65 In Vitro Veritas
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人
狼
墓
少
霊
全
[自分は、大きいヨルを壊した。
そしてヨルを取り戻した。
他の皆も、等しく大事で。
だから守る為に。
壊される前に。
壊すことは、厭わない]
[ただ、あの時壊すのに使った刃物は。
コーダが、どこかに仕舞ったから。
今度は、コーダがあれを使いたいのだろうかと。
そんなことを、考えて]
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>>304 [投げた言葉に、クローンが何を考えているのかは、わからない。 本質が同じもの、だとしても個体としては違う。 そんな抽象的な言葉が通じるようには思えない。]
ん?
ああ……そう、ヴァイオリン。 これで音楽を作るのが、俺の仕事。
[>>318 投げられた問いかけにケースを開こうとした手が止まる。 先ほどの牧野の言葉>>283 向こうはこちらを知っていたらしい、 クローンはそれは的確に会話の要因を捉えた質問をしてきた]
……それは説明が難しい、な。 君達には家族、というものはなさそうだし。
[恐らく、簡易に説明する言葉を知っている。 だがそれを口にする気にはなれない、 兄とはつまり“コーダ”にとっての“ニーナ”だ、と]
(327) 2011/09/29(Thu) 23時半頃
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[>>288 「知らなかった」という牧野の言葉、 それに、たとえば憤りのようなものを感じる権利があるのか、 といえば、否だろう。
何も疑問を感じなかったのか。
言葉にしようとした問いは、自分自身にも向けられる。 自我をもって動く存在が、家畜のように管理され、 部品として扱われている。それが問題であるとしたら、 眼を覚まさぬままのクローンであれば、部品として扱ってよいのか。
考えるつもりなどなくても、考えてしまう]
(333) 2011/09/30(Fri) 00時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/09/30(Fri) 00時頃
[この先、クローンと呼ばれる自分たちの中で、
一番最初に、あの映像のようになる者。
やっぱりそれは赤毛だろうと思う。
そして、移植できる人物もここにはいるらしい。
しかもそういう場所、であるらしい、ここは。]
赤毛のこと、守らなくちゃ…。
[赤毛は大きい、だから、オリジナルのその人も近寄ってはいないけれど、大きいのだろう。
その人を壊すためにはどうすればいいだろう。
ああ…。
そういえば、聴いたことがある。
クローンの中にもイタンシャがいたと。
自分の身体を壊すペナルティ、犯すものがいたと。
首にひもをつけて、ぶらさがったらしい。
そしたら、動かなくなって…
そんな年長者の話。]
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[考えながらも――個としては違う存在である、 そのはずの自身のクローンを、まだ自分と切り離した 一つの存在として見ることは出来ない。 自分の延長線上にあるもの、としてしか認識できない。 その欺瞞には気付かないまま、ヴァイオリンケースを見る“コーダ”へ視線を向ける]
見てみるか?
[ケースを開ければよく磨かれた濃い飴色、 なだらかなその曲線は初めて見る者にはどんな印象か。 弓に塗る松脂の匂い、背筋の伸びるような]
まあ、こんな場合じゃないんだけどな。 ……この辺、今誰もいなさそうだし、いいか。
[言った傍から、牧野とリーネが現われることになるのだけれど]
(354) 2011/09/30(Fri) 00時半頃
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[弓を構える、ひとつ息を吐く。 それだけで世界は、この薄暗い暗鬱な場所から切り離された。 目蓋を伏せる、濃い影の眼元に落ちる。 口元は薄い微笑の形になる、 音に触れる幸福のにじみ出るように。
雨宮セシルの音の評価は、聴く者によって大きく分かれる。 その音の響きを、クリスタルのようだ、という者もあれば、 氷のようだ、というものもある。どちらも透明で、寂しい。
ゆったりとした舞曲の旋律は、G線1本で奏でられる。 天に昇っていく伸びやかな音。 柔らかに空間を満たしていく澄んだ響き。
――もう失われてしまった音がある。 重ならないハルモニア、音の評価は酷く正しい]
(355) 2011/09/30(Fri) 00時半頃
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― 一人になったとき ―
[映像を思い出す。
そして、ニックの言葉も思い出す。
そう、壊す前に、壊す、そんな気持ちがないといけない。
オリジナルは、きっと、
それでも、何かあれば、クローンが死ぬのはしょうがない、と思うような気もするから。]
[なんてきれいなんだろうか。]
[ああ、なぜ]
[自分は、彼じゃないのか。そんな、そんなことを]
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[透明な輝きを宿す、旋律。 天上を描き出す音は、けれど空を知らぬ者に、 どう聴こえるのかはわからない。
甘みを帯びたけれど切ない弦の響き、 その余韻を残さず音が消えるまで、瞳は伏せられる。 ずっと重ならない音を聴き続けて。]
――……、
[向けられた眼差しに、再び青灰が映る時、 それは遠く切り離された世界から戻ってきた者のように、 ――夢から覚めた者のような色で、呼吸をひとつ。
クローンも楽器に関心があるのかもしれないけれど、 触れされるつもりはなく、元の通りに納め直して。 それから、>>366 “コーダ”のその様相に気付いた]
(371) 2011/09/30(Fri) 01時半頃
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[思ったことがある。
それは、圧倒的な、差。
ニックはああいってくれたけど、
自分は、この音は壊せない、と思った。
壊したい。とても壊したい。
なぜ、自分はセシルではないのか、
そう、
壊せない。
それは、セシルのほうが優れているから。]
[自分は、もし、その音が失われるのであれば、
壊されてもいい存在なのかもしれない。
それは、本当に、
悲しすぎる劣等感。]
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[>>370 面に現われている感情は、酷く素直なもの。 鏡のようだ、と思ってしまう。 少しだけ、奏でたことを後悔、した。]
……大体、 君の聞きたいことは答えたかな?
俺にとっては仕事だけど、 他の人にとっては遊びみたいだものだから。
そろそろ下の様子を見てくるべきかな。
[大丈夫か、とでも言うように、 その硬直したままの顔の前で、ひらり、と手を振る。 白くしなやかな――“コーダ”とは違う指先]
(376) 2011/09/30(Fri) 01時半頃
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セシルは、傾ぐ体に、驚いて腕を伸ばす。
2011/09/30(Fri) 02時頃
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[触れた肩、腕に体重はほとんど伝わらぬまま、 “コーダ”はその場に膝を曲げて沈み込んだ。 小さな震えは見えたけれど、それが何を意味するのか]
……気分が悪いのか? なら、少し座って休んでろ。 病院だから、横になる所もいくらでもあるしな。
[とりあえず今度は立ち上がらせる為に、手を差し伸べた。 震えは――単純に身体的なものと解釈された、 彼の中で何かが起こっていることなど、知らない]
(382) 2011/09/30(Fri) 02時頃
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[それは、歪んでいく。]
[そう、こんな目に合うのは、
こんなオリジナルに激しい劣等感を持つクローンは自分だけで十分だ。]
[そう、規則正しい生活。
何も知らずに仕事をして、
そして、話して、食べて、眠って…。]
(ニック
自分も彼らを壊すよ
そう、オリジナルを知ることは、
クローンには絶望だ。)
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[ゆっくり伸ばされた腕をとりあえず引き上げる。 雨宮セシルにとっては、ごく普通の行動だ。 それから、誘うようにスタッフルームの奥へと視線をやる。 どこでもいいから座ってればいい、と]
――………、
[視線を巡らせれば、いつの間にか。 牧野とリーネの姿があった、隣合って座る。 今はそこに穏やかな空気があるのを知れば、 双子のように見えて――自分と彼もそんな風に見えるのかとふと思った。]
じゃあ、俺は下見て来るから。 あ、……あれには触るなよ?
[ヴァイオリンケースを示してから、背を向けた]
(384) 2011/09/30(Fri) 02時半頃
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セシルは、そのまま階下に下りれば倉庫の方へと向かって
2011/09/30(Fri) 03時頃
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[ここに飛ばされてから、どれくらい経ったのだろう。 アナログの時計のことを思い出したけれど、 時間を見るのを忘れていたから、役にはたたない。 午前か午後か、外が見えなければそれもわからず。
地下2階に降りれば、 漂う血臭のことを――彼女の亡骸を思い出す。 時を意識して、感じたような気がした空腹は、 胸につかえるような気分の悪さに飲み込まれる。
うつくしい音の世界から、 現実は酷くかけ離れている。
―――これが罰であるのなら、 裁かれるべき罪人はヨーランダの他にもいるのだろう。 ぼんやりと、そんな思考が過ぎった**]
(393) 2011/09/30(Fri) 03時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/09/30(Fri) 03時半頃
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