。お前の活躍も楽しみにしているぞ。
[理依を見れば無性に愉しく口元に笑みが浮かぶ。
その心のまま、掛ける言葉は残酷な戦いへの期待*]
―回想・出陣前―
時を待っております。
……正攻法でなければだめだ、
などと仰られるのではないでしょう?
[ 正々堂々、などという手段では、
叶うはずもないのだから、機を伺うのは当然だ。
多少、回り道をしたとしても。
父の口にする祈りは「よかれ」以上の意味は無いだろう。
しかし、その単語を耳にして小さく瞬いた。
何を祈るのか、幸いでもない平穏でもない、癒しも救いも遠く、
ならば、せめてもの]
祈りは、誰の傍らにも寄り添うもの。
……だから、それはさみしい魂への、慰めです。
……いつかその時が来たら、
お父様のためにも祈りましょう。
[わたしの為に、祈ると言ってくださったから、と*]
− 回想・マユミと −
[正攻法でホリーを斃せる等露程思っていない。
だから機を待つと言う答えは予想していたもの。
では正攻法以外でどんな方法を取ろうとするのか。
そちらの方が興味が合ったが、種明かしばかりでは
面白くないと、それは尋ねる事は無かった]
寄り添って何になる?
寒さをしのぐと言う意味なら理解は出来るな。
そう言う物理的な温もりを求めているなら判るが。
慰め等………何になる?
[今生きる命や心にも想いを馳せる事が無いのだ。
消え去った魂に何故思う事があるのか。
不可解極まると首を傾げたが]
そんな時は永遠に訪れぬ。
[祈りを奉げると言ったマユミを一笑する。
それは己の死を夢にも思わぬ傲慢さを体現した笑みだった*]
真弓。
[声は労りを載せる]
あいつには会えた?
[どんなタイミングだったかは知らない。
ただ、彼女とサミィの選択にどうか先があるようにと
どこか願って]
……貯水場の近くで。
[問われてもいないのに場所を返した。
――囁く声は、より死んだようなそれ。
まだ痛みを感じることが出来た心を、もっと殺そうとして]
……理衣くんごめんね。
みつからなかった。
[祈ってくれた幸せの行方など、どこにも]
[そして、囁く声は、ホリーに向けて。
常よりもより無感情な声音が姉の元へ響く]
……お姉様、
わたし困っております。
お父様に捧げるよい首が見つからないのです。
そちらによい獲物はおりませんか?
ありがとう、こっちにもちょうど得物が居るわ。
[そう告げていた]
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[ひとり、またひとりと。僕は相手を打ち倒していく。 そしてこっちに迫ろうとしてる長槍が邪魔だから、打ち払うみたいな動きで脇差を振るおうとした時]
……、っ!?
[こっちに何か来る! あれは……二輪自動車的な何か!?>>285 後ろに飛んで避ける僕の視界の端に、風にまかれて舞い上がる帽子が映る。仕方ないね、両手に武器を持ってたら押さえる暇がないし。 もっとも相手は]
―――…。
[こうして顔をさらす前から僕がわかってたみたいだけど。 でも僕は名乗ってくれないと……訂正、ちょっぴりまじまじと眺めないと相手が誰だか分かんなかった]
(312) 2014/02/16(Sun) 00時頃
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[――どこかで、帽子の落ちる音がした]
円、………久しぶり、って言いたいところだけど。
とりあえずさ、何しに来たの。
[円の乗るのりものの音がうるさくて、何か言ってても僕には聞こえてなかった。だから訊くんだ]
(313) 2014/02/16(Sun) 00時頃
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