9 【飛入】バンドオーディション村【歓迎】
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墓堀 ギリアンは、賭場の主 ヨアヒムに頭突きした。
2010/04/28(Wed) 22時頃
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・・・寝言は寝てぬかせ、おっさん。
[ギリアンは頭突きした額を少し抑えつつ、各人の練習光景をチェックする。]
(49) 2010/04/28(Wed) 22時頃
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墓堀 ギリアンは、激しいシャウトに耳をぴくり、と傾ける。
2010/04/28(Wed) 22時頃
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・・・意外と、やるじゃねェの。
[聞こえるシャウトを扉越しにニヤリと眺めるギリアン。]
女にしては、上で・・・
[扉越しの声に重ねるのは、やはり袂を分かった前ヴォーカルの姿。仄暗いリズムを刻むベースとドラムを切り裂くような声がギリアンの脳裏にまだ、こびりつく。]
(50) 2010/04/28(Wed) 22時半頃
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・・・いや、いかん。何を考えているんだ、オレは。
[ギリアンは首をぶんぶんと振りながら自分の頭を軽く小突く。]
新しい仲間を探しに来たんだろう、オレは。
[しばしの沈黙の後に、ギリアンは呟く。]
・・・とにかく前へ進まなくちゃいけねぇんだ。 オレの為にも、ムパの為にも。
[ギリアンの眼差しはコリーンのシャウトをじっと見据えている。]
(51) 2010/04/28(Wed) 22時半頃
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[額の上にちょびっと残った髪が、頭突きを浴びて真っ赤に染まった! ヨアヒムに6のダメージ! ヨアヒムはホ○ミを唱えた! ヨアヒムの えっちぴー が38回復した。
絆創膏をぺたり。]
し、死ぬかと思ったんだヨ! この人殺し!
(52) 2010/04/28(Wed) 22時半頃
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・・・まだ生きてやがったか。
[ギリアンは寂しげな頭部が血まみれになってもなお立ち上がる肉塊に感心しつつも]
もし本当に逝っちまったら次のシングルのタイトルは『Crazy Driver(The Requiem)』で決まりだったのにな。
[でも流石に少しやりすぎたかも、と思いはしたらしいが、表情の変化は見られない。]
(53) 2010/04/28(Wed) 22時半頃
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[肩口に、何かが当たる。]
ぁー、紙飛行機?
[どうも、スタッフらしい肥満した男が飛ばしたらしい。 何気なく、折られた紙を広げて見ると、中に文字が書かれていたり]
……あたし、手品をやらないといけないのかしらー?
(54) 2010/04/28(Wed) 22時半頃
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[練習用の個室を借りて、タッチモバイルにストラップ付けてショルキーモードに。
イヤフォン越しに聞こえる音へ、乗せる声は金管楽器を思わせる煌びやかな響き。]
飛ぶ宛の無い 空っぽのピジョン 先の見えない 真っ暗なビジョン
行く先の無い 空っぽのピジョン このままじゃ誰も 飛べやしない
[アップテンポなメロディに乗せた滑舌の良い歌声。 激しいリズムに、キラキラと汗が散る。]
(55) 2010/04/28(Wed) 23時頃
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そっちの石頭の方がクレイジーなんだヨ! さすが狂人だヨ!
[意外と律儀に、氷嚢を差し出した。 一応相手の方が雇い主、ではある。]
(56) 2010/04/28(Wed) 23時頃
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・・・別に手品はやらんでもいいんじゃないのか?
[差し出された氷嚢には素直に肉塊に感謝しつつ、マリアンヌに声をかける。]
・・・手品師顔負けのスーパープレイなら、オレは大歓迎だが。
[ギリアンは彼女が口にしたアルバムのある曲を思い浮かべる。『k.w.p』。"kill with poison"の略であるあの曲を彼女がどう料理するのか。実に楽しみなのであった。]
(57) 2010/04/28(Wed) 23時頃
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そうそう、解釈的には、 Aメロは悲鳴とか嘆き、 壊れてしまった過去の流れなんだけど、 Bメロのシャウトはむしろ 自分から壊してやるぞ的な……。
[綿密な打ち合わせも吹っ飛ばすような、コリーンの渾身のシャウトに身震いする。 負けてはいられない。これは武者震い。 ちょうど、他のヴォーカル志望の歌声も届き始めていた。]
あー、やっぱり声ってすっごく魂が篭るね。 で、折角だからAメロはわたしもコーラスするから、 一オクターブ高い裏声で。 Bメロは思う存分、低音地声でシャウトでどうかな。
[キーボードパートもそれを補佐するように、最初は高く、だんだんと低く重く、けれど激しいリズムへと変換していく。]
(58) 2010/04/28(Wed) 23時頃
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えーっと、外に出てもいいかしらー?
[メンバーに一応確認した上で、車から持ち出したケースを持って屋外に。]
[コテージの裏手に回ると、少し離れたところに林が見える。 遠目だが、何本か白い花の咲いた木が見えた。]
うん、あのあたりを仮想ホールの最後列にしたらいいかしらー。
[一人で頷きながら、ケースを開く。出て来たのは、鈍く銀の光を放つトランペット。]
(59) 2010/04/28(Wed) 23時頃
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あぁ、この近くぐらいなら構わんぞ。 あんまり遠くに行こうとするとスタッフから止められるかもしれんけどな。
[マリアンヌを見送ると聴こえてくるのはプリシラの唄う『空っぽのPegion』のフレーズ。ギリアンは少し顔を曇らせる。]
(60) 2010/04/28(Wed) 23時頃
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あわや解散の危機かって、 メンバーの脱退を聞いた時も、 真っ先にこの曲が浮かんだんだよね。
破壊されたのはJapanじゃなくてGroupだったのかなって。 どうしても重ねてしまう。 音作りでぶつかり合ったり迷走したり、 そういう苦悩がAパートには滲み出てる気がしてさ。
[単音の連なり。白黒の鍵盤の上を蝶のように舞う右手。 Bパートに入ると、両手を使った重々しい和音の連打。乱打。]
でも、この曲って、 破壊と創造は表裏一体だって、訴えてる気がするんだよ。
[どうなのかな、と自分なりの解釈をコリーンに伝え。 ちらり、メンバーの方に視線を流す。 彼等の真剣な表情に触発されて、鍵盤を叩く手に力が篭った。]
(61) 2010/04/28(Wed) 23時頃
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この紙飛行機は、オーディションのスパイスだヨ! ライバルを蹴落とすために裏から手を回してもヨシ。 使い方は受け取った者次第だ。
せいぜい、頑張るんだな!
[脂肪をぶるぶる震わせていやらしく嗤うと、 絆創膏と皮膚の隙間からまたぴゅっと赤い飛沫。]
ふひひ、ひィ! 血圧が上がっちゃったヨ!
(62) 2010/04/28(Wed) 23時頃
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『このままじゃ誰も飛べやしない』、か・・・
[確かバッキングに双子の女の子が怪獣に捧げる祈りの歌を、3倍速でサンプリングした曲だっただろうか、思い出しつつも歌詞がギリアンの心を締めつけていく。]
(63) 2010/04/28(Wed) 23時頃
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んー、ちげぇな… [録音して置いた歌声を聞き返しながら、しばらく考え込んでいる。]
もっと虚飾感って言うか、裸の皇帝ペンギンみたいな…
[くしゃくしゃと掻く赤毛。 考えれば考えるほど煮詰まって困る。]
(64) 2010/04/28(Wed) 23時頃
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くうぅ〜っ!!うずうずするよー。
[指はベースラインをなぞっている。 どの曲のものなのであろうか。]
鳥羽さんも、おかしなこと寄越すよね。 なぁに、これえ?
[その紙飛行機には、彼に似付かわしくない文言。]
(65) 2010/04/28(Wed) 23時半頃
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[コリーンとお互いの意見を交わし合うと、後はお互いの職人芸だ。 憑かれたようにシャウトする彼女は、これが練習だなんて忘れさせるような迫力を十分に備えている。珍しい銀色の髪が大波のように振られる様は、ビジュアル的にも見ているものを惹き付け、自分のペースに巻き込むような不思議な魅力があった。 存在感。所詮、キーボードでは主役にはなれないと、どこかで諦めていたけれど。]
こりゃ、生半可なレベルだとこっちが影薄くなっちゃうな。
[コリーンの声をサンプリングした新しい音で、間奏も突っ走る。 機械にしか出せない、肉声では有り得ない声のような音。 幾重にも重なり、計算された不協和音を経て、もう一度サビの繰り返しへと。]
(66) 2010/04/28(Wed) 23時半頃
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[電子メトロノームの振り子の動きにあわせて、ウォーミングアップのロングトーンを始める。 ──いつの間にか、「k.w.p」が頭の中で繰り返し聞こえ出しているが。]
『皮肉の効いた歌だったわねえ、あれは』
(67) 2010/04/28(Wed) 23時半頃
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さすがに、オーディションに来るだけあって、 みんなすごいねー。目移りしちゃうよ!!
[音楽が鳴ると、体を弾ませるように動かす。 どれに合わせてか、右手の運びも激しく。]
〜♪
[能天気な彼、そして音楽と彼。 それがムパムピスがMIRACLEたる所以。]
(68) 2010/04/28(Wed) 23時半頃
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・・・いや、何でもない。
[レシーバーに当てる声は心なしか、苦しそうな様子で。]
気にしないでお前は新しいメンバーの見極めだけに専念しろ。
[前ヴォーカルであったライトニングが去り際、ギリアンだけに言い放った言葉をムパムピスは知らない。]
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事前に説明しただろ。 聞いてなかったのかヨ!
[ムパムピスの耳元に、 ぶっとい明太子のようにめくれ上がった唇を寄せて、 ごしょごしょごしょ内緒話。 他にも紙飛行機に書かれた文字に疑問を持つ者がいたら、 同じように説明していく。 相手女子限定、 さりげに頬にぶちゅっとキスできそうなくらい、 丸い腹ごとすり寄せて。]
(69) 2010/04/28(Wed) 23時半頃
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そう…そうなんだ。
[少しばかりしょんぼりした声がレシーバーから。]
さすがに、腕前じゃ差がつかないねえ。
みんなみんな、ある程度はすごいなあ。
その人自身を見て、一緒にやっていきたい人を決めよう。
一緒にMIRACLEを起こせそうな人を。
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−練習室− [たこ焼きを感食後、紙飛行機を回収。 そして現在は]
さて。
[片耳だけイヤホンを耳に突っ込んで、MP3で該当の曲を流しながら 幾らか手探り気味に弦の上に弓を滑らせる。 ペンや髪、楽譜とか、そう言ったものは何もない。けれど聞いていれば解るはずだ。 「Grandfathers dance, Earth flies the sky」。 この曲にちゃんとあったメロディになっているのだということが]
(70) 2010/04/28(Wed) 23時半頃
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[理科の授業で出てくるような歌詞。その歌の流れた映画の主役であった怪獣たちは、高度成長期の負の遺産とでも呼ばれるべき存在だった。或いは環境汚染の権化とでも?]
『でも、「k.w.p」の毒は──多分そんなあからさまな毒じゃないのだわ』
(71) 2010/04/28(Wed) 23時半頃
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うひゃぁぁぁあ、クチビルゲルゲぇぇ!!
[さすがに、鳥羽に驚いた。]
(72) 2010/04/28(Wed) 23時半頃
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墓堀 ギリアンは、よろよろした歩調で喫煙所へと向かっていく。
2010/04/28(Wed) 23時半頃
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これに懲りたら二度と「役職」は忘れないことだヨ!
[一番懲りてないのはこの醜い肉塊だった。]
(73) 2010/04/28(Wed) 23時半頃
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修道士 ムパムピスは、完全に涙目になっている。
2010/04/28(Wed) 23時半頃
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[生暖かい吐息と、 ちくりと刺す顎鬚の感触を、 ムパムピスの耳朶に残して、 ヨアヒムは悪夢を振り撒く権化と化す。]
(74) 2010/04/28(Wed) 23時半頃
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