187 【腐女子の】夏にゃこ【新刊です】
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[ と、そこまで言ったけれども。やっぱり恥ずかしくなったのか ]
まぁ同意の上じゃないし、そんなことしないけどね!
びっくりさせちゃったかな?ごめんね?
[ 理性を精一杯かき集める ]
[仕返しは成功したらしく、頭を抱える様に満足気。
ちょっと赤い顔のまま、風呂場から逃げ出そうとしたとき]
……見えないから聞いているんだがね。
[強引ではないが、有無を言わさぬ手が優しく身体を引き寄せて。
見上げれば、柔和な笑みがいつも通りの温かさで向けられていた。
小生意気な声で、また言葉を返して。
身体をまた離そうとしたが、今度は逃がしてもらえなかった]
ん、
[笑みと同じくらい優しく、唇が押し当てられる。
触れるだけの口付けは、少し長めに。
今度は、状況が把握できるくらいの間はあったが。
それが却ってよくなかったらしく、囁き声にかっと顔が熱くなる]
は、恥ずかしい……
君は!恥ずかしい!
[いつもなら、キスくらいでぎゃあぎゃあ言う性質でもないのに。
まるで恋愛ものの小説のような、優しい声と囁きがこっぱずかしさを煽って。
ムードを壊そうというように、大きな声で抗議してから赤い顔を両手で覆った。
甘い空気が異様に恥ずかしく、声をかけられても首を振るだけの反応だけしか暫くできなかった]
― オスカーと・理性は保てました ―
にゃっ!?
[ 恥ずかしいという声が聞こえて、ちょっとからかいすぎてしまったとわたわたしていたら、大きな声で多分罵られた。自分はオスカーにとって恥ずかしい兄であったかと、また頓珍漢な勘違い ]
え、え!
ごごごめんね?
[ ついには顔を両手で覆われてしまい、表情すら見えない。謝ってもオスカーはただ首を振るだけで。一人キョロキョロと辺りを意味もなく見渡してはどうすればいいのかと尻尾をゆらゆら。とりあえず落ち着くまで頭を撫でていようと思い至り、恐る恐るその頭に手を伸ばした ]
[頭に軽い重みがかかるも、払いのけることはなく。
ゆるく首を横に振り、尻尾をぴんと立てたままおとなしく撫でられて。
多分なにか愉快な勘違いをしているとは思ったが、訂正する気力がなかったため放っておいた]
……。
[やがて、落ち着いてきた頃。
ぺちんと彼の手を払い、胸倉を引っ付かんで顔を近付けて]
この、ヘタレ……
[一言罵倒してから、乱暴に口づけた。
歯が当たり、がちんと音がしたが、二度、三度と角度をずらして繰り返し]
……もう少し強引なら、同意してやらないこともなかったんだがね!
[ばっと身体を離すと、今度こそ風呂場から逃げ出す。
首まで真っ赤な顔は、隠しようがなかった]
[ 恐る恐る差し出した手は無事にオスカーの頭へと着地し。振り払われなかったことに心の中で安堵の息を漏らす。何度か話しかけようかと試みたが、何を言えばいいのかわからずに。毛並みの良い髪を撫で付けるだけで 、ふよふよ尻尾を揺らしていた。
しばらくすると突然。ぺちんと手に痛みがはしる]
っ!…って、え…?
[ 今振り払われた!とショックを受ける間も無く。胸倉を掴まれてからもう一度今度は間違いなく罵倒。そして ]
ん、!ふ…っ!
[ 繰り返される口付けは余りに荒々しく。歯がぶつかってガチリと音を立てた。そのオスカーらしからぬ行動に目をぱちくりさせていたが、振り払う気にはなれず、されるがまま ]
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