64 色取月の神隠し
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うん?朝と一緒に、戻るのか?
[童女に尋ねる声は優しい。]
確かに朝顔一人だと心細いかもしれんよなぁ…
なら、朝と夕、しっかりと見送ろうか。
俺か芙蓉が見送れば迷わないだろう。
ほな、夕顔のお友達の朝ちゃんいうんは、
夕顔が連れて行ってあげるんが一番ええやろね。
夕顔は一緒に暫く向こうに居てもええし
またお友達探してもええんちゃう?
向こうにもこっちに来てへんあやかし
ようけいおるしなぁ。
退屈はせん思いますよぅ?
うん。だって、朝が迷ったら困るから。
[辰次の声に、こくりと頷く。
優しい声に、童女の顔に笑みが浮かんだ]
お団子もね、あるの。
一緒に食べようと思って、とってあるの。だからね。
[ごく嬉しげな声が返る]
ん……それならそれでええ思いますよぅ?
あやかしはこっちのお祭りはそう知らへんからねぇ
二人でこっちの楽しいお祭りを作ってみても楽しそう思うんよぅ。
こっちのお祭りより大きなお祭りにしたら
きっと楽しいやろうねぇ
お友だち……お里にも、いるかなあ。
[ほんの少し、自信なげに声が揺れる
それでも志乃の優しい響きと、何より朝顔の存在に頷いた]
お祭りだから。きっと、にぎやか。
[これからも。そう言って、笑う]
せやなぁ。うちはあんまり奧まで送るんに向いてへんし、奴延鳥さんも身体不自由なところもあるみたいやし。
龍っつぁんと芙蓉さんなら千里も駆けようなぁ。
お二人共よろしぅ。
夕顔もここから向こうにうちの音色届けるからなぁ。
楽しんでおいでよ。
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う、うん。 旅籠屋に、お部屋取ってるはずだから。 ちょっとそこまで、手伝って、ね……?
[と、一平太にお願いする。 娘からすると抱える側になったのは初めてで、恐る恐るといった風にその場から歩き始めた**]
(133) 2011/09/15(Thu) 01時頃
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そうだねえ。
人間には慣れない道だろうけど、
朝顔って子も、夕顔が一緒なら、怖がりゃしないだろ。
辰次もあたしも、ここいらで迷うこたあないし。
いいよ、あたしらで送って行こう。
武家の娘 沙耶は、メモを貼った。
2011/09/15(Thu) 01時半頃
団子か、いいね。あとで俺も探してみっか。
里にも仲間はいるし、夕顔たちが寂しくないよう、ちゃんと土産を持って帰るよ。
[土産と呼ばれるのが、食べ物か玩具か、はたまた人間か。
内容については触れぬまま、くすりと笑う。]
団子……ああ、団子ね。
あれは旨いよ。
[ぺろり舌なめずりをして]
夕顔も、あっちでのんびり食べるといいさ。
朝顔と一緒にね。
大きなお祭り……?
[きょとんと大きな目を瞬いた。
志乃の言葉に、笑みが少し大きくなる]
うん、……楽しそう。
[音色届けるとの言葉にも、嬉しそうに頷いた]
さあて、じゃあ、支度ができたら行くとしようか。
ああ、急ぐこたあないよ。
他の人間たちともね、ちゃあんと挨拶しておいで。
またきっと、会えるだろうけどね。
ありがとう、芙蓉のお姉ちゃん。辰のお兄ちゃん。
お土産嬉しいな。
お祭りやっぱり、楽しいの。
[こうして同胞と新たに語らうのもまた、祭りならでは]
───楽しみに、してるね。
…この先、ね?だいじょうぶ、迷わないよ。
[見送ってくれた妖たちに囁きかける。
振り向いて頷いた、それが最後]
[身体が微睡めば、霊魂だけが彷徨い夕顔を見送ろうと馳せ参じる]
ごめんなぁ。
身体は箏からそう離れられへんから、こないな格好で。
嗚呼、やっと夕顔の姿を見られたわぁ。
ほんに可愛い姿やなぁ。
また逢えるやろうから、さようならは言わへんからな。
気ぃつけて行っておいでや。
嗚呼大事なお団子すぐ食べるわけに行かんやろ?
これ、沙耶にもあげたんやけど、夕顔にもあげような。
[小さく色とりどりの金平糖の入った袋を彼女に手渡した。やがて霊魂が奏でる誘いの音が夜の風に乗って征くだろう]
ああ、ちゃんと朝顔と会えたんだね。よかった。
ふふ、本当にそっくりだ。
気をつけていくんだよ。
あたしらがそっちに帰ったら、また遊ぼうじゃないか。
――またね。
わあ……やっぱり、志乃は綺麗。
あの音色みたい。
[ひとつの目が、志乃の姿に輝いた。
手渡された金平糖を大事に仕舞って、嬉しそうにおかっぱの髪を揺らす]
ありがとう。朝と一緒に大事に食べるね。
うん。行ってくるの。
…また、楽しみにしてる。
[再会の約束に頷いて、たおやかな音色に目を細めた]
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