17 吸血鬼の城
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――…私の望みは『自由』ではなかった。
けれど、後悔はしていません。
これは私が望んだ事だから。
[兄と慕った魔性の聲は女の耳には届かない。
それでも時折女は語り掛けるように独り言ちる]
ねぇ、お兄様――…
貴方の『望み』は叶いましたか……?
貴方は今、しあわせですか……?
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[銀の首輪がしゃら、と鳴る 其れは黒猫に誂えなおしたもの。 死闘の果てに漸く首に輪をつけた時のことを思い出す。 酷く憤慨した様子で、暫くは傍に近づくのを警戒していた。
其れも今となっては昔の話。 猫は気まぐれに傍へ近づき、足元にまとわりつく]
……構ってほしかったのだろう、ロビン 散々放っておいたからな……おもうさま貪るが良い 誰もお前を咎めはせぬぞ。
[ただ数年しかもたぬ生き物だと、知っている。 言葉のわからぬ獣 黒猫の添えた彩に、其れでも今は穏やかな時が流れていた**]
(141) Ayame 2010/06/28(Mon) 21時半頃
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[あれから10年。 ぬるま湯の中に居た城主はまた、宴を始めると傍らのベネットに告げた]
もう、あれに招待状を出した。 ……今更止められぬぞ?
[薄笑いを浮かべて、闇色の魔物は窓へ手をかける。 城を覆う深い霧は、再び開かれた。 招待状は一通。 さて、招かれし客は幾人か。 窓辺で転寝をしていた黒猫が、ぴくりと耳を尖らせ視線を上げた]
(147) Ayame 2010/06/28(Mon) 22時頃
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嗚呼――…お前も気付いたか? しかし、心配はいらぬ。
あれは、私の招待客だからな。
[護衛でもする心算なのか 其れとも単純に己のテリトリーに入り込んだ異物に反応しただけか。 未だ森の中にあるひとの身に気付き、口元が弧を描く]
……随分と……様変わりした ヘクターも、そうだったが……
(148) Ayame 2010/06/28(Mon) 22時頃
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[にゃあと小さな声で猫が鳴いた。 城主は同属へ向けて首を振る]
いや、出迎えは私が行こう。 あれは、硝煙の臭いを纏ってきたようだ。
[姿の変わった彼に、成長した子供が気付かぬ可能性もある。 出来ることならば優雅に美しくことを進めたい]
猟銃は最初に効かぬと教えてやろう。 其れから眷族を紹介して――…嗚呼、其の時の反応が楽しみだ
[血の色をした瞳を細め 城主は久方ぶりに血が滾るのを感じていた**]
(149) Ayame 2010/06/28(Mon) 22時頃
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ランタン職人 ヴェスパタインは、小悪党 ドナルド気にするな。誠意は身体で示してくれれば問題ないぞー
Ayame 2010/06/28(Mon) 22時頃
[薔薇は微笑った、男の愚かさに]
――嗚呼、 ああ……
実に、実に愚かしいことですね。
それが貴方の語る 愛 なのですか。
[声をあげて薔薇は哂えば]
―――欺瞞もここまで限度を越えれば、笑うしかありませんね。
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