73 ─深夜、薔薇の木の下で。
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あんまりこの子、からかっちゃだめだよ?
血圧あがっちゃうから。
[くすくす。お邪魔虫はいなくなったけど]
君はまだ、耐えられる方?
それとも、この子に触るのは、好きじゃない?
[揶揄っちゃ駄目と言われても、止まらないのがこの男。
しっかり揶揄って、顔を寄せるのは、耐えてる訳でなく、その逆。
エリアスはノックスのことを嫌っているが、
その逆はそうではなくて。
それでも、キスをしたいかと言われれば、
否というのは通常時では即答なのだけれど。
――……身に穿たれた棘は、
確実に欲望という名の根を張っていた。
それは、抗えないほど。]
[合わさる唇と唇。
そこからじわりと毒が染みいるように、広がる熱の感覚。
初めての筈なのに
嗚呼、この感覚を知っていると思った。]
つーか、さっきから、何してん、スかぁ……
[廊下を歩いている時にも聞こえる、秘密の密会の様子が聞こえて。
ベッドの上で独り、呟く。]
…ゴチソーサマ。
君、なかなか下手だね。
[からかい半分に。
エリアスだってうまいわけないのだけども。
それでも薔薇は、少しその精気を吸い取ったよう]
うげ、なんかくる、しい……
[モリスは締め付けられるような苦しさに、ズボンのベルトを外す。]
俺のファーストキスがぁああああああ!!!
[モリスに答える訳でないけれど、
薔薇の声ではしっかり叫んでいたとか。]
下手ってしょうがないじゃんかーはぢめてなのにっ。
俺は、やればできる子なんだよ!!!
[ちょっと打ちひしがれて、ピントの外れたことを言った。]
だったら、やってみればよかったじゃない。
この子だって多分ファーストだよ?
[くすくす。幾分か元気になった薔薇の精はからかうことが仕事のように楽しそう]
君も混ざる?
[モリスの声には誘いの声]
ノッ、クス先輩……
[ノックスの声が聞こえるのは、幻聴なのか現実なのか。]
キスって、マジ、何やってんスかぁ……
[自分の意志とは裏腹に右手は自らの下半身へと伸びていく。]
オレも混ざれって、どうするつもりっスか……
[得体の知れない、誰かとノックスの行為。
モリス自身もはじめての行為でも無いのに体は熱を帯びていく。]
違うんだよー、エリアスでエリアスじゃないのに
俺の唇奪われたんだよぉ。
って、混ざるって何?これ以上ナニする気?
[2人の会話に、プチパニックっぽく騒ぐ。
ナニっと言って、聴いて知っているあれやこれやの知識が、
ぼふんっと脳内で開花して、頬を赤らめた。]
なにって……動物でいうとこの、交尾?
[あっけらかんと言い放つ。
セレストに見られて、エリアスの精神がめっちゃ混乱してるのをよそに、物凄くしらじらしく口にした]
精気を貰うのはそれが一番なんだけど?
[取り付かれた相手が悪かった
多分エリアスがしらふにもどった時にこんなことを聞かされれば、卒倒したままぽしゃってもおかしくない]
オレは……マジでダメっスよ……
[モリスは呻くような声で呟く。]
オレみたいな、汚い人間、なんて、ダメっス……
[モリスは何かを振り払うかのように、汗ばんだ右手をベルトとズボンにかけると、もう一度ズボンとベルトを着け直す。]
汚い?そう。君は汚い人間なんだ?
どこがどう汚いのか、僕はわかんないけど?
…僕はそんなの、気にしないけど。
[薔薇は寒いだけ。傷を癒したいだけ。
薔薇に思いを寄せる人間に、汚いものなんてそうはみない。
花の美しさをたたえてくれる人たちだけ]
君達が薔薇を綺麗といってくれるように
薔薇からも君達は綺麗なんだよ?
あれ?あの子、怒ってるのかしらん?
[セレストの様子に薔薇は首を傾げて呟いた]
かわいい子だね。あぁいう子からも、貰いたいなぁ。
さっきの小さな子も面白そうだし。
[悪気のない子供のような呟き]
交尾って、なんだか響きに浪漫がないなぁ。
[ぽっと赤くなりながら、妙な所にこだわりを見せる。]
うーん、薔薇ちゃんの望みは精気を得ること?
枯れそうっていってたから、そうしたら枯れない
……のかな。
でも、俺、愛の営みっていうくらいだから
それは、恋愛として好きな人としたいなぁ。
ちゅぅは、またしても、いいかもしれないかもしれないけど。
[モリスが汚いとかなんとか言っている裏で、
ぼそぼそもそもそ何か言っていたのは、
エリアスの保護者が来る前くらいの話。]
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[相手に返すように名前と学年を口にして、今更ながら目の前にいるのが先輩であることに気がついた。中等部生に見えたわけではなかった。基本的には先輩と思っている相手には丁寧な口調で話しているけれど、でもこのままでいいと、不思議と思えた]
うん、またね
[ひらり手を振ってセシルを見送った。その間も窓に触れた手は冷えるばかりで、その温度の変化だけが時間の経過を教えてくれた。
ひとつ、ふたつ瞬きして、なんとなくセシルと反対方向を選んで一歩踏み出した]
(217) 2011/12/24(Sat) 00時半頃
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なんていうのか、知らないもの。
それに…今さっき知り合ったばかりの僕らに、
恋愛とかそんなもの、あると思う?
僕は君達も嫌いじゃないだけだよ。
薔薇を好いてくれる人は皆好き。
…人間は、交尾をなんていうの?
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[何処に行こうか、と考える。食堂を後にする際、耳に飛び込んだ甲高い音がよみがえってきた。少しぼうっとしたところのある同室者は怪我でもしなかっただろうか。彼の周りに人が沢山集まっていたから、特に戻ることはしなかったし、気に留めていたつもりもない、けれど。
言い訳めいたことを考えながら足は勝手に医務室へと向かい、それに気づけばまた無意味に角を曲がり、目的地を決めなければ!と立ち止まった所で鮮やかな色彩が目の端を通り過ぎ
とん、と柱との間をつめた]
あ、の
[名前は知らなかったけれど、肩にのせた鳥が持つ"赤"が薔薇を思い起こさせて。元々見かけるたびに触ってみたいと思っていたから、声をかけてしまった。彼がどう思っていようと、あの色彩は、どうにも目立つのだ]
(225) 2011/12/24(Sat) 01時半頃
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……やべ。くるしい。
[級友を見た途端に、薔薇の香りが強くなって。
微かな声で、悲鳴を上げる。]
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えと。ううんなんでもない、です。
ただ、それ
[肩にとまる鳥を指差して]
触ってみたいな、って思ってたから。 薔薇と同じくらい真っ赤で
[薔薇、と口にすれば馴れたと思っていた香りがよみがえってきて]
(228) 2011/12/24(Sat) 01時半頃
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[軽く食まれた指の痛みは、棘に触れるのと似たようなものだったか。飼い主(と少年が認識している)の言葉は痛みを伴わずに、それでもまっすぐに飛んできて]
拒絶されるよりは、きっと
[薄く笑みすら浮かべて問い返すように首を傾けた。彼はどちらを好むのだろうか、と。そして指していたのと反対の手は、赤に触れようと伸ばされて]
(233) 2011/12/24(Sat) 01時半頃
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……うん
[思ったよりも柔らかな羽を撫でながら、笑みは消して、でも確かに頷いた。相手が、彼が少年に苛ついていることはわかっていた。最初から、わかっていた。わざと、というわけでもないが。好きになるのも、好かれるのも、面倒で、怖いのだ。
それでも拒絶されるよりは、触れてくれと、願ってしまうのが弱さで]
(238) 2011/12/24(Sat) 02時頃
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ねえ 触るの嫌ならさ
[つい崩れた口調、「やらなければいい」と続けようとした口は、一度結ばれて、右手は羽毛から離された]
俺が触ってあげようか?
[もう一歩、隙間を埋めるように踏み込んで頬へと手を伸ばす。冷え切った指は、かすかに震えていた]
(245) 2011/12/24(Sat) 02時半頃
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ね、目閉じていいの?
[わざとらしい含み笑いのような声音をつくるは、多分出来心。怯えを滲ませた綺麗な翠が隠されたことに不満を感じて、ほんのすこし踵をあげ]
本当は 俺なんかに触りたくないんでしょ
[嫌がらせのように頬に噛みつこうと、口を開いたまま顔を寄せて]
(250) 2011/12/24(Sat) 03時頃
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[姿勢を崩した彼の頬には、薄く血が滲んでいただろうか。視界にうつる赤が記憶の中のそれか、現実のものなのか判然としない]
俺もわかんない、よ
傍に行けないのに 寒いから 誰か、傍にいてよ
[わめき声は虚勢をはがし、少年の声はすがるようなものに変わり けれど頬に伸ばされた手は噛み痕を抉るように爪をたて、引き寄せた]
(256) 2011/12/24(Sat) 03時半頃
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あんたがさ、選ぶ立場にいればいいんだよ。
捨てられたなら、あんたが捨てればいい。
[言葉とともに指の力は強くなり、より痛みを与えただろう]
俺、は
[そうしてきたつもりだったけれど。くらくらする。薔薇の香りが全てを覆い、また露にして]
ごめん、なさい
[指を離し代わりに唇を寄せた。気がつかれたら逃げられるだろうけど、これだけは絶対、嫌がらせではない**]
(258) 2011/12/24(Sat) 04時頃
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[エリアス自身をよそに、薔薇はくすりと笑う]
いいねぇ…青春ってやつかな。
でも悪いことしちゃったみたい…
[別に人が憎いとか、そんな感情は欠片もなくて。
自分が見つめてきた生徒達が、皆かわいいだけのこと]
…ねぇ、君は…薔薇のトゲ、なんともないのかい?
[ノックスとの会話からは、モリスの心情までは汲み取れず]
薔薇のトゲは君に何もささやかない?
……やべ。やっぱり苦しいわ。
[サイラスに顔を覗きこまれた時。そして、その体でベッドに押し込まれた時。
明らかに胸が苦しくなった。]
もしかして、これって、オレ、サイラスの事を……
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